“あと一歩プロのサウンドに近づかない”を解決するDOTEC-AUDIOのバスコンプ、DeeGlue発表

日本が誇るプラグインメーカーDOTEC-AUDIOから、最新作のプラグイン、DeeGlueが発売されました。このプラグインは、サウンドがプロレベルにきれいにまとまる簡単操作のバスコンプレッサ。プロのサウンドでは必ず行われる繊細なトータルコンプの設定の中に、グルーコンプレッションという個々のサウンドの結びつきを高めるテクニックが存在します。これには熟練した技術が必要なのですが、DeeGlueはこれに特化した設計になっているため、ユーザーは楽にプロクオリティのサウンドを実現できてしまうのです。

プロの音圧にマキシマイザを使って近づけたとしても、なにかが違うと感じていたユーザーにこそ使ってもらいたいというDeeGlue。アマチュアはプロの音に簡単に近づくことができ、プロは時短や手際の効率化になるDOTEC-AUDIOのプラグイン群。魔法のようなプラグインの開発を続けるDOTEC-AUDIOのフランク重虎さん、飯島進仁さんにお話を伺ったので紹介していきましょう。

各パートの一体感を作り出すDOTEC-AUDIOのバスコンプDeeGlue


DOTEC-AUDIOのプラグインは、フランク重虎さんの天才的な技術力によって、難しいセッティングをすることなくカッコいい音が出力されるよう設計されいるのが特徴です。アマチュアは簡単にプロのサウンドを作ることができ、プロは時短になる、そんな数々のプラグインをリリースしています。これまで、音をいい感じに太くしてくれるDeeFat、知識不要で機能してくれるDeeEQ、音像を思いきり広げてくれるDeeWider、曇った音をクリアにし抜けのいい音に変換してくれるDeeCrystal……など、ユニークでありながら、即現場で使える強力なエフェクトを次々とリリースしてきました。

6月には、フランク重虎さんが理想とする最高のマキシマイザを完成させ、6年の試行錯誤の末にたどり着いたDeeMMax V3.0.0をリリースしています。こちらについては「DOTEC-AUDIOが6年の試行錯誤の末にたどり着いた、理想のマキシマイザをDeeMMaxのアップデートで実現」という記事で紹介しているので、ぜひご覧ください。

さて、今回新たに発売されたDeeGlueですが、ビデオが用意されており、こちらでサウンドもチェックできるので、ぜひご覧ください。

このDeeGlueは、名前にある通りグルーコンプを簡単に実現するプラグイン。グルーコンプとは、グルー=接着剤のように音をまとめて一体感を出す、コンプテクニック。「グルーコンプという掛け方は、あまり浸透していないので、トラックがまとまらなくて困っている人を多く見かけます。情報が少ないので仕方ないですが、このまとまり感というのは、プロとアマチュアで差がでやすいんですよね。音圧を上げるプラグインは、他社含めいろいろ出ているので、音圧はプロに近くても、トラックに一体感がなくて、アマチュアっぽくなってしまっているのです」と重虎さん。

オンラインでインタビューさせてもらったDOTEC-AUDIO開発者のフランク重虎さん

そんなトラックのまとまり感のなさを解決してくれるのが、DeeGlueなわけですが、もともとはDeeFatというオートコンプレッサの上位モデルとしてDeeMFatを開発しようと思っていたとのことなのです。「最初にグルーコンプを開発しようと思ったときに、属性が似ているDeeFatをベースにマスタリング用のコンプとしてDeeMFatを開発しようと考えていました。しかし、マスタリング用のコンプとして特化させようと考えたときに、パラメータの配置など、さまざまな問題が重なったので、新プラグインとしてDeeGlueを開発することにしたのです」と重虎さんが、開発の経緯を語ってくれました。

DeeGlueは、マスタリング用のコンプとしてマスターにインサートして使用します。マキシマイザの前段にインサートすることで、2mixにまとまり感を与えることが可能。またドラムをバスにまとめて、そこにDeeGlueを使うことで、各キットがバラバラになってしまっていたドラムサウンドに一体感を持たせることもできるのです。いわゆるSSLのバスコンプと同様に扱うことができるわけですが、圧倒的にセッティングが楽になっており、使いこなせないバスコンプを使うより、出音の結果がよくなるのがDeeGlueなのです。

マスターや複数トラックをまとめたチャンネルにインサートして使用する

また、DeeGlueにはコンプ機能以外にもステレオイメージャー、トータルEQの要素も盛り込まれており、相互がいい関係で動作するようにチューニングしてあります。つまり本来であれば、3つか4つほどプラグインを掛ける必要がある場合でも、DeeGlue1つで完結するのです。それぞれのプラグインの効果が互いに及ぼす影響を考慮してパラメータを調整する必要がなく、しっかり出音がいいので、使わない手はないのでは、と思います。

さてDeeGlueに搭載されているパラメータは、TRIM、AMOUNT、WIDE、BASS、OUTの5つです。それぞれのパラメータは、以下のように動作します。

TRIM 入力レベルを下げてトリミングします。
ミックス結果となるマスターバスではレベルが大きくなりがちです。
適切なレベルが作られていれば問題ないですが、-3dB以上など大きい場合に
DeeGlue内で手早く調整できます。
AMOUNT メインとなるノブです。
上げるとバスコンプとして適切なコンプレッションが自動で行われます。
WIDE ステレオ幅を増強します。
一般的なステレオイメージャーのようにクリエイティブエフェクト的に派手に
広げる物と違って、左右の閉塞感を改善するように作用します。
BASS コンプレッションのある安定した低音を増強します。
しっかりと腰のあるサウンドが作れます。
OUT マキシマイザーなど後段のエフェクトのために出力レベルを調整します。

