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  • チップチューンからFMサウンドまで、日本のベンチャーSONICWAREが開発したガジェット型シンセ、LIVEN 8bit warpsが18,000円で誕生

日本のベンチャーメーカー、SONICWARELIVEN 8bit warps(ライヴン 8ビット・ワープス)という名前の非常にユニークなガジェット型シンセサイザを発表し、現在クラウドファンディングサイトのKICKSTARTERを使っての予約販売(クラウドファンディングなので正確には投資)を実施中です。正式販売は今年8月ごろの予定で税込み2万円前後となる見込みですが、3月2日まで実施されているKICKSTARTERで購入すると税込み18,000円で入手できるのとともに、正式販売より早い6月には手元に届く予定となっています。

そのLIVEN 8bit waprsは現在リリースに向けて、開発の最終段階に入っていますが、その開発をしている株式会社ソニックウェアの代表取締役、遠藤祐さんにお話しを伺うことができました。そこで、LIVEN 8bit warpsとはどんな機材で、どういうコンセプトで開発したのか、そして実際どんな音が出せて、どのように使うものなのか……、デモもしていただきながら、詳細に聞くことができたので、じっくりと紹介していきましょう。

SONICWAREが開発した新製品、LIVEN 8bit warps

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見た目のデザインから、グッとくる機材ですが、これがどんな音を出すものなのか、まずは以下の1分程度のビデオをご覧ください。

いかがですか? LIVEN 8bit waprsという名前がついているのがなんとなく想像つくと思いますが、いわゆるチップチューン的な8bit波形メモリーシンセ音源を搭載したマシンなので、こうしたネーミングになっているんですね。とはいえ、ただのピコピコサウンドではないことも、感じ取れたと思います。8bitシンセであると同時に、強力なフィルターやエンベロープジェネレータ、さらにはリバーブ、コーラス、フランジャーなどのエフェクトを搭載しており、これらは超高性能・高音質な32bitフロートで処理が行われているのです。

LIVEN 8bit warpsは8bitサウンドでありつつ、超高音質な処理をしている

これを本体搭載のキーボードで演奏できるのはもちろんのこと、ご覧いただいてお分かりのとおり、64ステップのシーケンサが搭載されており、これで演奏させることが可能になっているのです。いわゆるマシンライブに最適化させた機材で、KORGのVOLCAシリーズやBehringerのドラムマシンをはじめとする各社機材とも同期してプレイしながら、ライブパフォーマンスができるというスーパーマシンです。

株式会社ソニックウェアの代表取締役、遠藤祐さん

「こんなすごい楽器メーカーが日本にあったの!?」と驚かれた方も少なくないと思いますが、SONICWAREは以前国内の楽器メーカーで開発エンジニアをしていた遠藤さんが2004年に設立した企業で、電子楽器に特化した形で製品検査を行ったり、製品の受託開発を行ってきた縁の下の力持ち的に実績を積み上げてきた会社。しかし、遠藤さんの「自分たちのブランドで、自分たちの設計した楽器を世の中に出していきたい」という強い思いから、2年前にELZ_1(イーエルゼット・ワン)という製品をリリース。その概要はDTMステーションでもNAMMレポートとして紹介したことがありました。

すでに発売されているELZ_1から8bit波形メモリーシンセを抽出し、ライブパフォーマンス用に仕立てている

今回のLIVEN 8bit warpsはそのSONICWAREの第2弾製品としてリリースするので、第1弾製品よりも手ごろな価格で、誰でも気軽にプレイできる製品として企画されたとのこと。一般販売の前に、KICKSTARTERを使っての先行予約販売がスタートとしているのですが、ラインナップとして用意されているのが以下の4種類

・LIVEN 8bit warps本体 …… 18,000円
・LIVEN 8bit warps本体+ACアダプター …… 19,990円
・LIVEN 8bit warps本体+ACアダプターの2台セット …… 37,990円
・LIVEN 8bit warps本体+ACアダプター+ELZ_1 …… 59,990円

いずれも消費税、送料込みの値段なので、グッとくるところです。そのLIVEN 8bit warpsの実際の機能などを遠藤さんに紹介してもらったので、こちらのビデオをご覧ください。

このビデオを見れば、だいたいの機能がお分かりいただけたのではないかと思いますが、さらに突っ込んだ話を遠藤さんにいろいろとインタビューしてみました。

 

ーーLIVEN 8bit warps、とっても面白そうな機材ですが、すでに発売しているELZ_1とはまったく違う機材なのですか?
遠藤:昨年3月に販売を開始したELZ_1が、さまざまなシンセサイザエンジンと豊富なパラメータを元に音作りを楽しむ機材であったのに対し、LIVENシリーズは、マシンライブ向け用途にフォーカスを絞り、ライブパフォーマンスを楽しむための製品で、今回リリースするLIVEN 8bit warpsは、LIVENシリーズの最初の製品として登場するものです。ELZ_1には現在11種類のシンセサイザエンジンを搭載していますが、その中の3つが8bit波形メモリーシンセ。これらを抜き出した上で、ライブパフォーマンスをしやすい形で、新たに作り上げたのがLIVEN 8bit warpsというわけなのです。

