iOS初のDX7互換音源、KQ Dixie
まずは、KQ Dixieでどんな音が出るのか、どんな操作が可能なのかを雲英さんが作ったビデオがあるので、これをご覧になるのが早いと思います。
パット見、シンプルな画面だし、DXiのようにDX7のデザインを踏襲するものでもありません。でも、起動するとまず登場するedit画面の左上でアルゴリズムが選択でき、6つあるオペレータの状態や各エンベロープが表示されます。
変更したいパラメータをタップするとポップアップが現れ、ここでいじることができる
これで基本的なDX7のパラメータ類を動かすことができ、画面上のキーボードで演奏することはもちろん、iRig KEYSなどLightning接続のUSB-MIDIキーボード、またmicroKEY AirのようなBluetooth接続のMIDI(BLE-MIDI)キーボードを使って演奏することも可能です。
MIDI周りやオーディオバッファサイズなどの変更もできる
左上にはfilter、その下にはdelayと、DX7にはないパラメータも存在するのです。FM音源はオペレータからオペレータへモジュレーションをかけて音色を作るのですが、どんな音が出るかなかなか予想がつかないのが難しいところ。でも、KQ Dixieでは最終段にフィルターが入っているから、アナログシンセ的な音作りも可能になっているんです。
paramボタンをタップすると、DX7には存在しないパラメータも用意されている
このフィルターには音を歪ませるためのオーバードライブ機能もあるし、さらに下のdelayではフィードバック付きのディレイがかけられるため、エフェクトとしてかなりいい感じで威力を発揮してくれます。そのほかにもDX7と同様にポルタメント機能が使えたり、グリッサンド機能をオンにできるなど、楽器としていろいろと使いやすくする機能が用意されているのです。
またこのKQ Dixie、デフォルトでは雲英さんによるオリジナル音色が32音色用意されているので、まずはこれで楽しむことができますが、やはりやってみたいのは、ネット上などにあるDX7音色ファイルの読み込みです。
Dexedに入っているsyxファイルをまとめて、iTunes経由でKQ Dixieへコピー
もっとも簡単なのはシステムエクスクルーシブデータを1つのファイルにまとめたDX7用の音色ファイルデータ、syxファイルをiTunes経由でKQ Dixieに渡すことです。たとえば、オープンソースの音源Dexedの中にも、たくさんのsyxファイルが収録されているので、これを取り出し、iTunesを通じて、KQ Dixieのアプリのところへドラッグ&ドロップで送ってやります。
Dexedからコピーした音色を読み込むことができる
Audiobus2でもAudiobus3でも利用することができた
GaragebandのEXTERNAL機能によりAudio UnitsまたはInter-App Audioで利用可能
また、雲英さんの前作、KQ miniSynthと同様にAudio Unit v3に対応しているので、GarageBandやCubasis、Auria Pro、FL Studio Mobileなどのプラグイン音源として使うことが可能です。
Cubasisでもバッチリ動作
Auria ProのMIDI音源としても呼び出して使うことができた
Windows、Mac用に無料で配布されているVSTi、Dexed
iPhoneでもiPadでも、思う存分DX7サウンドを楽しむことができるので、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか?
【ダウンロード購入】
◎App Store ⇒ KQ Dixie
DX7を完全に再現するフリーのVSTプラグイン、DEXEDで遊ぼう
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