DTM、PA、配信、収録…など、小規模な制作を完璧にこなすコンパクトでパワフルなデジタルミキサーCQシリーズ

ALLEN & HEATH(アレン&ヒース)から、コンパクトでパワフルなデジタルミキサーCQシリーズが登場しました。CQシリーズは、DTM環境をスマートに作り上げるのみならず、同じ環境をライブステージに持ち込んだり、小規模のPAや配信までこなすことのできるオールマイティな機材。DTMで使えるデジタルミキサーはなかなか存在しないし、持ち出していろいろなことができる機材は少なかったので、これまでは複数の機材で対応する必要がありましたが、CQシリーズの登場により、これ1つで完結できるようになったのです。ちなみにラインナップは、12入力のCQ-12T、18入力のCQ-18T、20入力のCQ-20Bの3機種展開。

ALLEN & HEATHといえば、まさにプロが使う業務用機材で、音質や操作性はトップクラス。そんなプロフェッショナルな機材がコンパクトになって、お手頃価格で入手できるようになったのです。特にCQ-12Tは、自宅での制作もするしライブするという方にはピッタリなバランス感で、さらに小規模なPAや配信を行うという場合でも対応できる性能を有しています。1つで何役もこなす、ALLEN & HEATHのCQシリーズを紹介していきましょう。

DTM、PA、配信、収録…など、小規模な制作を完璧にこなすコンパクトでパワフルなデジタルミキサーCQシリーズ

コンパクトでパワフルなデジタルミキサーCQシリーズ

1969年にロンドンのスウィングミュージックシーンの中心で設立されたALLEN & HEATH

ALLEN & HEATHは、イギリスを拠点とするミキシングコンソールメーカーで、1969年にロンドンのスウィングミュージックシーンの中心で設立されました。初期のころはGenesis、Pink Floyd、The Whoなど、当時のトップバンドのためにミキシングコンソールを手作りしており、現在でもライブコンサートからレコーディングスタジオまでプロフェッショナルな環境で使われる機材を開発しています。

ALLEN & HEATHの製品はすべて、イギリスのコーンウォールにある本社で厳格な製造品質基準に基づいて設計され、業界最大かつ最高の研究開発チームの主要メンバーの多くは、長年の実務経験を持つ現役のサウンドエンジニア。アナログ回路の設計に定評があり、温かみのあるサウンドが特徴で、ユーザーインターフェースも直感的で、操作しやすいデザインとなっています。豊富な機能を搭載しながらも、複雑な操作を必要としないため、初心者でも扱いやすく、高い品質基準に基づいて製造されているので、長い期間愛用することができます。

1969年設立の老舗ミキシングコンソールメーカーがリリースした新製品CQシリーズ

コンパクトでオールマイティなデジタルミキサーCQシリーズ

そんなALLEN & HEATHの新製品が、コンパクトでパワフルなデジタルミキサーCQシリーズ。CQ-12T、CQ-18T、CQ-20Bの3ラインナップで展開されています。CQ-12TとCQ-18Tは近い作りとなっており、CQ-12Tは12ch入力、CQ-18Tは18ch入力と、入出力に違いがあります。一方、CQ-20Bはタッチディスプレイを搭載していないモデルとなっており、マルチボックスのような見た目をしています。それぞれのスペックの違いは以下の表の通りです。

  CQ-12T CQ-18T CQ-20B
マイク/ライン入力 5×XLR
5×コンボXLR/TRS
8×XLR
8×コンボXLR/TRS
8×XLR
8×コンボXLR/TRS
ステレオライン入力 1(2×バランスTRS) 1(2×バランスTRS) 2(4×バランスTRS)
メイン出力 2×XLR 2×XLR 2×XLR
モニター/Aux出力 6×モノバランスTRS 6×モノバランスTRS 6×モノバランスXLR
ヘッドホン出力 1×¼”TRS 2×¼”TRS 1×¼”TRS
タッチスクリーン 7インチマルチタッチ 7インチマルチタッチ
ソフトキー 3 3
ソフト/スマートロータリー 3
FX エンジン 2 4 4
Wi-Fiアクセスポイント 802.11 a/b/g/n/ac(デュアルバンド、オートチャンネル)
Bluetooth 4.1
USB Type-A
ステレオ録音 48/96kHz、24bit WAVフォーマット。出力、ST入力、FXユニットからパッチ可能
ステレオ再生 44.1/48/96kHz、16/24bit、モノラル/ステレオWAVファイル
USB-B USB2.0、Core Audio準拠、Windows用ASIO/WDM、48/96kHz、24bit
センド(アップストリーム) 16 チャンネル 24チャンネル 24チャンネル
リターン(ダウンストリーム) 16 チャンネル 24チャンネル 24チャンネル
SDカード SDHC、32GB、UHS-Iスピードクラス10(最大チャンネル用)
マルチトラック録音(最大) 16チャンネル@96kHz

