TR-808開発者の集団、アナログマフィアが『Drum Rap』のコンテストを実施。RC-808を使って歌うドラムフレーズを

元Rolandの社長でもある菊本忠男さんはTR-808TR-909TB-303など数々のRolandの名機を生み出した技術者。御年、79歳になられる菊本さんは、今も工房でさまざまな機材、ソフトを開発するバリバリの現役エンジニアです。その菊本さんを中心するTR-808を開発したRoland・OBのオジサマたちが結成したのがアナログマフィアなる技術者集団。40年前、TR-808を開発した際には、技術的に達成できなかったものを今の技術なら実現できる……と2年前の8月8日にフリーウェアとして発表したのがRC-808というソフトウェアでした。

RCとはReCreationの略であり、「808を新たに作り直した」という意味を込めてネーミングされたもの。つまりTR-808を再現したのではなく、そこからさらに発展させ創り直したたという意味で、世の中に数多くあるTR-808クローンとは根本的に違うのです。今年の8月8日にアナログマフィアが発表したのは、そのRC-808を使った作品コンテストです。実際の応募は909の日である9月9日からになるとのことですが、今回、アナログマフィアとミュージシャンの齋藤久師@hisashi_saito)さんのコラボ企画として実施するこのコンテストは、単にドラムフレーズを作るのではなく、このRC-808を用いて歌うようなドラムフレーズというか、ラップするドラム=Drum Rapを作って応募する、というもの。その背景には、これまでになかった新しいドラムパターンの在り方のを提案したい、という思いがあるようです。改めてフリーウェアとして公開されているRC-808を取り上げるとともに、実際、Drum Rapとはどんなものなのか、そしてそのコンテストの概要について紹介してみたいと思います。

21世紀のTR-808であるRC-808を使ったDrum Rapのコンテストを9月9日にスタート

まずは、ドラムラップって何?という人がほとんどだと思うので、アナログマフィアのメンバーであるチャンジ@Kyos330)さんが作成したドラムラップの例があるので、ちょっと聴いてみてください。

RC-808 Official Group · RC-808 Demo by Analog Mafia
808OpnClsMid2 808のハイハット、キック、スネア、カウベル、ハンドクラップのOpen/Close音色を用意しデュレーションコントロールし、順に紹介するトータルデモ。
808BDOpnCls 808のキックの音をベースとした新たなOpen/Mid/Closeの3音色を4音階分用意し、音階、デュレーションを使った新しい表現のデモ。
SDRolOpnClsPlus 3音階のスネアのOpen/CloseにRoll音色を追加したデモ。
CBopncls 808のカウベルの音をベースとした新たなOpen/Mid/Closeの3音色を4音階分用意し、音階、デュレーションを使った新しい表現のデモ。
CBopncls2 上記カウベル音色のOpen音色にピッチ変化を持たせた新しい音色を追加し、デュレーションの長短によるピッチ感の変化の表現、またカウベルのポリフォニック使用による表現のデモ。
CPpitchSet 808のハンドクラップの音をベースとした、シングル、マルチの2音色を4音階分用意し、デュレーション、音階を使った表現のデモ。
OpnClsMidSet バスドラム、スネア、カウベル、ハンドクラップのデュレーション表現を順に紹介するトータルデモ。バスドラム、スネア、カウベルについてはOpen/Mid/Close音色とデュレーションを使った新しい表現、ハンドクラップについては4つの音階とデュレーションを使用してスクラッチ的な表現ができる。
GateAct4PatBPMmp3 RC-808で新たに追加された時間変化やピッチ感を持った音色を使用したデモ4本。デュレーションをコントロールすることによって1つの音色でも表情を変えることができる。
BassGTAct-1p 上記音色の中でもベース音色に特化したデモ。
GateAction_2_new RC-808で新たに追加された音色を使った昨年のGateAction_2デモをテンポを上げリファインしたもの。

いかがですか?なんとなく、言わんとする意味が分かったのではないでしょうか?単なるリズムではなく、スネアが、タムが、カウベルが、歌うといか喋るように、鳴っていますよね。

先日、Skypeでインタビューさせていただいた菊本忠男さん

そもそも一昨年RC-808をリリースしたのは、ひとつの大きな意味がありました。TR-808のクローンメーカのようにTR-808自体を目指すのではなく、TR-808を原点として新しい音を創造するドラムシンセを作るということにあったのです。そして、昨年は多くのユーザーのみなさんからの要望に応えてプラグイン版をリリースしました」と語るのは菊本さん。

