ギターベースキーボードドラム……、みなさんは楽器の練習ってどのようにしてますか? 譜面を見ながら弾いたり、人に教えてもらったり、ネットを見ながらだったり、いろいろだと思いますが、やっぱり好きな曲に合わせて、それが弾けるように練習することって多いですよね。でも、耳コピにせよ、譜面を見ながらにせよ、一気に全曲弾くのは難しいので、フレーズごとに練習したり、難しいところだけを繰り返し練習するのではないですか?

そんなフレーズ練習に最適なiOSアプリをヤマハが無料で提供してくれることになりました。Kittarという名前のアプリが、それ。手持ちの楽曲をイントロAメロBメロサビ……のように自動でフレーズごとに分解してくれ、練習したいフレーズだけを繰り返し再生したり、そこだけをゆっくり再生するなど、楽器練習のために便利な機能がいろいろと用意されているのです。


フレーズ練習するためのiOSアプリ、Kittarがヤマハから無料でリリースされた


11月11日の11時にリリースされたこのアプリのKittarというネーミング、フレーズごとに切り刻むからですかね(笑)。実際に使ってみると、かなり不思議なほどによくできているんです。


曲を選ぶと、まず自動での曲解析が始まる。時間的には5秒程度で完了

使い方はいたって簡単。Kittarを起動するとiPhoneに入っている普段聴いているiTunes管理の楽曲が見えるので、これを選択するだけ。すると自動的に解析がスタートし、5秒程度で完了すると、フレーズリストなるものが表示されるのです。


曲が切り刻まれたフレーズの一覧が表示される


見てみると「フレーズA」、「フレーズB」、「フレーズC」、「フレーズB」……といった表示が並んでいるいます。これをタップしてみると、イントロ部分だったり、Aメロ部分だったり、サビだったりというフレーズに分かれた形で再生されるんですね。

もちろん、解析するのは最初の1回だけで、2度目に曲を選んだときには、瞬時にこのフレーズリストに移るようになっています。またフレーズ名は見れば分かるように、単純にA、B、C、D、E…と並んでいるわけではなく、同じフレーズ、または似たフレーズであれば、同じ名前になるようにできているのがスゴイところ。自動的にフレーズの切れ目を探し出して、「切って」くれているんですね。


フレーズ再生の画面でリポート再生させると、同じフレーズを繰り返し再生できる

フレーズ再生画面に移ると、「リピート」ボタンがあるので、これをタップしてオンにすると、そのフレーズをループ再生してくれる形になります。普通のプレイヤーなら、何度も「再生」、「一時停止」、「早戻し」ボタンを操作しなくてはならないのに、これならとっても簡単。しかも、しっかりビートに合った形で切れているので、リズムを崩すことなく、ループ再生されるので、気持ちよく、苦手なフレーズ、難しいフレーズを繰り返し練習できるはずです。


一番ゆっくりなテンポで再生したい場合、0.3倍の設定ができる


もっとも、難しい速弾きフレーズなどの場合は、それでも簡単に弾けるものではないでしょう。そんなときは、テンポ調整機能もあるので、これを利用するのが便利。通常の1.0倍速から0.9倍速、0.8倍速……と0.1刻みに、0.3倍速まで落とすことが可能なので、これを聴きながら、フレーズを耳コピして弾き、うまく弾けたら少しずつスピードを上げていくと確実ですね。もちろん、テンポを下げてもピッチは変化しないようにできているので、大丈夫です。


トランスポーズ機能によりキーを変更することも可能。ここでカウントインの設定もできる


一方で、テンポはそのままにピッチだけを調整することも可能です。トランスポーズ機能によるピッチ変更の範囲は-6半音~+6半音となっているので、キーを変えて演奏する場合でも、これでバッチリです。

ただ「ループ再生での練習もいいけれど、前のフレーズからのつながりも重要」という場合もありますよね。そんな場合、2つのフレーズをチェーンで接続して、繰り返すということができるほか、カウントイン機能をオンにすることで、目的のフレーズの少し前から再生させるということも可能になります。


