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14年ぶりのメジャーアップデート!日本が誇る究極のメタルギター音源、Prominy V-METAL 2がついにリリース

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世界中で高い評価を受けている日本のギター音源メーカー、Prominy(プロミニー)をご存じでしょうか。北海道・札幌にあるProminyは約20年間、ギター音源一筋で開発を続けてきたメーカーで、これまで究極のアコースティックギター音源であるHummingbird、メタルギター音源であるV-METAL、エレクトリックギター音源のSC Electric Guitar 2、エレクトリックベース音源のSR5 Rock Bass 2など、数々の名作を作り出してきた、世界にも例を見ないメーカーです。

そのProminyが2011年にリリースした人気のメタルギター音源V-METALの後継製品となるV-METAL 2が12月22日に発売されました。14年ぶりのメジャーアップデートとなる今回の製品は、ESP®のAlexi Blackyを新たに21,000サンプル追加レコーディングし、合計約47,000サンプル、約22GBという膨大なライブラリへと進化。さらにインターフェイスを一新し、強力なアンプシミュレータとエフェクトを内蔵するなど、表現力と操作性が大幅に向上しています。どのような音源なのか、Prominyの代表取締役である大川晃史さんにオンラインでインタビューすることができたので、紹介していきましょう。なお、V-METAL 2はNative InstrumentsのKONTAKT Player(無料)で動作する音源で、通常価格は37,900円(税別)となっています。そのためWindows、MacのVST3、AAX、AU環境で動作するのはもちろん、スタンドアロンでも動かせるものとなっています。

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メタルだけじゃない、幅広く使えるハムバッカー・ギター音源

そのインタビューに入る前に、まずはこちらのビデオをご覧になってみてください。V-METAL 2のスゴさが分かると思います。

どうですか。これがソフトウェア音源によるものだと信じられますか。このビデオで使用されているすべてのギターサウンドはV-METAL 2内蔵のアンプシミュレータおよびエフェクトによって作られているとのこと。製品名からメタル専用と思われがちですが、実はクリーンからクランチ、ヘヴィなディストーションまで、幅広いジャンルに対応できる万能なハムバッカー・ギター音源なのです。

圧倒的なリアリティを実現する膨大なサンプリング

V-METAL 2の最大の特徴は、やはりProminyならではの圧倒的なリアリティです。今回、前作V-METALの約26,000サンプルに加え、新たに約21,000サンプルを追加レコーディングし、合計約47,000サンプル、約22GBという膨大なライブラリとなりました。

使用しているギターは前作と同じESP® Alexi Blacky。EMG®ハムバッカー・ピックアップを搭載したこのギターから、ギターからダイレクトにレコーディングされたクリーンサウンドをサンプリングしています。これにより、内蔵のアンプシミュレータやエフェクト、または外部のアンプシミュレータを使用することで、さまざまな音楽ジャンルに対応できる柔軟性を実現しています。

V-METAL 2のフレッドボード・モニター

複数段階のパームミュートとプリ・ノイズ機能

今回のV-METAL 2で特に注目すべき新機能が2つあります。

1つは複数段階のミュート具合に切り替え可能なパームミュートです。タイトなミュート、中くらいのミュート、ルーズなミュートなど、さまざまなミュート具合を実際に演奏してサンプリング。これにより、演奏表現の幅が大きく広がり、ギターサウンドのリアリティがさらに高まっています。

パームミュートでのミュート具合を設定ができるようになっている

パームミュートはモジュレーションホイールからコントロールするかベロシティーでコントロールするかを選択可能

もう1つはプリ・ノイズ機能です。これは、ノートのアタック部分に微細なノイズを加えることで、より多彩なピッキングニュアンスの表現とコントロールを可能にする機能。ピックが弦に当たる瞬間のさまざまな音のバリエーションを複数種類から選択でき、演奏のリアリティと個性をさらに引き立てます。

プリノイズに関する設定も可能

強力な内蔵アンプシミュレータとエフェクト

前作V-METALでは外部のアンプシミュレータやエフェクトが必要でしたが、V-METAL 2では強力なアンプシミュレータとエフェクトを内蔵。SC Electric Guitar 2と同様、このソフト単体ですべての音作りができるようになっています。

エフェクトやアンプ機能が内蔵されている

エフェクトスロットは最大14個使用可能で、各スロットに自由にアンプ・シミュレータやエフェクトを割り当てることができます。しかも、割り当てられたエフェクトはドラッグ&ドロップで自由に順番を変更可能。エフェクトの追加、削除も簡単な操作で直感的に行えるようデザインされています。