菊本さん自身は、MIDIという規格自体を作る上で、大きな役割を果たした人物でもあるのですが、その当時を振り返って、次のようにも話しています。

2年前にリリースされたRC-808 Standalone版
40年前にMIDIの原型になる電子楽器の通信プロトコルを設計していた際、ドラムトラックにはゲートやピッチが不要になることに違和感を感じていました。そこでTR-808の後継機であるTR-909にゲートタイムとピッチを導入しようとしたのですが、実際には開発が長引き、それどころではなくなってしまい断念したのです。その無念を晴らす形で、ゲートタイムとピッチをRC-808に導入し、そうしたサウンドとパターンを生成できるようにもしました。具体的にはRC-808の打楽器には仮想的にフットペダルが装備されていてOpenとClosedして、発音を延長したり、ミュートすることができるようになっています。つまりすべての楽器がHi-Hatワークのような多彩な演奏をすることができるのです」(菊本さん)

アナログマフィアのみなさん。左から門屋さん、松岡さん、藤原さん、菊本さん、大江さん

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、2年前にRC-808をアナログマフィアが公開した際にも、この機能を活用したデモ曲が紹介されていました。でも、大きく注目が集まることはなかったようです。そこで今回は改めてドラムのソロでなく、個々の打楽器のソロをHi-Hatワークのように演奏して新しいリズムパターンを作成することをテーマにしたコンテストを実施することになったようなのです。

実は、6月中旬に菊本さんからメールをいただき、Drum Rapというものを作ってみたけれど、どうだろうか……との連絡をいただいたのです。文面を見て「Drum Rapって何だ?」と不思議に思ったのですが、そのとき上記のチャンジさんが作ったデモを聴かせていただき、「これは面白い!!」と思ったのです。それと同時に、コンテストを実施しようか…というアイディアもいただいたので、それはすごく面白そうだ、とのお返事を差し上げました。

ただ、RC-808でゼロから音色を作るのは非常に難しいので、できるだけプリセットで作れるようなものにしたほうがいいのでは……ということもお伝えしたところ、「Drum Rapとはいってもプリセットの音色で作れるので、必ずしも新しい音色を作らなくても大丈夫。DAWのMIDI機能で簡単に作れますよ。ただ独自音色を作れば、その分、コンテストの採点においては有利に働くかもしれませんね(笑)」と菊本さん。

RC-808に対し、DAWのピアノロールを用いてDrum Rapを打ち込んでいく

具体的にはRC-808のシンセ機能を使いディケイが長、中、短、つまりOpen, Normal, Closed の楽器を合成します。これらをシーケンサのドラムトラックのNoteに割り当てていくのです。同様にたとえば、スネアとかキックなど、ピッチの異なる幾つかの同じ楽器を隣接するNoteに割り当てこれらをピアノロールで制御すればいいわけです。

先ほどのチャンジさんのデモ曲のMIDIデータや音色データ一式は、準備ができ次第、RC-808 “Drum Rap” コンテストのページからダウンロードできるようする、とのこと。これを読み込んでみると、より参考になりそうです。

菊本忠男さん(左)と齋藤久師さん(右)

一方、今回のコンテスト企画をアナログマフィアと共同で行うのは、シンセ番長、齋藤久師さん。菊本さんから、先ほどのチャンジさんのデモデータをいただいたのと同じタイミングで久師さんにも届いており、久師さんも大絶賛。それを受ける形で、数日後、久師さんが作ったオリジナルDrum Rapが以下のものです。

RC-808 Official GroupDrumRap DEMO by DJ Hisashi Saito
01 さまざまなインストにオープンクローズゲートを使用したトラックです。異常に長いヂュレーション効果を使い、持続中にピッチなどの時間的な変化をつけています。シンセサイザーとしてのRC-808という事でSEなども挿入しています。
02 TB-303を意識したレゾナンスベースにもゲート効果をつけました。また、ノイズによるスクラッチ音色を模倣しています。
03 ゲート効果に特化したトラックです。各インストのゲートを玉ごとに長さを変えることで強調してみました。プラスティックマン(リッチーホーティン)ができなかった生のTR808をゲートで切るという事をやっています。
04 HIPHOPあるいはR&Bを代表するようなリズムですが、特にサイン波のベースゲートの振れ幅を大きくする事で、進化した808の使い方を啓示してみました。
05 全ての音色をゲート動作させ、長いゲートの時間的ピッチや音色変化をつける事で、ドラムシンセサイザーとしてのRC-808を強調しています。
06 ダンスホールレゲエの定番リズムを作りましたが、メロディアスなリフも入れてみました。RC-808のピッチエンベロープは優秀で、メロディーも書けるのです。
07 ドラム乱れ打ち。ドラム音色がラップをしたらどうなるかをテーマに作りました。
08 ホワイトノイズによるゴーストの再現。フィルターの発振による聴いたこともないようなパーカッション。重低音で時間的な音程変化を伴うキックなどを組み合わせてみました。
09 とても実験的なトラックです。ホワイトノイズとフィルター発振を基本に音色合成をし、全てにゲート動作をさせてみました。ステレオのパンニングにもご注目ください。
10 タブラ的ピッチ変化をもたらすキックと、定番のTR-808サウンドの融合を意識し、ゲートも使用しています。

