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3台合計で約60万円するプリアンプを3万円で実現!?Universal Audio Voltシリーズの次世代機Volt Gen 2が登場!

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1176コンプレッサやビンテージプリアンプを本物のアナログ回路で内蔵し、2021年の登場時に大きな話題となった米Universal AudioのUSBオーディオインターフェイス、Voltシリーズ。その第2世代となるVolt Gen 2とVolt Maxが本日10月2日に発表され、発売が開始されました。ラインナップはVolt Gen 2が2in/2outのVolt 1 Gen 2(27,500円税込)、2in/4outのVolt 2 Gen 2(39,600円税込)、12in/6outのVolt 4 Gen 2(55,000円税込)の3機種、Volt Maxがコンプレッサまで内蔵したVolt 2 Max(55,000円税込)、Volt 4 Max(71,500円税込)、Volt 4P Max(89,100円税込)の3機種で、合わせて全6機種。今回はこのうちVolt 1、2、4 Gen 2の3機種を取り上げ、Volt Maxについては近日中に別の記事で紹介したいと思います。この6機種に共通する第2世代の最大の変更点は、初代の売りだったアナログ回路をすべて取り払い、代わりに全機種へDSPを搭載するという大きな方向転換を図ったことです。

そのDSPで動くのがTone Shapingプリアンプで、Apolloで長年培ってきたエミュレーション技術を受け継ぎ、TONEボタンを押すたびにチューブ、ソリッドステート、ブリティッシュクラスAという3種類のプリアンプのキャラクターが切り替わる仕組み。モデリング元と予想される実機を買えば1台20万円前後、3台揃えれば60万円近く。そのクラスのプリアンプの音を、ボタン1つで選べてしまうのです。さらにVolt 2 Gen 2とVolt 4 Gen 2はフルカラーのSmart Displayを装備し、その上には入力レベルを自動で決めてくれるAssistive Auto-Gain、全機種共通のループバック機能まで詰め込み、32bit/192kHz対応のコンバータとUADプラグインのバンドルまで付いてこの価格となっています。実際どんなオーディオインターフェイスなのか、試してみたので紹介していきましょう。

初代とは別物。フルカラーディスプレイとオートゲインも積んだUniversal AudioのVolt Gen 2

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アナログ回路からDSPへ。初代Voltから5年でシリーズが生まれ変わったVolt Gen 2

Voltシリーズは、Universal Audioが2021年に発売したUSB Type-C接続のオーディオインターフェイス。Apolloシリーズが持つリアルタイム処理用のDSP、UAD-2は搭載せず、代わりに1176コンプレッサやビンテージプリアンプを本物のアナログ回路で内蔵したのが特徴でした。

以前、「Universal Audioがアナログ回路のコンプ、マイクプリ搭載のオーディオインターフェイス、VOLTシリーズを発表。価格は17,050円~」という記事でも紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

1176や610のアナログ回路搭載で話題のインターフェイス、UA VOLTを試してみた

その初代から5年、今回のVolt Gen 2ではアナログのエフェクト回路がすべてなくなり、代わりに各モデルへDSPが搭載されました。このDSPで動くのがTone Shapingプリアンプと呼ばれる機能で、ApolloでNeveやAPIのプリアンプを再現してきたDSPの技術を受け継ぎ、この価格帯の製品に持ち込んだものとなっています。UAD-2とは別物なのでUADプラグインを本体で走らせることはできませんが、プリアンプの音色作りに関しては、Apollo譲りの機能を手に入れたのです。

今回発表されたのは、Volt 1 Gen 2、Volt 2 Gen 2、Volt 4 Gen 2の3機種からなるVolt Gen 2シリーズと、Tone Shapingに加えてコンプレッサも内蔵するVolt 2 Max、Volt 4 Max、Volt 4P Maxの3機種からなるVolt Maxシリーズ。Maxの3機種はデスクトップタイプで、Gen 2の3機種とは見た目でも区別できるようになっています。

