お馴染みのオーディオブランドAKGから新しいコンデンサマイクが3機種発売されているのは、ご存知でしょうか?登場したのは、ラージダイアフラムを採用し3つの指向性を切り替え可能なマルチパターンのC114、同じくラージダイアフラムを搭載しながら単一指向性に特化したC104、そしてスモールダイアフラムを採用し楽器の録音に特化したスティック型のC151です。
AKGのCシリーズといえば、C414。世界中のプロフェッショナルなレコーディング現場で使われる高級機というイメージがありますが、今回の3機種はDTM初心者や動画配信を行うクリエイタに向けたエントリーモデルとして開発されています。価格はオープンプライスで、ヒビノ公式オンラインストア「Hibino.com」によるとC114が33,000円(税込)、C104とC151が18,700円(税込)と、本格的なコンデンサマイクとしては非常に手に入れやすい価格設定になっています。実際どのようなマイクになっているのか、試してみたので紹介していきましょう。
AKGの伝統を受け継ぐCシリーズにエントリーモデルが誕生
音楽制作を行う人にとって、AKGのマイクは、一度は手にする目標となる憧れの機材の一つ。特にC414という型番は多くのレコーディングスタジオに常設されており、ボーカルからアコースティックギター、ピアノ、ドラムまであらゆる音源に対応できる定番中の定番として知られています。その透明感のある高域と豊かな中低域は、数え切れないほどの名盤のレコーディングを支えてきました。しかし、現在のC414は実勢価格で13万円から15万円程度と、個人で気軽に購入するには少しハードルが高い価格帯に位置しています。そうした中、今回登場したのが手頃な価格を実現した新しいCシリーズの3機種というわけです。
今回AKGのCシリーズに追加された新しいエントリーモデル3機種は、どのような位置づけの製品なのか。これまでAKGのCシリーズには、C414やC214といったプロフェッショナル向けのモデルが中心でしたが、今回はその系譜を受け継ぎつつ、より手に入れやすい価格帯を実現したエントリーモデルとして開発されました。
| C114 | C104 | C151 | |
| 形式 | コンデンサー型 | ||
| 指向特性 | カーディオイド/無指向性/双指向性 | カーディオイド | カーディオイド |
| 周波数特性 | 20Hz~20kHz | ||
| 開回路感度 | 13.5mV/Pa(-37.4dBV) (カーディオイド) |
13.5mV/Pa(-37.5dBV) | 11mV/Pa(-39dBV) |
| 最大音圧レベル( THD 0.5%) | 145dB SPL | 143dB SPL | 147dB SPL |
| 等価雑音レベル | 12dB (Aウェイト) | 14dB (Aウェイト) | 21dB (Aウェイト) |
| インピーダンス | 200Ω以下 | ||
| 電源 | ファンタムDC48V | ||
| 端子 | XLR(3P) | ||
| 寸法(W×H×D) | 47×158×35mm (除突起部) |
47×158×35mm (除突起部) |
H 140× φ22mm (除突起部) |
| 質量 | 415g | 375g | 147g |
| 付属品 | ショックマウント(H84) | スタンドマウント(H81) | マイククリップ(H82) |
これまでUSBマイクを使っていた方が、本格的なXLR接続のマイクへステップアップする際の最初の1本を意識して開発されており、もちろん、これから音楽制作を始めるDTMのエントリーレベルの方にも適した製品となっています。USBマイクはパソコンに直接繋げる手軽さがある反面、マイク内部に搭載された簡易的なデジタル変換回路の性能に全体の音質が左右されてしまうという側面があります。しかし、XLR接続のコンデンサマイクを導入し、専用の高品質なオーディオインタフェースと組み合わせるシステムを構築することで、音の解像度やノイズの少なさは飛躍的に向上するのです。
| 製品名 | 参考価格 |
| C114 | 33,000円(税込) |
| C104 | 18,700円(税込) |
| C151 | 18,700円(税込) |
また、今回の新シリーズは音質や価格設定だけでなく、その外観デザインにも現代のニーズを強く反映しているのが特徴。YouTubeなどの配信画面に映り込んだ際のかっこよさをかなり意識してデザインされており、画面越しに見える機材のルックスが配信者の個性を演出する上で重要な要素となる点もしっかりと押さえられています。これまで予算の都合で別のブランドを選んでいた人にとっても、最初の1本として信頼あるAKGブランドを手にできる大きな魅力を持っていますね。
名機C414のサウンドキャラクターを継承したC114
3機種の中で最も上位に位置するのがC114。このマイクは大型のデュアルダイアフラムを搭載したコンデンサマイクとなっており、参考価格は33,000円(税込)です。
C114は無指向性、双指向性、カーディオイドという3パターンの指向性を切り替え可能なモデルで、このマイクの一番の特徴は、名機C414の設計思想を受け継いでいる点にあります。その設計思想のもと、C414系マイクでも採用されてきたエッジターミネート型カプセル方式を音を拾う心臓部に取り入れており、AKGらしい繊細でバランスの取れたサウンドに仕上がっているのです。
指向性の切り替えができることは、自宅での録音の幅を大きく広げる重要な要素となり、無指向性はマイクの周囲360度すべての音を均等に拾うため、部屋全体の自然な響きであるアンビエンスを録音したり、複数の人がテーブルを囲んで話すような会議形式の収録場面で活躍します。双指向性はマイクの前方と後方の音を拾い側面からの音を極力遮断する特性を持つため、対面でのインタビューや対談ラジオの収録などで非常に便利です。