このパラメータのセッティングの仕方について、おすすめを重虎さんに伺いました。
DeeGlueをインサートすると、デフォルトでAMOUNTとWIDEが上がっていますが、これはインサートした際に違いが分かるようにあくまでデモとしての設定となっています。なのでまずは、これらのパラメータを0に設定します。次にGR=ゲインリダクションのランプが光らない程度にTRIMを使って、入力信号を調節します。AMOUNTを上げたら、GRが光るようにセッティングを行ってください。AMOUNTは、コンプ以外にもトータルEQで行う削りの部分もうまく再現しているので、これ1つでいい感じの音になるようになっています。WIDEは、ステレオ幅を調整できます。これは一般的なクリエイティブエフェクトであるステレオイーメージャーとは違い、閉塞感、ステレオの抜けが悪いときに使うもので、抜けや聴き心地がよくなります。そしてBASSは低音の増強が可能で、土台をしっかりさせることができます。音作りが完了したら、OUTを使って-6dbぐらいで、次にパスできるようにボリューム調整を行ってください」(重虎)

重虎さんにDeeGlueのおすすめセッティングを教えてもらった。まずは0からセッティングを開始する

もし、DOTEC-AUDIOのプラグインを使って、マスタリングを行うのであれば、どういったプラグインをセレクトすればいいのかにもついて伺いました。
まずマスターにDeeGlueをインサートして、各トラックの一体感を調整してください。次に、DeeEQまたはDeeCrystalをインサートして音質を微調整していきます。最後にマキシマイザであるDeeMMaxなどを使って音圧を上げていきます。基本的には、これで2mixを仕上げることが可能です。DeeGlueによって、より完璧に近いマスタリングが可能になったわけですね」(重虎)

そして、このDeeGlueのデザインは、DeeCompressorやDeePopMax、DeeSubBassなどを手掛けた福田興業さん。「BOSEとかに筐体そのものがヒートシンクになっているアンプのような、商業施設で使われる機械をイメージしたデザインを福田興業さんに依頼しました。EXTやPHONESが付いていますが、これは完全に飾りとなっています笑。また上部の部分は、アンプの電源基盤をイメージしています」と重虎さん。DeeGlueをバイパスにすると、ちゃんと電源が切れたようにな感じになるのも、DOTEC-AUDIOのこだわりのようです。硬派な見た目にグッとくる人も多いのではないでしょうか?デザインにも重虎さんのオタクっぷりが存分に発揮されていますね。

バイパスにすると、電源を切ったような見た目になる

なお、DeeGlueの価格は、税込みで5,500円で発売されます。また音系・メディアミックス同人即売会、M3開催に合わせて行われる恒例のセールによる特価価格は、3,300円となっています。
今回のM3-2022秋にDOTEC-AUDIOも個人ブース(い-36a,b)で参加します。M3にいらっしゃった方には、お釣りの観点もありDeeGlueを税込み3,000円で発売し、ほかの製品についてもお品書きの特別価格で販売します。なので、Webより10%割引での発売になります。当日は、各種クレジット、電子マネーにも対応し、交通系やPaypayでの支払いも可能です。直接、DOTEC-AUDIO製品の解説も行いますので、よかったらぜひ、会場まで足を運んでみてください」と飯島さん。

M3特別割引のお品書き。オンラインでのM3特価は消費税が乗るが、10月21日~31日の間、セール価格で購入可能

もっとも会場に来れない方でも、オンラインでM3特価販売はされているので(この場合は消費税が乗ります)、ぜひアクセスしてみてください。セール期間は10月21日からM3翌日となる10月31日までの11日間となります。またセール期間でなくても、DOTEC-AUDIOの製品は、どれか1つ持っていれば、購入時にそのシリアル番号を入力することで1,500円引きになるシリアル割というものも用意されています。すでにDOTEC-AUDIOプラグインを購入していれば、3,500円+税=3,850円で手に入れることができるので、ぜひ入手してみてください。

DOTEC-AUDIOの飯島進仁さん

 

【関連情報】
DeeGlue製品情報
DOTEC-AUDIOブログ「DeeTips」
【価格チェック&購入】
◎DOTEC-AUDIO ⇒ DeeGlue
◎SONICWIRE ⇒ DeeGlue

Commentsこの記事についたコメント

2件のコメント
  • 先駆け

    Pulsar MuやCytomicのThe Glueを既に持っているので購入を躊躇っております…それらと比べてのGlue効果の違いや突出した特長があれば教えて頂きたいです。

    2022年10月25日 10:51 AM
  • 藤本 健

    先駆けさん

    DOTEC-AUDIOにも確認してみました。
    基本的に使い方や使う場所は同じです。
    重虎さんによると
    「DeeGlueは基本的にAmountの調整のみで使える事と、BASSやWIDEと言った音場調整もツマミ一つで行えることです。同種のプラグインは同種の調味料と同じで、どの製品が一番うまいという決め方より、曲によって相性を使い分ける事をお薦めします」

    とのこと。一方で、DeeGlueはデモ版があるので、まずはそれを試してみてはいかがですか?気に入れば、それにシリアル番号を入力するだけで製品版として使うことが可能になっています。

    2022年10月25日 1:28 PM

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