この4月に大学に入学した、進級した、また会社に入社した……という人も多いと思います。これを機会にパソコンを一式揃えてみよう、できるならこれでDTMを始めてみたい……なんて思っている人も少なくないのではないでしょうか?もちろん、新たにパソコンを購入する、DTMを始めるといった場合、その選択肢は数多くあります。でも、せっかく始めるなら、スタート時点で他の人とちょっと差をつけたワンランク上を狙ってみたいと思いませんか?そう、単なる初心者向けセットを選ぶのではなく、プロの環境に匹敵するものを最初から導入してしまう、というワザです。

もちろん、いきなり難しい機材を何百万円も出して導入するなんていうのは無理。でも、比較的シンプルなシステムでありながら、そうした環境を実現する機材が今年登場してきたのです。そのキーとなるのがUniversal AudioArrowという小さなハードウェアです。これをMacやWindowsと接続することで、プロも顔負けなDTM環境を構築できるのです。たとえば、最新のiMacならArrowとも相性がよく、Arrowとセットで20万円以下での導入も可能です。実際、iMacとArrowをセットにすると、どんなことが実現可能なのか、紹介してみたいと思います。


Arrowを使って、ワンランク上のDTMをはじめてみよう

先にArrowについて簡単に紹介すると、これは2IN/4OUTオーディオインターフェイスです。オーディオインターフェイスというのは、PCで音=オーディオを入出力するための装置なのですが、これはDTMを始めるにあたって必ず必要なものの一つです。オーディオインターフェイスがあることによって、ギターやベースの録音を可能にしたり、コンデンサーマイクと呼ばれる高感度のマイクが使用できるようになるとともに、DTMで作った音をヘッドホンで聴いたり、モニタースピーカーから出力できるようになるのです。


フロント左側にはギター入力用の端子が用意されている

「2IN」というのは、そのギターやマイクを接続する端子が2つあることを意味しています。正確にいうと端子数というより音の入力が同時に2系統使えるという意味です。同様に「4OUT」は、ヘッドホンやスピーカーへ接続する出力が4系統あることを表しています。もっとも通常ヘッドホンやスピーカーはステレオ(LとRで2ch分ですね)でセットなので、4OUTということはステレオ×2系統を表します。バンドで一緒に同時録音となると、入力が足りないところですが、自宅での録音、DTM用としては十分な性能を持っているわけです。


リアにはマイク・ライン兼用の入力端子が2つ、モニタースピーカーなどと接続するメインアウトが2つある

ところで、ギターを弾くときにスタジオではギターアンプを鳴らしますよね。これと同じ音量を家で出すのには無理がありますし、そもそもスタジオに置いてあるようなアンプを購入すると、それだけで何十万円もしてしまいます。ところがArrowなら、そのギターアンプに匹敵するものが内蔵されているので、これ1つでギターアンプの役割もしてしまうのも嬉しいポイントです。それはどういうことなのでしょうか?


Arrowにギターを接続すれば、すぐに本格的ギターアンプを通したサウンドを得られる

Arrowは単なるオーディオインターフェイスではなく、この小さなボディーの中にUAD-2という、ある種コンピュータ的な機能が内蔵されているのが、一般のDTM機材とは大きく異なるところであり、明らかにワンランク上のDTMを実現できる秘密でもあるんです。このUAD-2用には、さまざまなプラグインソフトウェアと呼ばれるものが用意されているのですが、Arrowに初めから付属しているものにMarshall® Plexi Classic Guitar Ampというものがあるんです。


Arrow内でMarshallのアンプを再現できる

そう、あのMarshallのアンプが入っているのです。「こんなに小さいのに、どういうこと?」と不思議に思う方もいるかもしれません。これはUAD-2でMarshallのアンプをシミュレーションすることで、ギターアンプそのものの音が出るようになるのです。しかも、本来ならスタジオで爆音を出さないとでないような音を、ヘッドホンの小さい音でも再現できるようになっているのが大きなポイント。これこそ、DTMの醍醐味ともいえるところですね。


Arrowの中にUAD-2というハードウェアが内蔵されている

一般的に、ギターアンプを再現するもののことをギターアンプシミュレータと呼んでおり、ハードウェアタイプのもの、PCのソフトウェアで実現するものがありますが、UAD-2はハードウェアで実現しつつ、ソフトウェアでコントロールできるという中間的な位置づけ。さらに、Marshallの真似をしているのではないのが重要なところ。そう、これはMarshallも共同で開発しているホンモノなのです。いわばMarshallお墨付きのシステムであり、だからこそ、オリジナルと同じ名前を使っているのです。実際、これで以下のようなサウンドが作れるんですよ。



