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憧れの防音ブースが超低価格の18万円~。MUSICUSのB-Free 2.0は5サイズ揃ってCAMPFIREで10/11まで受付中

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工事不要で賃貸でもそのまま置けて、組み立てに必要なのはドライバー1本だけ。そんなDIY防音ブースとして5月にDTMステーションでも紹介したのが、MUSICUS(ミュージクス)のB-Free 2.0です。このときのMakuakeでのクラウドファンディングには3,600万円を超える支援が集まり、大きな反響を呼びました。そのB-Free 2.0が、サイズのラインナップを3種類から5種類へと増やして、今度はCAMPFIREに登場しています。プロジェクトの期間は9月11日から10月11日まで。公開から10分足らずで目標金額を達成し、9月22日午前10時の時点では21,392,000円の支援が集まっています。

遮音性能は平均-26dB、吸音率はNRC 0.89、壁厚はフレームとファブリックを合わせて約8cm。この基本性能をそのままに、選択肢はXSからXLまでの5サイズへと広がりました。さらに換気ファンも、従来の1,600RPM固定でオン/オフのみという仕様から、500〜3,400RPMの範囲で風量を調整できる可変式へと改良されています。定価にあたるCAMPFIRE特別販売価格はXSの259,000円からで、超早割なら172,000円まで下がる設定。しかも現在、ビックカメラ池袋西口IT tower店には最小のXSが展示されていて、店頭限定価格のリターンも用意されています。さて、前作から何が変わったのか、そして実物はどんなものなのか。池袋の展示機を体験してきたので、紹介していきましょう。

ビックカメラ池袋西口IT tower店に展示中。5サイズになったMUSICUSのDIY防音ブース、B-Free 2.0を体験してきた

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Makuakeで3,600万円超。5サイズになって帰ってきたB-Free 2.0

B-Free 2.0は、韓国・ソウルのMUSICUSが開発した組み立て式の防音ブース。開発のきっかけは、創業者自身の悩みでした。音楽活動をしていたものの、周囲への音が気になって思うように練習や制作ができず、そこで市販の防音材を集め、簡易的な防音スペースを自作したのがブランドの原点となっています。

そんな音楽に触れている人であれば、誰しもが感じる不満を解決するために開発された防音室は、これまでに25,000台以上を売り上げてきました。海外では2023年から2026年まで毎年アメリカのNAMM Showに出展し、昨年はKickstarterでのクラウドファンディングも成功させています。日本でも昨年11月の東京楽器博2025に出展し、5月のMakuakeで一気に知られる存在となりました。

ビックカメラ池袋西口IT tower店の3階に展示されているB-Free 2.0

B-Freeは、その都度ユーザーの声を反映させているのも特徴で、今回のCAMPFIRE版ではサイズ展開が拡充されています。前回のMakuake版では、Small、Medium、Largeだけでしたが、今回は同じサイズ感のXS、M、XLに加え、外寸120×120cmのSと176×176cmのLが加わって、全部で5サイズになりました。内寸で選べる幅は82cmから222cmまで広がりました。

また変わったのはサイズだけではありません。換気ファンは風量を調整できる可変式になり、フレームの構造も見直して軽量化を図ったそうです。一方、防音・吸音の基本構造は前作と同じで、遮音性能の平均-26dB、吸音率NRC 0.89という数字もそのまま引き継いでいます。

-26dBとNRC 0.89。壁厚約8cmで遮音と吸音を両立する仕組み

その-26dBとNRC 0.89を支えているのが、4層ファブリックウォールです。特性の異なる素材を4層に重ね、音が層を通過するたびにエネルギーを段階的に減衰させる構造で、ファブリックの内部には3M社のThinsulateなどが使われています。壁厚はフレーム3cmとファブリック5cmの合計約8cmで、内側を広く取れるのは、この薄さのおかげですね。

薄くてもしっかりと遮音・吸音する素材が使われている

それぞれの数値についてもう少し詳しく見ていくと、まず遮音性能の平均-26dBは、90dB前後の歌声がブースのすぐ外では64dB程度まで下がるという数字です。64dBというと、日常会話くらいの音量になります。思い切り声を張っても、ブースに入るだけで普通に話しているくらいまで落ちる計算になります。