これを超えられる作品が集まるのか……、ちょっと簡単ではなさそうですが、とっても面白そうですよね。その齋藤久師さんから以下のコメントが届いております。

齋藤久師さんからのコメント

私は2年前の2019年、瀬戸内芸術祭において「Roland TR-808、TR-909、TB-303」など、発売から40年も経過し、現在もなお世界的な人気が衰えるどころか、音楽シーンにおけるリズムセクションのメインフィールドで活躍する名機の数々を生み出した中心人物である菊本忠雄さんとのトークセッションを行った。

その時驚いたのだが、当の本人は未だにそれらの名機を「失敗作」だというのだ。

つまり発売当時、商品化するにあたり、生産コスト面などの制約があり、思い描いていた完全体を作れなかったというのである。

TR-808に関しては、Roland社の当時のフラッグシップ・モジュラーシンセサイザーである「system700(280万円)」を元にサウンドが作られている。

しかしながら、TR-808の販売価格を15万円に抑えなければならなかったため、TR-808のインストの数だけSYSTEM700を入れるとなると、単純に計算しても808一台で「17インスト×280万円=5,400万円」というモンスタープライスなリズムマシーンとなってしまうため、現実的ではなく、涙を飲んで究極的にスペックを削る作業を行った。

しかし、そのことが後にTR-808の独特の「生命に響くようなサウンド」を生み出し、現代でもまったく輝きを失うことのない名機になったことは言うまでもない。

当時すでにPCM(サンプリング)リズムマシーンが登場し、その値段も100万円を超えるものがあった。確かにそれらは80年代の音楽シーンを席巻したが、残念ながら今ではほとんど忘れられ淘汰されてしまった。

つまり、PCMリズムマシーンは、撮った写真をそのまま再生するようなものであるのに対し、アナログで作られたTR-808は音色変化を自由に調整できる「アナログシンセサイザー」といっても過言ではない。

リアリティー過ぎるサンプリングサウンドは、同じ描写を繰り返し行うような音動作であり、「画」でも「音」でも食傷気味になる。派手が故に、流行に乗ってしまうのだ。そして消えてゆく。

しかし一方で、TR-808、909、さらにはTB-303などのアンリアルなサウンドで抽象的なものほど命が長い。

こうして808サウンドは、ピアノやバイオリンなどの長い歴史を持ってでき上がったアコースティック楽器のような、いわゆるスタンダードな完成された一つの楽器という立ち位置を確立したのだ。

2019年の夏に菊本さんのチーム(1980年当時TR-808の開発をともにした)が無料で発表したソフトウェアー版のRC-808は、TR-808発売当時の制約を全て解き放ち、SYSTEM700同等のシンセサイザーがすべてのインスに搭載されたスーパーアナログリズムマシーンだ。実に40年もの時を経て完全体の808を完成させたわけだ。

RC-808を触るほどに感じさせてくれるのが、「これはリズムマシーンの範疇を超越した、シンセサイザーのお化けだ」ということ。つまり、「シンセサイザードラム」と言って良いだろう。

菊本さんが提唱するアナログマナーに基づいた作法が、このRC-808には溢れ出すほどに詰め込まれている。

いくつものパーシャルを重ねて作り出される音はTRシリーズそのものであるが、当時の制約から開放されたRC-808は、さらに異次元のシンセサイズをも可能にした。

今回、「Drum Rap」のデモを作って欲しいと菊本さんから連絡があった時には本当に驚いた。「Drum Rap?何だそれは?」と。

基本的にリズムマシーンは、短いトリガーを音源にワンショット送ることで、音の始めから最後まで鳴り続けるのが通例だ。

今ではサンプリングリズム音源のデュレーションをピアノロールの長さで個々に調整する事はDAWのシーケンサーを使えば容易に行える。
しかし、菊本さんはその機構をTR-808が発売された40年も前に、しかもアナログ音源のリズムマシーンのゲート奏法を可能にするプロトコルを密かに搭載しようとしていたのだ。

しかし、その夢は叶わずに40年の時が経ち、RC-808でいよいよ実装する事に成功したのである。

「なるほど……。ドラムラップか!これは面白い!」

と率直に思った。

ハイハットの場合、オープン、クローズがあるので、必然的にゲートのような効果になるものの、これがキックやスネアドラムに汎用できたらどんなサウンドが飛び出すのだろう。

