強力なサンプラーエンジンとスクリプティング機能を備えたソフトウェア「Falcon」をはじめ、膨大なサウンドライブラリで知られるフランスのメーカー、UVI。先日、そのファウンダー(創業者)であるAlain Etchar(アラン・エッシャー)さんが来日し、インタビューする機会を得ました。
19歳でフロッピーディスクにサンプルを入れて販売していた学生時代から、CD-ROM時代を経て、ソフトウェアサンプラーの開発、そして現在のFalconに至るまで、サンプリング技術一筋で走り続けてきた25年の歴史には、音楽制作技術の進化とともに歩んできた軌跡が刻まれています。Image-Line傘下となった現在も変わらず、小さなチームで情熱的なプロジェクトを追求し続けるUVIの姿勢が印象的でした。そのUVIの歴史やImage-Lineとの関係までいろいろと話を伺ってみました。
最初のシンセはカシオCZ-1000、そこからサンプリングの世界へ
――まず、Alainさん自身の音楽との出会いから教えてください
Alain:私は18、19歳の頃、学生時代に数学を専攻していましたが、同時に音楽にも興味があって、音楽を作り始めました。私の最初のシンセサイザーはカシオのCZ-1000でした。
――CZ-1000ですか。Phase Distortionシンセですね
Alain:そうです。その後、数年経ってからRoland S-50を買いました。フランスで買ったんですが、中には音が入っていませんでした。驚くことに、Rolandのフロッピーディスクだけが付いていたんです。
――当時のサンプラーは音が入っていないのが普通でしたね
Alain:その時、唯一の方法は自分で音を作ることでした。それでフロッピーディスクのサンプルライブラリーを作り始めたんです。その時はまだ学生でしたが、週末にフロッピーディスクを使って作られた音を聴いた人々が、買ってくれるようになりました。瞬く間に多くのお客さんが来てくれるようになって…。それがUVIのビジネスの始まりです。
フロッピーディスクからCD-ROMへ、そして世界展開
――当時はどんな機材用にサンプルを作っていたんですか?
Alain:Roland S-50の後、AKAI S1000に移行しました。それによってアーティストのサウンドをレコーディングするプロジェクトに参加するようになりました。さらにその後、Ensoniq EPS-16Plusを使うようになったのです。この時期はまだフロッピーディスクでライブラリを作っていたのですが、アルバム制作をし始めた時に、制作のベースにあるこのマシンにノイズの問題がありました。プロデューサーはこの問題に苦戦していましたが、運が良かったことに、EnsoniqからASR-10が登場し、このノイズ問題が解決。これによって、なんとかアルバムの制作が無事に終わったことを覚えています。
――その後、CD-ROMに移行したんですか?
Alain:この当時、CD-ROMはまだとても高価でした。そのためまずはCD-Writerではなく、CD-ROMドライブとライブラリを、アメリカで買ってみたのです。私は、CD-ROMならすごい音がすると期待していたのですが、実際に使ってみると、その音質の低さに落胆しました。それならば、自分でよりよいサウンドライブラリーを作ろうと、サンプラーのためのCD-ROMライブラリ作りを始めたのです。初めてのCD-ROMはAKAIでした。当時、まだCD-ROMライブラリを提供するメーカーはまだ少なかったので、AKAIに加え、Ensoniqのライブラリも作るようになっていったのです。そして、フランスだけではなく、国際的にビジネスが広がっていきました。我々のCD-ROMを世界に向けて販売するようになっていったのです。
――それは何年頃ですか?
