フランス生まれの、このコントローラー、Touchéは手で叩く、こする、押す、スライドするなど、さまざまなジェスチャーでサウンドを操り、まるでアコースティック楽器に触れているかのように自然と音楽との繋がりを感じ取ることができる……というユニークなコンセプトのもの。
Touchéは手でこすったり、押したり、叩いたりして使うコントロールサーフェイス
Touchéのリアパネル、USBを介して信号のやりとりをするのが基本
また、MIDI IN、MIDI OUTという端子があるのに気づくと思いますが、ここに付属のコネクタを接続することで、直接MIDI機器と接続することも可能。この場合、TouchéにはPCを接続しなくてもUSB端子から電源供給するだけで動作させることも可能となっています。
では、もう少し具体的に、どんなことができるのかを見ていきましょう。木製スキンを押し込んだり、横に動かすことでUSB端子やMIDI端子、CV端子から信号が出ていくわけですが、デフォルトではCC16、CC17、CC18、CC19というものが割り振られていいます。もちろん、このまま使ってもいいのですが、やはりもっと自由に割り振って、自分の持っているシンセサイザにマッチした形で使えるようにしたいですよね。
そうした割り振りを自由に行うことができるのも、Touchéの特徴です。このためには、メーカーサイトからダウンロードできるLiéというソフトウェアを用います。ただ、現状においてはMacのみに対応したアプリケーションとなっており、Windows版は現在開発中とのこと。その意味では、今しばらくのところ、TouchéはMac専用と捉えておいたほうがよさそうですね。もっともWindowsに接続したところ、ドライバ不要のUSBクラスコンプライアントのデバイスであり、MIDIの入出力ポートとしてみることはできました。
Touchéに触るとLiéが反応する
さて、このLiéはVSTおよびAUのプラグインとなっており、基本的にはDAW上で利用する形になっています。このLiéを起動した状態で、Touchéを触ると、どこが反応しているのかリアルタイムにグラフィックで示されるようになっています。
UVI Workstationもバンドルされおり、これに合わせたプリセットが多数用意されている
実際キーボードで弾きながらTouchéを動かしてみると、なかなか不思議な効果が得られますよ。音色によって、Touchéでの効果が違うけれど、演奏しながらのパフォーマンスという意味では、感覚的にすぐに使うことができそうです。こうしたパフォーマンスが上手な方といえば、やっぱり氏家克典さん。ちょうど昨日、music trackでの氏家さんのビデオ映像も公開されていました。氏家さん側の許可も得られたので、以下に掲載しておきますので、ぜひご覧になってみてください。Touchéでどんなパフォーマンスができるのかがよくわかると思います。
このLiéの面白いのは、1つのセンサーに1つのコントロールチェンジを割り当てるだけでなく、複数レイヤーすることができるという点です。画面中央にはスロットセンターと呼ばれるところがあり、ここでTouchéのセンサーとパラメーターを最大8つまで結びつけることができるようになっているんです。
センサーの動きに対するパラメーターの動きのカーブを選ぶこともできる
また、Touchéを動かす際のパラメーターの動きをリニアにするのか、ロガリズミックにするのか……といった設定も可能になってます。
そして、もちろん、TouchéとLiéはUVI Workstation専用というわけではなく、さまざまなソフトシンセを使うことができます。構造上、Liéから別のVSTインストゥルメントを呼び出す形になっているので、予めVSTプラグインのスキャニングをしておく必要がありますが、あとは呼び出すだけなので、簡単です。
フリーウェアのSynth1でもパラメータを割り当ててばっちり動作させることができた
スタンドアロン動作時の設定を24種類まで記憶させることができる
このようにTouchéは、Liéを介してソフトシンセをコントロールすることができる一方で、前述の通りスタンドアロンで利用することも可能です。この場合も、どんな動きをどのコントロールチェンジに割り当てるかをLiéで設定できるようになっており、それを24通り記憶させることができるようになっています。
下にある2つのボタンとエンコーダー、LEDの色で設定したプリセットを呼び出すことができる
この日は、シンセ女子のAZUMA HITOMI(@AZUMAHITOMI)さんをゲストにお迎えし、IK Multimediaが先日リリースしたビンテージシンセを復刻させるソフトウェア音源、Syntronikも併せて特集していく予定ですので、ぜひご覧いただければと思います。