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こんなミキサーを待っていた!オーディオIF機能搭載のKORGのミニミキサー、NTS-4が超強力で便利だ!

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KORGが7月11に、NTS-4 mixer kitを発売しました(税込み実売価格35,200円)。これまでもKORGが出してきたキット型の小型ガジェット・タイプのNTSシリーズの第4弾で、今回はミキサー。やはり組み立てが必要なので、買ってそのまま使えるわけではないのですが、今回はスチールボディーのかなりガッチリした機材。そして、モノラルx2ch+ステレオx4ch=10chのアナログ入力を備えるとともに、SEND FXとTOTAL FXの2系統のデジタルエフェクトを装備。さらに、外部のアウトボード=エフェクターに接続できるようにSEND/RETURNも搭載している、というもの。

そしてメイン出力が6.3mmの標準ジャックである以外はすべて3.5mmのミニジャックが使われているというのが注目のポイント。だからこそ、これだけの入出力を備えながら、とにかくコンパクトなボディーに仕上がっているのです。そしてDTMステーション的に注目すべきポイントは、これがUSBオーディオインターフェイス機能も装備するとともにMIDIインターフェイス機能も搭載している、という点です。つまりこのNTS-4とパソコンやスマホ、タブレットがあれば、すべてができてしまう環境をコンパクトに構築することができるのです。実際どんなものなのか試してみたのでNTS-4 mixer kitについて紹介してみましょう。

とってもコンパクトながら、エフェクト、オーディオインターフェイス機能も備えたNTS-4 mixer kit

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NTSシリーズおなじみの組み立て式だが、今回は完成品を借りてみた

実はこのNTS-4 mixer kit(以下NTS-4)、5月にドイツ・ベルリンで行われたシンセサイザのイベント、Superbooth 2026に参加した際、KORGブースで見て、これは欲しい!と思ったのでした。これまでいろいろなメーカーが、さまざまなミキサーを出していますが、どうしても大きくて持ち歩いたり、手軽にパソコンの横に置いて使うのが難しいという難点がありました。しかし、NTS-4はすべての入力が3.5mmのミニジャックで構成されているため、とにかくコンパクトなんです。

195 x 125 x 38 mmで613gと非常にコンパクトなNTS-4

ケーブルで配線しても3.5mmであれば、コンパクトにまとまるのもうれしいところ。いつでるのだろう……と期待していたところ、7月11日に正式発売となったので、さっそくKORGから完成品を借りて試してみることにしました。

5月にドイツ・ベルリンで行われたシンセのイベント、SuperboothのKORGブース

NTS-1 digital kitやNTS-3 kaoss pad kitなど、これまでのNTSシリーズと同様、NTS-4も細かなパーツを自分で組み立てるDIY形式のキットとなっています。はんだ付けは不要で、六角ナットを締めたり、パネルをはめ込んだりという作業が中心なので、電子工作の経験がなくても問題なく組み立てられる内容です。ただ、NTS-1やNTS-2と比較して、スチールボディーでガッチリした筐体であるのも大きな特徴。しかも、ナットを付け外ししても跡が残りにくい耐久性の高い粉体塗装を施しているのもうれしいところです。

Superboothの会場では、まだ組み立てられていない状態のパーツが展示されており、写真のようにフレームやツマミ、基板がバラバラの状態で並んでいました。

NTS-4は部品を組み立てて作り上げるキットとして販売されている

今回は、すでに組み立てられた状態のものをKORGよりお借りしているので、この記事では組み立て手順そのものは割愛します。もし組み立て方に興味があるという方は、KORGが公開している組立説明書(PDF)やHTMLマニュアルを参照してみてください。

モノラル入力×2ch、ステレオ入力×4chのミキサー

改めてNTS-4の基本的な概要を確認しておくと、これはモノラル入力×2ch、ステレオ入力×4ch、モノラル系統数にして10chをまとめられるアナログミキサーです。これだけの入出力を備えながら、これまでになかったほどコンパクトなボディに仕上がっているのが最大の特徴。その理由は、メイン出力の6.3mmフォーンジャックを除き、すべての入力やヘッドホン出力が3.5mmのミニ端子で構成されているからです。

左2chがモノラル入力、その右の4chはステレオの入力。すべて3.5mm端子が天面に搭載されている

こんなコンパクトなミキサーを欲しかった、という方も多いのではないでしょうか。それがキットという形で誕生したのが、このNTS-4なのです。

リアのMAIN OUTのみが6.3mmの標準ジャックとなっている

でも、このNTS-4は、単に10chの信号をミックスするだけに留まりません。詳細はここから紹介していきますが、2系統のデジタルエフェクトを搭載していたり、外部のエフェクターを接続できたり、さらにはUSBオーディオインターフェイス機能やMIDIインターフェイス機能まで備えた強力なシステムとなっているのです。