Alain:CD-ROMは……正確な年は覚えていませんが、1990年代です。AKAI S1000の時代、SCSIドライブの時代でした。そのころから、サンプルライブラリはCD-ROMが標準となって普及していきました。
音楽ショップUNIVERS SONSの運営
――同時にディストリビューターとしても活動されていたんですね
Alain:そうです。同時にフランスでディストリビューションをしていました。私はCD-ROMのサウンドライブラリを作りを行っていましたが、それと同時に私はフランスでのディストリビューター(輸入代理店)事業も始めました。つまり、ほかのブランドのサンプルライブラリやソフトウェアの販売も行っていたのです。具体的にはEastWest Sounds、BigFish Audio、Spectrasonicsなどを販売していましたのです。
――Spectrasonicsはアメリカの会社ですね
Alain:はい、アメリカの会社です。しかし、当時世界に存在しない特別な商品を作っていましたので、我々はこれを輸入販売していたのです。当時、本当に小さな店舗で、これらのCD-ROMライブラリを販売していました。小さいけれど、この店に来れば、世界中のCD-ROMのサンプルライブラリを購入することができたのです。もちろん 我々が作ったCD-ROMも含まれていました。CD-ROMを作り始めた時、そして店での販売を始めたときに、大切なことなことに気づかされました。それは、小さなビジネスではあるけれど、お客様がとても喜んでくれる、そうしたお客様の顔を見ながら、少しずつビジネスを進めていき、ソフトウェア、ハードウェアなど幅広く取り扱うようになっていったのです。
――それがUNIVERS SONSという店なんですね
Alain:お店を開いた数カ月後には、もう多くのお客様が来店してくれるようになりました。そして、みなさんとても喜んでいただけて、私たちのサンプルライブラリの売り上げも着実に伸びていったのです。それに比例するように、サンプラー本体の販売も向上していきました。こうしたことは、私たちとお客様との間の信頼関係なしに達成することはできません。やがて私たちはフランスで最も大きなDTM系の小売店へと成長していきました。それがUNIVERS SONSと呼ばれるお店です。このUNIVERS SONSは、フランスにおいて現在も大きなストアですが、私たちは数年前にその事業を売却しました。
――せっかく育てた店舗のビジネス、ちょっともったいないようにも思いますが……
Alain:確かにお店のおかげで我々、制作・開発側とお客様との距離を縮めることができ、お客様のニーズをつかむことが可能になりました。多くのお客様との長い対話から、店舗で販売していた各種CD-ROMが生まれてきたのも事実で、それらは世界に向けて販売されていきました。しかし、もっとライブラリやソフトウェアの開発に注力していきたい、という思いから、店舗ビジネスを終了させたのです。
ソフトウェアサンプラーの開発へ――Mach Fiveの誕生
――当初はハードウェアサンプラーが主流だったのが、その後ソフトウェアサンプラーの時代に移っていくわけですね
Alain:当初はコンピューターのスペックが低く、ハードウェアサンプラーが必須でしたが、その後、コンピュータのパワーが強力になっていき、コンピューターのソフトウェアでサンプラーを実現できるようになっていきました。
――2000年ごろでいうと、GigaSamplerが一世風靡しましたよね
Alain:そうですね。GigaSamplerや、同時期に、まだAppleに買収される前のemagicがLogic用のサンプラーとしてEXS24を出していたのを覚えていますか?その当時、私たちもソフトウェアサンプラー用のライブラリを作るようになっていきました。でも、他社向けのライブラリーを作るだけでなく、自前のエンジンを作ってみたらどうか、というリクエストがあったのです。確かにそれは面白そうだと、私たちもソフトウェアサンプラーの開発に着手したのです。
――それがいつごろだったのですか?
Alain:2000年か2001年です。だからそれは全く新しいビジネスでした。当時、ソフトウェアを作る方法を知らなかったから、まずエンジニア探しから始めました。誰もやったことのないことを始めるのは、非常に根気のいることでした。でも、私たちはユーザーと自分たちの要望を実現するためにソフトウェアサンプラーを作り始めました。当時、私はこうしてできた技術を世界中のソフトデザイナーに紹介しました。その一つがSpectrasonicsであり、MOTUです。Spectrasonicsらは私たちの技術を使って、PlugSound(プラグサウンド)というコレクションを作りました。
――PlugSoundとはどんなものだったのですか
Alain:Plug Soundはコンピューターで、簡単に扱えるためのシンプルな音源でした。Spectrasonicsはこれと同じエンジンで、StylusとAtmosphereをリリースしました。そしてMOTUはMach Fiveと呼ばれる最大のサンプラーソフトウェアとして、このエンジンをライセンスしました。当時、多くの方がMOTUとSpectrasonicsのソフトウェアを使っていたのを覚えています。
――Mach Fiveは大きな成功でしたね
Alain:Mach Fiveは大きな成功でしたが、これは独自販売ではなくMOTUにライセンスされていたもので、MOTUの販売チャンネルを通じて、MOTU製品として供給されました。しかし、これは我々の未来にとって、とても重要なものでした。Mach Five(の中身)は100%UVIによるでしたが、この間我々は、マーケティングや販売よりも開発に集中できたので、UVIエンジンの進化と強靭化に努めることができました。
2010年、Falconの誕生とUVIブランドの本格始動
――そして2010年に転機が訪れるわけですね
Alain:2010年にMOTUとの契約が終了するのを契機に、Falconを作りました。Falconが、最も大規模のソフトウェアに成長していきました。FalconにもKontaktのようなスクリプトの仕組みを組み入れています。それによって多くの種類のアイテムを作ることが可能となっているのです。基本的にはUVIの開発ですが、たくさんのアイディアや機能も盛り込まれています。また、2010年頃にブランドをUltimateSound Bank(アルティメイト・サウンドバンク)からUVIにしました。
※編集部注:MOTUとの契約終了は、正確には2014年前後。
――2010年からUVIブランドとして本格的に
Alain:その後、新時代に向けたライブラリを作り始めました。DSPを改善し、たくさんの音を録音しまし、100以上のプロジェクトを手掛けていったのです。ジャンルは多岐にわたりますが、アコースティック、エレクトロニックシンセ、ボイスなど多いです。そこから始まり、最後まで、私たちが作る音楽の旅です。
音楽制作とビジネス、二つのキャリア
――この時期、Alainさんは音楽制作もされていたんですよね?
