KORGの「Mono/Poly」と聞いて、「懐かしい!」という方も少なくないはず。このMono/Polyが誕生したのは1981年。まさにYMO全盛期にPolysixと同時に発売されたMono/Polyは、149,000円と当時としては低価格ながら、4VCOによってポリフォニックを実現できるという画期的なアナログシンセサイザでした。

数多くのミュージシャンに使われ、多くの音楽を生み出してきたMono/Poly。このMono/PolyをKORG自らが、iPad/iPhone用のアプリ「iMono/Poly」として復活させ、本日8月23日により発売を開始しました。もちろん単に復元したというだけではなく、オリジナルの機能、音を完全に残しつつ、機能的には大きく進化させた上で、現在の音楽シーンに合う形で完全に新たに作った音色がズラリと揃っているのです。実際、どんなシンセなのか紹介してみましょう。


36年前のシンセを復刻させる形でKORGからリリースされたiPad/iPhone用のアプリ、iMono/Poly

36年前に誕生したKORGのMono/Poly、なんかゲームみたいな変わった名前のこのシンセサイザは4VCO、1VCF、1VCA、2EG、2LFOという構成のアナログシンセで、基本的にはモノフォニックの音源。ただVCOが4つも搭載されており、これを別々のキーに割り当てるPOLYモードにすることで、ポリフォニック・シンセとしても使えるという画期的なシンセサイザだったんですね。


見た目にもカッコいいiMono/Polyは単にMono/Polyを復刻しただけでなく、大きく機能・性能UPしている(画面はiPad)

そのMono/Polyを現代に復活させたのがiMono/Polyです。ご存知の通り、KORGではこれまでもiMS-20iM1iPolysixなど、往年の名機たちをiPad版としてリリースしていたので、「きっといつかはMono/Polyも……」と待っていた人も多かったと思いますが、それがついに実現したわけですね。しかもこのiMono/PolyはiPadだけでなくiPhoneにも対応しているので、より多くのユーザーが使えるようになっています。


iPhone版は画面サイズの関係で、レイアウトが少し変わっている

もちろん、シンセサイザとしては当時のMono/Polyをサンプリングした……というのではなく、当時のアナログ回路を元に、それをモデリングするCMTComponent Modeling TechnologyというKORG独自の技術によって再現しており、まさにアナログサウンドが出せるわけなのです。


1981年に発売されたMono/Polyの実機

さっそく試してみると「え?Mono/Polyってこんなに分厚い、カッコいいサウンドが出せるの!?」とちょっと驚きます。が、実はこのiMono/Polyはちょっとズルいというか、オリジナルを大きく超えるスペックのシンセサイザに改良されているんです。そう前述のとおり、実機は4VCOだけで動いていたのに対し、iMono/Polyでは、最大で4VCO×32ボイスまで出せる完全なポリフォニックシンセサイザとして使えるようになっているんですね。


VOICES、KEY ASSIGN MODEにおいてボイス数や、ポリフォニック、ユニゾンなどの設定を行う

もちろん「オリジナルのままがいいんだ!」という場合はKEY ASSIGN MODEを「ORIGINAL」にして昔ながらの構成で音を鳴らすことも可能です。さらに、ボイス数は32でユニゾン数4とすると4VCOの音を4つ重ね合わせた、非常に分厚いサウンドを出すことができるのです。たとえばノコギリ波を重ねることで、いわゆるSuperSAW的なサウンドも作り出せるわけです。プリセットでは、そうしたiMono/Polyならではのサウンドがたくさん用意されています。



KORGの岩田昌樹さん(左)と小野昌樹さん(右)

iMono/Polyのプロモーション担当であるKORGの岩田昌樹さんによると
iMono/PolyはMono/Polyのすべてを完全に再現しながらも、新機能とiOSならではの操作性を重視したUIを採用してリメイクしています。今回、プリセットの音色128種類についてもすべて新しく作り直しています。ビンテージ・シンセとしてではなく、現代のEDMシーンなどにマッチするサウンドになっているので、最新のシンセとして活用していただきたいですね」とのこと。


