• Sleepfreaksがクラウドファンディングのプラットフォームをスタート。Sleepfreaks Fundingには、どんな狙いがあるのかインタビューしてみた

先月8月25日にSleepfreaksが、クラウドファンディングのプラットフォームをスタートさせ、話題になっています。ご存じの通り、Sleepfreaksは、DAWやプラグインなどの解説動画を膨大に公開したり、Webでも詳しく解説しているメディア運営会社でありつつ、本業はDTMに特化したオンラインレッスンを行っている企業。そのSleepfreaksが新たに始めたのが、Sleepfreaks Fundingというクラウドファンディングのプラットフォームなのです。クリエイターや楽器メーカーなど、音楽に関わる人のためのクラウドファンディングサイトとのことで、、その第1弾として、欅坂46 『世界には愛しかない』JUNNA『Here』などを手掛けた作曲家の白戸佑輔さんの「楽曲制作の裏側」シリーズの第三弾を制作するためのプロジェクトが実施されています。

この白戸さんのプロジェクトでは、オーディオのパラデータやMIDIデータなどがリターンになっているという、ほかのクラウドファンディングではあまり見かけないもの。それこそがSleepfreaks Fundingの特徴でもあり、DTMユーザーに向けたクラウドファンディングメディアになっているのです。集まってくるのがDTMユーザーだからこそ、ミュージシャンがここでクラウドファンディングを実施しやすいようになっている一方、楽器メーカーにとってもクラウドファンディングを実施しやすいとのこと。でも、どうしてSleepfreaksがクラウドファンディングのプラットフォームをスタートさせたのか、興味深く感じたので、何を目的に始めたのか、この先どんなことを目指しているかなど、代表取締役の金谷 樹さんにインタビューしてきました。

Sleepfreaks Fundingには、どんな狙いがあるのかインタビューしてみた


--まずは、Sleepfreaks Fundingを立ち上げた経緯について教えてください。
金谷:僕らは2012年ごろから、クラウドファンディングそのものは知っていて、いずれクラウドファンディングのプロジェクトをどこかのサービスで立ち上げたいと思っていました。その時点ではプラットフォームをスタートさせる発想自体、まったくありませんでした。もっとも2019年のころにはSleepfreaksのDTMレッスンだけで収益はまかなえているので、クラウドファンディングへの興味は薄れていました。ですが、コロナウイルスでクラウドファンディングがより世の中に認知されている中で、1つ思うことがありました。それは、ブログはあらゆる分野、ジャンルで細分化されているので、もしかしたらクラウドファンディングも細分化されていくのではないか、ということです。実際、ブログはカテゴリー、ジャンルごとにさまざなものがあり、それぞれにユーザーが集まっています。だから1つのブログにつき、1つのクラウドファンディングがあってもいいのでは、と。つまり、DTM業界にもDTMに特化したクラウドファンディングがあるべきだろう、と思い今回クラウドファンディングのプラットフォームをスタートさせました。もっとも、広く展開する前に私たち自身でプロジェクトの経験がないと、どういったことが起きるか、どんなトラブルが起きるかも想定できないので、まずは自分たちのプロジェクト自体を同時に開始しました。それが、白戸佑輔さんの「楽曲制作の裏側」シリーズの第三弾を制作するためのプロジェクトです。

YouTubeでもお馴染みのあの声のSleepfreaks代表取締役、金谷樹さん

--国内外で、数多くのクラウドファンディングのプラットフォームは存在していますが、それらとSleepfreaks Fundingは、何が違うのでしょうか?
金谷:クラウドファンディングは、プロジェクトをスタートするときに審査が行われます。しかし音楽関係のリターンは、ファンが喜ぶものなど、形が目に見えないものも多く、審査の段階で落ちてしまうケースが多いと聞きます。実際、僕らの今回のプロジェクトでリターンに設定している、MIDIデータやパラデータといった、他にはあまりない新しい試みなのですが、それゆえに、ほかのクラウドファンディングではこれをリターンにするのは難しいと思われます。さらにクラウドファンディングのプロジェクトをスタートする際、法人でないと審査が受けられないプラットフォームも存在している一方、ミュージシャンは個人事業主の方が多いので、プロジェクトを立ち上げること自体難しかったりします。それらの問題を解決し、音楽関係に強いプラットフォームとしたのがSleepfreaks Fundingの特徴です。

新しいクラウドファンディングのプラットフォームSleepfreaks Funding

--音楽関係に特化したプラットフォームになっているのですね。それこそ、ミュージシャンはこれまでとは違った収入源を作りやすくなると。
金谷:日本では、CDの売り上げはまだまだ大きいと思います。今後はCDの売り上げが下がっていって、ストリーミングの売り上げが上がっていくというデータはありますが、この恩恵を受けられるのは、売れているトップのミュージシャンに限られてくるのではないかと感じています。なので、たとえばCDの売り上げに依存している方々にとっては、今後大きな影響が出てくるのではないかと思います。さらに、最近になってプラスチックなど、環境問題が出てきているので、もしかするとCDも数年以内に廃れてしまう可能性もあると危惧しています。そのため、CDで売り上げを成り立たせている人たちは、違う収益源を見つける必要があるのではないか、と。そこで最終的な作品だけでなく、制作過程の部分を販売するたねの手段も候補に入れていただければ、新しい展開ができるのではと思って提案していきたいと考えています。

