ミト(クラムボン)、DÉ DÉ MOUSE、ぷにぷに電機、Watusi、遠藤ナオキ……クリエイターによるクリエイターのためのイベント、KENDRIX EXPERIENCEを無料開催

来る3月20日、東京・代々木上原(渋谷区)で音楽クリエイター向けのイベント、「KENDRIX EXPERIENCE」なるものが実施されます。これは日本音楽著作権協会JASRAC)が運営する音楽クリエイター向けDXプラットフォーム、「KENDRIX」が主催する初のオンサイトイベント。当日はクラムボンのミト@micromicrophone)さん、DÉ DÉ MOUSE@DEDEMOUSE)さん、ぷにぷに電機@puniden)さん、Watusi(@watusi_coldfeet)さん、宮田’レフティ’リョウ(@LeftyMonsterP)さん、エンドウ.(@endo_jp)さん、麦野優衣(Yui Mugino @YuiMugino)さん…をはじめ、数々の作曲家、アーティスト、シンガーソングライターが出演し、ライブ演奏や楽曲のリアルタイム制作実演、ビジネスセミナーなどが行われます。

音楽クリエイターによる音楽クリエイターのためのイベントで、DTMerのみなさんも気軽に参加できるイベントとなっています。トッププロによるステージ、実演、トークを間近で見ることができる、めったにない貴重なイベントですが、参加費は無料とのこと。ただし参加するには事前申し込みが必要で、応募締切は2月25日となっています。応募多数の場合は抽選になるとのことですが、締切まで1週間を切っているので、早めの申し込みをお勧めします(申し込み等の詳細は「KENDRIX EXPERIENCE」のサイトをご覧ください)。実際KENDRIX EXPERIENCEとはどんなイベントなのか、現在分かる範囲でその情報について整理して紹介してみましょう。

2024年3月20日、クリエイターのためのイベント、KENDRIX EXPERIENCEが開催される

音楽クリエイターのためのイベント、KENDRIX EXPERIENCE

第一線のプロがどうやって音楽を作っているのか、まさに企業秘密のようなものにも思えますが、実際それを間近で見ることができるユニークなイベントが無料で開催されます。それが3月20日に行われる「KENDRIX EXPERIENCE」なるもの。以下にそのKENDRIX EXPERIENCEの開催告知動画があるので、ご覧になってみてください。

このイベントは「学び」、「刺激」、「交流」を軸に来場者である音楽クリエイターにコミュニティの場を提供するという主旨のもの。約200人程度のキャパシティを持つイベントスペースで、ステージとカフェスペースの2つの空間があり、それぞれでプログラムが進行していきます。そのプログラム内容としては以下のようなものとなっています。

KENDRIX EXPERIENCE当日のタイムテーブル

音楽制作実践、ライブ演奏、ビジネスセミナー……などなど、すべて音楽クリエイターのための内容になっており、交流スペースにおいては参加している音楽クリエーターのみなさん同士の交流ができるだけでなく、出演者の方々とのやりとりもできる機会になるのだとか…。こうした第一線のプロの音楽クリエイター、ミュージシャンの方々と直接コミュニケーションができることなんて、めったにある話ではないので、まさに大チャンスとなりそうです。

第一線のプロ4人によるコライトを実演

では、その中身を少し見ていきましょう。先ほどのビデオでしゃべっているのは、DTMステーションでも何度か登場いただいたことがある作曲家・ギタリストのエンドウ.さん。そのエンドウ.さん説明のとおり、KENDRIX EXPERIENCEでのプログラムの冒頭のステージとなるのが「音楽ができるまでをのぞいてみた」(公開収録1)。ここではエンドウ.さん、宮田’レフティ’リョウさん、遠藤ナオキさん、麦野優衣(Yui Mugino)さんの4人がステージ上においてコライト(Co-Write)による曲作りをその場で行っていくというもの。

「音楽ができるまでをのぞいてみた」の第1弾では、90分でコライトを実践していく

コライトとは共同で曲を作っていくことですが、この第一線のプロ4人が90分という限られた短い時間の中でどうやって曲を作っていくのかを目の前で見ることができるのは、かなり貴重だと思います。レフティさんは以前に「グラミー賞を目指して、スウェーデンに!? 世界トップクラスのミュージシャンが集まるストックホルムでco-writeをする意義」という記事でも紹介している通り、海外でのコライトを積極的に行っている方で、麦野さんも海外でのコライト経験が豊富なんだとか。エンドウ.さんも「ステージ上で5人のプロが共同でゼロから楽曲制作!?月蝕會議×山田高弘の「月蝕會議 音楽クリエイター夜會」が面白かった」といった記事で紹介しているとおりコライトを日頃から行っている方なので、面白くなりそうですね。

ちなみに私が知ってる範囲では遠藤さんはStudio Oneユーザー、レフティさんはCubaseユーザー、エンドウ.さんはSONARからStudio Oneへ乗り換えたユーザーだったと思います。当日、どのDAWをどう使うのかも見ものなのでは…と期待しているところです。

『ワンダーエッグ・プライオリティ』、『山田くんとLv999の恋をする』の制作秘話も!?