このMarshallのアンプは、Arrowの1つの機能に過ぎません。UAD-2用には100種類以上のプラグインソフトが開発されていて、そのうち14種類がArrowに付属しているのです。具体的には以下の14種類です。

UA 610-B Tube Preamp and EQ
Marshall® Plexi Classic Guitar Amp
Precision Delay Modulation
Precision Delay Modulation L
Precision Reflection Engine
Precision Channel Strip
Pultec® EQP-1A EQ Legacy
Pultec® Pro EQ Legacy
Raw Distortion Guitar Pedal
Realverb Pro
Softube Bass Amp Room 8x10
Teletronix® LA-2A Compressor Legacy
UA 1176LN® Compressor Legacy
UA 1176SE Compressor Legacy

名前を見ただけでは、何をするものなのか、ピンとこないかもしれません。とくにこれからDTMを始めてみようと思っているユーザーには見慣れない機材だとは思います。でも、これらのうちの大半はプロのレコーディング現場で使われているハードウェアの名前。


Arrowには計14種類のUAD-2のプラグインが付属している

いわゆるビンテージアナログ機材をシュミレートしたものなのです。1つ1つを入手したら、それぞれ何十万円という機材。だから、これらだけで数百万円分の価値があるといっても過言ではなく、Arrowを入手すれば、それらを一気に揃えてしまったのと同義なのです。


プロ御用達のコンプレッサ、UA 1176 SE(上)とUA 1176 LN(下)

実際に使ってみるとわかるのですが、これらの機材を通すだけで、グッとくるサウンドになるんですよね。簡単にすぐにいい音になる。だからこそ、忙しいプロの人たちが使っているのです。もっとも、最近はプロの人たちも、本物のハードウェアよりもUAD-2を使うケースが増えてきているようではありますが……。もちろん、上記の14種類以外のUAD-2プラグインも、オプション扱いの別売りとはなりますが、欲しいものを後から追加していくことも可能となっています。


やはりプロ御用達のビンテージ機材Teletronix LA-2A

そんなプロ機材を、初めての人でも簡単に手軽に入手できるという意味で、Arrowがワンランク上の機材というわけなのです。とはいえ、ここに書いたのはArrowの持つさまざまな機能のほんの一面にすぎません。さらに詳しいことを知りたい方は以前紹介した「ビンテージエフェクトを忠実に再現する、プロ御用達のUAD-2ってどんなもの!?」という記事や「アナログ特性自体を制御するapolloのUNISONテクノロジー」をご覧いただければと思います。

一方で、冒頭で紹介したとおり、エントリーユーザーに人気の最新のiMacがArrowと相性がいいのも事実なんです。逆に言うと、iMacをはじめとする最新マシンでないとArrowと接続できない可能性が高いのが注意点でもあります。


USB Type-C形状のThunderbolt 3端子を使ってArrowと接続

ArrowとPCを接続するにはThunderbolt 3というものを使うのですが、この端子は最近のPCにしか搭載されていないんです。ややこしいのは端子の形状自体は、最近のスマホと同じUSB Type-Cなので、USB端子のPCでも物理的に刺さりはするものの、カミナリのアイコンが記載されたThunderbolt 3でないとArrowとは接続できないんのです。そういう意味で、最新のiMacなら安心ということです。それから、Thunderbolt 3ケーブルはiMacにもArrowにも付属していないので、購入する場合は別途用意してください。


好きなDAWを選んでArrowと一緒に利用する

そしてDTMをするにあたって、PC、オーディオインターフェイスとともに、必須のアイテムであるDAWについてもArrowには付属していません。DAWについては「今さら聞けない、DAWって何?」も合わせてご覧いただければと思いますが、ArrowではCubase、Studio One、Pro Tools、Ableton Live、Ability、Logic……といった各種DAWと組み合わせて使うことが可能です。まずは無料版のStudio One PrimeやGarageBandを使うなどして慣れながら、情報を仕入れつつ、自分にマッチするDAWを探してみてはいかがでしょうか?


ArrowとiMacでワンランク上のDTMを始めてみよう

Arrowは多彩なことができるため、少し難しく感じる面もあるかもしれません。しかし、Arrowに慣れてしまえば知らず知らずのうちにプロの世界でも通じる知識が身につくと同時に、いい音での音楽制作が可能になります。そう考えると、初期投資は多少掛かりますが、結果的にワンランク上のものを、安く、そして手軽に入手できる手段といえるのではないでしょうか?

記事協力:株式会社フックアップ

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