私は、電子楽器を作る多くのエンジニアと交流している。
少々言葉は乱暴になるが、彼らは「新しい楽器」を作る度に常に音楽家に対して「挑戦状」を叩きつけているのだ。

彼らエンジニアが作り出した電気の箱をどのように使い、まだ聴いたこともない未知の音楽をクリエイトするのか。

そこにはルールも無く、正解、不正解も無い。

ただただ驚くような斬新な使い方を発明し、音楽として昇華させるのは私たち音楽家の役目だ。

私はすぐさま、菊本さんからの挑戦状を受け取り、我流ではあるが「Drum Rap」という菊本さんの中に長年構想していた新しい作法によるDrum Rapトラックを10個ほど作ったので聴いて欲しい。

RC-808はスタンドアローンで立ち上がり、専用のシーケンサーも付いている。それで作ってもらっても良いし、普段使い慣れているDAWにプラグインとして読み込ませれば時間の短縮につながるだろう。

また、フーリエ解析ができる環境をお持ちの方は、ぜひ「サンプリング」とはまったく世界の違う現実音のシンセサイズによる再現にも挑戦してほしい。

あなただけの、オリジナル808サウンドができるはずだ。

菊本さんや世界がひっくり返るような驚きのトラックをみなさんに発明してもらい、音楽シーンに新たな息吹をもたらして欲しい。

齋藤久師 8月8日 AM8:08

さて、今回のコンテスト、実際の応募開始は9月9日なので、まだ日数があるので、興味のある方は、さっそく準備に取り掛かってみてはいかがでしょうか?参加要項については、RC-808 “Drum Rap” コンテストのページに記載されているので、そちらをご覧になるのがいいと思います。応募方法の詳細も、このページで9月9日に発表される予定です。

ただ、菊本さんから伺った内容を整理すると、DAWを使った場合の、応募作品を制作手順は以下のようなものになると思われます。

<準備>
1. 別途マニュアルを参考にしてDAWにRC-808-PLGをインストールする。
2. DAWのMIDI TrackにRC-808-PLGを適用しPlugin panelを開く。?
3. Plugin panelのFILEメニューのImportを使ってKit(.allprm)をimportする。
※新たなKitを作成する場合はRC-808 Standalone版で作成することができる。

<作成>
4.RC-808-PLG Plugin panelのInst/NoteNoを参考にしながらDAWのMIDI Trackに入力、修正する。※必要に応じて音色Parameterを修正してもOK

<書き出し>
5. でき上がった作品をAudio Data(.mp3)で書き出す。
6. 使用したPluginのParameter(.xml)をPlugin panelのFILEメニューのSaveを使って書き出す。
7. 参考のためMIDI Dataも.midに書き出す。
8. 上記の3ファイル(Audio Data, Parameter, MIDI Data)を応募データとする。※複数のTrackを使用した場合は、それぞれのTrackのParameter(.xml)を添付する。

この辺を準備しておくのが良さそうですよ。そして気になるのは、コンテストでの優秀作品へ賞品。まあ、優秀作品として選ばれるだけで十分名誉なことだと思いますが、アナログマフィアおよび齋藤久師さん、その他コンテスト審査員によって優秀作品に選ばれると、オリジナルTシャツ(希望者には菊本さんのサイン入り)が進呈されるとのこと。かなりなレアグッズなので、その価値は大きそうですよね。

コンテスト優秀者に送られる景品のTシャツ原案

また新しい情報が入ったら、お伝えしていきたいと思います。

TR-808<ヤオヤ>を作った神々
-菊本忠男との対話ー昨年12月、菊本さんが語ったTR-808やTR-909、TB-303などの開発秘話が書籍として出版されています。インタビューを行って本にまとめたのは『電子楽器 in JAPAN』など、数々の本を執筆してきたライターの田中雄二さん。ローランドは故・梯郁太郎さんが1972年に設立し、一代で世界企業へと大きく発展させた会社ですが、まだ零細企業だった1977年に菊本さんが36歳で中途入社した経緯から、リズムマシンDr.Rythm DR-55を開発した話、そして数々の名機を生み出してきたエピソードなどが、事細かく語られた、まさに電子楽器の歴史書。ソフトウェア音源しか使ったことがない人も多いと思いますが、それらをより積極的に活用する上でも、その原点を学んでみるのは有効な手段だと思いますよ。◎Amazon ⇒ TR-808<ヤオヤ>を作った神々 -菊本忠男との対話-

【関連情報】
RC-808 “Drum Rap” コンテスト
RC-808サイト(英語)

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