同じく「音楽ができるまでをのぞいてみた」というタイトルでの公開収録2のプログラムは、クラムボンのミトさん、DÉ DÉ MOUSEさん、Watusiさんの3人によるもの。こちらは、先ほどの4人でのコライト実践のような形ではなく、ミトさんとDÉ DÉ MOUSEさんによるこれまでの共同制作に関する話をWatusiさんを交えて展開する形になるようです。

ミトさん、DÉ DÉ MOUSEさん、Watusiさんの3人で作曲手法などをトークしていく

ご存じの方も多いと思いますが、2020年にオンエアされた人気TVアニメ『ワンダーエッグ・プライオリティ』の劇伴をミトさんDÉ DÉ MOUSEさんの二人で担当していました。さらに、昨年の4月からオンエアされたTVアニメ『山田くんとLv999の恋をする』でも、このお二人が劇伴を担当されています。その一方で、クラムボン楽曲のDÉ DÉ MOUSEさんアレンジバージョンが発表されるなど、さまざまな形で一緒に取り組んできたお二人だからこそ見えるお互いの作曲手法があると思います。そうした部分もWatusiさんからの視点で引き出していきます。

DÉ DÉ MOUSEさんとぷにぷに電機さん、ミトさんによるスペシャルライブも行われる

その後に行われるのが、DÉ DÉ MOUSEさんとぷにぷに電機さんによるスペシャルライブで、ここにゲストとしてミトさんが加わる、というもの。DÉ DÉ MOUSEさんとぷにぷに電機さんによるコラボ曲『Midnight Dew』が以前リリースされていましたが、そこにミトさんが参加する形になるので、どんなステージになるのか楽しみなところです。以下がその告知動画となります。

TikTokでバズってマネタイズする技!?

さらに、このKENDRIX EXPERIENCEでは、ビジネスセミナーも行われるようです。そのひとつが「TikTokでバズりたい!印税について学びたい!さわりさと学ぶDIYアーティスト向け実践講座」なるもの。大阪出身のシンガーソングライター、さわりさ(@lisa20031208)さんが学び役のゲストとして登場。そこに、TikTokの担当者、JASRACのKENDRIX担当者などが出演し、先ほどの宮田’レフティ’リョウさんが司会進行する形で講座が進められていく予定です。

TikTokはYouTubeなどと異なり、PV数が上がっても単純にマネタイズできるものではありません。しかし、そこで音楽作品を扱う場合マネタイズも可能となるのです。その際に必要な対応なども、この講座で詳しく解説されていきます。もちろん、ここでは著作権や著作隣接権(原盤権)が絡んでくるため、それについても触れられます。

ちなみにレフティさんはOIKOS MUSICという音楽の原盤権マーケットプレイスの会社の共同代表を務めているのですが、もう一人の共同代表の方も出演して、マネタイズするための仕組み、JASRACとの信託契約の必要性なども紹介されます。

もっとも単にTikTokにUPしただけで、再生数が伸びなければ話にならないわけですが、TikTokでバズらせるためのワザ、効果的なプロモーション施策、成功事例などをTikTok担当者が紹介してくれる、とのこと。その後、さわりささんによるミニライブも開催される予定です。

参加は無料。名前、メールアドレスを入力して事前申し込みを

そんな音楽クリエイターによる音楽クリエイターのためのイベント、KENDRIX EXPERIENCEは事前申し込みさえすれば無料で参加できるので(応募多数の場合は抽選になります)、申し込まない手はないと思います。

参加申し込みは、KENDRIX EXPERIENCEの応募フォームで行うのですが、ここでは氏名、当日名札に表記する名前(つまりペンネーム、ハンドルなどでもOK)、メールアドレスの入力のみが必須。そのほかに「所属や活動内容」、「HPやSNSのURL」、「その他」となっており、当選確率を上げるためには、活動内容やX(旧Twitter)のアカウントなどを入力しておくのがお勧めです。

KENDRIX EXPERIENCEの参加申し込みフォーム

なお、申し込みをすると「参加申し込みに際してKENDRIXのアカウント登録(無料)をお願いしております」といった案内が出るとともに、入力したメールアドレス宛にすぐにメールが届くので確認してみてください。KENDRIXのアカウント登録自体は必須というわけではないようですが、申し込んで損はないものですし、その後費用が掛かるといった心配もないので、こちらも合わせて申し込むことをお勧めします。

KENDRIXとは

このKENDRIX EXPERIENCEはKENDRIXが主催するイベントなのですが、「KENDRIXって何だ?」と不審に思う方も少なくないと思います。が変な心配はしなくて大丈夫です。記事冒頭でも紹介した通り、これは一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)が運営するクリエイターのためのプラットフォームです。

KENDRIXのキービジュアル。イラストレーターの中村佑介さんが描いている

「KENRI(権利)」と「DX(デジタル・トランスフォーメション)」のアナグラムとしてKENDRIXとしているそうですが、これはブロックチェーンの技術を使って楽曲の存在証明を実現するとともに、クリエイター自身の身元確認(eKYC)を実装するというもの。

たとえば自分で曲を作った際、発表前にKENDRIXに登録しておくと、その存在を証明できるというものであり、これが無料で行えるようになっているのです。また、フリーで活動することが多く、ハンドルネーム、アーティスト名で活動する音楽クリエイターの場合、クリエイター自身の証明もしづらいのが実情ですが、eKYCを実装しているので、一般に本名を知らせることなく、登録できるというのも大きなメリットとなっています。

今後さまざまなサービスと連携し、認証済みのKENDRIXユーザーが存在証明付きの楽曲ファイルを各サービスに展開できるようにするとのこと。まず最初に連携するのはJASRACのサービス(オンライン信託契約、作品登録)という形になるようですが、将来的にはJASRAC管理以外のエコシステムでも利用可能になってくいようなので、音楽を作っている人なら、誰でもKENDRIXに登録しておく価値はありそうです。

【関連情報】
KENDRIX EXPERIENCE情報
KENDRIXサイト