Banner B0
640x200伸縮サイズ
Banner B1
640x200伸縮サイズ
Banner A0(728x90)伸縮サイズ

U87、U67、C-800G、C414……世界中のビンテージマイクをデスクトップで実現するAntelopeのFPGA内蔵USBマイク、Edge Goが誕生

音楽制作において、どこにお金を掛けるかは、人によって異なると思いますが、こだわりだすと、キリがなくなるのがマイクでしょう。とくに定番のビンテージマイクを入手するとなると1本で数十万円は当たり前……という世界。そうした中、ビンテージマイクさんがらのサウンドが得られるモデリングマイクとして定評あるのが、Antelope AudioEdgeシリーズです。

先日も「Antelopeのモデリングマイク、Edgeをビンテージマイクと徹底比較。U87、C-800G、C414、U47 FET、U67……など定番7マイクと録り比べ」という記事で、そのモデリング性能を比較しましたが、そのとき使ったのとまったく同じ音を、6割程度で実現できるマイク、Edge Goが発売となりました。これはバスパワーで動作するUSBマイクであり、まさにDTM環境で手軽に使えるというもの。実際に使ってみたので、どんな製品なのか紹介してみましょう。


Antelopeのモデリングマイク、USB接続で使えるEdge Goを試してみた

Banner B2
640x200(320x100)
伸縮サイズ
Banner B3
640x200(320x100)
伸縮サイズ
Banner A1(728x90)
伸縮サイズ

以前の記事を改めて振り返ると、このときはAntelopeのオーディオインターフェイス、Discrete 8に、AntelopeのEdge Duoというマイクを接続した上で、女性、男性と二人のボーカルをレコーディングしていきました。


昨年行ったEdge Duoとビンテージマイクとの比較テスト

その際、Edge Duoと同時に定番のビンテージマイク7本を一緒に設置して、同時にマルチトラックでレコーディングするという、かなり特殊なセッティングで録音していったのです。そのレコーディング後、Discrete 8に搭載されているFPGA FXによるマイクモデリング機能を用いて、録った音を各ビンテージマイク風に変換。それぞれがどう違うかを聴き比べていったのです。

その時の音は以下のSoundCloudで聴き比べられるようになっているので、ぜひチェックしてみてください。


それぞれかなり多くのデータが並んでいるので、ちょっと分かりにくいかもしれませんが、たとえば「414 Hanako」はAKGのC414で録音した音で、「414 Edge Hanako」はEdge Duoで録ったものを後でマイクモデリング機能でC414風に変換したものなので、これを聴き比べるといいわけですね。


昨年の実験ではEdge DuoをDiscrete8に接続して行った

まあ、ビンテージマイクですから、個体によって音に違いはあるため、まったく同じ音にすることは不可能ではあるのですが、かなり近いサウンドを実現できていることが分かると思います。好みの問題ではあるけれど、ビンテージマイクで録ったものよりも、Edge Duoで録ったもののほうが、いい音に感じられるものも結構ありますから、そもそも、このマイク自体がかなり高品位なマイクである、ということなんでしょうね。


今回使うEdge Go、見た目、大きさはEdge Duoとほぼ同じ

ただ、それだけの性能を持ったマイクであるだけに、安いものではありません。Rock oNの価格で見ると、Edge Duo自体が123,000円(税別)、Discrete 8 with Basic FX Collectionが179,000円となっており、合計すると302,000円。ビンテージマイク1本買うよりも安いかもしれませんが、それでもなかなか簡単には手を出しにくいですよね。


Edge Goはラージダイアフラムのコンデンサマイクとなっている

そうした中、今回発売されたEdge Goは178,000円というもの。見た目もEdge Duoとそっくりですが、実はEdge Duoとは大きく異なるシステム構成となっているのです。Edge Duoの場合は、ここからの2つの出力をDiscrete 8のマイク入力にアナログ接続して使う形になっていたのに対し、Edge Goはオーディオインターフェイス不要で、直接USBケーブルでPCと接続可能となっているのです。

ボトムにはUSB Type-C端子(下)と3.5mmのヘッドホンジャック(上)がある

またEdge Goのボトムには、そのためのUSB Type-Cの端子があるほかに、3.5mmのヘッドホン端子が搭載されており、これでマイクの入力音をモニターしたり、DAWの再生音をモニターすることが可能になっているのです。


Edge Goはこんな頑丈なアタッシュケースに入っている

つまり、Edge Go自身はマイクであり、オーディオインターフェイスでもあるわけなのです。もちろん24bit/192kHzに対応し、ダイナミックレンジ117dBを持つ高品位なA/D、D/Aを搭載したオーディオインターフェイスです。またマイクモデリングを実現するには、Antelope製品の特長ともいえるFPGAが必要となるのですが、そのFPGAもここに搭載されているんです。まさに、Antelopeのマイクモデリングを実現するためのミニマムシステムになっているわけなのです。