しかもこの64dBは、まだ部屋の中での値です。そこから部屋の壁や窓がもう一段遮り、家具やカーテンにも吸われたうえで外へ出ていくので、近隣に届くころにはさらに小さくなります。

深夜の住宅地では、40〜50dBを超えると騒音と感じる人が出てくるとされているので、そこを下回れるかどうかがポイントとなってきます。建物の構造次第なところもあるので一概にはいえませんが、B-Free 2.0だけで64dB程度まで落ちるとなれば、近隣への影響はグッと抑えられますね。

ここまで何度も出てきたdBという単位も、整理しておきましょう。これは音の大きさを対数で表したもので、物理量である音圧は6dB下がるとほぼ半分になります。つまり-26dBは、音圧にすればおよそ1/20まで落ちている計算です。ただし人が耳で感じる大きさ、ラウドネスのほうは音圧に比例しません。こちらは10dB下がって半分というのが目安なので、-26dBのラウドネスは1/6程度になります。

もっとも、この-26dBはすべての音に同じように効くわけではありません。周波数ごとの測定結果をひとつの数字にまとめたものなので、実際の遮音量は音の高さによって変わってきます。

MUSICUS提供の試験報告書。周波数が高いほど遮音量が大きくなる

測定範囲の100〜5,000Hzで見ていくと、低い100〜125Hzでは約9〜10dB、1,000Hzでは約30dB、5,000Hzでは約41dBとなっています。中高域ほどよく遮り、低域はそこまで下がらない特性ですね。

低域が下がらないと聞くと不安になりますが、歌やナレーションなら心配はいりません。声の明瞭さや響きをつくっているのは中高域の倍音で、そこがしっかり抑えられるからです。

ただし、どんな楽器でも使えるわけではない点には注意が必要です。ドラムなどの打楽器は大きな音とともに床や建物へ強い振動を伝えるため、使用は推奨されていません。トランペットのように100dBを超える金管楽器も、26dB下げたところでまだ大きな音が残るので、周囲の環境を考えた上で使う必要があります。

ここまでは、この-26dBを歌声が外に漏れない方向で見てきました。ただ、壁が音を通しにくいという性質そのものに向きはないので、外の生活音や車の音が中へ入ってくるのも同じように抑えられるわけです。なので、エアコンや窓の外の音がマイクに乗りにくくなり、録音のノイズ対策としても効いてきます。音楽とは関係なく、テレワークやオンライン会議、勉強に集中するための個室として使っている人もいるそうですよ。

もう一方の吸音率はNRC 0.89という数値で示されています。NRC(Noise Reduction Coefficient)は素材が音をどれだけ吸収するかを0〜1.0で表した指標で、1.0に近いほど音が跳ね返ってきません。一般的な家庭用の吸音パネルが0.60〜0.75程度なので、0.89はかなり高い数値ということになりますね。具体的には中高音域の音を約89%吸収するので、ブースの中でマイクを立てても壁からの反射音がほとんど戻ってきません。後からプラグインでリバーブを足す前提の歌録りであれば、余計な響きが乗らないぶん、狙った空間感を作りやすくなりますよ。

天井はグレーのパネル

また天井と床には、木材と高密度ポリエステル圧縮の吸音材を組み合わせたパネルを採用しています。この木製パネルもスチールフレームの塗料も、人体に配慮した素材が使われているので、長時間の作業でも安心して、ブース内にこもることができますね。

床もフェルト調のパネルとなっている

XSからXLまで。5サイズの違いと選び方

さて、ここからは5つのサイズを順に見ていきましょう。まず外寸・内寸・重量・価格の違いを表にまとめました。寸法はいずれも幅×奥行×高さです。

サイズ 外寸(mm) 重量(約) 通常販売予定価格 CAMPFIRE価格
XS 920 × 1200 114kg ¥259,000 ¥180,000
S 1200 × 1200 122kg ¥299,000 ¥210,000
M 1480 × 1480 153kg ¥399,000 ¥303,000
L 1760 × 1760 200kg ¥449,000 ¥333,000
XL 2320 × 2320 265kg ¥499,000 ¥403,000

高さは全サイズ共通で外寸204cm、内寸199cmとなっています。天井の上にはMUSICUSのロゴが入った換気ボックスが乗り、その高さが約15cmあるので、設置場所の天井高には、その分の余裕が要ります。床面の形はXSだけが92×120cmの長方形で、S以上はすべて正方形になります。

