今年の1月、センセーショナルに登場したVOCALOID Editor for Cubase(ボカキュー)。これまでも何度か紹介してきた通り、Cubaseの一機能としてVOCALOID3 Editorを統合するというもので、単なるアドオンソフトではなく、またReWireでの接続とはまったく異なる、有機的な機能統合となっており、VOCALOIDを使った音楽制作を非常に効率よくするものでした。

さらに7月にはMacにも対応したVOCALOID Editor for Cubase NEOが登場。これによって、今までできなかったMac上でのVOCALOID利用が可能になり、「これを機会に、DAWをCubaseに乗り換えよう!」と考えた人も少なくないと思います。ただ、中には「Cubaseまでセットで購入するとなる予算オーバーだ…」と諦めていた人も少なくないのではないでしょうか?しかし、ついにこの環境をもっと手ごろに実現する方法が発表されました。


VOCALOID Editor for Cubaseが1.0.4へのアップデートでCubase AI 7などに対応
 
本日、ヤマハから発表された情報を見ると、ボカキューがCubase 7Cubase Artist 7に加え、
   Cubase AI 7
   Cubase LE 7
のそれぞれでも利用可能になるとのことなのです。


UR-22などにバンドルされるCubase AI 7でボカキューが利用可能に 

ご存じの方も多いと思いますが、Cubase AI 7はSteinbergのオーディオインターフェイスであるUR-22など、Steinberg/YAMAHAの製品にバンドルされるソフト。上位版であるCubase 7やCubase Aritst 7と比較すると、同時利用できるプラグインの数やインストゥルメントの数が少なかったり、搭載している機能が少ないなど制限はあるものの、オーディオレコーディングからMIDIでの打ち込み、ミキシング、マスタリングまでできてしまう高性能なDAWです。


事前に入手したCubase Elements 7でボカキューを動かしてみた!

初めてのDTMユーザーであれば、これで一通りのことは十分にできてしまうため、入門用としてはまさに最適なソフト。これが15,000円程度で入手可能なオーディオインターフェイスUR-22にバンドルされているわけですから、ほとんど躊躇することなく入手できると思います。


Steinbergのオーディオインターフェイス、UR-22 

ちなみに、今回ボカキューとの連携可能なCubase AI 7がバンドルされている製品は、現在のところUR-22のほか、SteinbergのコントロールサーフェイスであるCMCシリーズ。これら製品の場合、DVD-ROMがバンドルされているのではなく、「CUBASE AI DOWNLOAD INFORMATION」という紙が同梱されており、ここにあるアクセスコードを利用して最新版のCubase AI 7がダウンロード可能となっているんですよね。


コントロールサーフェイスのCMCシリーズにもCubase AI 7がバンドルされている

YAMAHAによると、今後登場する新製品は順次、このダウンロード型のCubase AIに切り替えていくとのことですが、従来製品にバンドルされていたCubase AI 6などをCubase AI 7へアップグレードすることはできないそうです。
 

UR-22の製品の中に入っている、Cubase AI 7をダウンロードするための情報が書かれた紙 

なお、Cubase LEはSteinberg/YAMAHA以外のメーカー製品にバンドルされているCubase。ZOOMやTASCAM製品などに入っていますが、私の知る限りでは現時点バンドルされているのはCubase LE 6であり、ダウンロード対応となったCubase LE 7がバンドルされているものはまだなさそうですよ。

そしてCubase Elements 7はバンドル版ではなく、製品として販売されているCubase 7シリーズのエントリーモデルで、今年6月に発売されたもの(実売価格12,800円程度)。実はこの、AI/LE/Elements 7のぞれぞれのインストーラは同じものになっており、基本的な機能は共通になっているんですよね。とはいえ、同時に使えるプラグインの数などにそれぞれで違いがあり、一番高機能なのがElements 7、その次がAI 7で、一番下がLE 7という関係になっています。


Cubase Elements 7もVersion 7.0.6でボカキュー対応になる 

せっかくボカキューを出すならば、AI 7などで使えるようになっていたらよかったのに……」と思っていたのですが、実はわざとできなくしていたわけではなかったようです。YAMAHAの担当者に聞いてみたところ

これまで、私たちはCubase AI/LE/Elementsでもボカキューが使用できるようにならないか、ボカキューの開発を始めた時以来ずっと検討を続けてきました。しかし技術的制約によりこれができなかったのです。具体的には音符と歌詞をCubase側からVOCALOID Instrumentに伝える仕組みが、そもそもCubase AI/LE/Elementsには備わっていませんでした。今回、Steinbergに協力してもらい、Cubase AI/LE/Elements 7にこの仕組みを実装することができました。これによって、これらの下位バージョンでもボカキューが使用可能になります

とのことでした。これは多くのDTM&VOCALOIDユーザーにとって朗報ですよね。

ちなみに、ボカキューとCubase AI/LE/Elemnets 7の連携が可能になるには、それぞれのバージョンでの条件があります。具体的にはVOCALOID Editor for Cubaseが1.0.4以上であること、そしてCubase AI/LE/Elemnets 7のほうは7.0.6以上であること、となっています。


VOCALOID Editor for CubaseがCubase Elements 7上で、快適に動作してくれた 

今回の件が発表された現時点においては、まだCuabse AI/LE/Elemnets 7のほうのアップデータは出ておらず、最新版が7.0.5のようです。数日中には7.0.6のアップデータが出るそうですから、そこからの対応とるようです。

※Cubase AI/LE/Elemnts  7.0.6は2012年10月24日にアップデータが公開されました。 

実は、この新ボカキュー、Cubase AI/LE/Elemnets 7に対応したことに限らず、これまでのCubase 7/Cubase Artist 7ユーザーにとっても大きなメリットがあります。それは、VocaListener(ぼかりす)にも正式対応するということ。実はこれまでも、無理やり使うことはできたのですが、いくつかの制限があったことも事実です。それが、今回正式対応することなり、より使いやすくなるようですね。ただし、ぼかりすはWindows版のみの対応で、Mac版は現時点ありません。この辺も、ぜひ今後に期待したいところですね。

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