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Wobble系サウンドも自由自在。強力ウェーブテーブル音源を搭載したKORGの新世代グルーブボックス、ELECTRIBE Waveの実力

8月末にKORG ELECTRIBEシリーズの新製品、KORG ELECTRIBE Waveが発売されました。従来のELECTRIBEシリーズで実現してきた直観的でスピーディーにトラックメイクできるコンセプトはそのままに、リズム、ドラム系に留まらず、シンセサウンドも加えた音楽制作ができるシステムです。そのシンセサイザーにはコルグ初となる強力なウェーブテーブル音源を搭載し、簡単な操作ながらも、これまでにないサウンドを作り出すことが可能です。
かなり革新的、画期的機能満載のELECTRIBE Waveは、なんと3,600円。というのも、これはハードウェアではなくiPad/iPhone対応のアプリだからなんですね。既存のELECTRIBEをアプリ化したiELECTRIBEシリーズではなく、まったく新たなオリジナルモデル、ELECTRIBE Waveとして誕生したこの新ELECTRIBEについて、開発者にお話を伺ってみたので紹介していきましょう。

先日発売されたELECTRIBE Waveの中には、これまでなかったさまざまな機能、サウンドが搭載されている

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ELECTRIBE Waveを見たことがないという方は、まず以下のビデオをご覧ください。

かなり、カッコいいツールであり、またグッとくるサウンドで音楽制作できるシステムであることが感じられますよね。

Wobble系の音色など、最新の音楽シーンで多く使用されているウェーブテーブル音源を搭載したり、ポリフォニックに対応したステップシーケンサを搭載するなど、斬新な機能を持ちつつも、誰でも手軽に簡単に使えてしまうというのがELECTRIBE Waveの大きな特徴になっているようです。


ELECTRIBE Waveの開発者にお話しを伺ってみた。左から金森与明さん、小野昌樹さん、岩田昌樹さん

今回お話を伺ったのはELECTRIBE Waveの開発リーダーであり、ソフトウェアチームの小野昌樹さん、プロモーション担当の岩田昌樹さん、サウンドチームの金森与明さんの3人。開発の経緯から、ELECTRIBE Waveの裏ワザ的使い方までいろいろと聞いてみました。

--ELECTRIBE Wave、なかなかすごい音源で楽しいですね!
小野:これは1999年に誕生したELECTRIBEシリーズの流れを継承しつつ、EDM、Future Bass、Trap……など、最先端のダンス・ミュージックを制作できるツールとして、オールインワンのグルーヴボックスとしてまとめたものです。これまでのiELECTRIBEシリーズは音源としてVA=バーチャル・アナログを使ったドラム系のものでしたが、今回はシンセ部分に新規開発のウェーブテーブルを採用するなど、コルグとしてもまったく新しいもの開発しました。


iPad版のELECTRIBE Waveのシンセサウンドのエディット画面

岩田:8月27日にiPad版として発売しましたが、10月1日に機能追加などを行なったバージョン1.1をリリースしたタイミングで、ご要望の多かったiPhoneにも対応いたしました。このiPhone版は機能を削ることなく、iPad版と同じ全機能をお使いいただけます。

iPad版のELECTRIBE Wave。上記iPad画面と同じものを表示させている。レイアウトは異なるが機能はまったく同じ

--これまでのように元ネタとなるハードウェアがあるわけではなく、完全なる新規開発である、と?もともと、どんな経緯で開発することになったのですか?
小野:もともとは2010年に発売になったiELECTRIBEを刷新した新しいアプリを作ろう、というところから始まりました。iPadのアプリはビートメイクするためのものでしたが、それにとどまらず、ベースや上モノも含めた、1曲を仕上げるアプリを作りたい、というモチベーションもありました。音楽制作ができるツールとしてはKORG Gadgetがありますが、これはどちらかというと家や出先で曲を作っていくという使い方がメインのものです。それに対し、曲作りだけでなく、ライブでも使いやすいのがELECTRIBEなんです。そういった思いからプロジェクトが3月に始まりました。


ELECTRIBE Waveの開発リーダー、小野昌樹さん

--3月って何年前の3月ですか?
小野:今年の3月です(笑)。今回のプロジェクトメンバーは、ソフトチームは私のほか、阪上大地、岡村信久の3名、サウンドチームは金森与明、岡本達也の2名で計5名となります。かなりハードな開発ではありましたが、結果的にはとっても面白い製品に仕上がったと思っています。

--まったく新しい音源をゼロから作って、しかも短期間で製品化となると、なかなか無茶な考えのようにも思いますが……。
金森:かなりの無茶はありましたね(笑)。ウェーブテーブルは新規ですが、やってること自体はそこまで難しくないだろうという思いはありました。コルグではもともとWAVESTATIONがあり、複数の静止波形をコマ送りのようにモーフィングさせていく技術は持っていたので、やればすぐにできるだろうというメドは立っていたんです。ただ、難しかったのはパラメータの絞り込みでした。特にオシレーターの数をどうすべきかは、チーム内でももめましたね。最終的には1オシレーターになったのですが……。


