私も今年はNAMM Showに参加する予定なので、詳細については、実際にモノを見て、触ってからレポートしてみたいと思っていますが、まずは各製品についてごく簡単に紹介してみたいと思います。
いろいろと発表された中で、やはり目玉製品と思えるのはアナログシンセサイザーのフラグシップモデル、prologueでしょう。minilogue、monologueと来てたので、prologueとかepilogue(これは終わっちゃいそうだから出ないのかな)って名前のが来るのでは……と思ってましたが、すごいのがやってきました。
16ボイスで61鍵盤のprologue-16
面白いのはKORGによる「prologueはフラグシップではありますが、モンスター・シンセは目指しません」という一言。monologue、minilogueの延長線上にあるシンセサイザーである、ということなんでしょうね。
8ボイスで49鍵盤のprologue-8
構成は2VCO + MULTI ENGINE、1VCF、2EG、1VCA、1LFO。オシレーターの倍音を形成するウェーブ・シェイプや、シンク/リング・スイッチ、などシリーズ共通の特徴的な回路に加え、ブラッシュアップされた効きの鋭い2 ポール・ローパス・フィルター、強力な歪みを加えるドライブ、そしてローカット・スイッチを搭載されているとのことです。
11,000ものディスクリート部品で構成されているprologueの内部基板
ノイズ・ジェネレーター | パーカッシブな音色やSE サウンドに欠かせない4 タイプのノイズ・ジェネレーター。デジタル・フィルターによる、ノイズ・カラーのダイレクトな変化を味わえます。 |
VPM オシレーター | prologue のために新たに設計されたVPM(Variable Phase Modulation)/ FM オシレーター。複雑な倍音を含む金属的でシャープなサウンドは、アナログでは決して得られないもの。16タイプのオシレーターとSHAPEノブ・コントロールが、複雑な音作りを直感的に導きます。 |
ユーザー・オシレーター | 自作のオシレーター・プログラムをロードできるユーザー・オシレーター。16 スロットを備え、プリセットとしてモーフィング・ウェーブテーブル・オシレーターを1 タイプ内蔵しています。 |
ノイズ・ジェネレーターやVPM(つまりPM/FM音源ということなのかな?)はいいとして、ユーザー・オシレーターって何だろう…と触ってないのでわからないことだらけですが、やはりmonologue、minilogueとはちょっと次元の異なるシンセに仕上がっているようですね。
prologue-16にはアナログVUメーター付きのアナログコンプ/ブースターも搭載
そのほかにも数多くのデジタルエフェクトを搭載していたり、prologue-16にはアナログVUメーター付きのアナログコンプ/ブースターが搭載されたり、アルペジエーターが搭載されていたり……とかなり充実した内容になっています。端子にはオーディオ出力やペダル用などがあるほかMIDI IN/OUTされにはUSBもあるので、PCとのやりとりも可能となっているようです。ぜひ、どんなものなのかしっかりと試してみたいところです。
従来のドラムマシン、リズムボックスとはかなり違った発想のKR-55 Pro
一方、ちょっとレトロな雰囲気のドラムマシン、KR-55 Pro(実売価格34,000円)。〇R-55という型番が、某社の昔のドラムマシンを想像してしまいましたが、当然それとは関係ないですね。そもそも1976年にKORG RHYTHM-55(KR-55)というのを出していたので、名称的には、それの42年ぶりの復活ということみたいです。
各リズム・スタイルには2 つのバリエーション、ベーシック、フィルイン1、フィルイン2、エンディングがある
個人的にはすぐにでも欲しいと思ったのが、KORG volcaシリーズ用のミキサー、volca mix(実売価格18,000円)です。小さなガジェット的電子楽器、volcaシリーズにはvolca keys、volca bass、volca beats、volca sample、volca fm、volca kickなどがありますが、これらの機能を存分に引き出すための機材がvolca mixなのです。
ACアダプタで動作するvolca mixにはvolcaシリーズと接続する電源ケーブルとオーディオケーブルが付属
3つのフェーダーの上にはLO/HI CUT、SENDのパラメータがある
今回、KORGはこれらのほかにもポータブル・ステレオPAシステムのKONNECT(実売価格50,000円)、フルサイズARP ODYSSEYにKORG SQ-1をバンドルしたARP ODYSSEY FSQ(同200,000円)、デジタルピアノのD1(同49,800円)、さらには各種チューニングメーターなど、かなり数多くの新製品を投入しています。
ODDESYとセットで発売される特別版のSQ-1
もう一つ気になるのは仏Arturiaの動き。同社ではやはりアナログシンセであるMini Brute 2およびMini Brute 2Sという2製品を発表しています。まだ詳細を追えてないのですが、これらもかなり面白そうなシンセで、minilogueやprologueとは別の方向性の製品のようです。直接バッティングすることはないでしょうが、アナログシンセという意味では競合。これらArturia製品も日本国内ではKORGが輸入販売を行っているのですから、なかなか不思議な関係といえそうですよね。
Arturiaから発表になったアナログシンセ、Mini Brute 2