Volt Maxシリーズ(左)とVolt Gen 2シリーズ(右)の全6機種が登場した

改めて3機種の価格は、

Volt 1 Gen 2 27,500円(税込)
Volt 2 Gen 2 39,600円(税込)
Volt 4 Gen 2 55,000円(税込)

また見た目も大きく変わり、初代のVolt 176/276/476はサイドに木材を使ったデスクトップ型でしたが、Volt Gen 2は3機種ともグレーの筐体にブラックのフロントパネルというシンプルなデザインで、パッと見はApolloシリーズに近い雰囲気になっています。

上からVolt 1 Gen 2、Volt 2 Gen 2、Volt 4 Gen 2。3機種とも同じデザインになった

一方で、MacやWindowsはもちろん、iPadやiPhoneにも繋いで使える手軽さは初代から引き継がれています。なお初代Voltシリーズも当面は併売される予定で、初代がPCに繋がなくてもスタンドアロンのマイクプリアンプとして動作したのに対し、Volt Gen 2は現時点でスタンドアロン動作に対応していません。将来的には対応する可能性はありますが、スタンドアロンでの使い方が目当ての人は、初代を選ぶ手もありそうですね。

2in/4outでSmart Displayを備えたVolt 2 Gen 2

買えば3台で60万円近く。チューブ、ソリッドステート、クラスAの音をボタン1つで選ぶTone Shapingプリアンプ

さて、その初代との一番の違いであるTone Shapingプリアンプを見ていきましょう。3機種すべてに搭載されているもので、簡単にいえば内蔵DSPでマイクプリの性格を変えられる機能です。本体のTONEボタンでOff、Warmth、Focus、Shineの4つを選ぶようになっていて、Offなら透明感のあるクリーンなプリアンプ、Warmthなら太くダークで温かいサウンド、Focusなら中域を重視したタイトなサウンド、Shineなら煌びやかでバランスのいいサウンドに切り替わります。

TONEボタンを押すたびにOff、Warmth、Focus、Shineが切り替わる

この3つのサウンドが何をモデルにしているのかというと、Warmthには「チューブ」、Focusには「ソリッドステート」、Shineには「ブリティッシュクラスA」という説明が付いています。つまり真空管プリアンプ、ソリッドステートプリアンプ、イギリスのクラスAプリアンプのサウンドを狙ったものですね。

公式にはどの機種をモデルにしたとはうたっていませんが、真空管プリアンプといえばUniversal Audio自身の名機である610、ソリッドステートといえばAPI、イギリスのクラスAといえばNeveが代表格。UADプラグインにもこの3つを再現したUA 610 Tube Preamp & EQ Collection、API Preamp、Neve Preampがあるので、その辺りの音を思い浮かべると分かりやすいと思います。

ちなみに、モデリング元と予想されるこの3つを実機で揃えると、Universal Audioの610系で最も手頃なSOLO/610が209,000円(税込)、APIのマイクプリ512cが162,800円(税込)、AMS Neveが1073をモジュール化した1073LBが192,800円(税込)で、合計すれば564,600円と60万円近くになってしまいます。しかも512cと1073LBは500シリーズのモジュールなので、別途ラックと電源も必要。その系統の音が39,600円(税込)のVolt 2 Gen 2ならボタン1つで切り替えられるので、ここがVolt Gen 2の最大の魅力だと思います。

実機なら60万円近いプリアンプの音を、ボタン1つで切り替えられる

もちろん、この3つのサウンドはUADプラグインでも手に入ります。API PreampとNeve Preampがそれぞれ99ドル(約15,000円)、UA 610 Tube Preamp & EQ CollectionはUAD Explore Freeで無料。ただし、これらをUnison機能でマイクプリとして使うにはApollo本体が必要で、PCのCPUで動かすネイティブ版は録音した後にかけるプラグインになります。

