iOS、Androidでも使えるスライス・サウンド構築ツール、Yellofier

iPadやiPhoneと比較すると、まだまだDTM系のツールが少ないAndroidではありますが、それでも少しずつ、その数は増えてきているようです。もちろんAndroid独自のアプリもありますが、以前紹介したFL Studio Mobile HDや国産シンセアプリのWaveSynthのように、iOSでもAndroidでも同じように使えるというものも登場してきています。

今回紹介するYellofierも、そんなハイブリッドアプリ(?)のひとつです。これは、スライスという手法を用いて、そこらにある音を録り込んで、サンプリング素材にするととともに、それで音楽を構築していくという便利なツールです。iOS版は300円、Andoroid版は376円と為替レートの違いなのか、微妙に値段に差がありますが、手軽に購入できて、結構使えるアプリなので、どんなものなのか紹介してみたいと思います。


録った音をすぐスライスして音楽構築できるYellofier。手前がiPad Air、奥がNexus 10



スライスとはどんなものなのかについては、先日、Reasonの記事「ループファイルを再構築できるREXファイルを活用しよう」でも紹介しているので、そちらも合わせてご覧いただきたいのですが、このYellofierは、REXファイルのようなループ素材を使うのではなく、自分でサンプリングして、それを音楽素材にしてしまう、というのが大きなポイントです。

iPadやiPhone、またAndroidのスマホやタブレットに搭載されているマイクを用いてコップやフライパンを叩く音、床を踏む音、人の声、犬や猫の鳴き声でも、なんでもそこらの音を録り込んで、それを素材として利用することができるのです。

以下に紹介ビデオがあるので、ご覧ください。

どうですか?簡単そうでしょ。

このスライスという手法を最初にPC用のツールにしたのは、Reasonを開発したPropellerheadが出したReCycleというソフトだったと思いますが、現在はCubaseをはじめ、さまざまなDAWの機能としても搭載されています。

ただ結構、使い方が難しかったり、そもそもその機能がどこにあるのか見つけるのが難しかったりするのですが、Yellofierの場合、いたって簡単。


録音した音を、すぐに自動的にスライスしてくれ、下のパッドを叩くと、スライスされた音が鳴る 

単純に、音を録音したら終了。8音までではありますが、録り込んだ音を自動的にスライスまでしてくれるのです。もちろん微調整を行うことも簡単にできますから、そこは自由に試してみてください。


4×4のマトリックス画面でリズムを構築していく

そして取り込んだ音を元にリズムを作り上げていくことができます。最初、この4×4のマトリックスみたいな画面に戸惑ったのですが、実は簡単なことでした。これ4/4拍子の1小節分を上から順に16マスで表しているだけなので、一番左のマスを上から下まで1つずつ埋めていけば4つ打ち、一番左と、右から2番目を入れていけば、8分で打っていくことができるわけですね。


エフェクトを活用すると、いろいろな音に加工していくことができる

また、このマス目にスライスを当てはめていく際、EFFECTSというものを利用することも可能です。EFFECTSといってもコーラスをかけるとか、ディストーションをかけるというのではなく、そのスライスをさらに細かく分割してロールのように鳴らすとか、発振させた上でリバーブをかけるなど、妙な効果を出すものなので、試してみてのお楽しみといった感じのもの。適当にマイクで録った日常の音が、結構面白いサウンドへと変身してくれますよ。

このように作った1小節分のパターンをトラック上へと並べていきます。この際、計4トラックまで利用することができるので、いろいろな音を重ねていくことが可能です。


作ったリズムパターンを4つあるトラック上に並べていく 

もちろん1回録音しただけの素材で4トラック作ってもなかなか音の展開が難しいところですが、YellofierではBANK A、BANK Bと2つのバンクに異なる素材を録音して同時に利用することができるほか、予め素材として利用可能なYELLO SOUND LIBRARYというものが1~4まであり、ここにドラム音やベース音、さまざまな効果音などが入っているので、これらを組み合わせていくこともできますよ。

最後に4つあるトラックの音量バランスを調整したら完成です。

出来上がったデータはメールで送ったり、SoundCloudでシェアしたり、もちろんPCにWAVファイル、MP3ファイルなどで渡すことも可能となっています(PCへの受け渡しを試してみたところ、なぜかiOSではWAVファイル、AndoroidではMP3に固定となっていました)。したがって、Yellofierでリズムを構築し、PC上のDAWに渡して、続きを作っていくなんてこともできそうですね。


出来上がった曲はメールで送ったり、PCに渡したり、直接SoundCloudへUPすることも可能 

なお、iPadの場合も、Andoroid(私はNexus 10を利用しました)の場合もDUO-CAPTURE EXUR44AudioBox 44VSLなどのUSBクラス・コンプライアント対応のオーディオインターフェイスを使うことができました(iPadの場合はLightning-USBカメラアダプタ、Androidの場合はOTGケーブルが必要です)。これらを使えば、結構いい音でサンプリングすることもできるので、本気の利用においても十分使えますよ!

いずれにせよ、300円程度で入手でき、かなり使えるツールなので、1つ持っていても損はないと思いますよ。

【ダウンロード購入】
iOS版 ⇒ Yellofier
Andoroid版 ⇒ Yellofier

Commentsこの記事についたコメント

2件のコメント
  • himayah

    YelloFier VW というフォルクスワーゲンがスポンサーになった無料版もあるみたいですね。サンプルデモが少ないだけの違い?なのかな。

    2014年2月11日 10:40 AM
  • 藤本健

    himayahさん
    情報ありがとうございます!そんなものがあったんですね。

    2014年2月11日 4:07 PM

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