そしてカーディオイドは正面からの音を狙って拾う単一指向性であり、ボーカルや楽器の単一ソースを録音する際の基本となる設定です。これら3つのモードをスイッチ一つで切り替えられるため、1本持っているだけで多様な録音環境に柔軟に対応できるというわけです。
音を拾うカプセルに上位機種の技術が使われているというのは、非常に心強いポイントで、大音量の楽器の録音にも対応できる余裕を持った設計がなされており、幅広いソースを歪みなく捉えることができます。
さらに、振動を物理的に吸収するための専用ショックマウントが標準で付属していることも見逃せません。床からの足音やマイクスタンドに手が触れた際の低いノイズを遮断するため、本格的なレコーディング環境をすぐに構築することが可能です。重量は415グラムと重厚感があり、金属製のボディがもたらす安定感はプロ機材そのものです。
配信やポッドキャストに手軽に使える単一指向性モデルC104
続いて紹介するのは、参考価格18,700円(税込)というさらに手頃な価格を実現したC104です。こちらは22ミリのダイアフラムを採用しており、指向性をカーディオイドつまり単一指向性に絞ったモデルとなっています。
上位モデルのC114とは付属品などにも違いがあり、C114にはショックマウントが付属するのに対し、C104はスタンドに取り付けるための専用アタッチメントのみの付属となります。ただ、C104も音は非常によく、手軽で導入しやすいマイクに仕上がっているのが特徴です。
大口径のダイアフラムは、一般的に低域から中低域にかけてのふくよかな響きを表現することに長けており、声の深みや暖かみをしっかりと届けることができます。特に単一指向性のマイクは、音源に近づくほど低音が強調される近接効果という物理現象を持っています。ラジオDJのような深みのある魅力的な低音ボイスを演出したい場合、この大口径ダイアフラムと近接効果の組み合わせは強力な武器となるのです。
また指向性の切り替えスイッチなどがない分、非常にシンプルな操作感となっており複雑な設定を必要としません。そのため、ポッドキャストの収録や日々のライブ配信などで、セッティングの手間を省いて、電源を入れればすぐに高音質な声を届けることを目的とする方に最適なモデルとなっています。
最大SPLは143dBを確保しており、自己ノイズレベルも14dB(A)と静粛性に優れています。現代のデジタル録音環境ではホワイトノイズが目立ちやすいため、この静けさは重要なスペックといえますね。ゲーム配信などで不意の大きな声が入っても音が割れにくく、深夜の静かなトークも背景ノイズに埋もれることなく極めてクリアに拾ってくれます。
重量は375グラムとC114に比べて比較的軽量なため、自宅のデスクに安価なマイクアームを設置して使う際にも、倒れにくく扱いやすいサイズ感に収まっています。動画配信で映える洗練されたデザインにまとまっている点も魅力。ショックマウントが付属しない点は価格を抑えるための工夫と推測されますが、まずはマイクスタンドとオーディオインタフェースを繋ぐだけで、AKGならではのクリアで存在感のあるサウンドを体感できる製品となっています。
楽器録音に威力を発揮するスティック型のC151
最後は、細長い形状が特徴的なスティック型マイクのC151。こちらも価格はC104と同じ参考価格18,700円(税込)となっています。16ミリのエレクトレットコンデンサダイアフラムを採用しており、楽器の収音に適した設計が施されています。
主に楽器の録音に使いやすいモデルで、耐音圧が147dBと非常に高く設計されているため、ドラムのオーバーヘッドやギターアンプなどに直接向けて録音するのにも適しています。AKGのスティック型というとC451などがスタジオの定番として知られていますが、C151は非常に手頃な価格であるため、ドラムのトップ用にステレオで揃えたり、複数の楽器にそれぞれ個別に立てるといった複数本での運用にも適しているのです。
147dBという極めて高い最大SPLは、大音量のスネアドラムやギターアンプのスピーカユニットのすぐ近くにマイキングしても、音が歪むことなく正確に捉えることができる数値を意味しています。スモールダイアフラムは、その名の通り振動板が小さく軽量であるため、音の立ち上がりであるトランジェントに対する反応が極めて速いという物理的な利点を持っています。ダイアフラムの質量が軽いほど、急激な空気の振動に遅れることなく瞬時に追従できるからですね。そのため、アコースティックギターのピックが弦を弾く鋭いアタック音や、シンバルのきらめくような高周波成分を、一切の遅れや濁りなく正確に電気信号へと変換することが可能なのです。
直径22ミリ、長さ140ミリ、重量わずか147グラムというコンパクトなボディは、ドラムセットのシンバルスタンドの隙間など、狭い場所へのセッティングも簡単にしてくれます。アコースティックギターの高域を録音する際や、ピアノのハンマーの打撃音をクリアに捉えたい際にも、こうしたスモールダイアフラムのマイクは重宝しますよ。
以上、AKGの新CシリーズマイクであるC114、C104、C151について紹介しました。それぞれが明確な個性と用途を持ったエントリーモデルとして、魅力的なラインナップに仕上がっています。配信のクオリティを一段階引き上げることを求める人や、これから本格的な音楽制作を始める人にとって、手頃な価格で世界的なオーディオブランドのサウンドを手に入れられる絶好の機会です。楽器店などで見かけた際は、ぜひその質感とサウンドをご自身の耳で確かめてみてはいかがでしょうか?
【関連情報】
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