めちゃカッコイイ!こんなベース音を出したかった!札幌のメーカー、Prominyが発売したバーチャル・ベース音源、SR5 Rock Bass 2がスゴイ

以前「世界が驚愕する究極のアコースティックギター音源、ProminyのHummingbirdを試してみた」という記事でも紹介した札幌の音源メーカー、Prominy。そのProminyが久しぶりに新しい音源、SR5 Rock Bass 2をリリースしました。気が遠くなるほど膨大なサンプリング作業を、1つ1つ丹念に積み上げていく職人技で作り上げるProminyの音源づくりは1つの製品開発に3、4年の歳月を要するのだとか。

その成果によって、今回Hummingbird以来4年ぶりにリリースしたのが、バーチャル・ベース音源のSR5 Rock Bass 2。MusicManStringRay 5を元にサンプリングした数は21,700、約26GBにも及ぶとのこと。ベース・ソロにも耐え得る高い表現力を備えた音源に仕上がっています。世界中のユーザーが注目するこの新しいベース音源、実際、どんなものなのか試してみたので、紹介してみましょう。


Prominyが3月15日に発売したベース音源、SR5 Rock Bass 2

まずは、ProminyがSR5 Rock Bass 2のデモビデオを公開しているので、これをご覧になってみてください。

いかがですか?「これが、ソフトウェア音源なの?」という感じのベースサウンドですよね。太いベースサウンドでのレガートからハーモニクス、スライド……とさまざまな奏法を駆使することができ、聴いている限りでは、超上手なベーシストが弾いているものだとしか思えないですよね。

Prominy製品をご存知ない方も多いと思うので、まずは基本的部分について紹介しておきましょう。冒頭でも触れたとおり、新製品であるSR5 Rock Bass 2をはじめ、Prominyの音源は基本的にサンプリング音源であり、Native InstrumentsKONTAKTをエンジンに使っています。そのため、これを使うためにはKONTAKTも必要となるのですが、無料で入手可能なKONTAKT PLAYERに対応しているので、別途出費は不要です。


SR5 Rock Bass 2はKONTAKTをエンジンに使った音源になっている

もちろんMacでもWindowsでも使うことは可能で、スタンドアロンで動作するほか、MacならAudio Units、VST、AAXのプラグインとして、またWindowsならVSTおよびAAXのプラグインとして動作させることが可能なので、ほとんどすべてのDAWで使うことが可能です。

Prominy製品に共通する最大の特徴は、そのリアリティです。SR5 Rock Bass 2の場合の約26GB、21,700サンプルという膨大な数字からもわかる通り、細部までこだわりぬいた音作りは、世界中のユーザーから信頼されており、数多くのプロフェッショナルな現場で使用されています。ちなみにイントールの際には音質劣化のないロスレス圧縮がされるため、インストール後のデータサイズは14.2GB程度となります。

さてSR5 Rock Bass 2は、もちろん打ち込みだけでなく、リアルタイムに演奏できるのも重要な特徴。各種奏法を駆使しながらキーボードを使って演奏することができるようになっているのです。

1つ1つのサンプリングデータが大きいので、メモリ使用量を大幅に減少させてロード時間を大幅に短縮させるためのプリロード・バッファ値の設定をKONTAKT側で行っておく必要がありますが、1度設定してしまえばOK。あとは右手で5のエリア演奏しつつ、左手で奏法を切り替えていくのです。これをSR5 SPI(Super Performance Instrument)と呼んでいるのですが

リアルタイム・レガート・スライド
リアルタイム・ハンマリング&プリング
リアルタイム・トリル
リアルタイム。ピッキング・トレモロ
ミュートおよびピッキングノイズ
グリス・ダウン
ナチュラル・ハーモニクス
フレット・ノイズ
タッピング・ノイズ
ピック・ストップ・ノイズ
ブリッジ・ミュート・ノイズ
リリース・ノイズ
ポジション・チェンジ・ノイズ
パット・ストップ・ノイズ
ストラム・ノイズ
特殊 効果音、その他様々なノイズ
バリエーション豊富なプリセット・コード
ユーザーコード(ユーザー・コード・エディターで独自のコードが作成可能) など

といった演奏ができるのです。必要に応じて各キーの割り当てをカスタマイズしていくことも可能になっています。


各キーの役割をカスタマイズすることもできる

またNKS=Native Kontrol Standardに対応しているので、Native InstrumentsのKOMPLETE KONTROL-SシリーズやKOMPLETE KONTROL-Aシリーズなどキーボードを持っていると、より演奏しやすくなると思いますよ。

