ついにVOCALOID3が発表。発売は9月末だ

かねてから、話題にあがっていたVOCALOIDの新バージョン、VOCALOID3が本日ヤマハから発表されました。今回は機能や性能に関する発表や、サードパーティーからの製品のリリース計画の発表という形であり、まだわれわれが直ぐに使えるという段階ではないようです。

実際の発売は9月末が予定されているのですが、VOCALOID2と大きく異なるのは、データ入力のためのVOCALOID Editor(おそらく1万円程度になる模様)と歌声ライブラリが分離される、ということ。VOCALOID Editorはヤマハ製品としてボーカロイドストアから購入し、各歌声ライブラリは、クリプトン・フューチャー・メディアやインターネット、AHSなどから購入するというわけです。

6月8日、ついにVOCALOID3が正式に発表された


VOCALOID3の大きな特徴は、よりリアルな声になったということ。実際、いろいろとデモを聴かせてもらいましたが、格段にリアルさが増しています。その背景には単純に1つの子音・1つの母音というデータだけでなく、母音と母音を組み合わせたものなど、大きな単位でのサンプルを持つようになったことがあるようです。また「さ」行の発音がキレイになるのも大きな特徴のようです。

ライブラリとは別の販売となるVOCALOID3 Editor

とはいえ、日本語の歌を聴く限り、「あ、ボーカロイドだ」というのは分かるのです。が、面白いことに、それが外国語になると、それが分からないんですよね。そう、今回は従来の日本語、英語に加え、中国語、韓国語、スペイン語のそれぞれにも対応。中国語ならピンインで、韓国語ならハングルで…というように外国語で使えるようになり、海外でも本格的に発売されるようです。

韓国版の中の人、K-POPアイドル、キム・ダヒーさん(17歳)が来日して挨拶

またVOCALOID3 Editorとしての機能も大幅に向上しています。まずはVSTのプラグインが使えるようになったため、作った歌声に対してエフェクトがかけられるようになっています。またここにWAVファイルを読み込めるようになったのも大きなポイント。そう、オーディオトラックとして読み込めるため、あらかじめオケを作って読み込めば、これだけで曲として仕上げることができるわけです。

また、VSTとはまったく別にVOCALOID Job Plugin機能というものが追加されました。これはVOCALOID3 Editor自体の機能拡張をするためのものであり、今後さまざまなプラグインが登場するようです。その中でも注目すべきなのが、産業技術総合研究所が開発した「VocaListener(略称:ぼかりす)」がヤマハからプラグインとしてリリースされるということ。ぼかりすの詳細はここでは省略しますが、これが使えるようになると、かなり滑らかな歌声を、細かな調教をすることなく作り出せそうです。

一方で気になるのは、VOCALOID3版の初音ミクや鏡音リン・レンなどは出るのか、という点。これについてクリプトン・フューチャー・メディアは出さない、としています。一方で、インターネットの村上社長は、がくっぽいど、Megpoid、Lily、ガチャッポイなどの既存の製品のVOCALOID3版をリリースすると話していました。

AHSでは、既存製品のVOCALOID3版に関する言及はなかったものの、クオリティー向上やバリエーションの拡充など、いろいろ取り組んでいくようです。

さらに、今回、声優の喜多村英梨さんをCVに起用したCUL VOCALOIDというものが登場するとか、Liaさんを起用したものが登場するなど、サードパーティー数が一気に増えてくるようです。

声優、喜多村英梨さんがCVとなるCUL VOCALOIDもリリースされる予定

今日は記者発表会とボカロ3お披露目パーティオーをハシゴして参加してきましたが、情報量が多すぎて消化しきれない、整理がつかないというのが正直なところです。まずは、来週月曜日のAV WatchでVOCALOID3本体の機能部分について、もう少し細かく紹介していこうと思っています。

ニコ生でも放送されたパーティーとは別に厳かな記者会見も行われた

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