天井の上にはMUSICUSのロゴが入った換気ボックスを乗せる形

最小のXSは外寸92×120cm、内寸82×110cm。マイクスタンドを立てて歌う、あるいはギターを抱えて座るという使い方が中心になるサイズで、後述する池袋の展示機もこのXSです。そのXSの奥行きはそのままに、幅を28cm広げたのがS。外寸120×120cm、内寸110×110cmの正方形で、XSと同じ奥行きのまま左右に余裕が生まれます。Mは外寸148×148cm、内寸138×138cmです。Lは外寸176×176cm、内寸166×166cmで、設置面積はXSの約2.8倍。最大のXLは外寸232×232cm、内寸222×222cm。設置面積は約5.4㎡で、重量は約265kgです。

展示機はXS。デスクにタブレットとスピーカー、マイクまで置ける

では、どのサイズを選べばいいのか。基準になるのは、ブースの中に何を置くかです。マイクとタブレット、小さな棚くらいのシンプルな構成ならXS、幅1m前後のデスクを置いて座って作業するならSが合います。デスクと椅子にモニタースピーカーを加えてミックスまでするならM、88鍵のキーボードやギターを使いながらデュアルモニターまで組むならLかXLが目安です。なお重量はXSでも約114kgあります。床の耐荷重は、注文前に必ず確認しておきましょう。ちなみにカラーはBlackとIvoryの2色展開です。

可変式になった換気ファンで録音中も静かに

そしてサイズとともに前回から変わったのが換気ファンです。密閉に近いブースに長時間入っていると心配になるのが、空気のこもりと熱です。B-Free 2.0の換気ファンは前作の時点でブース一体型になっていましたが、従来は1,600RPM固定で、オン/オフの切り替えしかできませんでした。

換気ファンの回転数はこの白いノブで調整することができる

そんな換気ファンが今回、ノブを回して500〜3,400RPMの間で風量を調整できるようになりました。静かに録音したいときは弱く、しっかり換気したいときは強くと、場面に応じて使い分けられます。

内側から見た換気口。ファンはこの上の換気ボックスに収まっている

無抵抗条件での理論値で、最大風量ならSサイズ内部の空気を1時間に約80回入れ替えられる計算。換気ボックスには天井と同じ木製パネルが使われていて、空気は通しつつ音は抑える構造です。

電源はUSB Type-C給電式で、風の向きを排気だけでなく吸気にも切り替えられます。吸気にしておけば、部屋のエアコンで冷やした空気をそのままブース内へ取り込めるようになっています。実際に池袋の展示機でノブを操作してみると、一番弱くした状態ではファンが回っていること自体、ほとんど気になりませんでした。音の感覚としては扇風機の弱・中・強と同じくらいで、中間まで上げると風を切る音がはっきりし、最大まで回すとかなりの音がする代わりに、空気が一気に入れ替わるのが感じられました。

録音中にどこまで上げられるかはマイクとの距離にもよりますが、一番弱い状態なら回したままでも問題なさそうでしたよ。

ドライバー1本、約60分。組み立てと搬入で知っておきたいこと

組み立ては床、フレーム、ファブリック、天井の4ステップ。工具はドライバー1本あれば事足り、その工具と説明書は同梱されています。所要時間は約60分ですが、ファブリックやパネル、フレームには重量があり、安全のため2人以上での作業が推奨されています。

その手順を逆にたどれば解体もでき、バラせば体積は約80%減ります。全パーツがモジュール化されているため引っ越しのときも持ち運べますし、賃貸で使う場合も退去時に困りません。

フレームの固定はプラスネジ。ドライバー1本で組み立てられる

製品は玄関先まで配送されるので、大きな荷物を自分で取りに行かずに済みます。ただし室内への搬入は購入者側で行うことになるため、エレベーターの有無や階段幅、ドア幅といった搬入経路は、注文前に確認しておきたいところ。送料は全国どこでも込みなので、追加費用の心配もいりません。

ファブリックをフレームに留める金具

運び込んで組み上げたら、次は中で使う機材のケーブルです。こちらはファブリックの重なり部分から通せるので、PCやモニター、オーディオ機器はそのまま持ち込めます。

ケーブルはファブリックの合わせ目から通すことができる

照明は付属しないので、市販のデスクライトやクリップライトを別途用意する必要がありますね。

なお設置するときの注意も2つあります。火気の近くには置かないことと、コンセントや電源タップ、配線類をブースの壁面に密着させたまま使わないことです。また保証は受け取りから12か月。通常の使用で起きた初期不良や製造上の不具合については、該当部品の交換で対応してもらえます。