NKS対応しているためNative InstrumentsのKKSを使うと、演奏しやすくなっている

実際にMIDIキーボードを弾いてみると、状況に応じて最適な弦およびフレット・ポジションを自動的に選択し、フレットボード・モニターに表示してくれます。ただ「ここは2弦で弾きたいんだ!」なんて場合は、キー・スイッチを使用してマニュアルで指定することもできますよ。


instrumentsをクリックして奏法を選択

もちろん、こうしたリアルタイムでの演奏をMIDIレコーディングしていけば、DAWへのベースの打ち込みができるわけですが、1ステップずつ打ち込みたいという場合は、画面上で各種設定をして入力していくことも可能です。instrumentsをクリックすれば、各種奏法を選択することができますし、ストロークをUPにするのかDOWNにするのか、そのスピードをどのくらいにするのか…といったところも細かく指定していくことも可能です。


ストロークの設定もできる

一方、SR5 Rock Bass 2には強力なエフェクトおよびアンプシミュレータも搭載されています。エフェクトとしてはコンプレッサー、オーバードライブ、モジュレーション(コーラス、フランジャー、フェイザー)のそれぞれでスイッチを入れれば即利用可能です。


SR5 Rock Bass 2に内蔵されているエフェクト&ギターアンプシミュレータ

またアンプ・シミュレータはModern、Smooth、Heavyの3つのアンプモデルを切り替えて使うことができます。とはいえ、すでにお気に入りのエフェクトやアンプシミュレータがあるという場合は、無理にSR5 Rock Bass 2搭載のものを使わなくても、DAW上で設定してお気に入りのものを使うのもいいと思いますよ。

ところで、SR5 Rock Bass 2という名前からも想像できる通り、SR5 Rock Bass(Ver.1)というものが2010年に発売されていたのですが、今回のものはVer.1の機能をすべて踏襲しつつ、大幅に機能、性能UPしたというもの。そのVer.1にもHammer-on(ハンマリング)という機能があったのですが、今回のSR5 Rock Bass 2ではハンマリングの際に強めにハンマリングして弦がフレットに当たる音を強調したHeavy Hammmer-onというハンマリング音を新たに追加しています。これにより、たとえば開放弦を鳴らした直後に弦の振動を利用しながら強くハンマリングしてアクセントを付けた「バチン」という感じのハンマリング音を再現する、などといったことが可能になっています。


ハーモニクスタイプの設定や各弦のベンドレンジなどの設定画面もある

また弦をかなり強くピッキングし意図的に「ビビリ」を加えたサスティン音を収録したHeavy buzz sustainという機能も加わっています。弦が暴れる感じを出して生々しい、ワイルド感溢れるリアルな演奏表現ができるようになっているのです。

インストゥルメント・キー・スイッチにはコード認識機能が備わっています。特定のキースイッチを押してそのキースイッチに割り当てられた特定のインストゥルメントを選択する、といった通常のインストゥルメント・キースイッチとしての機能だけではなく、インストゥルメント・キー・スイッチの範囲内でコードの構成音を押さえると、そのコード・インストゥルメントが選択されます(つまり、コード・インストゥルメントに関してはキースイッチを暗記する必要が無い、ということになります)。


ストラム・キーの設定画面
ほかにも各弦をどのように鳴らすか設定して演奏することができるストラム・キーを装備しているなど、機能はとにかく盛沢山。マニュアルでMIDIコントロールチェンジの割り当てなどを見ていくと、「こんなこともできるのか!」といろいろ発見できるのも面白いところです。


SR5 Rock Bass 2はKONTAKTをエンジンに使った音源になっている

ProminyではもうひとつSR5 Rock Bass 2のデモビデオを公開しているので、こちらもご覧になってみてください。

こちらもV-METALと組み合わせたデモですが、このベースソロを聴くと、グッと来ちゃいますよね。

このSR5 Rock Bass 2は、すでに楽器店の店頭ではパッケージが販売されているほか、Prominy online shopからもパッケージを通販の形で購入可能です。このパッケージ内にはダウンロードコード、シリアルナンバー、ダウンロードやインストールの手順を説明するPDFを収録しているCD-ROMが入っています。またネット通販形態の楽器店の中には、パッケージ版のほか、Eメールでダウンロードコードとシリアルナンバーを納品するところもあるようです。

また通常は14,900円(税別)ですが、3月31日までは、発売記念特別価格となっているので、早めに入手するのがよさそうですよ!

【関連情報】
SR5 Rock Bass 2製品情報
Prominyサイト

【価格チェック】
◎Rock oN ⇒ SR5 Rock Bass 2(パッケージ版) SR5 Rock Bass 2(ダウンロード版)
◎宮地楽器 ⇒ SR5 Rock Bass 2
◎Amazon ⇒ SR5 Rock Bass 2
◎サウンドハウス ⇒ SR5 Rock Bass 2
◎Prominy online shop ⇒ SR5 Rock Bass 2

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1件のコメント
  • 2019年03月21日(木)の日常 | okaz::だめにっき

    […] めちゃカッコイイ!こんなベース音を出したかった!札幌のメーカー、Prominyが発売したバーチャル・ベース音源、SR5 Rock Bass 2がスゴイ | | 藤本健の “DTMステーション” […]

    2019年3月22日 11:16 PM

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