DTMにおいて必須の機材、MIDIキーボード。各メーカーからいろいろなものが出ていますが、何を選べばいいか……となると、なかなか悩ましいところですよね。「DTM初心者のためのMIDIキーボード選び 2017」といった選び方の記事も書いているので、ぜひ参考にしていただきたいのですが、中級者以上向けの選び方となったとき、重要になるテーマの一つがコントローラとしての機能だと思います。

つまり、MIDIキーボード上に装備されたフェーダーやノブ、ボタンなどを利用して、いかに効率よくDAWやソフトウェア音源、エフェクトなどをコントロールするかという点です。その観点において一歩抜きんでた感があるのがNektarImpact LX+シリーズです。手ごろな価格ながら各種DAWに対応し、非常に使いやすい設計になっているんですよね。モノ自体は昨年から発売されていたのですが、先日初めて使ってみたところ、思いのほかよくできていたので、実際どんな製品なのかを紹介してみたいと思います。


Nektar TechnologyのImpact LX61+を使ってみた

アメリカのメーカー、Nektar Technologyが開発するUSB接続のMIDIキーボード、Nektar Impact LX+シリーズというのが存在していたことは知ってはいたものの、「数多くのメーカーが発売する製品の一つだろう」という認識しかなく、正直なところあまり気にもしていませんでした。

DAW女シンガーソングライターの小南千明さん

そんな中、DTMステーションでも何度か登場いただいているDAW女シンガーソングライターの小南千明(Twitter:@c_1115)さんから、先日「NektarのImpact LX+を使っているけど、これ、すごく便利でいいですよ!」と聞いて、ちょっと興味を持ったんです。せっかくなので一度、試してみようと思い、国内の発売元であるフックアップにお願いし、61鍵タイプのImpact LX61+をお借りして試してみました。


Nektar Impact LX+シリーズには25鍵、49鍵、61鍵、88鍵の4種類のモデルが存在する

61鍵なので、横幅は結構なサイズであるため、デスクトップ上に置くとしたらある程度の大きさが必要となりますが、用途に応じて25鍵タイプのImpact LX25+、Impact LX49+、Impact LX61+、Impact LX88+の4種類から選べるようになっています。LX49+とLX61+は鍵盤数の違いだけですが、LX25+の場合は、フェーダーの数が少なくなったり、LX88+はセミウェイテッドアクション鍵盤であるなど、多少の違いはあるようです。


61鍵だとデスクトップに置くとそれなりの大きさにはなるが軽いから、移動も簡単

今回使ったのはLX61+なんですが、ちょっと弾いてみると、軽いタッチのライトウェイト鍵盤ですが、ヘナヘナという感じではなく、それなりにしっかり安定したタッチなので、シンセ鍵盤として、気持ちよく弾けそうです。


iPadからの電源供給で動いてしまう

また鍵盤数がこれだけあり、LED内蔵の光るパッドが8つあり、文字表示できる7セグのLEDもついていますが、USBバスパワーだけで動くんですね。しかも驚いたのは、これがiPhoneのバスパワーでも駆動して使えてしまうという点です。Lightning-USBカメラアダプタは必要になりますが、これで動いてしまうのはかなりの低消費電力キーボードといえそうですね。


リアにはUSB端子とペダル端子、電源スイッチがあるだけのシンプルな構造

カタログを見ると、iPad対応で、iPhone対応とは記載ありませんが、私の環境では問題なく使えました。


iPhoneからの電力供給でもしっかり動作してくれた

でも、本題はここからです。いまいろいろなメーカーから、こうしたコントローラ機能付きのキーボードが出てはいますが、「使いこなせていない」という人が多いように思います。より正確にいうと、「うまく使うことができない」というケースが大半です。

その最大理由は、フェーダーやノブ、ボタンなどを手持ちのDAWにマッチさせるのが面倒である、ということにあると思います。まあ、この手のキーボードであれば、やろうと思えば、使えないということはありません。MIDIラーニング機能を用いれば、再生ボタンや録音ボタンを割り当てたり、フェーダーをDAWのミキサーに割り当てたり、ボタンをミュートやソロに割り当てるといったことは可能です。

でも、実際やろうとすると、なかなか面倒なんですよね。しかもミキシングコンソールを表示させているときはいいけれど、ソフトウェア音源やエフェクトに画面を切り替えたときは、同じフェーダーやノブを音源のコントロールやエフェクトのコントロールに利用したいところですが、そう簡単にはいかないんですよね。

そうした問題をすべて一挙に解決してくれるのが、このImpact LX+シリーズのすごいところなんです。前出の小南千明さんは、Studio One 3で利用しているけど、「導入したときに、簡単な設定はしたけれど、それ以降、とくに何もしてませんよ」と言っていましたが、Studio OneでもCubaseでもSONARでもReasonでもLogicでも簡単に使えちゃうというのがImpact LX+の最大の特徴ともいえるところです。



Cubase、Stuido One、SONAR、Logic、Reason、Reaper、Bitwig、FL Studio……と各種DAWに対応

というのも、ユーザー登録すると、各種DAW用の設定プログラムをダウンロードしてインストールできるようになっているんですね。もちろん、Windows用、Mac用それぞれに設定プログラムが用意されていますから、自分の使っているDAW用のものを入手して使えばいいのです。


