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マスタリングで大きな効果が得られるMS処理を実現するVSTプラグイン、MS EQ COMPをインターネット社がWin/Mac対応で無償公開

6月19日、AbilitySinger Song WriterSound it!などで知られる日本のソフトウェアメーカー、インターネット社からMS EQ COMPというVSTプラグインが、Windows、Macに対応する形でリリースされました。Ability Proで使えるのはもちろんのこと、CubaseでもStudio OneでもFL Studioでも使える強力なプラグインでありながら、今回はなんと無料での配布とのこと。

 

一言でいえば普通のステレオトラック、マスタートラックに刺すことでMS処理が可能となり、Mid、Sideそれぞれ独立してEQ処理、コンプ処理ができるというプラグイン。とくにマスタートラックに刺すことで大きな力を発揮してくれそうです。とはいえ、MS処理って何?という人もいると思うので、MS EQ COMPの使い方について簡単に紹介してみたいと思います。


無料公開されたインターネット社のVSTプラグイン、MS EQ COMP

 


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昨日、インターネット社からのメールで「VSTプラグインエフェクト、MS EQ COMP無料配布のご案内」というものが届き、「Abilityユーザーにでも配布するのかな?」と思って中身を読んでみると、一般ユーザーに向けての無料配布であり、とくにDAWを指定するものではない、オープンなプラグインです。

6月19日、「VSTプラグインエフェクト、MS EQ COMP無料配布のご案内」というメールが届いた

「プロモーションなどのために、Ability標準のプラグインを切り出したのかな?」とも思ったのですが、MS EQ COMPなどというものが搭載されていた記憶はないし、そもそもAbilityはWindows用のDAWであってMac版はありません。先ほどインターネット社の広報担当者に電話で確認をしてみたところ「今回は幅広いユーザーに向けて、当社を知ってもらうために、新規開発したものを無償配布することにしました」とのこと。DTMユーザーにとっては嬉しい話ですよね。


Ability Proで動作するのは当然として……

では、MS EQ COMPとはどんなエフェクトで、何ができるのか、もう少し具体的に見ていきましょう。そのためには、まずMS処理について簡単に解説しておいたほうがいいですね。MS処理のMSとはMid-SideのことでM/SとかMid/Side処理などと表記されることもあります。


Cubase Pro 9.5でも問題なく動作させることができた

名前からも想像できるとおり、Midとは真ん中、センターの音を表し、Sideとは、左右の音を表しています。普通のステレオの世界ではLとRという信号に分かれていますが、MS処理の世界ではMidとSideに分かれるのです。

先日リリースされたばかりのStudio One 4でも使うことができた

とはいってもMS処理をよく知らない人にとっては「???」、どういうことと思われるかもしれません。なんかものすごく複雑なことをやってそうにも思えるのですが、内部的にはものすごくシンプルな処理をしているんですね。具体的にいうと
    • Mid = (L + R)÷2
    • Side = (L – R)÷2

という式で表されるとおりで、LR信号からMS信号へ変換を行っています。÷2は音量を半分に下げることを意味するから、音の成分としてはLとRを足したものが、Midで、LからRを引いたものがSideとなるのです。感覚的にはわかりにくいかもしれませんが、このMS信号に変換した上で、Midに対して、Sideに対して、それぞれ別処理をすることで普通のLRのステレオではできない面白い効果が得られるのです。

MidとSideの関係

ただし、MS信号のままでは、普通に聴くことができないため
    • L = Mid + Side
    • R = Mid – Side
の式によって、LR信号に戻すことで、ステレオとして聴けるようになるのです。この辺の詳細は以前、AV Watchの連載「広がりのある音で曲作りできる『MS処理』。普通のステレオとはどう違う?」で解説したことがあるので、そちらも参考にしてみてください。

 

このMS EQ COMPでは、この図の通り、まずLR信号をMS信号に変換し、その後MS処理を行い、最後にLR信号に戻すという流れになっているため、MS機能などを搭載していない一般のDAWでも普通に使うことが可能となっています。


DAWにMS EQ COMPをインサートした際の信号の流れ

まあ、理論は置いておいて、この無料のプラグイン、MS EQ COMPをどう使えばいいのかという観点で見てみましょう。これはDAWの各トラックにインサーションして使ってもいいですが、マスタートラックにインサーションで使うと効果がより分かりやすいと思います。たとえば手持ちのCDの曲などからリッピングした2chのWAVデータをDAWのトラックに流し込んだ上で、マスタートラックにMS EQ COMPを挿しておきます。

 

このMS EQ COMPの画面の一番左が入力、一番右が出力となっていますが、それを含めてデザイン的には左右対称になっていますよね。このうち左側がMid、つまりセンターの音、Sideがサイドの音をコントロールするものとなっています。ここでまずは、中央左側のレベル、つまりMidの音量を下げてみてください。すると、センター定位しているボーカルなどが消えてカラオケっぽい音になっていきます。反対に上げていくとボーカルやベースなどが、よりクックリ出てくるんですよね。

