複数のオーディオ機器やビデオ機器を接続し、ネット放送を行うためのコンパクトな機材、VESTAX PBS-4
VestaxのWebサイトを見ると、USBオーディオインターフェイスのひとつとして位置づけられているPBS-4。確かに見てみると、XLRとフォンの両方が入るコンボジャックがあったり、ライン入力が装備されているなど、オーディオインターフェイス的な端子やツマミが並んではいます。しかし、その形状はどう見ても普通のオーディオインターフェイスとは違いますよね。これは、いったい何なのでしょうか?
私はビデオ方面の機材、あまり詳しくないのですが、ジャンル的にはRolandが出しているビデオ機器の簡易版といったところでしょうか?モノ自体は昨年末に発売されていたそうで、実売価格は5万円程度とのことです。
では、その機能を順に見ていきましょう。まずはオーディオ関連ですが、これは本体左側に集まっており、3Chのミキサーとなっています。上部にある入力端子から入ってきたオーディオ信号をトグルスイッチで切り替え、TRIM、LEVELで音量調整してミックスできます。CH1はコンボジャックかライン入力の切り替え、CH2はコンボジャックかライン入力、さらにはリアにあるHDMIから入ってくるオーディオの3つから選ぶ切り替え、そしてCH3はライン入力かループバックかを選択できるようになっています。
触ってみて、カッコイイと感じたのは上のトグルスイッチ。たとえばCH2ならMIC/INS、LINE、HDMIの入力切替を行うわけですが、気持ちいいんですよね。またLEVELノブの下には、それぞれPUSHスイッチがありますが、これを押すとその信号がヘッドホンからモニターできるようになっています。実際、PCに送出されるのは、このミキサーを経て、中央にあるMASTER LEVELという大きなノブで調整されたものなので、個別の入力を聴くことができるわけですね。
次にビデオのほうを見てみましょう。これはオーディオ入力端子の右側に4つ並んだコンポジット入力に入れたものを切り替えてPCへ送出できるようになっているのですが、こちらもなかなか工夫された設計になっていますよ。
正面のモニターはUSTREAMでテスト放送中のもの、右側は放送には出していないプレビューの画面
そして、その4つの入力の切り替えを右にあるスイッチで行うわけですが、ここを見るとPREVIEWとMASTERそれぞれに4つのボタンが置かれています。PCへ送る信号は下のMASTERで決めるわけですが、ほかのビデオ入力がどうなっているかは、あらかじめPREVIEWで確認しておけるというわけです。ただし、PREVIEWはコンポジットでの出力となっているので、別途テレビモニターなどを置いて、そちらで確認する形になります。
ただし、この価格の機材なので制限もあるのは事実。扱えるのはSD画像であり、HDMI入力はあるもののHDで入力されたものもSDにコンバートされます。またピクチャーインピクチャーには対応しておらず、あくまでも切り替えとなってしまいますが、この辺は個人で放送するUSTREAMやニコ生であることから、割り切って考えていいのと思うし、個人的には、複雑な部分がないだけに、ビデオ関係がよく分かっていない私のような素人にもわかりやすくていいなと感じています。
ちなみに、PBS-4にはフレームシンクロナイザーという、アナログ映像信号の切り替え時のノイズを補正する機能を実装していないとのこと。そのため、映像切り替え時に画像の乱れが発生するようで、確かにモニター出力したビデオのほうは、一瞬そうした乱れが出ていました。ただ、PC側では、ほとんど分からない程度だったので、「ニコ生やUSTREAMでの配信であれば、気にするものではない」というのが私の印象です。フレームシンクロナイザーを搭載しなかったから、安くできたとVestaxの担当者の方が言っていましたが、業務用とでないなら、安いほうがいいですもんね。