• 9つのジェスチャーで演奏できる、手のひらサイズのユニークな電子楽器、ORBA 2が2022 NAMM Showで発表

2022 NAMM Showにて、アメリカのベンチャー、Artiphon(アーティフォン)が、手のひらサイズのユニークな電子楽器、ORBA 2を発表し、話題となっています。これは2年前に発売された同社の楽器ORBAの新モデルで、ORBAの見た目、大きさはそのままにさらにさまざまな機能強化を図った製品で、発売日はまだ確定していませんが、国内価格は21,000円(税込み)となる予定で、手軽に購入できる機材です。

スピーカー内蔵で、これ単体で演奏できるORBA 2の最大の特徴は、楽器演奏の経験がない人でも気軽に楽しく演奏できるし、使い方に慣れてくればさらに演奏の腕を磨くことができるという点。小さな楽器ではありますが、タップ、プレス、ラディエイト、ティルト、シェイク、スピン、ビブラート、ムーブ、バンプの9つのジェスチャーで、演奏できるようになっており、直感的に操ることができるのです。またルーパー機能も備えており、それを利用することで5分以上の曲を作り上げ行くことも可能となっているのも面白いところ。そのORBA 2とはいったいどんな楽器なのか、実際どうやって演奏して、どんな音が出るのか、その特徴的部分を抑えつつ、チェックしていきたいと思います。

アメリカのArtiphonから手のひらサイズのユニークな楽器、ORBA 2がNAMM Showで発表された

2年半ぶりの開催とあって、非常に大きな賑わいとなっている世界最大の楽器展示会、2022 NAMM Show。その中でも、注目の的となっている製品の一つがArtiphonのORBA 2です。そのNAMMの会場で撮影したORBA 2のビデオがあるので、これをご覧ください。

いかがですか?このビデオだけだと、なかなかその凄さ、面白さのすべてはわからないかもしれませんが、この手のひらにのる小さな楽器を触ることで、さまざまな音を出して演奏できる楽しさについてはなんとなく伝わったのではないでしょうか?

ORBA 2はコンパクトながらさまざまなセンサーを内蔵しており、叩いたり、傾けたり、振ったりすることで演奏できる

ORBA 2とうい名前からもわかる通り、初代ORBAの進化版となっています。その初代ORBAについては以前「手のひらサイズの新感覚な楽器ORBAが発売開始!USB&Bluetooth MIDIの活用で、これまでにない表現力を実現」という記事でも紹介しているので、ご覧になってみてください。

9つのジェスチャーで演奏できるという点では、ORBA 2も初代ORBAとまったく同じ。ORBA 2の中にはタッチセンシティブパッドや加速度計、ジャイロスコープ…といった、多くのセンサーが内蔵されているため、叩いたり、振ったり、傾けたりすることで、さまざまな演奏表現ができるようになっています。9つものジェスチャーがあるから、すべてを身に着けるのには、練習も必要になりますが、簡単な使い方であれば、直感的に使えるのですぐにマスターできると思います。
現在アメリカ・アナハイムで開催されている2022 NAMM ShowのArtiphonブース

そのジェスチャーについて、基本的に初代のORBAと同様ではありますが、もう少し詳しく見ていきましょう。1番オーソドックスな演奏法がタップという操作です。指でパッドを叩くというか、押す操作ですね。これによって、発音させることができるのです。そのORBA 2はベロシティセンシティブとなっているので、強くタップすれば大きな音が出て、弱くタップすると小さな音がでるというのは、一般的なMIDIキーボードやドラムパッドとも共通する基本です。

タップの強さによってベロシティを調節可能

 

9種類のジェスチャーに対応して音を変化させることができる

また、タップしてパッドの上で指を左右に動かすとビブラートを効かせることができます。さらにパッド上で指をタップしたままホールドし、圧力を加えると、プレスというジェスチャーになり、ORBAシンセのモジュレーションを調整することができます。パッド内を指で押して、ORBAの中心から端まで内外に動かすと、エフェクトの明るさを操作するといったこともできるようになっています。

