[プロ直伝]Ozone、Neutronを使ったマスタリング・ミックスの実践テクニックを学べるセミナーが開催!

プロのエンジニアや作編曲家に広く普及しているiZotopeOzoneNeutron。Ozone 8のマスターアシスタントやNeutron 3のトラックアシスタントやミックスシスタントなど、人工知能を用いた自動処理によって、初心者ユーザーでも簡単にミックスやマスタリングができるようになった一方、プロにとっても効率のいい仕事ができるようになり、ミックス、マスタリングの世界に革命を起こしたといっても過言ではありません。

でも「さらに一歩踏み込んだ音作りをしたい」というときに、どうすればいいか戸惑ってしまう人も少なくないと思います。また「エフェクトの種類も多いし、パラメータ数多くあるから覚えるは大変そう…」と思う方も多いでしょう。そんな中、iZotope公認でOzone 8、Neutron 3をもっと活用したいという人向けのセミナーが、9月21日からRock oN認定講座として開催れます。ただ、先日行われた募集は、すぐに定員いっぱいになって、締め切られてしまいました。が、少し時間をズラして、もう1枠のセミナーが開催されることになり、追加募集が始まりました。内容は単なるOzone 8Neutron 3の使い方に留まらず、楽曲制作に活かせるミックス法やマスタリングの基礎・ノウハウなど、幅広い実践術とのこと。講師の青木征洋@Godspeed_ViViX)さんに少しセミナーの内容もお伺いしてきたので、紹介してみましょう。

青木さんは2008年に株式会社カプコンに入社後、「戦国BASARA3、4」や「ロックマンXover」などに携わり、退社後は「ストリートファイターV」「FINAL FANTASY XV MULTIPLAYER: COMRADES」ほか多数の作品の作編曲をしている方です。また2005年にはG5 Projectを立ち上げ、G.O.D.のプロデューサーを担当しているなど多岐に渡って活躍されています。最近ではNintendo Switchソフトの「ASTRAL CHAIN」の楽曲も制作されているのだとか。

セミナー講師の青木征洋さんは、数多くのゲーム楽曲を手掛ける作編曲家

そんな青木さん、Ozone 5のころからOzoneを愛用しており、Neutron 3ではリリース前のベータテスターとしてiZotopeの製品チェックにも携わっているそうです。まさにプロユーザーとしてiZotope製品を活用しているわけですね。今回のセミナーのタイトルは「Ozone 8、Neutron 3マスター ~ ミックスダウン、マスタリング基礎テクニック 101」。全5セッション編成で行われるカリキュラムは、かなり内容の濃いものとなっています。具体的には以下のようなプログラムになっています。

Session1 概論
ミキシングのゴールについて / ミキシングを始める前に / スタートでありゴールでもあるフェーダーとパンポット / 音量バランス調整の自動化 / 立体感、奥行きの正体の言語化 / リバーブ、ディレイ、コンプ、EQで空間を作る / モニター環境とヘッドホン / ラウドネスとミキシング / マスタリングについて / マスタリングとは?

Session2 EQ
EQを入れる前に / EQを入れる目的 / 帯域ごとの形容詞の確認 / 帯域ごとの形容詞の確認(上級編) / EQの形 / マスキングに対処する / Dynamic EQ vs Static EQ / Sculptorという選択肢 / Vintage VS ノーマル EQ / Linear Phase VS Minimal Phase / Mid/Side / NeutronとOzone、NectarのEQの違い / Exciterという選択肢

Session3 コンプレッション
コンプレッサーを入れる前に / コンプレッサーを入れる目的 / 基本的なパラメータの説明 / FET、VCA、Opto、Vari-Mu / Transient Shaperという選択肢 / パラレルコンプレッション / RMS/ピークコンプレッション / ゲート/エキスパンダー / Vintage VS ノーマル / シングルバンド VS マルチバンド / サイドチェインEQ / オートメーションをコンプレッサーの前に入れるか後に入れるか

Session4 空間/ノイズ/マスタリング
リバーブを入れる前に / リバーブを入れる目的 / パラメータの意味 / ホール、ルーム、プレート / 空間を「デザイン」していく / Imagerという選択肢 / ノイズの除去 / ミキシングのスピードアップ / マスタリングのおさらい / ディザーについて