ブロックダイアグラムで見る、NTS-4の信号の流れ

というわけで、その信号の流れをブロックダイアグラムを追いながらみてみましょう。取扱説明書に掲載されているブロック図を見ると、全体像がよくわかります。

NTS-4のブロックダイアグラム

モノラル入力×2、ステレオ入力×4がそれぞれLEVEL、MUTE、PANといったチャンネルストリップを経由し、最終的にDIGITALのブロックへとまとめられていきます。そしてこのDIGITALブロックの中に、SEND FXとTOTAL FXという2系統のデジタルエフェクトが組み込まれている、という構造です。

各チャンネルにはSENDノブがあり、ここを上げるとその信号がSEND FXへ、あるいは入力端子の右にあるSEND端子から外部エフェクターへと送られます。戻ってきた信号(SEND FXの出力、もしくはRETURN端子からの信号)は再度メインのバスに戻され、そこにTOTAL FXがかかった上でMAIN OUT、ヘッドホン、USB-AUDIOへと出力される、という流れになっています。

モノラルx2、ステレオx4の各チャンネルにSEND調整、MUTEボタン、CUEボタンが搭載されている

また、各チャンネルにあるCUEボタンを使うと、そのチャンネルの信号はMAIN OUTには影響を与えず、ヘッドホンにのみ送ることができます。たとえば次にプレイする音源を客先には出さずに自分だけ確認する、といったDJミキサー的な使い方ができるわけです。ライブパフォーマンスの現場では、地味に重宝する機能だと思います。

各チャンネルのCUEボタンを押すと、入力された信号がそのままヘッドホン出力へ送られる

なお、そのCUEボタンとは別にCUE BALANCEノブというものがあり、こちらはDIGITALブロックでまとめられてエフェクトもかかった音をヘッドホンにどれだけ送るかを設定できるようになっています。

ライン・レベルとEURORACKレベル、何が違う?

NTS-4のMONO 1、MONO 2チャンネルには、実は組み立て時にちょっとした選択肢が用意されています。それが「レベルアッテネーター」の設定です。

一般的なシンセサイザーやミキサーが基準としている出力は「ライン・レベル」と呼ばれるもので、プロ機であれば+4dBu、民生機であれば-10dBVあたりが目安となっています。NTS-4の各入力チャンネルも、基本的にはこのライン・レベルの機器を前提に設計されています。

一方、近年人気のEURORACK規格のモジュラーシンセは、オーディオ信号もCV(コントロール電圧)も同じ電圧レンジで扱う仕組みになっているため、信号レベルが一般的なライン・レベル機器よりもかなり大きめです。目安としては、ピーク・トゥ・ピークで10V前後という、ライン・レベルとは一桁違うレベル感になります。

NTSJ-4の基板上にあるジャンパーピンで、EURORACK、LINEを選択できる

もしEURORACKの出力を、そのままライン・レベル前提の入力に接続すると、信号が大きすぎて音が歪んでしまう可能性があります。そこでNTS-4のMONO 1、MONO 2チャンネルには、組み立て前にメイン基板上のジャンパーピンを差し替えることで、入力段にアッテネーター(減衰器)を効かせ、EURORACKの大きな信号を適正なレベルまで下げてから受けられるようにする仕組みが用意されているのです。ブロック図でMONO IN側に描かれているATTENUATORが、まさにこの部分にあたります。

ただし、ここには注意点もあります。ジャンパーピンをEURORACK向けに設定すると、MONO 1、MONO 2チャンネルの感度自体が下がるため、逆に一般的なライン・レベル機器をそのチャンネルに繋いだ場合は、音量が不足しがちになってしまいます。そのため、EURORACKを常用するわけではない、あるいはライン・レベル機器と併用する可能性があるという方は、ジャンパーピンの位置は初期設定のまま変えず、EURORACK側の出力ボリュームを絞って対応するのが、KORGとしてもおすすめのやり方となっています。

ちなみにこの設定変更は組み立て前にしか行えないため、モジュラーシンセをメインに使う予定がある方は、組み立てに取りかかる前に一度検討しておくとよさそうです。

 SEND FXとTOTAL FX、2系統のステレオエフェクト

そのDIGITALブロックの中には、SEND FXとTOTAL FXという2つの独立したステレオエフェクトエンジンが搭載されています。

SEND FXは、各チャンネルのSENDノブで送った信号にかかるセンド・リターン型のエフェクトで、以下の7種類が用意されています。

一方のTOTAL FXは、ミックス全体(マスター段)にかかるインサート型のエフェクトで、こちらは10種類とより豊富です。

操作はいたってシンプルで、トップパネルのSENDボタンかTOTALボタンを押して編集対象を選び、SHIFTボタンを押しながらEDIT 1ノブでエフェクトタイプを選択、EDIT 2ノブでFX DEPTH(かかり具合)を調整します。あとはEDIT 1、EDIT 2の各ノブで、選んだエフェクトタイプごとに用意された2つのパラメーターを操作する形です。ディスプレイは7セグLEDの3桁と最小限ですが、パラメーター名や値がきちんと表示されるので迷うことはありませんでした。