傾けたり、回転させたり、振ったり……することでいろいろなサウンドエフェクトを掛けられる

さらに傾けると、普通のキーボードに装備されているモジュレーションホイールと同様の音色変化があったり、回転させたり、手に持って動かしたり、振ったりすることで、いろいろなサウンドエフェクト効果を得ることができます。この辺はORBA独特の演奏法といえる部分も大きいですが、Artiphonが作った以下のORBA 2の紹介ビデオを見てみると、より雰囲気が分かると思います。

このビデオの中にも初代ORBAにはなかったユニークな機能がいくつか紹介されていましたが、その新機能についてみていきましょう。まず大きいのがサンプラーとしての機能です。初代ORBAは基本的にプリセットで用意されているシンセ系、エレクトロニック系のサウンドを出す楽器となっていましたが、ORBA 2にはピアノやストリングスをはじめ、さまざまなジャンルの楽器の音が入っていると同時に、自分で音をサンプリングし、それを素材として利用できるようになっているのです。

スマホアプリなどを通じてサンプリングした音をORBA 2の音色として割り当てることができる

具体的にはiOS/Android、Windows、Mac用に用意されているORBA Appを使ってサンプリングし、それをORBA 2に転送するのです。先ほどのビデオのように、自転車のベルをサンプリングしてパーカッション的に使うのもよし、ギターのストロークをサンプリングして使ってもいいし、オモチャの音をサンプリングして使うのもあり。もちろん、直接音をサンプリングするだけでなく、アプリを介すことで、手持ちのサンプル素材などを読み込んで使うことも可能になっています。この点は初代ORBAにはなかった大きな違いです。

ArtiphonサイトからフリーでダウンロードできるORBA SYNTHアプリ

また、シンセ機能についても大きく進化しています。まもなくリリースされるORBA SYNTHというアプリを使うことで、ORBA 2内のシンセを自在にエディットできるようになるのです。かなり複雑なことができるシンセとなっているようで、これで音作りができるとともに、どのジェスチャーでどのパラメータが動くかの調整も可能なため、まさに自分だけの楽器として作りこんでいくことができそうです。

各パラメーターをジェスチャーに割り当てることができる(黄色のエリア)

もう一つ初代ORBAになかった新しい機能がクォンタイズです。ORBA 2を使ってリアルタイム演奏ができると同時に、ルーパー機能を使ってその演奏をレコーディングしていくことができますが、タップするタイミングがズレるなどすると、ちょっとヨレヨレな曲になってしまう可能性があります。それに対し、このORBA 2にはクォンタイズ機能が用意されているので、これでドンピシャのタイミングに整えることができるのです。

そして、そのルーパー機能自体も大きく進化しています。初代ORBAでは最大で2小節分、時間にして2~30秒程度でしたが、ORBA 2では128小節分、約5分の曲を作り上げていくことも可能。もちろん、ここではジェスチャーも含めて録音というか記録されていくのですが、複数のジェスチャーの動きを同時にレコーディングしていく必要があることからMPE=MIDI POLYPHONIC EXPRESSION対応の対応のルーパーになっているのもユニークな点。まさにこれ一つで曲を作り上げていくこともできるというわけなのです。

USB接続でDAWと連携できるとともに、Bluetooth-MIDIでの接続も可能

一方で、これは初代ORBAと同様ですが、ここにはUSB-MIDI機能を装備していると同時にBluetooth MIDI機能も搭載されているので、さまざまなMIDI機器、DAWと連携させることが可能になっています。とくにBluetooth MIDIであれば、iPhone/iPad上に用意されている膨大な数のMIDI楽器をこれでコントロールできるので、ORBA 2で、これらの楽器アプリを演奏していくことができるのです。もちろん、Cubase、Studio One、FL Studio、Ableton Live、Ability、Pro Tools、Logic……といったDAWと連携して使うことも可能です。

さらに先ほどのMPEはルーパー用として利用できるだけでなく、各DAWにMPE対応の入力デバイスとして使っていくことも可能なので、用途の範囲も大きく広がりそうです。価格も手ごろなので、楽器として楽しめるのはもちろんのこと、MPEデータの入力も可能な新たなMIDIデバイスとして、1つ持っておいてもいいのではないでしょうか?発売情報など決まったら、またお知らせしていきます。

【関連情報】
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ORBA 2製品情報