Session5 到達度確認テスト、認定書授与式

これを見ると、だいたい雰囲気が分かると思いますが、初回は「ミキシングのとは何をするものか?」「マスタリングとはどんなことなのか?」というところから始まるので、初心者の方でも安心して1から学べるカリキュラムになっています。

実際に使う機能としては、Session2においてVintage EQやDynamic EQ、Spectral Shaper、De-esser、Exciterを、Session3ではCompressor、Vintage Compressor、 Gate、Transient Shaper、そしてSession4ではOzone、RX、Nimbus、R4、Mix Assistant、Vocal Assistantを使っていくとのこと。

トラックのサウンドを作っていくツール、iZotopeのNeutron 3

毎回90分のセミナーなので、とても盛りだくさんの内容ですが、青木さんが普段の制作においてどう実践しているのか、その具体的なワザを披露してくれるようなので、かなりタメになりそうですよね。普段ないがしろにしがちなFET、VCA、Opto、Vari-Muといった話やRMS/ピークコンプレッション、ディザーについてまで解説してくれるようなので、スキルアップにもつながりそうです。

マスタリングツールとしてプロの現場でも幅広く使われているOzone 8

でも一番気になるのは、単なる項目より、実際にどんなセミナー内容になるのかという点。そこで、青木さんに、ちょっとだけセミナーの内容を教えてもらいました。

みなさんもミックスにおける音の立体感や奥行きという言葉をよく聞くと思います。でも、それを自分のミックスで実現しようと思ったときの手段について、多くの人はフワっとしているのではないでしょうか。

ですが、実はそれらは言葉で説明できるものなんです。なぜなら、人間はすごく近くで鳴った音と遠くで鳴った音について、仮にそれぞれが同じ音量だとしていも、実際に聴けばば誰でも聴き分けることができます。なぜそんなことが可能なのかを考えれば自ずと答えは出てきます。

つまり近い音はこういう性質をもっている、遠い音はこういう性質をもっているということを先に知識として仕入れておけばいいのです。音作りをする際には、そこを目指してツールを選んで、パラメータを調節するだけ。明確なレールに沿って距離感は調節することができるのです。

と青木さん。実際にセミナーでは、コンプ、EQ、リバーブを使って実演を交えながら、音の距離や立体感を変えるワザを見せてくれるようですよ。各セッションごとに、そうした実例を数多く見せてくれるそうですから、おそらくOzoneやNeutronの使い方というよりも、音作りの根本的な考え方が身に付きそうだなと感じました。

音の遠近のつけ方について解説する青木さん

なお、Session5となる最終日には、それまで学んだことに関する到達度確認テストが行われ、即採点した後に認定書授与式が行われるとのこと。実は、この認定書授与式にちょっとした仕掛けが用意されているんです。そう認定書の授与を行うのはセミナー講師の青木さんではなく、エアロスミス、シカゴ、デヴィッド・ボウイ、ニルヴァーナなど超有名なアーティスト関わった「マスタリング界の至宝」として知られるジョナサン・ワイナー。

最終日にはジョナサン・ワイナー(Jonathan Wyner)による特別セミナーが受講できる

そう、このセミナーの最終日に合わせてジョナサン・ワイナー(Jonathan Wyner)が来日することになっており、授与式の後に来日イベントとしてのジョナサイン・ワイナーによるセミナーも行われ、これも受講することができるのです。彼自身、iZotopeでOzoneの開発にも深くかかわっているとのことですが、世界のトップエンジニアに学ぶことができる機会なんて、そうないですからね。ちなみに、授与式の認定証書はジョナサン・ワイナーのサイン入りだそうです。

試験の内容はiZotope本社の公認の内容とのこと。でも「もし、その試験にパスできなかったらどうしよう……」なんて不安に感じる方もいるかもしれませんが、そこは大丈夫。これはあくまで理解力を深めるためのテストであり、セミナーでしっかり授業内容を聴けば十分分かる内容とのこと。仮に分からないところが多かったとしても、最後までサポートしてくれるそうですよ。。

詳細はRock onのイベントページで確認することができます。このセミナーの受講料は全5回のSessionで25,000円(税込)。けっして安い値段ではないですが、これだけ充実した内容でプロのワザを身に着けることができ、世界のトップエンジニアの話も聞けるとなったら、なかなかないチャンスだと思いませんか?

【関連情報】

Ozone 8、Neutron 3マスター 〜 ミックスダウン、マスタリング基礎テクニック 101情報

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