ケースを開けるとマイク本体、USBケーブル、マイクホルダーが入っているほか、下の層にはマイクスタンドなども

またEdge Go自身はUSBバスパワーで動作するので、非常にコンパクトなレコーディング環境を実現することができるのです。しかも、Edge Goにはマイクホルダー、ポップガードに加え、デスクトップ上に設置できるマイクスタンドまでセットになっているので、これさえあれば自宅のDTM環境をレコーディングスタジオに変身させることができるというわけなのです。


セットアップするとこんな具合に

もちろんMacでもWindowsでも利用することができ、Studio One、Cubase、Pro Tools、Ableton Live、Ability、Logic……とどのDAWと組み合わせて使うことも可能です。ただし、Macの場合はmacOS 11以上、Windowsの場合はWindows 10以上の環境が必須となります。


Antelope Launcherを起動後、Edge Goコントロールパネルを立ち上げる

利用するにはドライバおよびAntelope Launcherというソフトを、Antelopeサイトからダウンロードしてインストールする必要がありますが、インストール後に、Edge GoとUSB接続し、Antelope Launcherを起動。これによりEdge Goが認識されるので、ここからEdge Goコントロールパネルを起動させます。


Edge Goのコントロールパネル画面

するとこんな画面が現れます。左側のINPUT LEVELで入力音量を調整することでき、右側のHP VOLUMEでヘッドホンからのモニター音の音量を調整することができます。聴いてみると、完全にレイテンシーゼロでのモニタリングが可能になっていることがわかります。プリセットが数多く用意されているので、そこから選ぶだけで、すぐに使うことができるのですが、ここではもう少し細かくチェックしてみました。


さまざまなマイクモデリングを選択できる

ここでマイクの絵がある下のVienna 12と書かれた部分をクリックするとモデリングするマイクの一覧が表示されます。全部で12種類ありますが、その内容はEdge Duo+Discrete8のときとまったく同じで、以下のものをモデリングしたものとなっています。

Modeling Mic 元ネタ
Edge Go Edge Go オリジナル
Berlin 47 FT Neumann U47 FET
Berlin 87 Neumann U87
Berlin 67 Neumann U67
Tokyo 800T Sony C800G
Oxford 4038 Coles 4038
Berlin M103 Neumann TLM103
Berlin 49T Neumann M49
Sacramento 121F Royer R121
Berlin 57 Neumann UM57
Vienna 12 AKG C12VR
Vienna 414 AKG C414 XLS

実際切り替えてみると、モニターする音もリアルタイムに変化します。またそれぞれのビンテージマイクの仕様と同様、指向性を調整できるようになっています。単一指向、双指向、全指向性から選択できるとともに、細かく調整できるのです。


指向性を調整できるのもEdge Goの大きな特徴

これだけのビンテージマイクを活用できるというだけでも、まさに画期的製品といえるわけですが、さらに真ん中の黒い部分をクリックすると、木枠のラック画面が表示されます。そう、ここにはエフェクトを入れられるようになっているんですね。


木枠のラック内に各種プラグインエフェクトを入れられる

実は、これがAntelope自慢のFPGA FXというもので、数々のエフェクトをここに並べて使うことができるのです。見てみるとReel to Reel(テープシミュレータ)、PowerGate(ノイズゲート)、PowerEX(エクスパンダー)という3つに加えVintageEQsが6種類、Vintage Comporessorsが7種類、Vintage MicPreampsが5種類が入れられるようになっています。そうこれらはビンテージエフェクトを再現するものですが、元ネタは以下の通りとなっています。

VintageEQs 元ネタ
VEQ-1A Pultec EQP-1A
BAE-1073 NEVE-1073
VEQ-55A API 550a
VEQ-HLF Pultec HLF-3C
LANG-PEQ2 LANG-PEQ2
VEQ-4K BLACK SSL 4000 BLACK
Vintage Comporessors 元ネタ
Mster De-esser Antelopeオリジナル
FET-A76 UREI 1176-LN
VCA160 dbx160
BA-6A RCA BA-6A
Liverpool Grove Hill Liverpool
Stay Levin Sta Level
ALT-436C Altec 436c
Vintage MicPreamps 元ネタ
Gyratec IX Gyraf Gyratec IX
VPA 76 Telefunken V76
BAE-1073MP BAE 1073MP
RD-47 Redd 47
BA-31 RCA BA-31A

いずれのエフェクトも、かなり忠実に名機を再現するものであり、組み込むだけで簡単に気持ちよく掛かってくれるものばかり。しかも、このエフェクト処理はすべてEdge Go内蔵のFPGAが処理してくれるので、コンピュータのCPUパワーを一切取られることなく利用できるのは快適ですね。また最大で4つまで直列でエフェクトを繋いで使うことが可能になっています。