MIDIデータを販売するなど、ほかのプラットフォームでは難しいリターンを設定できるとのこと

--たしかに最近は完成した作品だけでなく、過程を見せていくパターンも増えていますよね。その見せ方の1つの選択肢としてSleepfreaks Fundingがあるわけなのですね。
金谷:過程を売ってできているものは、完成した作品を無料で公開してもいいという手法が多くなり、それこそYouTubeなどでもいいものが無料で公開されています。それがDTM業界でも活発になればいいな、と思っています。Sleepfreaks Fundingのゴールは、お金儲けをすることではありません。DTM業界は日本だけでいったらまだまだ市場が小さいので、メーカーさんが新しい製品の実験、マーケティングの一環としてプロジェクトを立ち上げて、盛り上がっていくことも視野に入れております。現在進行している白戸佑輔さんのプロジェクトで、リターンに設定しているMIDIデータやパラデータは、実際に売れているので、需要があると感じており、ミュージシャンにとってもいい状況にあると考えています。SleepfreaksがDTMのメディアサイトを運営しているので、そこに人が集まっているのは強みであり、DTMに興味がある人が集まっているからこそ、ミュージシャンや楽器メーカーさんが、マッチする企画があればプロジェクトを立ち上げる場所として、Sleepfreaks Fundingを選んでいただけたら嬉しいです。

白戸佑輔さんのプロジェクトは、パラデータもリターンに設定されている

--ちなみに白戸佑輔さんのプロジェクトは、いろいろな理由で開始されているとのことですが、これについて詳しく教えてください。
金谷:この白戸佑輔さんの企画自体は、もともと3年前に普段なかなか見ることができないプロの楽曲制作風景を収録した「楽曲制作の裏側」として、作曲家 白戸佑輔さんのプライベートスタジオへお邪魔をし、台本が全くないところから曲ができる過程を密着取材したところからスタートしました。第1弾の「作曲編」、第2弾の「アレンジ編」のYouTube総再生回数は「40万回」を突破しており、ユーザーの方から続きが観たいという声をいただいたので、第3弾「レコーディング編」を制作しています。レコーディングスタジオで豪華ミュージシャンによる、ドラム、ギター、ベース、ストリングス、ボーカルなどを収録。また、今回「レコーディング編」の撮影を行うにあたり、大滝詠一「A LONG VACATION」をはじめ、レコーディングエンジニアとして数々の名作を手がけてこられた吉田 保氏が理事長をされている「特定非営利活動法人 日本レコーディングエンジニア協会(JAREC)」のサポートのもと、楽曲の完成・配信リリースを予定しております。

【DTM】欅坂46 『世界には愛しかない』JUNNA『Here』などを手掛けた作曲家・白戸佑輔さんに密着 第1弾【作曲編】|楽曲制作の裏側

--その第3弾「レコーディング編」の制作のためのプロジェクトが、現在走っているということなのですね。
金谷:リターンには、MIDIデータやパラデータ以外にも設定しているものはありますが、この2つはこれまで前例がないものだったので、いろいろと大変でした。弁護士やJASRAC、白戸さんの会社の社長さんなど、いろいろな方の強力を経て、実際にリターンとして、これまでなかったものを設定しました。第一線でご活躍されている方のパラデータを入手できる機会は、そうそうないので、いいものを作れたと自負しております。Sleepfreaks Fundingを立ち上げて、その第一弾のプロジェクトでもありますが、それを抜きにしても、よい企画を作れたと思っています。

【DTM】作曲家・白戸佑輔さんに密着 第2弾【アレンジ編】|楽曲制作の裏側 -2時間スペシャル-

--そのMIDIデータやパラデータがどんなものなのか、聴くことは可能だったりするのでしょうか?
金谷:今後、チャンネル登録者数 4万人以上いるしーたけびーつさんの「しーたけびーつ DTM Channel」でMIDIデータを使っていただき、どんなものなのか見ていただいたり、作曲家の和田貴史さんのYouTubeチャンネル「作曲家・和田貴史の庭」ではパラデータを使っていただいています。

MIDIデータとパラデータも含め、リターンが設定されている

■しーたけびーつDTM Channel

■作曲家・和田貴史の庭

--実際に第1弾と第2弾を拝見させていただきましたが、これは続きが気になりますね。さて、Sleepfreaks Fundingの話に戻りますが、こちらは手数料はどのくらいなのでしょうか?
金谷:ほかのクラウドファンディングの相場と同じく20%に設定しています。どうしてもプラットフォームを運営するのに掛かるシステムや決済手数料部分を含んでいます。

--もし興味があって、プロジェクトを立ち上げたいと思ったら、どうしたら申し込みを行えるのでしょうか?
金谷:申し込みフォームを設置していますので、そちらから申し込みいただき、そこからZoomなどを使ったオンライン面談をした上で、企画を作っていきます。楽器メーカーさんであっても、同じように申し込みフォームにアクセスしていただければと思います。たとえば、現在Sleepfreaksではドスパラさんとパソコンをコラボで作っているので、そういったコラボという形も募集しております。

プロジェクト掲載までの流れ

--ミュージシャンのみならず、楽器メーカーのプロジェクトもどんどんスタートしたら面白そうですね。
金谷:新しい製品を作りたいけど、ユーザーの反応を見たいなど、リサーチとしても使っていただけたら嬉しいです。やはり、製品を作るのはリスクがあるので、ある意味実験場として使っていただき、これがあったらどんな反応があるのかなど見ていただいて、ニッチだけど画期的なものが誕生するのが、楽しみでもあります。ここから、これまでなかった発想の製品が出てきたりしたら、とても嬉しいですね。

【関連情報】
Sleepfreaks Funding
プロジェクト立ち上げ申し込みフォーム

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