左からUADプラグインのUA 610 Tube Preamp & EQ Collection、API Preamp、Neve Preamp

そう考えると、オーディオインターフェイス側でマイクプリのサウンドを変えられるVolt Gen 2は、プラグインで揃えるのと比べても安上がりです。しかも、後からプラグインをかけるのではなく、録音する前の段階で3つのサウンドから選んでおけるのが、Volt Gen 2ならではの使い方となっています。

録る前に音を作るという点では初代Voltも同じで、ビンテージプリアンプモードをオンにすると、真空管やトランスを通したような太さがアナログ回路で加わりました。ただし選べるのはオンかオフかの1種類だけ。それがVolt Gen 2では3種類に増え、しかもDSP処理なのでアナログ回路を通すよりノイズが少なくなっているんです。「録る前に音を作り、その音をモニターしながら演奏するからいいテイクが録れる」という考え方は初代からのコンセプトで、その手段がアナログからデジタルに置き換わったわけですね。

初代Volt 276のVINTAGEボタン。選べるのはオンかオフかだけだった

なお、上位のVolt MaxではTone Shapingに倍音を加えるサチュレーションの処理も入り、同じWarmthでもMaxのほうがより豊かな倍音を伴った音になるよう差が付けられています。またTone Shapingで変えられるのはサウンドの選択だけで、効き具合を細かく調整するツマミはありません。ボタンを押して3つの中から気に入ったものを選ぶだけなので、初心者でも感覚で使いこなせる設計になっています。

UAD Console側でもコントロール可能。Volt 4 Gen 2ではTone Shapingをライン入力3/4にも当てられる

実際にコンデンサマイクを繋いで喋りながら切り替えてみると、Offとの差ははっきり分かります。Warmthは低域が少し持ち上がって声に厚みが出て、Focusは低域が締まって中域が前に出て、Shineは高域に張りが出て明るくなる。まさにマイクプリを切り替えたような変わり方でした。DSP処理なので、切り替えたときにノイズが増えたり音が途切れたりすることもありません。

使い方としては、ボーカルなら太さの欲しいときにWarmth、抜けが欲しいときにShine、バンドの中で埋もれがちなギターにはFocus、といった具合に、DAWでプラグインを重ねる前にここで音を決めてしまう形です。専門的なエンジニアリングの知識がなくても、ボタンを押して聴き比べるだけで曲に合う音を見つけられるというのが、この機能の狙いとなっています。

ゲイン設定は機材が自動で調整。Smart DisplayとAssistive Auto-Gain

このTone Shapingの切り替えを含め、本体での操作の中心となるのがフロントパネルの円形ディスプレイ、Smart Displayです。Volt 2 Gen 2とVolt 4 Gen 2に搭載されたフルカラーのディスプレイで、入力チャンネルのレベルメーターやゲイン、TONEの選択状態などを表示してくれます。Tone Shapingを切り替えると、Warmthはオレンジ、Focusはグリーン、Shineはブルーとリングと文字の色も変わるので、今どのサウンドを選んでいるのかが一目瞭然。この価格帯でフルカラーのディスプレイを搭載したオーディオインターフェイスは珍しく、見た目の面でもほかの製品との大きな違いとなっています。

フロントパネル中央の円形ディスプレイ、Smart Display

ディスプレイの右にはTONE、48V、INPUT、AUTO、DIRECT、そしてスピーカー/ヘッドホン切り替えの6つのボタンが並び、さらにその右にあるのが大型のSmart Knob。INPUTボタンでチャンネルを選んでからこのノブを回せばゲインを調整でき、スピーカー/ヘッドホンのボタンで切り替えれば、モニターとヘッドホンの音量調整にも使えるわけです。ゲインの刻みはかなり細かく、狙った値でピタリと止めやすいのもポイントですよ。

ディスプレイの右に6つのボタン、その右に大型のSmart Knobが並ぶ

48Vはファンタム電源、DIRECTは入力音をレイテンシなしで聴くダイレクトモニタリングのオン/オフで、この辺りは初代と同じ。ツマミが並んでいた初代と比べるとボタン6つとノブ1つというシンプルな構成ですが、ディスプレイで状態を見ながら操作できるので、迷うことはありませんね。