または

48kHz

16チャンネル@96kHz
または
24チャンネル@48kHz
16チャンネル@96kHz
または
24 チャンネル@48kHz
マルチトラック再生(最大) 16チャンネル@96kHz

または

48kHz

16チャンネル@96kHz
または
22チャンネル@48kHz
16チャンネル@96kHz
または
24チャンネル@48kHz
最大消費電力 35W 45W 45W
寸法・質量 W291×H89×D242mm、
約2.4kg
W346×H89×D242mm、
約3kg
W372×H134×D154mm、
約2.6kg
オプション(別売) キャリーケース、ラックマウントキット キャリーケース、ラックマウントキット キャリーケース、ラックマウントキット

DTM、ライブ、配信で活躍するCQ-12T

前述の通り、中でもCQ-12Tは入出力の数や機能と価格のバランスがいいので、DTM用途としても最適。PCとUSBで接続すれば、48/96kHz、24bitのオーディオインターフェイスとして使用することができます。5つのXLR入力、5つのコンボジャック、XLRのステレオアウト、6つのモノバランスTRS、1つのヘッドホン出力を持っているので、自由にギターやマイクを入力したり、スピーカーやヘッドホンに出力することが可能です。入力ゲインは、ゲインアシスタントが付いているので、自動で最適なゲインセッティングを行うことも可能。CQ-12Tがあれば、普段音楽制作している環境をそのまま外に持ち出せるので、ライブを行うときにもいつもと同じ環境を再現することができますよ。

DTMメインで使うのであれば、機能と価格のバランスがちょうどいいCQ-12Tがおすすめ

DTM、ライブ用途に加え、個人配信で活躍するのがCQ-12T。デジタルミキサーなので、CQ-12Tだけで各チャンネルのバランスを取ることもできるし、EQやコンプ、リバーブといったエフェクトも搭載しているので、歌配信だってお手のもの。Bluetooth入力にも対応しているのも地味に嬉しいポイントです。さらに1つのつまみだけでプロセッシングの包括的な調整を行うクイックチャンネルというモードも搭載されているので、初心者でも簡単に扱うことが可能です。もちろん、従来のデジタルミキサーのように表示させるモードもあるので、こだわった音作りも行えます。クイックチャンネルは、パパっとセッティングしたいときにも便利に使うことができますよ。また現在有効になっているマイクを検知し、その他のマイクの音量を下げることで背景ノイズを抑える、自動マイクミキサー(AMM)機能も搭載しています。

リバーブなどのエフェクトも多数搭載している

小規模PA、番組収録など、業務に必要な機能も搭載している

さらにさらに、音楽制作、ライブ、配信と自分だけで完結するコンテンツだけでなく、バンドライブ、トークライブ、カラオケ大会…といった小規模のイベントPAにも対応することができます。しかも、30万円、40万円以上するデジタルミキサーが48kHzで処理してるのに対し、CQシリーズは96kHzをコンパクトミキサーで実現。ゲインアシストで複数チャンネルのゲインを自動で設定し、クイックチャンネルで即座に音作り。自動マイクミキサーを使って、使用するマイクだけを有効にして、さらにフィードバックアシスタントを使ってスピーカーのチューニングを行うこともできます。フィードバックアシスタントは、ハウリングポイントを出力ごとに最大16個のフィルターを使用して自動的に除去する機能。定在するハウリング周波数には固定で設置し、本番中の突発的なハウリングを自動で検知し除去してくれるのです。

タッチディスプレイを搭載していない、マルチボックスのような見た目のCQ-20B

もちろん今やPA卓には必ず搭載しているリモートコントロールアプリもCQシリーズでは使えます。離れた場所からミキサーを完全にコントロールするCQ MixPad。演奏者が自分のモニターミックスを自由に制御できる
個人用アプリCQ4YOUの2つのアプリケーションが用意されています。CQ-12Tには搭載されていませんが、CQ-18TとCQ-20Bには、デュアルバンドWi-Fiを搭載しているので、外付けのアクセスポイントやルーターを用意する必要はなし。とはいえ、会場にWi-Fiがあれば、CQ-12Tでもリモートコントロールアプリは使えるので、PAをメイン業務としてなければCQ-12Tでも全然問題ありませんよ。

CQ-18TとCQ-20Bには内蔵Wi-Fiアクセスポイントが搭載されている

そして、番組収録でもCQ-12Tは活躍しますよ。ここまで紹介した機能に加えて、SDカードスロットが搭載されているので、PCでの録音とSDカードでの録音といったバックアップ体制を簡単に作ることができるのです。業務で使えるのに、それを比較的低価格で実現。何千人規模でなければ、音に関わるほぼすべてをこなせるのが、このCQシリーズなのです。

以上、CQシリーズからCQ-12Tをピックアップして紹介しました。ここで紹介できたのは、まだまだ一部分。タッチディスプレイも見やすかったり、搭載されているボタンやツマミが絶妙に調整されていて、かなり便利だったり、あったらいいなが詰め込まれていました。ぜひ1度試してみてはいかがでしょうか?

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