ビックカメラ池袋西口IT tower店で実物を確認してみた

展示場所はIT towerの3階。池袋駅のC4出口に直結している

スペックや写真だけでは、質感や中の広さまでは分かりませんよね。こういうものはやはり、実物を見るのが一番です。ビックカメラ池袋西口IT tower店の3階、Big Fire Zoneに実物が展示されているので、ぜひお時間ある方は足を運んでみてください。展示期間は9月1日から10月11日までで、営業時間は10時から21時。店舗は池袋駅のC4出口に直結しているので、雨の日でも濡れずに行けますよ。

入口はファブリックの合わせ目。手で左右に押し開けて中に入る

展示されているのは最小のXSで、白いスチールフレームにIvoryのファブリックという組み合わせです。入口はドアではなくファブリックの合わせ目になっていて、蝶番もハンドルもありません。手で左右に押し開けて中に入る仕組みです。

中に入ると、内寸82×110cmという数字から想像するほどの窮屈さはありませんでした。実際のレイアウトに近い形で奥の机にはタブレット、小型のスピーカーが2本、アームに載せたマイク、デスクライトが設置されていたので、自宅に置いたときの使い勝手もそのまま想像できます。壁は生成りがかったファブリック、天井と床はグレーのフェルト調のパネルで、天井の中央には換気ファンのグリルが開いています。

入口のファブリックは取り外しが可能

そして肝心の遮音について。このブースの中では、スピーカーからはっきり聞き取れる音量で音楽が流れていました。ところが外に立っている間は、それにまったく気づかなかったのです。

上の金具を外せば、入口のファブリックを取り外せる

ただ店内にはBGMも人の話し声もあるので、その分は差し引いて考える必要がありますが、中に入ったときの感覚としては、外の音が一段遠くなるという印象でした。

また展示ではファブリックの断面サンプルにも触ることができ、黒い外側の布の中に白い綿状の吸音材が厚く詰まっているのが分かります。4層構造の中身を自分の目と手で確かめられるのは、展示ならではですね。

ファブリックの断面サンプル

しかも店頭では、ビックカメラ限定リターンの申し込みに必要なキーワードも案内されています。実物を確かめたうえで、そのキーワードをCAMPFIREのプロジェクトページで入力すれば、通常のリターンよりさらに安い価格で申し込めるようになっています。体験してから決められて、その上安くなるので、ぜひ10月11日までに訪れてみてはいかがでしょうか?

CAMPFIREは10月11日まで。リターンの価格と納期

最後に価格をまとめておきましょう。CAMPFIRE特別販売価格は次の通りです。申し込み時期によって割引率が変わる段階制となっています。最も安かった超超早割はXSの168,000円からXLの388,000円まででしたが、こちらは5サイズとも在庫なしです。リターンの価格はすべて送料込みとなります。

サイズ 通常販売予定価格 ビックカメラ限定 超超早割 超早割 早割
XS ¥259,000 ¥165,000 ¥168,000 ¥172,000 ¥176,000
S ¥299,000 ¥195,000 ¥198,000 ¥202,000 ¥206,000
M ¥399,000 ¥285,000 ¥288,000 ¥293,000 ¥298,000
L ¥449,000 ¥315,000 ¥318,000 ¥323,000 ¥328,000
XL ¥499,000 ¥385,000 ¥388,000 ¥393,000 ¥398,000

現在申し込めるのは超早割と早割の2段階で、超早割はXSが172,000円からXLが393,000円まで、早割はXSが176,000円からXLが398,000円までとなっています。このほか、前述の通りビックカメラ池袋西口IT tower店の店頭で案内されるキーワードを使えば、さらに安い限定価格で申し込めます。こちらも数量限定なので、残りの枠はプロジェクトページで確認してみてください。

今回のB-Free 2.0は、目標金額が未達でもリターンが届くAll-in方式で、その目標金額200万円はすでに達成し、現在は1,800万円のネクストゴールに挑戦しています。スケジュールは生産開始が2026年10月上旬、生産完了が11月中旬で、発送は11月下旬から12月下旬にかけて行われる予定です。なお支援後のキャンセル・返品はできないので、その点は申し込む前に確認しておきましょう。

