番組中でも「今後、随時バージョンアップして機能向上を図っていく」と宣言していましたが、つい先日、無償のアップデータが登場してDorico 1.1になるとともに、さまざまな機能が追加され、強力なソフトへと進化しています。実際に見てみても、非常にサクサクと動くのも気持ちいい感じは、過去のしがらみがなく、現在の技術でゼロから作り上げたソフトの特徴なんでしょう。実際、どんな機能が追加されたのか、DTMステーションPlus!でも出演いただいた、ヤマハの専属インストラクター、徳生楓(とくしょうかえで)さんにデモをしてもらったので、ビデオを交えながら紹介してみたいと思います。
楽譜作成ソフトのDoricoが無償アップデートでより機能強化
改めてDoricoについて簡単に紹介しておくと、これはドイツ、Steinbergが開発した楽譜作成ソフトで、まさにFinale、Siberius、Notionの競合となるソフト。Steinberg開発ということで、「Cubaseのスコア機能を抜き出して発展させたもの?」と思う方もいると思いますが、そうではないようですね。
今回、Dorico 1.1について説明してくれたインストラクターの徳生楓さん
実際にその操作感、スピードを含め、ビデオを見ると分かりやすいと思います。1つ目がリピート括弧です。
MIDIキーボードを使いながら、サクサクと入力しているのが分かると思いますが、そこに1括弧、2括弧といった表記やリピート記号などを簡単に入力することができ、その線の伸ばし方なども、好みに応じて微妙な調整ができるのが嬉しいところ。もちろん、リピート括弧を指定した結果をMIDIで演奏して確認することもできるようになっています。
2つ目はMIDIキーボードからの入力機能の強化についてです。先ほどのリポート括弧のビデオでも見た通り、音符を指定してMIDIキーボードを弾いていけば、どんどん入力できるわけですが、今回半音の表記の仕方が、ちょっと進化しているんです。
MIDIキーボードでC、B、#Aと弾くと、まずはこのように入力される
さらに続けて、#A、Bと弾いていくと、自動的にこのように入力されていく
たとえば、C、B、#Aと入力していくと、このように入力されていくのですが、さらにAを入力すると、#Aが♭Bと変わるんですよね。さらに#A、Bと入力すると、今度は#A、そして?Bとなるんです。なかなか賢いですよね。
とても充実したペダル記号が用意されている
3つ目はペダル記号が追加されたこと。キーボードの記号を見ると、サステインペダル、スソテヌートペダル、ウナコルダペダルといったものも扱えます。さらには踏み込み具合を表すハーフペダルや、1/4ペダルなどが扱えたり、ラインや点線が入ったものも扱えるなど、とにかく充実したペダル表記が可能になっているのです。
かなり複雑なコードの入力も可能になっている
4つ目は、バンドスコアにおいて重要になってくるコード記号の入力です。このビデオにあるように、SHIFT+Qのショートカットキーで、コード入力が可能になり、普通に“C”とか“D7”のようにPCのキーボードから入力していくこともできるし、鍵盤でコードを弾けば、それを認識してくれるので、そのままコードとして入れていくことも可能です。
目的の情報を簡単に抜き出すことができるフィルタリング機能
そして5つ目は編集に便利なフィルター機能の追加です。これはその名の通り、データをフィルタリングするためのもので、大きな楽譜の中から、コード機能だけを抜き出して削除するとか、休符記号が抜き出してみるとか、さまざまなことが可能になっているのです。
そして最後の6つ目が、楽譜をキレイに整えるためのスペーシング、という機能です。これは浄書機能の一つとして追加されたものですが、譜表のスペーシングと音符のスペーシングという2つがあります。
インストラクターの徳生さんによると、「バージョン1.1になって、機能が追加されたのとともに、安定性もさらに増して、より安心して使えるようになりました」とのことなので、かなり実用的なソフトになってきているようですね。
【価格チェック】
◎Amazon ⇒ Dorico通常版
◎サウンドハウス ⇒ Dorico通常版
◎Amazon ⇒ Doricoクロスグレード版
◎サウンドハウス ⇒ Doricoクロスグレード版
【Dorico新機能ビデオ】