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Steinbergの楽譜作成ソフト、DoricoがメジャーVerUP。Dorico 3はTAB譜やギター記譜、コード記号、歌詞入力など大幅機能強化

FinaleSibeliusが大きなシェアを持つ楽譜作成ソフトの世界に3年前、突如、殴り込みをかけるような形で登場したのがSteibergDoricoです。Wikipediaの情報などによれば、Sibeliusの開発スタッフがSteinbergに移籍したことがDoricoスタートのキッカケだったようですが、まったくゼロから開発されたDoricoは、非常に軽く、軽快に動くのた特徴のソフトです。

3年前の誕生当初は、他社製品と比較して機能的に見劣りする面も多々あったのですが、頻繁にアップデート、バージョンアップを繰り返すうちに、追いついていくと同時に、Doricoならではの独自色も出し始めてきました。そうした中、9月5日、SteinbergからDoricoのメジャーバージョンアップが発表され、Dorico 3が登場しました。上位版のDorico Proとエントリー版のDorico Elementsというラインナップは従来通り。どんな機能が強化されたのか、少し使ってみたので紹介してみましょう。

Doricoの新バージョン、Dorico 3がリリースされた

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まず新機能の前に、商品のラインナップから紹介しておくと、以下のような構成。

製品名 種類 実売価格
Dorico Pro 通常版 62,300円
通常版 クロスグレード 32,100円
アカデミック版 37,500円
アカデミック版 クロスグレード 19,500円
Dorico Elements 通常版 10,000円
アカデミック版 7,300円

クロスグレードというのはFinaleおよびSibeliusのフルリテール版の正規ユーザーを対象にしているとのことで、それぞれの下位グレード版は対象外とのこと。また、今回のバージョンアップにともない、パッケージも新たなものとなり、Dorico Pro各製品の中にはSteinbergのUSBドングルであるUSB eLicenserも同梱されています。

また旧バージョンのDoricoを8月8日以降にアクティベーテョンした方は、Dorico 3への無償バージョンアップの対象となるそうですので、Steinbergサイトをチェックしてみてくださいね。

一方、エントリー版であるDorico ElementsがDorico Proと比較しての機能制限としては、以下の6つがあるそうです。

1.Dorico Elementsは最大12のプレーヤーをサポート
2.浄書モードは非搭載
3.HALion Symphonic Orchestraは付属しない
4.キュー音符が記譜できず、キューパネルとポップオーバーは非搭載
5.divisi、ossiaが省略され、微分音は記譜できない
6.浄書オプション、記譜オプション、再生オプション、フォントスタイルなどが非搭載

さて、では、実際の新機能について見てみましょう。

TAB譜表記

ようやくというか、ついにというか、待望のTAB譜が扱えるようになりました。Dorico 3ではギターをはじめとするフレット楽器のための表記法を大幅に強化し、エレキギター、ジャズギター、エレキベースから、クラシックギター12弦アコースティックギター、バンジョー、ウクレレ……とさまざまな楽器に対して最適なTAB譜を表示でき、五線譜と併用することも可能になっています。また不規則なフレット間隔のフレットボード、またはバンジョーなど1つ以上の弦が他の弦より短い楽器も自動的に処理できるようになっています。

ギターの記譜

Dorico 3では、コードダイアグラムにも対応しました。何百もの標準的なコード形状のライブラリを含み、簡単にダイアグラムをデザインすることが可能になっています。たとえばクラシックギターの記譜においては左手と右手の運指を総合的にサポートし、音符に挟まれた譜表内の左手の運指の自動配置なども実現できるようになっています。

コンデンシング

この譜面ではOboe 1、Oboe 2と分かれているが…

コンデンシングを実行するとOboeの2つのパートがまとまる

指揮者用のコンデンシングスコアを簡単に生成できるようになったのもDorico 3の進化点の一つです。たとえば、Oboe 1、Oboe 2と分かれている譜表を集約し、各ページの譜表の数を減らすことで、より大きく表示させ視認性を向上させることが可能です。また、完全な楽器パートを維持しながら、ワンクリックでインテリジェントにフォーマットされたコンデンススコアを作成する機能も搭載されています。

再生テンプレートとベロシティ編集

コントロールチェンジだけでなくベロシティの入力も可能に

再生する際、Dorico標準のHALion Sonic SEだけでなく、他社製のVSTiもより扱いやすくなりました。1つのプロジェクトで一度指定すれば、その設定を保存して別のプロジェクトで使用することもできるし、ドラッグ&ドロップで操作で他のユーザーとも共有できるようになっています。またコントロールチェンジだけでなく、ベロシティにも対応できるようになったので、再生時の表現力も向上しています。

クワイア音源、Olympus Choir Microを同梱

SOUNDIRON社のクワイア音源=男女混声合唱音源、Olympus Choir MicroがHALion Sonic SEの音源として同梱されました。クワイア音源として世界的にも著名なOlympus Choirは、これまでKONTAKT用の音源として上位版のOlympus Choirおよび軽量版のOlympus Choir Microがありました。国内ではクリプトン・フューチャー・メディアのSONICWIREで扱っていましたが、これがHALionでも使えるようになり、Doricoに同梱されたのです。なお、Steinberg Online Shopでの発売がスタートするほか、Steinbergのソフトウェア音源全部入りパックであるAbsolute 4ユーザーは、このOlympus Choirを無償で入手可能になるとのことです。

歌詞の改良

浄書モードでの歌詞の各行の垂直位置の微調整、他のアプリケーションに歌詞をコピーして貼り付け、ハイフン付きの歌詞を音節ごとに貼り付け、など一連の機能が強化されています。また歌詞編集ウィンドウでは任意の部分や曲全体の歌詞を確認、編集することができるようになっています。

コメント機能

ちょうどAdobe ReaderでPDFにコメントをつけるような形で、譜面の任意の場所にコメントを残していくことが可能です。自分用のメモとして使うこともできるし、複数のメンバーで楽譜を共有する場合、それぞれ誰が書いたのかを記録しながらコメントをつけていくことが可能になっています。

Dorico Pro 3となって、数多くの機能強化が図られた

そのほかにも、小節番号をスコアの下にも振っていくことができるようになったり、コード記号が改良されて、リズムスラッシュ領域があるところにはどこにでもコード記号が表示できるようになったり、グリッサンドを表示だけでなく再生にも反映できるようになったり、ハーモニクスを簡単に作成できるようになるなど、Dorico 3ではさまざまな機能強化がされています。

このDorico 3ではUI的には、かなりCubaseに近くなってきた印象はありますが、現時点では、まだCubaseと有機的連携などはされていません。この辺りは、また今後の機能強化ポイントとなってきそうですが、他社ソフトにない機能も搭載するようになり、Doricoの存在感がジワジワと増してきているように思います。

【関連情報】
Dorico 3製品情報
Steinberg Online Shop

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