オプションとしてExpansion Factory Packという128音色のパックが600円で用意されている


ちなみにKORG Legacy CollectionのMono/Polyを持っている人なら、その音色をiTunes経由でiPadやiPhoneに転送した上で、iMono/PolyでImportすると、そのまま取り込むことも可能になっています。また標準搭載のプリセット音色に加え、Expansion Factory Packという別の128音色も600円で購入できるようになっています。


画面下のほうにはオリジナルには存在しない2つのエフェクトが並んでいる

さらに、オリジナルのMono/Polyと比較して拡張されている機能がいろいろあります。まずはエフェクトです。コンプレッサ、リミッター、オーバードライブ+ワウ、4バンドEQ、エキサイター、トーキングモジュレーター……と計19種類のエフェクトが2系統利用可能になっており、iMono/Polyのサウンドを大きく演出可能になっているのです。


iPhone版ではエフェクトが縦に2つ並ぶ


小さなスペースではあるけれど、各パラメータがうまく配置されており、とっても使いやすくなっています。


KAOSS PADが利用できるのもiOS版ならではの特徴

またキーボードだけでなく、KAOSS PAD機能が搭載されており、スケールを設定することで、キーボードがまったく弾けない人、楽器が弾けない人でも、すぐにプレイすることができちゃうのも嬉しいところですね。


パラメーターを自由に接続できるバーチャルパッチ機能


そして極めつけがバーチャルパッチ機能です。実機であるMono/Polyでは、ModulationやEG、Wheelなどのアサイン先は限られていますが、iMono/Polyでは、それらをもっと自由にアサインできるようになっているのです。そうこのバーチャルパッチ機能では、どのパラメーターからどのパラメーターへ信号を送るかを自由に設定することができ、それを最大8つまで独立して使うことができるのです。この際、外部MIDIからの信号をVCOのピッチに送ったり、VCFのCutoffやResonanceに送ることもができるなど、まさに自由自在。だからこそ、Mono/Polyの実機の時代にはできなかったサウンド作りが可能になっているんですね。


Bluetooth-MIDI対応キーボードのmicroKEY AirとiPhoneを組み合わせれば、すごくコンパクトに活用できる

iMono/Polyの開発を担当したエンジニアであるKORGの小野昌樹さんは
iMono/Polyはオリジナルの再現はもちろんのこと、4VCOの強力なシンセサイザーとして使用できます。UIにはかなりのパワーをかけたこともあり、かなり使いやすい音源になったと自負しています。たとえばBluetooth-MIDI接続ができるmicroKEY AirとiPhoneを使えば、とてもコンパクトなシンセとして気軽に外に持ち出して演奏することも可能です」と話してくれましたが、確かにBluetooth-MIDIで使うのは、なかなか便利そうですね。


iMono/PolyをインストールしたマシンではKORG Gadgetの音源メニューにMontpelierという音源が現れる

そして、もうひとつ重要なポイントはKORG Gadgetを持っているユーザーは、Gadget上でiMono/Polyを使うことが可能になるということです。そのためには、最新のKORG Gadgetにアップデートすることが必要になるのですが、iMono/Polyが入っていると、KORG Gadget上にMontpelierというフランスの地名のガジェットが使えるようになります。これがMono/Polyそのものなんですよね。
* KORG Gadget for Macについては、今後のアップデートで追加を予定しているとのこと


Montpelier=iMono/PolyはGadget初の4VCOが扱える音源


従来のGadget上の音源は、最大でも2VCOとなっていましたが、このMontpelierはGadget初の4VCO音源となっています。とくにユニゾンでノコギリ波などを重ねていくことで、今までのGadgetでは出せなかったサウンドが出せるようになるので、ぜひ4VCOによるこの分厚いサウンドを存分に楽しんでください」(岩田さん)。

なお、このiMono/Polyは通常3,600円ですが、発売記念として9月30日までは2,400円のセール価格となっているので、今がチャンスですね!

【ダウンロード購入】
◎App Store ⇒ iMono/Poly
◎App Store ⇒ KORG Gadget
◎App Store ⇒ iMS-20
◎App Store ⇒ iPolysix
◎App Store ⇒ iM1
◎App Store ⇒ iWavestation

【関連情報】
iMono/Poly製品情報
Mono/Poly取扱説明書(1981年当時のもの)