48Vをオンにするとディスプレイに表示され、ボタンも赤く点灯する

そしてAUTOボタンを押すと働くのが、Assistive Auto-Gainです。入力される信号に合わせて適切なゲインを自動で設定してくれる機能で、ボタンを押して待機状態にし、そのまま歌ったり弾いたりするだけ。Volt 876ではUAD Console上からしか実行できなかったオートゲインが、Volt Gen 2では本体のボタン1つで完結するようになりました。これにClip Protectionも組み合わされていて、予想外のピークが入ってもテイクを守ってくれます。宅録で面倒なゲイン設定を機材側が引き受けてくれるので、初心者はもちろん、慣れた人にとっても録音前の手間が1つ減りますよ。

AUTOボタンを押して演奏するだけでゲインが自動設定される

試しにAUTOボタンを押してから10秒ほど歌ってみると、ディスプレイのゲイン値が自動設定され、ベストなゲイン設定を行うことができました。手動でゲインを追い込む必要がなくなるので、録音に入るまでがグッと速くなりますね。

10秒ほど入力を聴き取った後、Doneと表示されてゲインが確定する

一方、Volt 1 Gen 2はディスプレイとオートゲインを省き、ゲインは初代と同じく2つのツマミで調整する形。ボタンはTONE、48V、DIRECT、MUTEの4つで、Tone Shapingの状態はTONEボタンの色で判別します。初めてオーディオインターフェイスを買う人向けのシンプルな構成ですね。なお、ダイナミックレンジにも少し差があり、マイク入力/モニター出力でVolt 1 Gen 2が119dB/122dB、Volt 2 Gen 2が119dB/126dB、Volt 4 Gen 2が118dB/126dBというスペックとなっています。

ディスプレイを持たず、2つのゲインツマミで操作するVolt 1 Gen 2

ADAT入力にループバック、CUEミックス。3機種の違いと選び方

このようにVolt 1 Gen 2だけはフロントパネルの構成やダイナミックレンジが異なるわけですが、入出力にも3機種それぞれに違いがあるので、まずは表で整理しておきましょう。

項目 Volt 1 Gen 2 Volt 2 Gen 2 Volt 4 Gen 2
価格(税込) 27,500円 39,600円 55,000円
入出力 2in/2out 2in/4out 12in/6out
マイクプリアンプ 1基 2基 2基
Tone Shapingプリアンプ 1ch 2ch 2ch+ライン入力3-4
Hi-Z楽器入力 1 2 2
ライン入出力3-4 × × ○
ADAT/S/PDIF入力 × × ○
MIDI入出力(3.5mmミニジャック) × × ○
Smart Display × ○ ○
Assistive Auto-Gain/Clip Protection × ○ ○
CUEミックス × ○ ○
ループバック ○ ○ ○
USBハブ × × ○
電源スイッチ × × ○
ダイナミックレンジ(マイク入力/モニター出力) 119/122dB 119/126dB 118/126dB
UAD Console/LUNA連携 基本 フル フル

3機種のリアパネル。上からVolt 1 Gen 2、Volt 2 Gen 2、Volt 4 Gen 2

Volt 1 Gen 2は2in/2outで、フロントにHi-Zの楽器入力、リアにXLR/TRSコンボのマイク/ライン入力を1つずつ持ち、マイクプリアンプは1基。ギターとマイクを挿しっぱなしにして別々に録れるので、弾き語りの録音には十分ですね。出力はモニター出力L/Rとヘッドホン出力で、ヘッドホンとモニターの音量はそれぞれ独立して調整できます。