各種ビンテージエフェクトをセットすることができる

これらのエフェクトについては、以前「Antelopeのビンテージエフェクトの元ネタを特定!? FPGA FX搭載のDiscrete 8と高性能コンデンサマイクのEdgeを試してみた」という記事の中でも取り上げたことがありましたが、その時の記事と比較してみると、エフェクトの種類が少し減っています。

Edge Goに搭載したFPGAの処理能力がDiscrete8やDiscrete4と比較すると、少し小さいのかもしれません。使えないものがあるんですね。とはいえ、マイクを買ったら、これだけ多くのビンテージエフェクトが付いてくると思うと、かなりなお得感がありますね。


MIXERをSHOWにすると、ミキサー画面が現れる

また、MIXERの項目をHIDEからSHOWにすると、ダイレクトモニタリングするためのミキサーが現れます。このミキサーにはEDGE GO、USB 1/2、USB 3/4とありますが、デフォルト設定でEDGE GOのボリュームが上がっていたので、ダイレクトモニタリングがされていたわけですね。これをMUTEしたり、ボリュームを下げれば、ダイレクトモニタリングはオフとなり、そのままDAWに行くだけになります。


DAW側からは2IN/2OUTのオーディオインターフェイスとして見える

ところでDAW側からEdge Goを見ると4IN/4OUTのオーディオインターフェイスに見えています。メインの入力である1/2はマイクモデリングおよび各種ビンテージエフェクトを掛けた結果の音をそのままDAWにレコーディングするというものになっています。一方、サブ入力の3/4のほうは、Edge Goに入力された音をそのままなにもせずに取り込んだ、RAWの音になるんですね。


Edge Goはこのマイク本体内にさまざまな機能を詰め込んでいる

そのため、後からマイクのモデリングを変えることができるというのも、Edgeシリーズの重要な特徴です。つまり、U87がいいなと思ってレコーディングしたけれど、あとで編集するタイミングで「やっぱりU47 FETで録っておいたほうがよかったかも……」なんていうときに、RAWでも録音をしておけば、あとでマイクモデリングで変換することができるので、差し替えが可能になるのです。

一方、4OUTを持っていますが、Edge Go自体は2chのヘッドホン出力しかありません。つまり内部的にはUSB 1/2およびUSB 3/4と別々に送り出し、Edge Go内のミキサーでバランスを調整する形になっているんですね。


このミキサー機能でバランスをとっていく

またこの際、マイク、USB 1/2、USB 3/4それぞれ別々にリバーブへのセンド量を調整することも可能になっています。このリバーブはAura VerbというAntelopeオリジナルのビンテージ風リバーブで、いい具合に掛かってくれますね。もちろん、このリバーブもFPGA FXなのでCPUの負荷はありません。またマイクに適用すれば、リアルタイムにボーカルにリバーブを掛けてモニターすることが可能になります。


FPGA FXとして実装されているリバーブ、AuraVerb

ただし、ここでのリバーブ設定はあくまでもヘッドホン出力のためのもので、リアルタイムモニター用途で使うためのもの。したがって、この結果はDAWのトラックへは行かないので、あとでDAWのミックスダウン時などにじっくりとリバーブ調整をすることができますね。

以上、AntelopeのEdge Goについてみてきましたが、いかがですか?手軽にデスクトップ上で高品位なビンテージマイクでのレコーディングが可能になる機材であり、Discrete8とEdge Duoの組み合わせより、圧倒的に安価に実現できるのが魅力です。

ただ、汎用性や拡張性を考えるとDiscrete4/Discrete8とEdge Duoの組み合わせのほうが、自由度は高いし、FPGA FXとして利用できるエフェクト数も多いので、どちらにすべきは悩ましいところ。予算とできることを比較してみて、じっくり悩んでみてもいいかもしれませんね。

【関連情報】
Edge Go製品情報
Antelope Audioウェブサイト
Discrete 8製品情報
Edge Family製品情報

【価格チェック&購入】

◎Rock oN ⇒ Edge Go
◎サンフォニックス ⇒ Edge Go
◎サウンドハウス ⇒ Edge Go
◎Rock oN ⇒ Edge Duo
◎サンフォニックス ⇒ Edge Duo
◎サウンドハウス ⇒ Edge Duo
◎Rock oN ⇒ Discrete  8 with Basic FX Collection
◎Amazon ⇒ Discrete  8 with Basic FX Collection
◎サウンドハウス ⇒ Discrete 8 with Basic FX Collection
◎Rock oN ⇒ Discrete 8 with Premium FX collection
◎Amazon ⇒ Discrete 8 with Premium FX collection
◎サウンドハウス ⇒ Discrete 8 with Premium FX collection