Alain:この時、私は音楽を作るために人を集めていました。2000年に私はMC Solarというラッパー、フランスのナンバーワン・アーティストをプロデュースしていました。彼ともに音楽を作りました。この音楽はフランスで販売され、チャート入りもしました。。その時、私は音楽ビジネスに関するパラレルのキャリアを持っていたことになります。レコーディングやライブパフォーマンスなど、私は楽曲をソフトウェアを作っていました。
――音楽制作とソフトウェア開発、両方やっていたと
Alain:はい、そして、ショップ運営、音楽制作などはビジネスとしてどんどん困難な時代になっていきました。そのため、ショップをほかの会社に売却し、UVIのビジネスに集中したというのは先ほどお話したとおりです。これが、その後の大きな成長につながりました。でもお店は良い経験でした。お客様が近いので、需要や要求をダイレクトに理解できるようになりました。人々が買うものを直接見ることができたのは、良い経験でした。
Image-Lineによる買収、そして現在
――そして、コロナ禍の時期に大きな変化があったんですよね
Alain:コロナ禍のタイミングで、UVIという会社をFL Studioの開発元として知られるImage-Lineに売却しました。もっともImage-Lineに売却して、私がUVIから去ったというわけではありません。私自身、現在はImage-Lineの一員となっており、私はまだ会社の運営に携わっています。

世界的にも非常に高いシェアを持つDAW、FL Studio
――つまり、UVIとFL Studioは兄弟の会社ということですか?
Alain:はい。Image-LineはUVIのオーナーになります。従って、私たちはImage-Lineの一部で、今はUVIの創設者で、CEOです。このことに関しては、変化はないし、変化もしないと思います。企業がほかの企業に買われた、企業の主役が変わることもあります。でも、我々に関しては、もう3年半経過してますが、私は引き続き、チームの運営者として働いています。私はチームを知っていますので、全く変化がないので運営が楽です。私たちは小さいチームですが、私も引き続き運営をしていくことを願っています。
――現在UVIの組織は何人くらいですか? またみなさんパリにいるのですか?
Alain:UVIは30人くらいのメンバーとなっています。確かにパリが拠点ではありますが、ここにみんなが集まって仕事をしている、というわけではないのです。基本的にみんなリモートで働いているので、フランスはもちろん、アメリカ、日本……世界各地で仕事をしていますよ。
――その30人のうち、開発に携わるエンジニアってどのくらいいるのです?
Alain:UVIには5名のエンジニアがいます。私たちのエンジニアの中には20年間、勤続している者もいます。コアのエンジニアは約20年間、UVIに在籍しています。比較的長いと思います。またサウンドデザイナーも5名います。このサウンドエンジニアは、収録に携わっているのですが、ここにはエンジニアも参加しています。エンジニアは純粋なコードを書き、サウンドデザイナーは収録や編集をしています。でも、エンジニアとデザイナーの間に垣根はなく、私たちデザイナーがコードを書くこともできます。C++の言語を使用することができるので、技術的に精通している人々にとって理解するのが簡単だからです。
Image-Lineとの関係、そしてヨーロッパの企業文化
――コロナ禍でImage-Lineに売却したとのことですが、どうしてそうなったのか、そのきっかけを聞いてもいいですか?
Alain:理由は、そうですね……実際に起こっているでことなので、秘密ではありませんが、たくさんの理由が組み合わさって、こういう結果になりました。ただ、一つの重要なことは、大きなグループの中にいることで、強くなったということです。みんなそう言います。
――ヨーロッパ同士というのは大きいですか?
Alain:それは確実なことです。UVIに深く興味を抱いていた会社は、いくつもありました。以前、私たちはアメリカの会社とも話し合いを開始しましたが、話し合いは最後まで続かず、合意には至りませんでした。その際、私たちもいろいろと学びました。結果として、ヨーロッパの会社は我々にとっても相性がよかったというか、お互い分かり合えたという点はあったと思います。
――この先、UVIとImage-Lineの関係はどのようになっていきそうですか?