Volt 1 Gen 2のリアパネル。コンボジャックのマイク/ライン入力は1つ

Volt 2 Gen 2は2in/4outで、リアにコンボジャックのマイク/ライン入力を2つ、フロントにHi-Zの楽器入力を2つ装備。マイクプリアンプは2基で、両方にTone Shapingが使える仕様です。楽器入力が2つあるので、ステレオ出力のペダルボードやシンセをそのままDAWに録ることもできますし、友人とギター2本でセッションすることも可能。2つの入力はステレオリンクもでき、リンクするとSmart Display上の表示も1つのステレオチャンネルにまとまりますよ。

Volt 2 Gen 2のリアパネル。コンボジャックのマイク/ライン入力を2つ装備している

Volt 4 Gen 2はこれに加え、リアにライン入力3-4、ライン出力3-4、MIDI入出力、そしてADATとS/PDIFに対応するオプティカル入力を備えた12in/6outのモデルとなっています。なお、このライン入力3-4にもTone Shapingが使えるようになっています。

Volt 4 Gen 2のリアにはMIDI入出力とオプティカル入力、USBハブ用ポートも備わっている

そしてADAT入力を使えば最大8チャンネルの入力を追加できるので、たとえばVolt 876をADATで接続すれば、Universal Audio品質のマイクプリを8基増やしてドラム録音やバンドの一発録りにも対応できます。Volt 876はスタンドアロンでも動作するので拡張ユニットとして使うのにぴったりで、その設定をUAD Console上で両方まとめて保存できるのも便利なところ。

またVolt 4 Gen 2にはUSBハブ用のポートも用意されていて、ここにMIDIキーボードなどのUSB機器を繋いで電源供給まで行えるので、PC側のUSBポートを節約できます。リアには電源スイッチもあり、こちらは3機種の中でVolt 4 Gen 2だけ。

なお初代では全機種に5ピンDINのMIDI入出力が付いていましたが、Volt Gen 2でMIDI入出力を持つのはこのVolt 4 Gen 2だけで、端子も3.5mmのミニジャックに変わっています。5ピンのMIDIケーブルをそのまま挿すことはできないので、繋ぐには変換ケーブルが必要。USB端子のないキーボードやシンセを繋ぎたい場合は、ここが機種選びのポイントになりますね。

MIDI入出力は3.5mmのミニジャック。左には電源スイッチと5V DC端子が並ぶ

電源は3機種ともUSBバスパワーで動作しますが、リアにはPCと繋ぐHOST端子とは別に5V DCの電源用USB-C端子も用意されています。iPadやiPhoneのようにバスパワーの供給が足りない機器と組み合わせるときは、ここに電源を繋いで使う形です。

そして3機種すべてに搭載されたのが、初代Voltにはなかったループバック機能です。PCで再生しているBGMやゲームの音をマイクと混ぜて配信ソフトに送れる機能で、音楽制作では出番が少ないものの、配信用途では必須。

またVolt 2 Gen 2とVolt 4 Gen 2は、メインのミックスとは別にCUEミックスも作れるので、エンジニアがメインのバランスで聴きながら、演奏者のヘッドホンには別のバランスを返す、という使い方もできますよ。

CUE OUTPUTSでヘッドホン出力に送るミックスを選ぶことができる

まとめると、まずは必要な入出力で見ていって、たとえばマイク1本とギターで録る弾き語りやポッドキャスト用途ならVolt 1 Gen 2、ディスプレイとオートゲインが欲しいならVolt 2 Gen 2、さらにMIDI機器やADATで繋ぐ機材があるならVolt 4 Gen 2、という選び方になりそうですね。

上がVolt 1 Gen 2、下がVolt 4 Gen 2

UAD ConsoleとLUNAとの連携

CUEミックスやループバックの設定も含め、Volt Gen 2の操作はPC側からも行えるので、そちらも見ていきましょう。初代のVoltはUAD Consoleに対応しておらず、操作はすべて本体のツマミとボタンで行う形でしたが、Volt 2 Gen 2とVolt 4 Gen 2はプリアンプがデジタル制御になったため、ゲイン、Tone Shaping、ファンタム電源、オートゲインの設定を、Apolloと共通のコントロールソフトUAD Consoleからも操作できるようになりました。本体の操作と画面はリアルタイムに連動していて、どちらからでも操作できるようになっています。