ELZ_1の8bit波形メモリーシンセサイザの波形エディット画面

ーー使うシーンが異なる楽器というわけですね。
遠藤:はい。パラメータを深堀して「音作りの冒険に出かけましょう!」というコンセプトのELZ_1に対し、LIVENはもっと機能集約してノブですぐにパラメータを調整できるようにしています。実際、15個のボリュームノブと1つのエンコーダノブがあり、これらを動かすことで、ダイナミックにサウンドが変化し、即ライブパフォーマンスで活用していくことできます。また、より多くの方に気軽に使っていただけるように、価格をグッと抑えたのも特徴です。そのために、シンセサイザエンジンに絞るとともに、ELZ_1がアルミボディーであるのに対し、LIVEN 8bit warpsは成形品を使うなどして、ギリギリまで安く作りました。

「多くの人が気軽に使えるように価格を抑えた」と話す遠藤さん

--8bitというと、チップチューン的なものをイメージしますが、そこを狙ったシンセサイザと考えていいのですか?
遠藤:昔の8bitサウンドを実現できると同時に、最新のテクノロジーを掛け合わせた、ユニークな楽器になっています。コナミが80年代に開発したSCCという波形メモリー音源がありましたが、それをヒントに作っています。ELZ_1の画面を見るとわかりやすいですが、1周期の波形を自由にデザインできるようになっており、これで元となる音を作っていくのです。この縦の分解能が8bitつまり-128~+127の範囲で設定でき、横は32サンプルとしています。ELZ_1の場合、グラフィカルなUIで画面を見ながらノブで操作できるのに対し、LIVENでは、プリセットから波形を選ぶのが簡単な使い方です。128種類のメモリーがあり、このうち64個に代表的な波形が入っていてここから選ぶことができます。もちろん、ユーザーが波形を作っていくことも可能です。

LIVEN 8bit warpsの操作子やコネクタ類はすべてトップパネル上にある

ーーディスプレイが4桁の数字だけだから、波形作りは難しそうにも思いますが…。
遠藤:そこを簡単で楽しく作れるようにしているのもLIVEN 8bit warpsの特徴なんです。ユーザー波形の作り方は2つあります。1つ目は、4種類あるシンセサイザエンジンを活用し、そのパラメータを調整して作る方法。これでできた波形をキャプチャすることでユーザー波形として取り込むことが可能なのです。もう一つは16個のステップキーを利用して、サンプルを移動させながら波形を入力していくもの。ちょっと面倒ではあるけれど、細かく自由に作っていくことが可能です。

--USBでPCと接続してエディットする…というわけではないんですね?
遠藤:現時点、まだPC用エディタを用意しているわけではないですが、MIDIシステムエクスクルーシブを用いてのやり取りは可能です。USB端子を持っているわけではないので、あくまでもMIDIを使う形ですが。この辺は実際の売れ行きやユーザーからのフィードバック次第で検討していきます。ライブラリアンでプリセット波形を管理したり、ELZ_1とのデータのやり取りなど、可能性としてはいろいろ考えられますね。

MIDIの入出力端子も装備

ーープリセットの波形って、どんなものなんですか?
遠藤:サイン波や矩形波、三角波、ノコギリ波などがありますが、矩形波の場合、デューティー比を変えたバリエーションを持たせていたり、同じ三角波でも8bitの分解能のものだけでなく4bitにして、より粗いサウンドにしたものを用意するなど、これを切り替えて鳴らすだけでも楽しいと思いますよ。

ーー4種類あるシンセサイザエンジンとは、どういうものなのですか?
遠藤:WARP、ATTACK、MORPH、FMと4種類あります。まずWARPというのは、たとえば矩形波とノコギリ波のように2種類の波形をセットした上で、それをクロスフェードさせていくものです。たとえばライブ演奏中に、クロスフェードのパラメータを動かしていくことで、音を変化させていくことも可能です。一方、ATTACKもやはり2種類の波形をセットするのですが、頭の波形と後半の波形を切り替える形になっていて、その切り替えるタイミングも設定できるようになっています。これによって、キラキラした音色なども作りやすくなります。そしてMORPHは3つの波形を読み込んで使うエンジンとなっています。WARPが手動でクロスフェードするのに対し、MORPHは3つを自動で切り替えていくというもので、専用のLFOでその切り替えレートも設定可能です。必ずしも3つの波形でなく、2つの波形での切り替えというものも可能になっています。

4種類のシンセサイザエンジンを搭載

ーーもう一つあるFMというのも非常に気になります。
遠藤:これは2オペレータのFM音源であり、サイン波同士をFM変調するものとなっています。FM音源なので、モジュレータ側のレベルやレシオを変化させることで劇的にサウンドが変わっていくのが面白いところですが、特徴的なのはこのレベルとレシオに専用のLFOをかけられるという点です。これによって、変化に富んだ特徴的なサウンドを作り出すことが可能になります。このLFOの波形としても矩形波、三角波、ノコギリ波、逆ノコギリ波、ランダム、さらにはLOGカーブ、逆LOGカーブなど、さまざまなものを用意しているので、組み合わせ次第で、これまでにないようなサウンドになると思います。このようにしてFM変調させていくところまでは32bitフロート処理で行っているのですが、最後に8bitの解像度に落とすというのが、LIVEN 8bit warpsならではの特徴でもあります。