数多くのエフェクトが利用でき、順番の入れ替えも自在

インスピレーションを刺激し、即戦力として使える250以上のバリエーション豊富なファクトリー・プリセットが用意されているので、プリセットを読み込むだけで、即座にミックスに投入可能な完成度の高いギターサウンドを得ることができます。もちろん、内蔵エフェクトをオフにして、自分の好みのアンプシミュレータやエフェクトを使うことも可能です。

一新されたインターフェイスとSPI

V-METAL 2では、インターフェイスが全面的に刷新されました。前作V-METALは初期のProminy製品で採用していた「マルチ」形式(複数のNKIファイルを同時にコントロールする方式)でしたが、V-METAL 2ではワンパッチに全機能が統合されており、パラメータへのアクセスが格段にやりやすくなっています。

また、Prominyの歴代製品に搭載されてきたSPM/SPIをさらに進化させたV-METAL 2 SPI(Super Performance Instrument)を搭載。リアルタイム演奏時にこれまでにないレベルのリアルなギターサウンドを提供します。

フレッドボード・モニターのズームビュー

フレットボード・モニターが現在のフレット位置や奏法をリアルタイムに表示し、演奏状況を視覚的に把握することができます。Full ViewとZoom Viewの2つの表示モードがあり、好みに応じて切り替えることができます。

Prominyならではの豊富な奏法表現

V-METAL 2は、Prominyならではの圧倒的な奏法バリエーションを誇ります。

主な奏法・表現

  • バリエーション豊富なプリセット・コード
  • ユーザーコード(ユーザー・コード・エディターで独自のあらゆるコードが作成可能)
  • リアルタイム・レガート・スライド/ハンマリング・オン & プリング・オフ
  • ビブラート
  • トリル/ピッキング・トレモロ
  • 複数段階のミュート具合に切り替え可能なパームミュートおよびピッキング・ノイズ
  • グリス・ダウン
  • ピッキング・ハーモニクス/ナチュラル・ハーモニクス
  • ユニゾン・ベンド/ダブル・ベンド
  • フレット・ノイズ、ピックストップ・ノイズ、ブリッジ・ミュート・ノイズ、リリース・ノイズ、ポジション移動ノイズ
  • フィードバック
  • ムービング・ハーモニクス
  • レイク奏法
  • クリケット奏法
  • 特殊効果音(スクラッチ、アーミングなど)、その他さまざまなノイズ

特にリアルタイム・レガートスライド/ハンマリング&プリングは、実際のギター演奏によるレガートスライドを録音したサンプルを使用しているため、多くのギター音源製品に見られるピッチ変換(ポルタメント)による擬似的なレガートスライドでは到底再現できない、リアルな演奏表現を可能にしています。

レガートスライドも実際に演奏されたサンプリングで鳴らすことができるので、非常にリアル

また、リアル・サンプル・コードとして、実際に演奏された多数のコード・サンプルを収録。他社製品の多くは、シングル・ノートのサンプルを演奏時にプログラムで組み合わせて鳴らしているため、ギター特有の「コード」サウンドとは違うものになってしまいますが、V-METAL 2は実際に演奏された本物のコードを独自のプログラミングにより容易に演奏することを可能にしています。

さらにユーザーがどの弦をミュートするか、どこを抑えるかなど細かく指定したユーザーコードを設定してオリジナルのコードを作って記憶することも可能となっているので、その自由度も限りなく広くなっています。

ユーザーが自由にコードを設定することも可能

ドロップCチューニングで低域サウンドを網羅

V-METAL 2では、メタル/ロック系ギタリストに人気の高いドロップCチューニングを採用。低域(Low C〜Low D♯)をカバーしており、モダン・メタル、デス・メタル、ニューメタル、メタルコア、ロック、ポップなど、幅広いジャンルに対応します。さらに、最大4半音(Low G♯まで)のダウン・チューニングが可能で、より深く重厚なサウンドにも対応します。

NKS対応で直感的な操作が可能

V-METAL 2はNKS(Native Kontrol Standard)に対応しています。KOMPLETE KONTROL Sシリーズキーボードなどのハードウェアから主要パラメータのコントロールが可能で、Light Guide(鍵盤一つ一つについたLED)でキースイッチや演奏可能なキー・レンジの視覚的な確認を行うことができます。