2系統のマルチエフェクトが搭載されており、細かく調整することができる

なお、このあと紹介するUSB-AUDIO経由でパソコンから入力された音にもTOTAL FXをかけることができる(グローバルパラメーターでオフにすることも可能)ので、パソコンの音とハードウェアシンセの音を両方まとめてTOTAL FXで質感を揃える、といった使い方もできます。

SEND/RETURNにPOCKET MASTERをつないでみた

内蔵エフェクトだけでなく、外部エフェクターをセンド・リターン形式で接続できるSEND端子、RETURN端子(いずれも3.5mmステレオミニ)が用意されているのも、NTS-4の大きな特徴です。

外部エフェクトへのSEND/RETURNも可能

以前このDTMステーションでも紹介したSONICAKEのコンパクトマルチエフェクター、POCKET MASTERを、このSEND/RETURNに接続して試してみました。各チャンネルのSENDノブを上げた分だけPOCKET MASTERに信号が送られ、そこで処理された音がRETURN端子経由で戻ってくる、というシンプルな構成です。

コンパクトなマルチエフェクト、POCKET MASTERと連携させてみた

試してみたところ、SEND FX、TOTAL FXと組み合わせても特に問題なく連携でき、内蔵のリバーブやディレイでは物足りないときに、外部エフェクターならではの質感を足す、という使い方が違和感なくできました。入力チャンネルを1つ犠牲にすることなく外部エフェクトを組み込めるのは、この手の小型ミキサーとしてはうれしいポイントです。

USBオーディオインターフェイスとして使ってみる

NTS-4のもう1つの大きな魅力が、USB-Cケーブル1本でオーディオインターフェイスとして機能する点です。48kHz/24bitでのオーディオの送受信に対応しており、PC/Mac、iPhone/iPadのいずれでもOS標準ドライバーで動作するクラスコンプライアント仕様となっています。

ここで気になったのが、ASIOドライバーが用意されていないという点。Windows環境でDAWを使う場合、専用ASIOドライバーがないというのは、レイテンシー面で少し不安なポイントではあります。

PCとUSB接続すると2in/2outのデバイスとして見える

そこで実際にCubaseとFender Studio Proの両方で試してみたところ、いずれもWDM(Windows標準のオーディオドライバー)経由での認識となりましたが、動作は非常に安定しており、特に問題なく使うことができました。もちろんASIO4ALLを使うこともできるので、実用上不便はなさそうです。

USB-MIDIの挙動を確認 - OUTは使えるがINは非対応

USBまわりでもう1つ確認しておきたかったのが、MIDIの扱いです。NTS-4は、パソコンからMIDIポートとして「NTS-4 MIXER」のIN、OUTがそれぞれ見える形で認識されました。

MIDIの入出力もあるが、実際にはMIDI出力のみが使える形となっている

実際に試してみると、パソコン側のDAWから送信したMIDIメッセージは、そのままNTS-4のリアパネルにあるMIDI OUT端子(3.5mm TRS)から外部のハードウェア機器へ出力できることを確認できました。DAW側でシーケンスを組んで、ハードウェアシンセを鳴らす、といった使い方には問題なく対応できそうです。

一方で、NTS-4側からパソコンへMIDIメッセージを送る、いわゆるMIDI IN方向については、今のところ機能していないようです。マニュアルを見てもMIDI INについては記載がないので、ポートが見えているというだけのようですね。また「LogueSDK非対応」という記載もあるので、MIDIについては必要最低限なMIDI OUTのみ、ということのようです。

iPhone/iPadでもバスパワーで動作、モバイルDTM環境の要に

最後にもう1つ、実際に試して便利だったのがiPhone/iPadとの組み合わせです。USB-Cケーブルでそのまま接続するだけで、iPhone/iPad側からのバスパワーで駆動できることを確認しました。ACアダプターはもちろん、モバイルバッテリー経由でも問題なく動作したので、電源周りを気にせずに持ち出せるのはうれしいところです。

iPhoneと接続してもバスパワーで利用でき、オーディオインターフェイスとして機能する

これによって、iPhoneやiPadに音源アプリを立ち上げ、そこにハードウェアシンセやガジェット機器をNTS-4でミックスして、そのまま録音したりライブ配信したりする、というかなりコンパクトなモバイルDTM/モバイルライブ環境を作ることができます。カバンに入れて持ち歩けるサイズ感でありながら、これだけの入出力とエフェクトを備えているというのは、なかなか他に類を見ない存在だと思います。

35,200円という価格を考えても、これだけ多機能かつコンパクトなミキサーはなかなかないので、ガジェット機器を組み合わせたパフォーマンスをする方や、モバイル環境でのDTM制作を考えている方にはもちろん、自宅のDTM環境にミキサーを入れたいけど普通のミキサーでは大きすぎて…という人にとっても、かなり刺さる製品なのではないでしょうか。

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KORG NTS-4 mixer kit製品情報

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