UAD Console上でもTone Shapingやゲイン、オートゲインを操作できる

設定はセッションごとに保存とリコールができるので、たとえば前回のボーカル録音と同じゲインとTONEをすぐに呼び出したりすることも可能。チャンネルのステレオリンクやCUEミックスのバランス、ループバックの設定もConsole上で行え、CUEミックスをヘッドホンに出すか、Volt 4 Gen 2ならライン出力3-4に出すかの割り当てもここで決める形です。一方、Volt 1 Gen 2はゲインがデジタル制御ではなく本体のツマミなので、Console上で扱えるのはTone Shapingとファンタム電源、INST/LINEの切り替えといった基本的な項目となっています。

このUAD ConsoleはApolloユーザーが普段使っているものと同じアプリなので、すでにApolloを持っている人がサブ機としてVolt Gen 2を加えても、新しい操作を覚える必要はなし。Volt 876やApolloと並べて使う場面でも、1つの画面で全部の機材を見渡せるのは楽ですよ。

また同じことがUniversal Audioの無料DAW、LUNAからでも操作可能。LUNAは2020年にApolloユーザー向けのDAWとして登場し、2023年にどのオーディオインターフェイスでも使える無料のDAWとして開放され、2024年にはWindows版も加わりました。無料とはいえ機能制限のあるエントリー版ではなく、TAPE、SUMMING、CONSOLEというアナログスタジオの機材を再現するスロットを持つ、レコーディングとミックスに特化した本格的なDAWとなっています。

LUNAのミキサーにVoltのプリアンプ設定が組み込まれている

以前「廃止が決まったStudio One Primeの受け皿になる!?プロ絶賛のUniversal Audioの無料DAW、LUNA入手法と基本操作ガイド」や「アナログコンソールを完全に再現するUniversal Audioの無料DAW LUNA活用術」という記事で詳しく紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

そのLUNAのミキサーにはVoltのプリアンプ設定が組み込まれており、DAWの画面の中でゲインやTONEを決めれば、それがセッションデータとして保存されるようになっています。ちなみにUAD ConsoleとLUNAから操作できる項目を機種別にまとめると以下の通りです。

UAD Console/LUNAから操作できる項目 Volt 1 Gen 2 Volt 2 Gen 2
/Volt 4 Gen 2
ゲイン ×(本体ツマミのみ) ○
Tone Shaping ○ ○
ファンタム電源/INST切り替え ○ ○
Assistive Auto-Gain × ○
Clip Protection × ○
CUEミックス × ○
ループバック ○ ○
設定の保存/リコール × ○

このようにUAD ConsoleとLUNAの画面構成は共通で、Volt 876のUIとも見た目と操作感が揃えられているので、複数のVoltを組み合わせたときも迷わずに済みますよ。

UAD ConsoleでのVolt 1 Gen 2。TONEと48V、ループバックを操作できる

さらに9月15日に公開されたばかりのバージョン3.0では、楽器を挿して弾くだけでトラックの作成からゲイン設定までを済ませてしまうLUNA Playという新しい画面が加わるなど、大きな進化を遂げています。無料版でも、ミックス済みの音源をボーカルやドラムなど4つのパートに分けるステム分離や、ボーカルのノイズや部屋の残響を取り除くクリーンアップ機能、フォルダートラックなどが追加されました。なおLUNA Playやステム分離といったスマートツールはサーバー側で処理する仕組みなので、使うにはインターネット接続が必要となっています。

LUNA 3.0のLUNA Play画面。楽器を挿して弾くだけでトラックが用意される

ちなみに、MacやiPad、iPhone上のGarageBand、Logic Proからも、Record Levelスライダーで直接Voltのゲインを設定できる機能も持っています。