Alain:未来については正直なところわかりません。例えば日本のメーカーがImage-Lineを買うかもしれませんし、中国の会社が出てくるかもしれません。その場合、Image-Lineの親会社によって、UVIは大企業に販売するかもしれません。でもUVIのDNAが変わらなければ、今後も良いもの作り続けていくと思います。会社のオーナーが変わっても、チームが変わらないことは、普通ではないことです。でも、結果がとても良いで、これを継続していきたいです。現在も、UVIのDNAは変わっていないので、好きなものを継続して作っています。同じチームで楽しみな、チームでクレイジーなものを作ることができます。プロジェクトはお金を稼ぐために必要なものではなく、歴史的で魅力的なものです。
――ところでImage-LineとUVI、どちらが大きい会社なんですか?
Alain:それはもちろんImage-Lineです。DAWであるFL Studioは有名ですし、世界的にも大きなシェアを持っているだけあって、UVIよりも大きいですね。Image-Lineもやはり世界中にメンバーがいますが、合わせて約100人ほどの会社です。現在世界的にみるとFL StudioはCubaseやLogicよりも大きなシェアを持っており、とてもユニークな商品です。私自身、大好きなDAWです。
プロジェクト選びの哲学――オーガニックで情熱的なアプローチ
――UVIはライブラリーを作る際、どういう基準、考えで決めるのですか?
Alain:私たちは、自分たちが好きなもの、みんなが欲しがると思うものを作ると同時に、何が今できるのかを考えながら進めています。この際、私たちは音楽やミュージシャンを中心に考えています。我々のプロジェクトは、お金を稼ぐために運営しているわけではありません。そういう意味でも、私たちは本当に素晴らしいチームであると自負しています。このチームでは、オーガニックな方法で選択しています。最近は、若い人たちが選択し、決めるようにしています。そして私はお客様に喜んでもらえるよう、プロジェクトを執行しているのです。
――例えばどんなプロジェクトがありますか?
Alain:例えばブダペストで100人の人が歌っているような大きなクワイアを録音しました。そのため、大きな録音スタジオや歌手たちが参加するエピックプロジェクトを作ることができます。それから、クレイジーなプロジェクトでは、例えばGlass Orchestraというプロジェクトがあります。このプロジェクトの音はガラス瓶によって作られています。いろいろな音を作られています。様々なガラス瓶を使って音を作ることができます。
――瓶ですか?
Alain:Crystal Baschet(クリスタル・バシェット)です。でも私の目的はガムラン、すべてが瓶のようなもの…こういうもの。Crystal Baschetは…指で弾くマリンバのようなものです。
――ガラスのハーモニカのようなものですか?
Alain:ボールがたくさんあるのが見えます。ボールの中に一つ一つのノートがあります。こんな感じで動いています。指を入れてボールが声を出してくるのです。でも、ボールの中にボールが見えます。これが作った人です。
――ほかにも変わったプロジェクトがあるのでしょうか?
Alain:例えば、私たちが録音したクワイアの時、6年前に始めたのに色んなものを録音していたのですが、楽しみすぎて、良い録音を続けて新しい録音を続けて、もっと良い録音が得られるようになりました。また、やりすぎる時もあります。例えば、Soul Drumsというプロジェクトを作りました。私たちはマイアミで録音したのですが、ジェームズ・ブラウンが使ったドラムを録音して…私たちはドラム音源に必要な収録をすでに終えているにも関わらず、さらに録っていきました。このドラム音源を作るのにとても極端なことをしました。ここから私たちは間違いを学び、少しだけ軽く作っています。
――プロジェクトが花のように成長するという表現をされていましたね
Alain:プロジェクトを作る時にそれがより良いので、本当に成長しています。花のように、とても真剣で、とても美しいです。でもそれは芸術です。だから私たちはたくさん変えてもらえます。
――市場が求めているものと、UVIのメンバーみんなが作りたいもののバランスは?
Alain:音楽のことを見て、市場が何を求めているかを見ることができます。人々が待っているものを作ることを勉強しています。また、人々が待っていないものを作ることもあります。人々が見ているときに驚きを受けたり、何かを提案する必要があります。私たちは自分の作品をアーティスティックビジョンにするためです。だから、お客様を驚かせたい。そして企業を驚かせるために変な商品を作ることをしています。それでも私たちは良いものを作ることをしようとしています。だからそれは私たちの作品にも成功することができます。複合的な要素、そしてかなりオーガニックに、物事を進めていきます。私たちは小さいチームなので、こういう形でプロジェクトを始めることができます。
サンプリングにこだわる理由――音質と表現力
――UVIはずっとサンプリングをメインにしているじゃないですか。完全な物理モデリングとか、そっち側にシフトしていくこともできると思うんですが、やっぱりサンプリングがメインなのはなぜですか?
