IK Multimediaのマイクモデリングアプリ、Mic Room
IK Multimediaが開発したMic Roomは現在App Storeで960円で発売しているiPhone/iPad対応のアプリ。これを利用することで、さまざまなマイクを持っているかのような感覚で、レコーディングができてしまうのですが、どうやって使うのでしょうか?
まずMic Roomを用いるには、とりあえずマイクが必要となります。もっともシンプルなところでいえば、iPhone/iPadの内蔵マイク。これで捉えた音が、SM58風、U87風の音になる、というわけですが、それって、なかなかスゴイと思いませんか?
もちろん、内蔵マイクでマイクモデリングするよりも、もう少し高性能なマイクで音を捉えるほうがより、正確な音でのモデリングが可能になります。そのマイクとして利用できるのがIK Multimediaが出しているiRigマイクシリーズです。
そのiRigマイクシリーズ、以前に記事でも紹介したことのあるiRig Mic Fieldのほか、ハンドヘルド型のコンデンサマイクであるiRig Mic、iRig Mic HDといったものがあるほか、もっともお勧めなのは先日発売されたばかりのラージ・ダイアフラムのコンデンサマイク、iRig Mic Studioです。非常にフラットな特性で、小さな音まで確実に捉えることができるから、正確にマイクモデリングができるんですね。
先日発売されたばかりのIK Multimediaのラージ・ダイアフラムのコンデンサマイク、iRig Mic Studio
では、Mic Roomでどんなマイクをシミュレーションしてくれるのでしょうか?具体的には、以下のとおりです。
マイク種類 | メーカー | 型番 | 標準/別売 |
コンデンサマイク | Neumann | CMV-563 | オプション |
AKG | C12 | 標準 | |
Neumann | U67 | オプション | |
Neumann | U87 | 標準 | |
Neumann | TLM170 | オプション | |
AKG | C414 | 標準 | |
Groove Tubes | MD1b-FET | オプション | |
Brauner | VM1 | オプション | |
Electro-Voice | RE20 | オプション | |
ダイナミックマイク | Shure | SM57 | 標準 |
Shure | SM58. | 標準 | |
Sennheiser | MD421 | 標準 | |
Sennheiser | MD441 | オプション | |
Sennheiser | MD609 | オプション | |
AKG | D20 | 標準 | |
リボンマイク | Royer | R121 | 標準 |
Beyerdynamic | M160 | オプション | |
Groove Tubes | VELO-8 | 標準※ | |
その他 | Shure | Model 55 | 標準※ |
電話マイク | 標準 | ||
※iRigマイクユーザーが登録すると利用可能になる限定モデル |
コンデンサマイク、ダイナミックマイク、リボンマイクと、著名なマイクがズラリと揃っていますよね。オプションとなっているものは、アプリ内課金で購入するというもので、各240円となっていますが、それらをまとめたMic Pack 2というものが1,200円で販売されているので、いろいろ試してみたいなら、それを入手するのが良さそうですね。実際に、iRig Mic StudioをiPhoneに接続して試してみたところ、モデリングするマイクを切り替えると、その瞬間にガラリと音の雰囲気が変わることを実感できます。
このMic Roomを使ってみて最初に感じるのは、薄らと入っているホワイトノイズの聴こえ方の違い。「サー」という音が「シュー」となったり、「スー」となったり、雰囲気が違います。また、それに伴い、捉えるボーカル、ギター、ピアノなどの音の雰囲気も変わってくるので、いろいろ試してみるだけでも、かなり楽しいですよ。
Mic Roomでできるのは、あくまでも録った音の変換ですから、持っているものがダイナミックマイクなのに、コンデンサマイクのような使い方ができるわけではないので、ここは要注意ですよ。
また、Mic Roomを使う上で重要になるのがレイテンシー。シミュレーションにおいては、iPhoneやiPadの演算処理が必要となるため、どうしても音に遅れが出てしまいます。初期設定ではLetencyのパラメータがLOWに設定されているため、明らかにモニターする音に遅れが生じてしまいます。しかし、これをULTRA LOWに設定すると、ほぼ遅れなくモニターできるようになるますから試してみてください。やや古いiPhoneやiPadの場合、ULTRA LOWにすると、ノイズが入ってしまうケースもあります。そんな場合はレイテンシーはありますが、LOWに設定を戻して使ってみてください。
さて、このMic Room、リアルタイムにマイクモデリングをして、その音をモニターできるのはいいのですが、この音で録れなくては、まったく意味を持ちません。そこで登場してくるのがAudiobusやInter-App Audioです。
AudiobusやInter-App Audioの使い方については、これまでもDTMステーションで何度も扱っているので、ここでその詳細については割愛しますが、これらを利用することで、GarageBandやCubasis、Auria……といったDAWにレコーディングしていくことができます。
IK MultimediaではAmpliTubeのオプションとしてMic Expansion Packというものが出ているが、用途はギター用に限られる
※追記 2015.7.16
IK Multimediaが各モデルで音を比較することができるSound CloudをUPしていたので、以下に掲載しておきます。結構雰囲気が違って面白いですよ。
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