LA-2Aに1176、610まで揃う。UAD Volt Studio Bundleと付属ソフト

続いてVolt Gen 2にはプラグインや音源が付属しているので、そちらも紹介していきます。Volt Gen 2に付属するUAD Volt Studio Bundleは、DSPなしでPC上でネイティブ動作するUADプラグインの詰め合わせで、収録タイトルは以下の13本となっています。

カテゴリ プラグイン UAD Explore Freeにも収録
ボーカル UAD Topline Vocal Tune ×
ボーカル UA 610 Tube Preamp & EQ Collection ○
ボーカル Century Tube Channel Strip ○
リバーブ Pure Plate Reverb ○
ディレイ/FX Galaxy Tape Echo ×
ギター UAD Lion ’68 Super Lead Amp ×
ギター UAD Showtime ’64 Tube Amp ○
シンセ Anthem Analog Synthesizer ×
シンセ PolyMAX Synth ○
ミックス Teletronix LA-2A Tube Compressor ○
ミックス UA 1176 Classic FET Compressor ○
ミックス Oxide Tape Recorder ×
特殊処理 Vibe Analog Machines (Full) △(Essentials版)

Universal Audioの看板といえるLA-2A、1176、610が揃っているので、Tone Shapingで録った音を、後からさらに追い込むこともできます。このうち610やLA-2A、1176などは、UAアカウントを作れば誰でも無料で手に入るUAD Explore Freeにも含まれていますが、Topline Vocal TuneやGalaxy Tape Echo、Anthem Analog Synthesizer、Oxide Tape Recorder、Lion ’68 Super Lead AmpはUAD Volt Studio Bundleならではの内容。ボーカル、ギター、シンセ、ミックスまで、これだけでひと通りの制作がまかなえますよ。

サードパーティ製のソフトも充実していて、付属するのは以下の通りです。

メーカー ソフト 種類
Celemony Melodyne Essential ピッチ補正
Plugin Alliance Ampeg SVT-VR Classic Bass Bundle
(Ampeg SVT-VR Classic、bx_Tuner、bx_Masterdesk_Classic)
ベースアンプ/チューナー/
マスタリング
UJAM Virtual Drummer DEEP ドラム音源
UJAM Virtual Bassist DANDY ベース音源
Splice Splice INSTRUMENT 音源
UVI Prisma – Producer Lab 総合音源
Image-Line FL Studio Producer Edition(3か月無料) DAW

UJAMのドラム音源とベース音源が付くので、弾き語りのデモにリズム隊を足すといったことがVoltを買ったその日からできてしまいます。ボーカルのピッチ補正にはMelodyne Essential、音源はUVIのPrisma – Producer Labまで揃う十分なラインナップとなっています。DAWとしては、今回はFL Studio Producer Editionの3か月無料版が付属しており、無料のLUNAと合わせて、Voltを買ってすぐに曲作りを始められる環境が揃う形ですね。

以上、Universal AudioのVolt Gen 2について紹介しました。初代の売りだったアナログ回路をDSPに置き換えたことでプリアンプのサウンドは1種類から3種類に増え、さらにオートゲインやループバック、フルカラーディスプレイも加わりました。手頃な価格でUniversal Audioの音に触れてみたい方、これから宅録を始める方は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか?

DTMステーションPlus! 第261回 Volt Max/Volt Gen2シリーズ特集

2026年10月6日、DTMステーションの姉妹番組であるDTMステーションPlus!にてUniversal AudioのVolt Max/Volt Gen 2シリーズ特集を行います。番組では実際に機材を使ったレコーディングやミックスなどを実演していく予定です。


DTMステーションPlus! 第261回
【日時】2026年9月29日 20:00〜22:00
【YouTubeLive】
https://youtube.com/live/78svIOP0bOI
【ニコニコ生放送】
https://live.nicovideo.jp/watch/lv351510334

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【関連情報】
Volt 1 Gen 2製品情報
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