以上、CAMPFIREで再登場したB-Free 2.0を紹介しました。前回のMakuakeを見送った方、あるいは3サイズではしっくりくる大きさがなかった方も、XSからXLまでの5サイズなら置ける場所と使い方に合う1台が見つかるのではないでしょうか。池袋で実物を体験できる期間も、プロジェクトと同じ10月11日まで。気になる方は、ぜひ一度足を運んでみてください。

なぜ5サイズに? 低域の遮音は? MUSICUS CEOのJake Heoさんに聞いてみた

MUSICUS提供。撮影現場に並ぶB-Free 2.0

B-Free 2.0がどう変わったのか、そして防音ブースとしてなにができて、なにができないのか。MUSICUS CEOのJake Heoさんに聞いてみました。

ーー5月のMakuakeで購入した方は、実際どんな用途で使っている人が多いですか? 届いた声の中で、今回のCAMPFIRE版に反映したものがあれば聞かせてください。
Heo:日本ではどんな方が使ってくださるのか、とても興味がありました。届いた感想を見ると、歌やボーカル録音、楽器の練習が最も多く、そのほかにも音楽制作や声優収録、ゲーム配信とさまざまでしたね。印象に残っているのは、あるストリーマーの方の話です。近くの競技場から聞こえる歓声のせいで休日の配信が難しかったのが、ブースを置いてから解消されたと話してくださいました。自分の音を漏らさないためだけでなく、外から入ってくる音に悩んでいる方の助けにもなれたのが嬉しかったです。

一方で、部材が大きく重量もある製品なので、「本当に問題なく配送できるのか」「組み立ては本当に簡単なのか」と心配される方も多くいらっしゃいました。そこでCAMPFIRE版では、フレーム構造の見直しと軽量化を大きな変更点のひとつにしています。

ーーサイズが3種類から5種類に増えた狙いと、ボーカル録音が中心ならどのサイズを目安に選べばいいのか、伺えますか?
Heo:Makuakeの小・中・大は、外寸920×1200mm、1480×1480mm、2320×2320mmで、CAMPFIREではこの3つがXS、M、XLにあたります。そこへS(1200×1200mm)とL(1760×1760mm)を加えて5サイズにしました。部屋の広さも音楽の作り方も人それぞれですから、住んでいる部屋にも制作スタイルにも「ちょうどいい」と思えるブースを選んでほしかったんです。

ボーカル録音が中心ならXSかSです。マイクとタブレット、小さな棚や簡易デスクだけのシンプルな構成ならXS。幅1m前後のデスクを置いて、座って作業しながら少し動ける余裕も欲しいならSが使いやすいと思います。Makuakeで最小サイズを購入された方からは「思っていたより広かった」という感想もいただきました。

ーーでは、M以上のサイズはどうでしょうか? ブースの中にモニタースピーカーを置いてミックスまでするなら、どこからが現実的か。また小さいブースで低音がこもらないかも気になります。
Heo:デスクと椅子、モニタースピーカーをシンプルにセットするならMサイズです。内寸は約1380×1380mmで、幅1200mm、奥行き600mmほどのデスクが無理なく入り、椅子を動かすスペースにも余裕があります。88鍵のキーボードやギターを自由に使いながら、MIDI用デスクやデュアルモニターまで組みたいなら、LやXLがおすすめですね。

低域については、とても大事なポイントです。小さな空間では、スピーカーの位置やリスニングポジションによって特定の低域が膨らんだり、逆に弱く聞こえたりすることがあります。目安としては5インチ以下のモニタースピーカーを使い、ルーム測定で低域のレスポンスを確認すること。ヘッドホンや別のリスニング環境とも聴き比べながら低域をコントロールすると、よりバランスよく作業できます。

ーー遮音性能は26dBとのことですが、ベースやキック、男性の低い声のような低い音はどのくらい抑えられますか?
Heo:4層構造の防音ファブリックという特性上、低域よりも中高域のほうが高い遮音効果を発揮します。測定範囲の100〜5,000Hzのうち、低域の100〜125Hzでは約9〜10dB、1,000Hzでは約30dB、5,000Hzでは約41dBの遮音性能が確認されています。

