FLの機能を120%引き出してくれる究極のコントローラーとなるMIDIキーボード、FLKEY 37とFLKEY miniが誕生

DAWの中では、ちょっと特異な性格を持つFL Studio。誕生以来、長年Windows専用のDAWとして独自路線を歩んできましたが、FL Studio 20になって、ついにMacでも使えるようになり、世界的にもユーザーは一気に増えてきているようです。もちろんFL Studioだけで、すべての音楽制作を行っている人がいる一方で、CubaseやStudio One、またLogic、Ability……などのDAWと連携させて活用する人が多いのもFL Studioならではの特徴のように思います。

そのFL Studioはその特異性ゆえに、使えるコントローラーが少なかったのも事実。もちろん、単純にUSB-MIDIキーボードで弾くことはできていても、FL Studioをより効果的に活用できる機器がほとんどなかったのです。以前、AKAIがFireというユニークなコントローラーを出したのを記事にしたことがありましたが、キーボード系では皆無。そうした中、NovationがFL Studio専用のMIDIキーボードを2機種、発表しました。37フル鍵のFLKEY 37(税込市場想定価格:24,200円)と25ミニ鍵盤のFLKEY Mini(同:13,750円)の2種類。発売前に借りることができたので、FL Studioとどう連携するのか試してみたところ、まさにFL Studioにとって究極のコントローラーといってもいい使い勝手であり、よくここまでマッチさせたと感激するほどのデキです。実際どんなことができるのか、紹介してみましょう。

NovationからFL Studio専用のキーボード、FLKEY 37(左)とFLKEY Mini(右)がリリース

いまさら説明するまでもありませんが、FL StudioはベルギーにあるImage-Lineが開発したソフトで、とくにエレクトリック・ミュージック系のユーザーには、広く受け入れられてきたDAWです。一般的なDAWは、音を出すまでに、さまざまな設定が必要なのに対し、FL Studioの場合、起動したらチャンネル・ラックというドラムマシンのようなものが立ち上がり、ここをマウスでポチポチすれば、すぐにリズムを鳴らすことができ、それをループで鳴らしながら音楽制作に取り組んでいけるという意味で、とっても効率よく、楽しく使えるDAWとなっています。

37フル鍵盤のFLKEY 37

今回Novationから発表されたFLKEY 37とFLKEY Miniは、そのFL Studioと完全に融合する機材であり、まさに有機的に繋がったコントローラーであり、MIDIキーボードとなっているのです。セッティングはいたって簡単。USBケーブルでWindowsやMacと接続した上で、FL Studioを起動すればOK。自動的に認識され、セッティング完了しているのです(最新版のFL Studio 20.9.2以降にUPDATEが必要)。FL Studioが起動中に、FLKEYをUSBで接続したり、切断してもまったく問題なしなのもよくできていると感じるところです。

25ミニ鍵盤のFLKEY Mini

FLKEY 37/FLKEY Miniを買う人の多くは、すでにFL Studioを持っている人だとは思いますが、FLKEYには、FL Studio Producer(6か月間フル機能が利用できる試用版)が付属しているので、これまでFL Studioを使ったことがない人でもOK。ここからあとで、正規版へアップグレードすればいいわけです。

Channel rackに8つの音源を入れ、カラーを設定してみた

では、実際の機能などを見ていきましょう。通常、新規ソングを開くと、808のKick、Clap、HiHat、Snareの4つの音源がChannnel rackに入った形になりますが、ここでは分かりやすく、8つの音源をセットした状態で、それぞれに色を付けておいたとします。

Channel rackに設定した音源がFLKEYのパッドの左から順に並び、同じ色で点灯している

ここでFLKEYのパッドを見ると、まさにその色になっており、このパッドを叩けばキック、クラップ、ハイハット、スネア…とフィンガードラムのようにして叩くことが可能となっています。

トランスポーズボタンやMetronome、QuantiseボタンでFL Studioをコントロールできる

ここでMetronomeボタンを押せばメトロノームがオンになり、タップテンポでタップキーを押していけばテンポ設定も可能。そしてRECボタンを押せば、即レコーディングができてしまいます。いまいちタイミングがズレていたら、Quantiseボタンを押せば、レコーディング結果にクオンタイズをかけることもできる…といった具合。