設定プログラムをインストールするとCubaseの選択肢にNektar Impact LX+が現れる

WindowsとMacの両方を使っているという人はUSBコネクタの抜き差しは必要ですが、両方で使うことができるし、CubaseとReasonの両方を使っているという人は2つの設定プログラムをインストールしても問題なく使うことができますよ。


最新のReason 9.5にも完全対応

各種設定プログラムをインストールした後、各DAW側でもMIDIポートの設定など、簡単な作業は必要になりますが、必要なのは基本的に初回のみ。あとは、いつでもDAW起動すればすぐに使うことができます。


トランスポート操作を行う

で、実際に何ができるのかというと、これがまたうまくできているんですね。まずトランスポートボタンを使うことで、録音、再生、早戻し、早送り、ループ……といったことができます。またSHIFTキーというのが大きな威力を発揮する設計になっていて、SHIFTキーを押しながら、パネルに青文字で書かれている機能を操作することで、たとえば、クリックのオン/オフを行ったり、範囲指定を行ったり、Undo操作をしたり……なんてことも可能となっています。


Mixerモード、Instモードの切り替えなどをボタンで操作する

ここで重要になるのがImpact LX+が持っているモードという考え方。ボタン操作でMixerモード、Instモードを切り替えることが可能で、これによって各コントローラの意味合いがまったく変わってくるのです。


Mixerモードでフェーダーを操作するとDAWのミキシングコンソールのフェーダーが動く

まずMixerモードにすると、想像の通りで、フェーダーを動かせば、DAWのフェーダーを操作することができ、ノブを回せばPANを動かしたり、ボタン操作でミュートやソロの設定が可能になっています。またトラックを選択のボタンもあるので、8トラック以上ある場合は、それで移動させることで、1~8Trを操作しているものを9~16Trさらには17~24Tr……などと切り替えていくことができます。


MixerモードではPAN操作をしていたノブがInstモードではオシレータやフィルタ操作ノブに切り替わる

しかし、ここでInstモードに切り替えると、各コントローラはプラグインのシンセやエフェクトなど、現在アクティブになっている音源などを操作するものに切り替わるのです。最初の設定時に、各DAWで主要と思われる音源を効率よくコントロールできるように割り当てられていますが、必要に応じてそれを変更することもできるし、「この場だけ、このノブでこのパラメータをコントロールしたい」なんて要望にもこたえられるようにできているのも嬉しいところです。

さらにもっと積極的にカスタマイズして使いたいという場合は、プリセット機能を利用して、自分で設定したものを最大5つまで記録して保存しておくことが可能になっています。


ベロシティー感知可能な8つのパッドでドラムの打ち込みなどを行う

一方で、Impact LX+の右側には8つのLED内蔵のパッドが並んでいますが、これらはベロシティー感知機能を備えたMIDIパッドとなっているので、これを叩いてドラムを打ち込んでいくといったことが可能になっています。ここには予めMIDIノートが割り当てられていますが、切り替えボタンで上の音程、さらに上の音程などと変えていくこともできますよ。


先日も紹介したばかりの新バージョン、Studio One 3.5での設定も問題なし

前出の小南千明さんがNektar Impact LX49+とStudio One 3、そしてapollo twinを使ってどのように楽曲制作をしているかを紹介するビデオが先日UPされていますので、ご覧になると、その使い方の雰囲気が分かると思います。



このように各種DAWで即戦力として簡単に使えるNektarl Impact LX+ですが、これには強力なソフトがバンドルされているのも嬉しいところです。


Impact LX+シリーズにバンドルされるBitwing 8-Tracks

その一つがDAWであるBitwig 8-Tracksです。これはDTMステーションでも何度か紹介してきた新DAWのライト版という位置づけのもの。最大8トラックまでとはなっていますが、CubaseやStudioOne、Logic……といったDAWとはちょっと違った感覚で音楽制作することができるので、なかなか面白く、これを即体感できるのは嬉しいところです。


UVIのDigital Synsationsも日本国内正規輸入品限定の特典となっている

さらに、日本国内正規輸入品限定の特典としてUVIのソフトウェア音源、Digital Synsationsが無償バンドルされるのも大きなポイントです。これはサンプリングベースの音源で、YAMAHA SY77、KORG M1、Ensoniq VFX、Roland D50という90年代を代表するシンセサイザを再現する音源。インストーラのサイズが9GBで、購入すれば$149という大規模なシステムですがこれを無償でダウンロードできちゃうんですから、すごいですよね。

以上、NektarのImpact LX+について紹介してみましたが、いかがでしょうか?「ちょうど、MIDIキーボードの購入を検討していた」、「MIDIコントローラーをもっと積極的に使えるキーボードが欲しい」、「弾きやすいキーボードを追加したい」……なんていう方は検討してみてはいかがですか?

なお、フックアップによると、2017年7月31日までの期間にNektar製品を購入すると最大8,000円のキャッシュバックキャンペーンを実施しているとのことです。キャッシュバック金額などの詳細はフックアップのサイトに記載されているので、そちらをご覧になってみてください。

【関連情報】
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