NKSについては今年の「【NAMMレポート10】NIのNKSがよりオープンな規格に。KORG、AKAI、Novation、Nektar、M-Audioの各機器がNKSに対応」という記事でも紹介した通り、オープンな規格になったため、Native Instrumentsのキーボード以外にもさまざまなメーカー製品が使えるようになっているのも魅力です。

ウィンターセール実施中

V-METAL 2のリリースに合わせて、Prominy製品全体でウィンターセールを実施中です(1月末まで)。

セール価格

  • V-METAL 2 単体:37,900円 → 28,425円(25%オフ)
  • V-METALからのアップグレード:17,800円(約53%オフ)
  • SR5 Rock Bass 2 単体:30%オフ
  • その他製品 単体:25%オフ
  • バンドル(2製品):30%オフ
  • バンドル(3製品):35%オフ
  • バンドル(4製品):40%オフ

複数製品をまとめて購入するとさらにお得になるので、この機会にProminy製品を手に入れるチャンスです。


Prominy 代表取締役 大川晃史さんインタビュー

ここからは、V-METAL 2の開発者であるProminyの代表取締役、大川晃史さんにインタビューした内容を紹介していきます。

Prominyの代表取締役、大川晃史さん

――ついに、V-METAL 2が完成したのですね。おめでとうございます。前作SC Electric Guitar 2から3年ぶりの新製品ということですが、V-METALからは14年ぶりということになりますね

大川: ありがとうございます。V-METALは2011年のリリースでしたので、本当に14年ぶりのメジャーアップデートとなります。前作SC Electric Guitar 2が2022年のリリースでしたから、それから3年間、ずっとこのV-METAL 2の開発に取り組んできました。ようやく完成したという感じですね。

――今回で7作目の製品ということですが、V-METAL 2の開発にはどれくらい時間がかかったんですか

大川: 3年くらいかかりました。ただ、今回は前作のV-METALに21,000サンプルを追加して、合計47,000サンプルのライブラリーになっています。ベースは前のV-METALで、使用しているギターも前と同じESP Alexi Blackyです。

――サンプリング、エディティング、スクリプティングと、かなりの作業量だったと思いますが

大川: そうですね。以前は、まずサンプリングを全部やってから、その後エディティングに入って、という順番でやっていたんですが、今回は割と並行して進めました。ある程度見た目も作りながら、徐々に並行してやっていくという感じでしたね。

実は以前、すべて録ってから編集作業などをした結果、狙った感じじゃないなということで、全部捨ててやり直したことがあったんですよ。その痛い目にあったことがあったので、今回は少しずつ完成させていく形にしました。バランスよくやりながら固めていく、という感じですね。

実際にV-METAL 2の制作時のサンプリングに利用されたESPのAlexi Blacky

――Prominyのユーザーさんって、日本と海外ではどんな割合になっているんですか

大川: 日本が6〜7割、海外が3〜4割という感じですね。日本のユーザーさんが多いです。海外でいうとアメリカが一番多いですね。次がドイツ、それからフランスという順番です。

――やはり日本ユーザーが一番多いんですね

大川: そうですね。2008年ごろから国内の楽器店さんでの販売をはじめたこともあり、日本のユーザーが大きく増えました。それまでは海外ユーザーの方が多かったんですが、その後は日本のユーザーが多くなっています。

――今回のV-METAL 2の特徴を改めて教えていただけますか

大川: 大きく分けて3つあります。まず、オーディオのボリュームが増えたこと。前作の26,000サンプルに21,000サンプルを追加して47,000サンプルになりました。

次に、インターフェイスが全く新しくなりました。前作V-METALは初期のProminy製品の「マルチ」という形式で、複数のNKIファイルを同時にコントロールする方式だったんですが、他の製品ではだいぶ前からやめていたんですよ。今回はワンパッチに全部入っているようになって、格段にパラメータアクセスしやすくなりました。

そして3つ目が、やはりアンプとエフェクトが大きいですね。前は外部の自分の持っているアンプシミュレータやエフェクトがないと、基本的にはDIの生音だったんですが、SC Electric Guitar 2と同様、強力な内蔵アンプ&エフェクトが付きました。今回はプリセットもかなり力を入れて作って、250個くらいあります。それだけでもかなりいろんなサウンドがあるので、だいぶバリエーションがあって、それだけでも遊んでもらえると思います。

