最短でマスタリングを上達したい方必見、マスタリング界の至宝Jonathan WynerのMastering Expertコース

先日、エアロスミス、シカゴ、デヴィッド・ボウイ、ピンク・フロイド、ニルヴァーナなどを手掛け、「マスタリング界の至宝」として知られるアメリカ音楽業界屈指のマスタリングエンジニアJonathan Wyner(ジョナサン・ワイナー)さんのマスタリングセミナー「Mastering Expertコース」が、メディア・インテグレーションが運営するライブ&イベントスペース「LUSH HUB」(ラッシュ・ハブ)で行われました。

当日参加できる定員数は12名だったこともあり、行けなかった人のためにも4月7日(金)〜9日(日)23:59まで、アーカイブ配信が行われます。収録版の販売価格は5,500円(税込)で、販売期間は3月30日23:59までとなっています。自分でマスタリングまで行う方であれば、必見の内容ばかりであり、トップレベルのテクニックやノウハウが溢れるセミナーでした。「もっとマスタリングをよくしたい」「なにを考えてマスタリングすればいいのか分からない」という問題を解決してくれるMastering Expertコースの概要を紹介していきましょう。

音楽業界屈指のマスタリングエンジニアJonathan Wynerによるマスタリングセミナー「Mastering Expertコース」


Jonathan Wynerさんは、アメリカの音楽プロデューサーで、マスタリングエンジニアであるとともに、バークリー音楽大学の音楽制作・エンジニアリング学科の教授も勤めています。前述の通り、多くの著名なアーティストと仕事をしており、デヴィッド・ボウイ、ニルヴァーナ、エリック・クラプトン、ボブ・ディラン、ジェームス・テイラー、K.D.ラング、フォール・アウト・ボーイ、エアロスミスは、みなさん聴いたことがあるはず。また、映画やテレビのサウンドトラックの制作にも携わっており、「シカゴ」や「ヘアスプレー」、「ザ・シンプソンズ」、「フューチュラマ」などの作品にも携わっています。また、iZotope OzoneやRXの開発にも携わっており、業界で高い評価を得ています。

世界トップのマスタリングエンジニアJonathan Wyner

そんなJonathan Wynerさんによるマスタリングセミナーを収録したビデオ、4月7日~9日の3日間限定ではありますが、オンラインで受講することが可能となっています。そのオンラインでのセミナーに参加するためには3月30日までに申し込まなくてはならないので、要注意ですが、まとめると、以下のようになっています。

収録版販売価格:¥5,500(税込)
販売期間:3月30日23:59まで
アーカイブ配信予定日:4月7日(金)〜9日(日)23:59まで
購入サイト:Media Integrationオンラインショップ

3月30日までに購入すると、Vimeo Proでの期間限定配信URLが送られてくるので、そのURLからページに飛び4月7日〜9日の3日間限定配信となるアーカイブ配信を視聴することができます。この収録版は、全編日本語字幕での配信となっています。

当日行われたセミナーを日本語字幕で視聴できる

実はこのセミナーに当日行ってきたので、その様子も少し紹介しましょう。会場は、東京・渋谷のライブ&イベントスペース、LUSH HUB。現地チケットは18,000(税込)で、限定12名という小規模なものとなっていました。参加されたみなさんは、やはり「絶対Jonathan Wynerさんのセミナーを受けたい!」という思いで来ていたようですが、かなり真剣に音をチェックしながら受講している様子でした。

 

ユニークなのは、それぞれの机に、Dante(PoE)接続のFocusrite製ヘッドフォンアンプが置かれており、来場者は持参した12人限定での特別セミナーになっていた

ヘッドホンを使用して、セミナーを受講できるようになっていたということ。普段聴きなれたヘッドホンで音をチェックできるように、という趣旨で、このような設定にしていたそうです。ちなみに、プレゼントとしてSoundwideのチロルチョコとNEVEのボールペンも置かれていました。

ずらっと、Focusrite製ヘッドフォンアンプが置かれていた

それぞれの席にヘッドホンで聴ける環境があることセミナーというのも珍しいので、スタッフの方に簡単にシステムを教えていただきました。まずJonathan Wynerさんが操作するMacにオーディオインターフェイスとしてGRACE design m900が接続されており、そこからアナログ出力で、ステージボックスに信号が行き、PA卓に入力。その後出力されたものが、Danteで各座席にあるFocusrite製ヘッドフォンアンプに入力されているとのことでした。つまり、Jonathan Wynerさんが聴いている音とほぼ同じ音を参加者が聴けるようになっていたのです。このシステムを作った意図としては、マスタリングセミナーなので、参加者にはよりシビアに音を聴いてもらい、より多くのことを学び取ってほしいとのことでした。

Jonathan Wynerさんがヘッドホンを接続しているGRACE design m900の出音とほぼ同じものを聴いていた

さてセミナーは、以下のようなラインナップで実施されました。

セミナーのラインナップ

コース科目

1.目標設定と評価の方法について
2.ラウドネスとジャンルについて
3.成果の最大化/成果物の最小化について
4.限界を認識すること
5.お気に入りと戦略について
6.リスニングの方法とアプローチ

※セミナー内で下記iZotope Ozone 10モジュールを使用/説明します。

  • Low End focus
    Imager
    Impact
    Match Eq
    Audiolens and targets
    Assistants
    ・アシスタント機能をどう活用するか
    ・ジャンル検出の考え方をどう取り入れるか
    ・LUFSの実装について

 

少し実際のセミナーから明日から使えそうなノウハウを特別に紹介していきましょう。

まず、よく出回っている話ですし、プラグインのパラメータとしても付いている、ベースのモノ化について。Jonathan Wynerさんがいうには、ベースはなるべくならモノ化するべきではないとのこと。幅を狭めることはあっても、モノ化をしないのが、Jonathan Wynerさんの中での鉄則だそう。というのもモノ化してしまうの、ベースの明確さやエネルギーが失われてしまうからとのこと。ベースを狭める場合でも、同じくレベルが失われていくので、これを解決する方法もセミナーでは具体的なツールを使いながら紹介していました。

実際のセミナーでは、画面を見せつつ具体的にマスタリングについて解説していた

また、セミナーのラインナップにもある、アシスタント機能をどう活用するかについて。マスタリングが分からないから、とりあえずOzoneのマスタリングアシスタントを使って出力された結果を、ほとんどそのまま利用しているという方もいると思います。これは、Jonathan Wynerさん的には、推奨できないとのこと。では、どんな使い方がいいかというと、アシスタントを使って出力された結果を元に、問題点を見つけるのがおすすめだそうです。セミナーのように操作画面を見せられないのでお伝えしにくいですが、アシスタント機能がガッツリ高音域をブーストしていたら、そこに問題があると考えるということです。

ネットでは見つけられない、世界最高峰のマスタリング技術が詰まった内容だった

また、Ozone10固有のモジュールImpactやStabilizerの問題点とその解決法。Imagerを使う際の注意点。さらには、もっと根本的なマスタングの概念的な話など、ツールやテクニックに惑わされない、骨太な内容が盛りだくさんでした。セミナーでは、Ozone10を使用していましたが、正直Ozoneを持っていなくても活用できる知識が詰め込まれています。Googleで調べたり、YouTubeを観ているだけでは、見つけられない話なので、もしマスタリングを通して、作品をよりよくしたいのであれば、このタイミングは絶対に逃してはダメですよ。

【関連情報】
Mastering Expert コース by Jonathan Wyner
Mastering Expert コース収録版

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