• 音は違うの? Windows版はいつくる?Universal Audioにインタビュー!! UAD Sparkは何をもたらすのか真相に迫る!

先日、UAD-2のネイティブ版UADSparkのプラグインが登場して、プロアマ問わず大きな話題になっています。これまでApolloシリーズやSateliteなどUniversal AudioのDSP搭載のハードウェアを必要としていたUAD-2プラグインが、サブスクリプションサービスUAD Sparkに月額$19.99で加入するとCPUのみのネイティブ環境でも使用可能になったのです。プラグインフォーマットとしては、DSPで動くものをUAD-2、今回PCだけでも動作するネイティブ環境のものをUADx、と区別しているとのこと。

既存のUADユーザーにとって重要なのは、サブスクリプションサービスのUAD Sparkがスタートしたと同時に、これまで持っていたUAD-2プラグインのネイティブ版UADxプラグインが無料で貰えて使用可能になり、DSPとネイティブ版の両方が使えるようになった点。新規ユーザーからすると、プロ御用達のUADプラグインが低コストで導入できるようになったし、従来のユーザーからすると選択肢が増え、コストは掛からないのにより便利になったといえます。世の中的には「UAD-2とUADxは音が違うのではないか?」だとか、「旧ユーザーは損してる!?」など、さまざまな疑問も上がっているので、この辺りをUniversal Audioのユウイチロウ“ICHI”ナガイさんに直接聞いてきたので紹介していきましょう。

UAD Sparkがどんなもので、従来のUAD-2との関係性などについて、Universal Audioのユウイチロウ“ICHI”ナガイさん聞いてみた


--まず、UAD Sparkについて、これが何なのか簡単に教えてください。
イチ:UAD Sparkは、Universal Audioが新たにスタートしたサブスクリプションサービスです。これまでUAD-2プラグインは、ハードウェアを持っていなければ使うことができませんでした。ですが今回のアップデートで登場したUAD Sparkのプラグインは、ネイティブ環境で動作します。少し整理すると、これまでDSPで動かしていたプラグインのフォーマット名はUAD-2。今回ネイティブで動くようになったプラグインのフォーマット名はUADx。UAD Sparkはサブスクリプションサービスの名前となっています。なお、現在は、Macのみに対応しており、AAX、AU、VST3で使うことができます。

Universal Audio から3月31日、UAD Sparkが発表された

--UAD Sparkのプラグインは、何タイトル登場したのでしょうか?
イチ:UAD Sparkのプラグインは現時点においては全部で17タイトルです。オーディオプロセッサが13タイトル、バーチャルインストゥルメントが4タイトルという内容になっています。このうち2つのバーチャルインストゥルメントについては、もともとLUNAに搭載してあったものなので、これで今回からほかのDAWでもRavel Grand PianoMoog Minimoog Synthesizerが使えるようになったわけです。Waterfall B3 OrganOpal Morphing Synthesizerの2タイトルは、最新作の音源となっており、Waterfall B3 Organは今後LUNAにも登場しますが、Opal Morphing Synthesizerはサブスクリプション限定です。

Compressors

--ネイティブ版のプラグインですが、これらはサブスクリプションに加入しないと使えないのでしょうか?
イチ:これまで、DSP版であるUAD-2プラグインのタイトルを所有している方は、無料でネイティブ版であるUADxプラグインがプレゼントされます。また、今後購入したUAD-2プラグインにもネイティブ版が付属しているので、UADxを使うには、2つの方法が用意されているということですね。サブスクリプションに加入して使うか、UAD-2プラグインを買うかです。なおUADxプラグインのダウンロードは、UAD Connectを使えば簡単に入手することができます。UAD Connectは、ドライバーやファームウェアなども管理しており、新しいUADxがリリースされると通知もされるので、ぜひこちらも導入していただきたいですね。