Channel rackの808 Kick=青で、4つ打ちの入力

これがChannnel rackモードなのですが、SHIFTキーを押しながらSequnecerのパッドを押すとSequencerモードに切り替わります。これはパッドを16ステップに見立てて、ここでリズムの打ち込みを可能にするのです。Channel rackの上下ボタンで切り替えていけば、音源を移動していくことができるので、簡単にリズムを作り上げることができます。

4つ打ちの入力結果がChannel rackに反映させれている

さらに、そのステップに相当するパッドを長押しするとグラフ表示画面が出てくるので、ここで音階を変えたり、PANやボリュームをいじるなど、より細かなエディットも可能です。

パッドを長押しするとパラメータの設定画面が現れる

続いてInstrumentsモードに切り替えてみましょう。こちらはInstrumentsを使うためのモードで、これがまた、よくできているんです。16あるパッドの左側にあるPresetの上下ボタンを押せば、プリセットを切り替えていくことができ、ディスプレイ上にはプリセット名が表示されます。このディスプレイがあるのはFLKEY 37だけですが、FLKEY Miniでもしっかり音色は切り替わっていきます。

InsturumentsモードでPresetボタンを押すと、FLKEY 37のディスプレイにプリセット名が表示される

ここでたとえばドラムマシンであるFPCを選択してみると……、そうFPCのパッドとFLKEYのパッドが連動し、同じ色で表示されるとともに、このパッドを叩けば鳴らすことができるわけです。4×4ではなく、8×2ではありますが、とっても使いやすいですよ。

FPCを選択する

FPCの4×4のパッドと同じ色になっており、このパッドを叩くとFPCが鳴る

では、ReCycle!のようなスライスインストゥルメントであるSlicexを選んでみましょう。すると、スライスされた数だけパッドが点灯し、それぞれを押すと、スライスされた音がトリガーされるのです。これはFruity Slicerでも同様ですね。

Slicexを選択する

Slicexでスライスされた数だけパッドが点灯し、パッドを叩くと、スライスが鳴る

一方、普通のシンセであるFLEXであったり、Fruity DX10、MiniSynth……といったInstrumentsだと、パッドは鍵盤のように点灯し、これを弾けば、普通にキーボードのように演奏することができます。まあ、下にホンモノの鍵盤があるので、あまり大きな意味はないかもしれませんが、とにかくすべてのInsturumentsに最適化されているのです。

一般的なシンセ音源の場合、パッドが鍵盤型に点灯する

続いて今度はノブのほうをPluginモードに切り替えてみます。すると、Instrumentsが選択されている状態で、8つあるノブを回すと、各Instrumentsに応じたパラメータが動いてくれるんですね。シンセのフィルターなどを、ここからいじっていくことができるので、アグレッシブな音作りも可能です。それぞれのInsturumentsにおいて、まさに音作りに重要な8つがノブに割り当てられているから、シンセに詳しくないと人でも、適当にいじるだけで効果的な音が変化していくのも嬉しいところです。

SHIFTキーを押しながらPluginを押すことで、ノブがPluginモードになる

ノブのほうはほかにもチャンネルのボリュームを動かすためのChannel Volumeモードや、PANを動かすためのChannel PANモード、ミキサーのボリュームを動かすためのMixer Volumeモード…などがあるので、FL Studioをこの8つのノブで上手のコントロールしていくことができるのです。

Mixer Volumeモードにすることで、ミキサーのフェーダーをノブで動かせる

そして、キーボードを弾く上で重要なのがScaleボタンです。これを押すとスケールモードになり、鍵盤を弾けない人でも、音を外すことなく演奏することが可能になります。キーを設定した上で、パッドから目的のスケールを選べばOK。

Scaleボタンを押すことでスケールモードとなる

ただし、ここで使えるスケールの種類がFLKEY 37とFLKEY miniで異なります。具体的には以下のようになっているので、FLKEY miniだとちょっと制限がある感じですね。

FLKEY 37 FLKEY Mini
Minor
Major
Dorian
Mixolydian
Phrygian
Harmonic Minor
Minor Pentatonic
Major Pentatonic