Alain:UVIの特徴は音のためだけに関心を持っています。チームが目指しているのは、音が良い音を得るために、特にマシン(ハードウェアシンセサイザー)の再現をモデリングを行うことができるかもしれませんが、サンプリングは良い音を得る唯一の方法です。なので音に集中し、マシンの発音方法が違うように、マシンの仕事(動作)方法を再現するには、まだ限界が多いです。だから私たちは純粋なモデリングを作ることを選ばず、サンプリングで作っています。今の時代では、モデリングとサンプリングをミックスをしています。例えば、オシレーターを再サンプリングします。MS-20のモデリングをしていますが、それは非常に緻密にできていると自負します。
――サンプリングとモデリングを混ぜているんですね
Alain:今は、より多くの音を混ぜています。私たちはモデリングをすることについても他者とはアプローチが違います。私たちは音の質を確認し、音の不調を感じます。また私たちは音の素材をマシンに近づけることを意識しています。そうしてマシンがどのように動くのかを伝えられることができるのです。しかし、同じ音を使うことはできません。従いましてマーケティングとして、そのマシンの音(の可能性)を提案することを決めました。これが私たちが主にやっていることで、人々が好きなことです。
――同じフランスのソフトウェア音源メーカーとしてArturiaがありますが、UVIとArturiaの関係っていかがですか?
Alain:彼らがやっていることはとても素晴らしいと思っています。ハードウェアビジネスにおおいても、とてもいい会社です。もっとも我々とはフィロソフィーが異なります。私たちはもっと…サンプリングに集中しています。もちろんサンプリングに集中しているので、これに関して、私たちは彼らの知識よりも多いす。彼らはモデリングに集中しています。私たちは、音楽そのものにも集中しています…Arturiaはとても良いと思います。しかしマシンに近づけるアプローチは、私たちと違います。私たちはクレイジーで、よりニッチな作品を作っています。私たちはマーケティングよりも、音に集中しています。
――マシンのモデリングよりも、音楽家に使える技術を提供しているということですね
Alain:彼らは精巧なマシンのモデリングをしています。実機を知る方に訴求力ある素晴らしい製品だと思います。ただ、私たちは(操作面での実機の忠実度は)気にしません。私たちは音楽家に使える(音を出す)技術を提供しています。違うアプローチです。でも私たちは両方とも尊敬しています。そして私たちはパリにいます。
フランスの音楽技術産業
――フランスにいる音楽技術の会社は多いですか?
Alain:はい、Osmose(Expressive E)があります。いい会社です。彼らはパリにいたこともありましたが、現在はマルセイユにいます。このOsmoseとUVIでのコラボレーションも行っています。ほかにもDTM系においてフランスの企業もたくさんいますよ。たとえばPianoteqもあります。Focalもそうですし、ほかにもあります。Blue Cat Audioもフランスの会社だったと思いますよ。
――ぜひ、いつかフランスのUVIに行ってみたいですね
Alain:ぜひ、遊びに来てください。UVIとともに、ArturiaやOsmose、Pianoteqなど一緒に尋ねてみたら面白い取材ができるのではないですか?お待ちしています。
――ありがとうございます
UVIの未来
UVIの歴史は、サンプリング技術の進化の歴史でもあります。フロッピーディスク時代から現在のFalconまで、一貫してサンプリングの可能性を追求してきました。物理モデリングが主流になりつつある現在でも、「良い音を得る最良の方法はサンプリング」という信念を貫き、機械の忠実な再現よりも音楽家が使える技術を提供することを優先しています。小さなチームで情熱的にプロジェクトを選び、100人規模のクワイアを録音したり、ガラス瓶でできた楽器を録音したりと、クレイジーで魅力的なプロジェクトに取り組み続けています。Image-Line傘下になっても変わらないUVIのDNA――それは、多くのDTMユーザーに驚きと喜びを与え続けることなのだと思います。
告知:13日の金曜日セール
UVIはセールス面でも他社とは異なるユニークアプローチをします。
その際たるものが、「13日の金曜日セール」です。

これは、ヨーロッパで厄日とされる13日の金曜日に、買い物で厄祓いをしましょうというコンセプトで実施しているものです。
実際にフランスでは13日の金曜日に宝くじを買うという風習があるそうですが、それをセールという形で実現しているのです。
2026年では2月13日、3月13日、11月13日の3回あるので、ここでのセールが期待できそうですね。ぜひ、チェックしてみてください。
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