それでも男性の声には十分な効果があります。歌やナレーション、演技の声は低い基音だけでできているわけではなく、声のキャラクターや明瞭さをつくる倍音が重なっているからです。一方で、大音量のベースアンプやアコースティックドラムにはおすすめしていません。強い低域は床や壁を通じて振動としても伝わります。そこを本格的に抑えるには、重い材料で空間を密閉し、二重壁で空気層をつくるような、施工レベルの設計が必要になりますね。

ーー振動という話が出ましたが、重さのほうも気になります。マンションや木造アパートの床に、100kgを超えるブースをそのまま置いて大丈夫なのでしょうか?
Heo:製品重量はサイズによって約114〜265kgですが、一点に集中するわけではなく、ブースが接地する広い面積に分散されます。サイズが大きくなるほど重量も増えますが、その分、床に接する面積も広くなります。ただし木造建築や築年数の古い建物では床の状態が異なるので、製品本体だけでなく、中に置く機材や使う方の体重、設置面積も含めて管理会社に伝えていただくのが安心です。

また床パネルは、空気を通して伝わる音を抑える遮音パネルで、足踏みやペダル操作のように床を直接揺らす衝撃を抑える防振材ではありません。韓国では、ジムなどで使われる厚手のゴムマットを床に敷いてからブースを設置し、さらに内部にドラム用の防振パッドを敷いて電子ドラムを使っている方もいらっしゃいます。

ーー換気ファンを500〜3,400RPMの可変式に改良したのはなぜですか? 一番弱くしたときの音の大きさと、録音中に回したままでも大丈夫かも教えてください。
Heo:ユーザーによって必要な換気量も、求める静かさも違います。そこで風量調整機能を追加し、さらに十分な換気ができるよう最大風量も高めました。長時間の編集や練習ではブース内の空気をしっかり循環させたい、マイクで録音するときはファンノイズをできるだけ抑えたい。その時々の作業に合わせて選べるようにしたわけです。

自社測定では、Lサイズのブース中央でファンを最低速にしたときの騒音が約34dB(A)でした。ファンを停止した状態の背景騒音が31dBだったので、かなり近いレベルです。ただしマイクの位置や指向性、録音ゲインによっては収音される可能性があります。その場合でも、ノイズリダクション系のプラグインでコントロールできる程度だと考えています。静粛性を重視するテイクでは、録音中だけ止めて、合間に換気する使い方がおすすめです。

ーーKickstarterやNAMM Showで海外のユーザーにも販売してきた中で、日本のユーザーならではだと感じた点はありますか?
Heo:今回のMakuakeで特に印象的だったのは、自分の生活空間や制作スタイルに合うサイズを、とても具体的に考えている方が多かったことです。同じボーカル録音でも「マイクだけ置いてコンパクトに使いたい」という方もいれば、「デスクと椅子を入れて、小さな作業部屋のようにしたい」という方もいました。単に性能が高ければいい、というだけではないんですね。部屋に置いたときに空間を圧迫しないか、必要な機材を中にきれいに収められるか。そこまで含めて考えている方が多いと感じました。従来の3サイズの間に2サイズを追加したのも、その経験があったからです。

ーー最後に、日本のDTMユーザーに向けて一言お願いします。
Heo:MUSICUSの始まりは、「家で思いきり歌いたい」という、ごくシンプルな願いでした。私自身もミュージシャンを夢見ていた学生で、小さなアパートで練習や録音をしていたので、近所との騒音問題に悩むこともありましたし、録音のクオリティもなかなか思うようにはなりませんでした。それである日、防音材を少しずつ買い集めて、自分で小さな簡易ブースを作ってみたんです。今振り返れば、あれがMUSICUSの最初のプロトタイプだったのだと思います。

曲のアイデアが浮かんだのに、まず周りのことを気にしてしまう感覚。最高のテイクが録れたと思った瞬間、生活音が入り込んでいると気づいたときの悔しさ。私たちは、その気持ちをよく知っています。私たちの製品が、ひらめいた瞬間にすぐ録音できること、そして「もう一回歌ってみよう」と思える余裕をつくることにつながれば嬉しいです。みなさんの部屋から生まれた音楽が、もっと遠くへ、より多くのリスナーに届いていくことを願っています。

ーーありがとうございました。

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