――内蔵エフェクトは、これはKONTAKT側の機能を使っているんですか

大川: そうです。KONTAKTで利用できるモジュールを、V-METAL 2のインターフェイスから使えるようにしました。おそらくモデルはGuitar Rigがベースになっているモジュールだと思うんですけど、それをProminy仕様にしたという感じですね。

――これによって、V-METAL 2単体で完結できるようになったんですね

大川: そうですね。これで完結できます。そのままミックスに放り込んでも大丈夫なぐらいの音作りはできます。もちろん、あえてここは使わないで、自分の好きなものを使うのもOKです。エフェクトオフというのはメイン画面から簡単にオフにできるので、それでお好きなお持ちのやつを使っていただくのもいいと思います。

――初めてのユーザーでも、これを使うことですぐにメタルの音が出せるわけですね

大川: メタルもそうですし、クリーンの音とか幅広く音を作れます。デモビデオにもクリーンの音で鳴らしているものがありますので、そういうのを聴いてもらえば、いろんな音ができるんだなというのが分かると思います。

――現在のProminyのラインナップの中で、V-METAL 2の位置づけはどういうものですか

大川: Prominyの中では、幅広く、ジャンル問わず使えるハムバッカーのギターという位置づけですね。「メタル」という名前は付いていますけど、実はかなり幅広く使ってもらえるハムバッカーのエレキギターという感じです。

――サンプリングする際は、生音で録っておくわけですが、モニターする際はアンプやエフェクトをかけながら録っているんですか

大川: そうですね。基本的にはアンプを通った、だいたいこのぐらいのちょうどいいぐらいの歪みかなと自分で思うところでモニターして、実際にレコーディングしています。音はドライで、DIの音ですけど、モニターはアンプをかけた音でやっています。

――奏法によってモニター音を変えたりするんですか

大川: 奏法によって変えたりしますね。クリーンとかに適しているような、むしろクリーンメインかなみたいなものを撮るときは、やっぱりあまり歪ませないでクリーン系でやったりとか。撮る時からいろんな用途を考えながら撮っています。

――今回初めて入れた機能で、特徴的なものはありますか

大川: 今回初めて入れた機能で、新しいサンプルの中で結構な割合を占めるんですけど、プリ・ノイズという機能を入れました。これは何かというと、ギターのピックが当たるときのいろんな音のバリエーションを出す、頭の音を複数種類入れているんです。これは今までのライブラリの中で初めて入れている機能ですね。

あともう一つ、やっぱりみんな喜んでくれているのが、パームミュート具合が複数段階に切り替えられるようになったというところです。これが一番大変だったかな。レコーディングとエディティングが。

――ミュート具合の調整は手でやっていくからなんですか

大川: そうですね。実際に本当にタイトなミュートとか、中くらいのミュート、ルーズなミュートとか、全部録っていくんですけど、やっぱり加減がレコーディング時はすごく微妙で、なかなか時間がかかるものでした。それを実際に何個も録るんで、OKテイクを選別するのが、また、すごい時間がかかるんですよね。1個に対して何十個とか録るんで、その中から取捨選択していきます。

――最後に、DTMステーション読者の皆さんにコメントをいただけますか。

大川: まずは、YouTubeに上がっているデモを聴いて、本当にどう思うか、リアルだなと思っていただけたら、V-METAL 2は今の最新製品ですので、いろんなジャンルに使えますので、試しに手に取っていただければ嬉しいかなと思います。読者の方の中にはすでに、当社製品をご購入いただいた方もいらっしゃるかもしれません。Prominyのユーザーって、多分がっつり自分で曲作りたい人というのが多いんだと思うんですよね。今回のV-METAL 2に関しては、そういう欲求をなるべく満たせるように、新機能を増やしたり、いい音楽を作れるように、私自身が本当に自分の曲に使うために作っているものなので、今までのProminy製品の良いところを進化させたものになっていると思います。V-METALを持っている人はアップグレードしていただいたり、他のProminy製品を持っている人は、V-METAL 2もその仲間に加えていただければなと思います。

――ありがとうございました


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V-METAL 2製品情報
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この記事を書いた人

DTM、デジタルレコーディング、デジタルオーディオを中心に執筆するライター。インプレスのAV WatchでもDigital Audio Laboratoryを2001年より連載。「Cubase徹底操作ガイド」(リットーミュージック)、「ボーカロイド技術論」(ヤマハミュージックメディア)などの著書も多数ある。趣味は太陽光発電、2004年より自宅の電気を太陽光発電で賄うほか、現在3つの発電所を運用する発電所長でもある。

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