ELZ_1の8bit波形メモリシンセサイザのFM音源の画面

--4種類のエンジンで作り上げた音は、その後どう処理されていくのでしょうか?
遠藤:LIVEN 8bit warpsでは最大4ボイスを同時に出せるのですが、ここから先は4種類すべて共通の流れになりますが、デチューンをかけて広がりのある音にしたり、フィルターを通して音を加工していくこともできます。このフィルターとしてはローパス、ハイパス、バンドパスを排他で選択できるようになっています。またフィルターとピッチをモジュレーションするためのLFOも用意されています。そしてもちろんエンベロープジェネレータも搭載していますが、これは一般的なADSRとなっています。このうち一番頻繁に調整するであろうアタックとリリースについては、ツマミですぐにいじれるようにしている一方、ディケイとサステインはシフトボタンを押しながらツマミを回す形になっています。このようにLIVEN 8bit warpsでは、メニューに入り込んでの操作ではなく、パラメータを直接すぐに操作できる形にしています。なお、まだ開発中で実装できていませんが、ボタン操作で動かすピッチベンドも用意する予定です。

シーケンサ機能の使い方などを説明してくれる遠藤さん

ーーそして、この先がシーケンサですよね?
遠藤:はい、シーケンサは64ステップのステップシーケンサとなっています。ここではリアルタイムレコーディングとステップレコーディングの2通りで入力できるようになっています。もちろんステップ数は64ステップ固定ではなく、16ステップでも32ステップでも自由に設定していくことが可能です。また、ノートを記録していくだけでなく、パラメータの値を各ステップごとに記録していくことパラメータロックに対応する予定です。

--一つ気になったのがベロシティーです。この搭載されているキーボード、スイッチ的なものなのでベロシティーのセンシングがされないように思うのですが、ベロシティーの違いによる表現は可能なのですか?
遠藤:確かに、このキーボードーではベロシティーセンシング機能がなく、固定となりますが、ベロシティーのためのノブがあるので、これで表現することが可能で、あとからパラメータロックを用いてベロシティーを調整するのに便利です。さらにMIDI IN端子を持っているので、ここに外部MIDIキーボードを接続すれば、普通にベロシティーをつけて弾いた演奏を音で表現することもできるし、シーケンサに記録していくことも可能です。

モノラルのスピーカーを内蔵

--ところで、このLIVEN 8bit warpsにはスピーカーも内蔵されていますが、これは1つだけのモノラルですよね?
遠藤:その通りです。ただ、ヘッドホン出力、ライン出力も用意しており、これらはステレオでの出力になります。ちなみに、電源は9VのACアダプタで供給でき、これで内蔵スピーカーを鳴らしているわけですが、ボトムには電池ボックスがあり、単3電池x6本で駆動させることも可能になっています。

単3電池x6本でも駆動する

ーーSYNCの入出力があるほか、LINE INというものもありますね。これは何に使うのですか?
遠藤:SYNCのほうは、5Vの同期信号なので、たとえばKORGのVOLCAシリーズやARTURIAのドラムマシンなど、各種機器との同期が可能です。またライン入力を用意しているのは、最近のマシンライブにおいては、同期を使って複数の機材で同時に音を出しますが、その際に、チェーンしていく形で音を重ねていくことも多いので、それに対応できるようにしています。つまりミキサーの代わりですね。でも、それだけでなく、この入力をルーパーに渡すことも可能になっています。

--ルーパー?リバーブやコーラス、フランジャーなどのエフェクトの一つとしてルーパーがあるのですか?
遠藤:いいえ、そうではなく、独立したものとしてルーパー機能を持たせてあるのです。基本的には、LIVEN 8bit warpsで作った音を、音として記録させていく4トラック構成になっています。この4トラックのうち1トラックをLINE IN専用に割り当てています。このルーパーはシーケンサと完全に同期しているので、ズレていったりすることもありません。

ハードはほぼ完成しており、最終に向けてファームウェアを開発中

--聞けば聞くほど、スーパーマシンですね。現在KICKSTARTERでのクラウドファンディングでの形で受付中とのことですが、すでにクラウドファンディングとしての目標数は達成しているんですよね?
遠藤:KICKSTARTER自体は1月11日にスタートし、われわれがNAMMに出展して大きな反響をいただいたこともあり、1月20日に目標の500万円を達成し、1月30日現在で、230%を超えるところまできました。通常の販売は今年の8月以降を予定していますが、KICKSTARTERで購入いただいた方には通常より1割安い税込み18,000円で提供しています。また6月にはお手元に届くように準備を進めているので、ぜひ多くの方にLIVEN 8bit warpsを使っていただければと思っています。

ACアダプターとのセットも用意されている

【関連情報】
KICKSTARTER  SONICWARE LIVEN 8bit warpsページ
Liven 8bit warps製品情報
ELZ_1製品情報
SONICWAREサイト

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