Reverbs & Delays

--Universal Audioの社内では、いつごろからUAD Sparkの話がスタートしていたのですか?
イチ:VOLTシリーズを企画している時点から、ネイティブ版のプラグインを作ろうという話は出ていました。UAのラインナップを見てみると、キレイに3つに分かれているんです。一番上がアナログのエフェクタとラックのシリーズ。ここは、大きなレコーディングスタジオなどをサポートしています。その下には、アーティストのホームスタジオを支えるApollo Twinなどが揃っています。そして近年新しく登場してきたのが、VOLTシリーズやUAD Sparkのラインなのです。すべてのラインでのコンセプトは一貫しており、みんなにコンプリートなスタジオを提供したいという思いです。最近大きなスタジオも減ってきて、SSLのような大きなコンソール、たくさん並べられたラックなどは見かけなくなってきましたが、あのワークフローとツールはなくなったら音楽を作れなくなってしまうので、それをアナログとデジタルの融合など、いろいろな形で提供し、スタジオを再現しています。

Preamps, EQ & Tape

--そうして今回登場したネイティブ版ですが、DSP版とは何が違うのか教えてください。
イチ:まずは、レンダリングスピードが圧倒的に違います。ネイティブ版はPCの性能に依存しますが、それでもネイティブ版はオフライン書き出しが高速で行えます。ただレイテンシに関しては、こちらもマシンパワーによって左右される部分ではありますが、構造上UAD-2プラグインの方が速いですよね。

Opal Morphing Synthesizer

--気になるのはネイティブ版とDSP版で音に違いがあるのか、という点です。ネット上では違うとか同じだとか、いろいろな意見?感想?がとびかっていますが……。

イチ:これについては両方まったく同じです。同じコードをDSP用、CPU用に作っており、まったく同じ処理をするので、音に違いはありません。

--となると、ネイティブ版とDSP版の使い分けは、どんなことが想定されますか?
イチ:基本はUAD-2を使っておいて、DSPパワーが足りなくなったら、UADxを使うといった方法が考えられますね。これまで、Apollo Soloなど、DSPパワーが少ない機種など使っていた方でも、今回からPCパワーでプラグインが動かせるようになったのは、大きなメリットだと思います。また出先など、ハードを持っていけない場面でも、プラグインを使うことが可能になったのも大きな利点ですよね。

UAD Instruments

--それは大きなメリットですね。その場合、UAD-2用に作ったプロジェクトをそのままUADx環境でも再生できると考えていいですか?

イチ:見た目も使い勝手も、音も同じですが、UAD-2のプラグインとUADxのプラグインは別モノなので、DAW上で、UAD-2のプラグインをUADxに差し替える必要はあります。とはいえ、UAD-2とUADxのパラメータはまったく同じなので、UAD-2のプラグインのプリセットをUADxへコピペすることで、まったく同じように再現することが可能です。

--サブスクリプションの話に戻りますが、価格設定はどうなっているのでしょうか?
イチ:月額19.99ドル、年額149.99ドルとなっています。また、UAD Sparkは初めの14日間は無料で使うことができ、VOLTユーザーは30日間のトライアルが付いてます。

14日間の無料期間が用意されている

--今後UAD Sparkのプラグインの数は増えていくのでしょうか?
イチ:現在UAD-2でリリースしているプラグインの移植は、随時行っていきます。またインストゥルメントについても、どんどん新しい音源を発表していく予定です。基本的にオーディオプロセッサは、UADxだけのプラグインが登場する予定はなく、あくまでUAD-2と同じタイトルをリリースしていきます。サブスクリプションについても、新しいプラグインが追加されれば、その都度ユーザーは使えるようになっていき、値上げしたりすることはありません。現在UAD-2プラグインは200種類ぐらいあるので、もしこの数に匹敵するUADxがリリースされたときには、価格が変わることもあるかもしれませんが、その予定は現時点ではまったくないですね。また、Windows版は秋にリリース予定ですので、もう少しお待ちいただければ幸いです。

--Windows版のリリースも含め、今後新しい音源の誕生など、いろいろ楽しみです!
イチ:UAD Sparkを発表して、これまでUAD-2を使っていたユーザーが損をするみたいな勘違いなども見かけたりしたので、そうでなくメリットしかないんだよということが、まず伝わればと思います。無料でアップデートされて、より便利に、DSPでもネイティブでも自由に使えるので、今後も音楽制作で使っていっていただければ嬉しいです。

--ありがとうございました。

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UADSpark HOOK UP
UADSpark

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