カウントイン機能をオンにしておくと、フレーズが終了して、頭に戻る際、設定時間前からスタートする

このカウントイン時間は1~5秒の範囲。拍単位ではなく、秒単位なのがちょっぴり残念な気もしましたが、少し前から再生できるというのは、「そのフレーズにどう入るか」という練習ができる意味で、とってもいいですね。もちろん、このカウントインをオンにした状態でループ再生することもできますよ。


フレーズの並び替えもできるようになっている


さらに「ライブでこの曲演奏する際は、ちょっと構成を変えたい」なんていうときは、フレーズの順番を入れ替えた上で練習することもできるんですよ。ビートさえ正しく切れていれば、キレイにつながりますから、これもなかなか便利な機能だと思いますよ。

さて、こんな風に自動でフレーズを切り刻んでくれるKittarですが、どんな曲でも完璧というわけにはいかないのも事実です。Kittarについて事前にヤマハに紹介してもらったのですが、担当者に確認したところ、曲を解析して、フレーズに分解するのはヤマハ独自の技術を使っているとのこと。とはいえ、やはりビートがハッキリした曲でないと、うまくいかない場合も多いようですね。


必要に応じてフレーズの位置を自分で修正することもできる


また、曲によっては、裏拍で切れてしまって気持ち悪い……なんてこともありますし、正しく分解されていたとしても、人によって、また練習する楽器によって、切り方を変えたいということもあるでしょう。そんなときは手動で切る位置を調整することも可能です。

フレーズを編集」というボタンをタップすると、波形表示された画面が出てきます。波形編集なんてしたことがない方からすると、「何やら難しい画面が…」なんて敬遠されてしまうかもしれませんが、単に曲の切る位置を調整するだけなので、まったく初めての人でも難しくないはず。とりあえず、リピート再生しながら編集していくと、フレーズの最後と最初がつながるので、これがキレイにつながるかを耳で確認しながら調整していくと、うまくいきますよ。


フレーズに対して自分で名前を付けることもできる
 

フレーズ調整ができたら、保存。これで自分オリジナルのフレーズの切り方になりますよ。また、必要あれば、フレーズに「イントロ」とか「Aメロ」などのように、自分に分かりやすい名前に変更することも可能なので、ぜひ試してみてくださいね。


フレーズに名前を付けておくと、あとで見てもわかりやすい 


ちなみに、自動での解析結果も含め、このように編集した結果は、ネット経由でクラウドにアップロードされる仕組みになっています。曲データそのものがアップロードされるのではなく、どの位置で切ったのか…という情報がUPされるだけで、ごく小さな容量のデータが吸い上げられるだけなのですが、これによってKittarがだんだんと賢くなっていく、とのこと。

たとえば、誰かが1度、Kittar上で使った曲であれば、すでに解析済みなので、最初に5秒も待たされることなく、すぐにフレーズ表示されます。また誰かが手動編集していたら、その結果がある程度反映されるようになっているのです。といっても、人によって、フレーズの切り方はそれぞれであるため、多くの人が採用している切り方が適用されるみたいですね。

それにしても、こんな便利なアプリが無料で入手できるというのは、嬉しいですね。これによって、楽器プレイヤー人口が増えれば、いずれ楽器メーカーであるヤマハにとってもメリットになる……ということなんですかね。

私も実際に使ってみましたが、このフレーズで切り刻んでくれるという発想は、想像以上に面白く、練習用にすごく便利であることは実感できました。これまでも練習用のツールとして、ピッチを変えずにゆっくり再生することができる耳コピアプリなどは使ったことがありましたが、単にゆっくり再生するだけでなく、ビートに乗った状態のままループ再生して練習できるのは、すごくいいですね。

ただ、曲によっては、思った位置に切れていないケースもあるので、今後データベースが整って、より精度の高いフレーズができるようになってくれると嬉しいところ。とはいえ、自分の練習したいところのループを細かく調整して切り出すという作業も結構楽しいんですけどね。そのほか注文をするとしたら、カウントインを秒数じゃなくて、拍とか小節単位でできると、よりよいかな…と。この点は今後のバージョンアップにも期待したいところです。

このKittarを使ってみて、久しぶりにギターの練習でもしようかな、と思ってちょっぴり始めたところでした!

【関連情報】
Kittar製品情報(ヤマハ)

【App Store】
Kittarダウンロード