次に紹介したいのがコードに関する機能です。Scale Chord(スーケールコード)モードとUser Chordモードというのがあるのですが、Scale Chordモードを選択すると、先ほどのScaleで設定したルートキーにしたがう形で、パッドを押すとコードが演奏されるようになっています。トライアド、7th、9th、6/9thと弾ける形になっています。

Scale Chordモードでは、パッドを押すとTriad、7th、9th、6/9thのコード演奏ができる

一方、User Chordモードでは、最大6和音のコードをユーザーが作成し、各パッドに割り当てることができるというもの。コードが割り当てられるとパッドが青く点灯し、パッドを押すとコードが演奏され、緑に点灯するという形。ここで登録したコードはFLKEYの内蔵メモリに保存されているので、電源をオフにしても消えることなく、再び利用することが可能なので、いろいろと便利に利用できそうです。

User Chordモードでは、各パッドに自由にコードを設定できる

もう一つ面白いのがNote Repeatという機能です。これは名前の通りパッドを押し続けるとノートを繰り返す機能であり、たとえばハイハットの音で、パッドを押し続けると、テンポにしたがって、チッチッチッチッ…と演奏されるのです。この際、パッドの押し方の強さがベロシティと連動するため、強く押し込めば大きい音、弱くすれば小さい音となります。

Note Repeatをオンにすると、パッドを押すとノートが連打される

またこの繰り返すタイミングを4分音符なのか8分音符なのか、16分音符、32分音符と切り替えることができるため、これを使ってリアルタイムレコーディングしていく、といったことも可能になっています。

ところで、このFLKEY 37やFLKEY Miniを見て、おや?と思った方もいるかもしれません。そうこれらは、以前に「DAW操作を超絶快適にするNovationのコントローラー搭載MIDIキーボード、Launchkey MK3の実力」という記事でも紹介したNovationのLauchikey 37 MK3およびLaunchkey Mini MK3とソックリ。手元に、Launchkeyがないので、並べての写真は取れませんでしたが、違いはLauchkeyがブラックボディーなのに対してFLKEYがグレーになっていることと、パッドがメッシュデザインになっていることくらい。あとは、盤面に書かれている文字がことなるだけで、形状はまったく同じです。

だったら、LauchkeyにFLKEY機能を持たせればいいのに……と思ってしまうところですが、Novationの担当者に聞いてみたところ、やはりFL Studioはやや特殊な操作性のDAWだからこそ、専用に作ったのだとか。そもそもLaunchkeyもFL Studioで使えるようになっているのですが、その親和性というか有機的なつながり具合は比較にならないほどFLKEYがよくできているんですよね。

実はFLKEYはデザイン的にLaunchkeyとまったく同じ!?

ちなみにLauchkeyにあって、FLKEYにないのがアルペジエーター。FLユーザーならご存じの通り、FL Studioにはアルペジエーターを搭載しているから、あえてFLKEY側に持たせなくていいという判断だったようです。その代わりに搭載したのがNote Repeat機能だったようですね。またNovationでFLユーザーのプロフィール調査をしたところ、優先度の高いのはFLKEY 37とFLKEY Miniだ、ということでこれらを製品化したようで、49や61などが必要かどうかは、今後ユーザーの声も聞きながら検討するとのことでした。

なお、例によってNovation製品なのでバンドルされるソフトもいっぱい。前述の通り、FL Studio Producer Editon(6か月トライアル版)が付属するほか、以下のソフトがバンドルされています。

Klevgrand:Roverb
Klevgrand:DAW Cassette
Appliied Audio System:Session Bundle
Spitfire Audio Labs:Expresive Strings
XLN Audio:Addictive Keys

さらに、以前「毎月プラグインがタダでGETできる!?Focusrite/novationが展開するPlug-in Collective,Sound Collectiveは絶対チェック!」という記事でも紹介した通り、Sound Cllectiveというサービスにより、約2か月に1本、新しいプラグインがもらえるので、これだけのためにFLKEYを購入しても損はないほど。購入したら、このサービスは絶対チェックですね。

Sound Collectiveのサービスで、2か月に1度プラグインがもらえる

以上、簡単にFLKEYについてレポートしてみましたが、いかがだったでしょうか?ここで紹介した以外にも数多くのFL対応機能が搭載されており、FL Studioの威力を120%引き出してくれる機材だと思います。FL Studioユーザーならぜひ持っておくべきキーボードではないでしょうか?

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