たとえばMidを下げてみるとカラオケのようにボーカルが消えていく

こうした効果は、ほかのエフェクトではなかなか出すことができないと思います。今度は、中央右側のレベル、つまりSideのレベルを上げてみましょう。すると、よりステレオ感のある、広がりのあるサウンドになっていくと思います。これがMS処理の効果であり、基本となっているんです。

 

いまは音量だけで調整しましたが、それでも大きな効果が得られるわけですが、たとえばMidのコンプを強めにかければ、さらにボーカルなどセンター定位している音が強く打ち出すことができますし、SideのEQのハイを落ち上げていくと、より響きのある感じになってくると思います。


まずは用意されているプリセットを使うのがわかりやすい

 

最初どう使うかわかりにくいと思いますが、MS EQ COMPにはWide Stereo、Stereo Width + Comp、Narrow Width、Narrow Width + Compという計5種類のプリセットがあるので、これを試した上で、パラメータを動かしてみるといいと思います。ただ、Windows版のStudio One 4で試してみたところ、なぜかプリセットを呼び出すことができなかったので、その場合は手探りでいろいろと試してみてください。

 

もちろん、MS EQ COMPはマスタートラックではなく、通常のトラックに挿して使うことも可能です。ただしモノラルのトラックだとSide成分がゼロになってしまうため、MS処理ができません。そんなときは、たとえば事前にコーラスをかけてステレオ化するなどをしておくと、面白い効果が得られるはずですから、ぜひ試してみてください。


インターネット社のAbility Proのページ内のMS EQ COMPの紹介部分

このMS EQ COMPはインターネット社のサイトから無料でダウンロードできるのですが、簡単にその手順を紹介しておきましょう。まず下記のAbilityページ内のMS EQ COMPの紹介部分から、Windows版かMac版を選択します。すると、オンラインショップにジャンプするので、ソフトウェアダウンロード規約に同意した上で次のページへと進みます。

オンラインショップから0円での購入手続きを進める

すると名前や住所を記載するページが表示されるので、ここに必要事項を入力して次へと進みます。すると入力したメールアドレスにインターネット社からメールが届くのですが、ここにダウンロード先のURLおよびシリアル番号が記載されています。

入手するには氏名や住所、メールアドレスなどを記載する必要がある

これを使ってMS EQ COMPをダウンロードするわけです。その後、ダウンロードしたものを用いてインストールしていくと、再度シリアル番号を聞いてくるので、これに答え、指示にしたがっていけばインストール完了です。

届いたメールを元にダウンロードページへと進む

ただし、MS EQ COMPはVSTプラグインですから、スタンドアロンで動作させることはできません。DAWなどのVSTホストを用いて使うので、各DAWでVSTプラグインのインストール先を指定するようにします。

インストール後、DAW側でVSTプラグインが入っているフォルダを指定する

そして、DAWを起動し、MS EQ COMPを起動しようとすると、アクティベートを求めてきます。これはActivateCenterというツールを使って行うのですが、先ほど登録したメールアドレスやシリアル番号を用いて、インターネット経由で行います。とくに難しいことはないと思いますが、この作業をしないと使うことができないので注意してくださいね。この作業を1度行ってしまえば次回以降、普通に使うことができるようになります。

ActivateCenterを用いてアクティベートすれば完了

なお、インターネット社に確認したところ、複数台のPCで使う場合も、とくに制限なく同じようにアクティベーションできるとのことでした。ちなみに、このMS EQ COMPは日本ユーザー向けだけでなく、海外ユーザー向けにも無償配布を開始しています。すでにSound it!やF-REX、VOLCAOIDのMegpoidなど海外展開している同社ですから、さらに海外流通を加速させたいという狙いがあるのかもしれませんね。

 

いずれにせよ、MS EQ COMPという、非常にパワフルであり、有用なツールが無料で登場してくれたことは大歓迎。みなさんもぜひ試してみてはいかがですか?

【関連情報】
MS EQ COMP製品紹介ページ
MS EQ COMPダウンロード

【関連記事】
広がりのある音で曲作りできる『MS処理』。普通のステレオとはどう違う?(AV Watch)

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Commentsこの記事についたコメント

5件のコメント
  • 人生の消化試合

    LogicユーザーのためAUで使えないのが残念。

    2018年6月21日 1:11 AM
  • ABILITY2ユーザー

    これでABILITYユーザーが増えるといいのですが。
    フリーでの配布ならABILITY2.5の次回アップデートで追加を期待します。

    2018年6月21日 9:15 PM
  • 藤本健

    人生の消化試合さん
    これに限らず、VSTプラグインの資産は膨大にあるので、ぜひ
    http://www.dtmstation.com/archives/51923786.html
    ここにあるBlue Cat’sのPatchWorkを持っておくといいですよ!

    2018年6月23日 11:08 PM
  • JR9_ODA

    とっても良かった! ほんとに無料でいいの?と思いました
    2MIX作成でマスタートラックに使ってみました。
    シンプルな構成のゆっくりした曲ですが、すごく音が広がった感じになりました。
    とても良い仕上がりになったと思いました。
    記事のおかげで導入もスムーズに完了することができました

    2018年7月1日 7:02 PM
  • とおりすがり。

    Wavosaurで使えました。
    Ocenaudioでは起動出来ませんでした。

    2018年7月2日 4:09 PM

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