Wobble系サウンドが作れるウェーブテーブルを搭載したのが大きな特徴

--小野さん、リーダー的に、そのシンセのパラメーターの絞り込みの部分はどうまとめていったのですか?
小野:ここは、本当に悩んだところでした。全パラメーターを俯瞰できるように1画面に収めることが、より直感的な操作に繋がります。そのため、サウンドチームと開発チームで議論とテストを重ねて、パラメーターを絞り込んでいきました。結果、簡単操作で幅広い音作りが出来るというELECTRIBEの本質を損ねない画面構成にできたと思います。
金森:単に1つのウェーブテーブルのオシレーターを鳴らすだけでなく、OSC Modというモジュレーションを組み合わせることで、より複雑なサウンドを作り出せる構造にしました。単体でオシレーターSYNCしたり、FM的な変調をかけたり、サブオシレーターを足したり……。さらにユニゾン機能を搭載してデチューンを行うなど、表示は1オシレーターだけでもシンセ好きにも十分楽しめて説得力ある音を出せる音源エンジンに仕上がっています。


オシレーターは1つでもOSC Modというモジュレーションを組み合わせることで、より複雑なサウンドを作り出せる構造に

--そこまでシンプルなパラメーター構成にこだわる理由というのは、どこにあったのでしょうか?
金森:私自身、ELECTRIBEの初代機やEMXを担当していたこともあり、このプロジェクトに呼ばれたので、その頃の感覚を思い出しながら仕様検討に参加しました。やはり、こうした機材は簡単にしないとユーザーに面白さが伝わらない。複雑なものはいくらでも作れるけど、それだと喜んで使ってもらえないんですよ。ELECTRIBEの面白さはなんといっても、曲を作っている過程でどんどん楽しくなってのめりこんじゃうところ。そういうインターフェイスに落とし込みたいという思いで全体のバランスを調整しました。


サウンドを担当した金森与明さん

--確かに、ウェーブテーブルの波形が出てくると、最初難しいのかな……と思いましたが、想像以上に簡単に使えて楽しいですね。
金森:プリセットの音色を使っていただくだけでもよいですが、そのプリセット状態のままウェーブテーブルを差し替えるだけでも、まったく違う音に変化するので面白いですよ。ウェーブテーブルにPOSITIONというパラメータがあり、ウェーブテーブルのどこを鳴らすのかを指定します。それに対してモジュレーション=LFOやEGを使うことで動きのある音が生まれます。またLFOの波形としてはノコギリ波、矩形波、ランダムなど5種類がありますが、SHAPEパラメータを動かすと波形自体が変化するような遊び心を持ったLFOになっています。


MODULATION=LFOのモジュレーション先にPOSITONを選ぶことで、波形をウニュウニョさせられる

--このウェーブテーブルシンセ、かなり攻撃的なサウンドまで作れますが、ELECTRIBE Waveを開発する上で、一番苦労した点というとどこですか?
小野:シーケンサをどういう仕様にするか、どう見せるかという点は苦労しました。ステップシーケンサでありつつもポリフォニックですので…。
金森:和音が鳴らせるシーケンサというとピアノロールになっちゃうところですが、ステップシーケンサ自体がELECTRIBEの大きな特徴の1つです。選んだステップに何のノートを入れていく、そのステップでの各音共通のゲートタイムとベロシティを設定するというもの。最初は岡村が「こんなのはどうだろう?」と持ってきたのですが、既に完成度が高い状態でした。あとはそれをブラッシュアップし、UIを変えたりして調整しました。


ポリフォニックで打ち込める16ステップのシーケンサ

--ウェーブテーブル、かなりたくさん搭載されていますが、これはどうやって作成したのですか?
金森:70種類の波形を搭載しています。計算で作ったものもありますが、ウェーブテーブルを得意とする外部のクリエイターさんにも協力してもらって集めました。見ていただくとわかるとおり、前半は基本波形で、後半にはさまざまなものが入っており、かなり攻めた波形までありますよ。「あ・い・う・え・お」とウチの社員の声をサンプリングして変換したものもあれば、KORGという文字のロゴを波形にしたものなんかも……。このロゴも、結構ユニークな音が出るんですよ。


70種類のウェーブテーブルが収録されており、その70番目がKORGロゴを波形にしたもの

--このウェーブテーブルのシンセを1つ鳴らすだけでもかなり処理能力が必要なように思いますが、それをポリで鳴らせ、ユニゾンもあり、しかも8パートも出るわけですよね?相当な上位機種じゃないと動かせないのでは?
金森:DSP担当である阪上が相当頑張ってくれたおかげもあり、かなり複雑な処理をしつつも、高音質を維持しながら動作する音源システムに仕上がっています。
岩田:基本的に64bitのiOSが使えるiPad Air以上のマシンなら、どれでもフル機能動かすことができるので、iPad mini 2でも動きますし、iPhoneならiPhone 5s以上、また第6世代iPod touchでも使うことが可能になっています。


プロモーション担当の岩田昌樹さん

--画面を見るとほかにもいろいろな機能がありますよね?
小野:例えば、シンセ画面ではスケールに沿って演奏できるキーボードと自由に割り当て可能なコードパッドを搭載しています。鍵盤が苦手な人や初めて作曲をする人でも簡単に曲作りが始められるように工夫しました。画面右上のボタンからはおなじみのKAOSSPADが出てきます。これもデフォルトで面白い組み合わせのパラメーターを準備してありますので、ぜひ遊び倒してください。


おなじみのKAOSSPADを使うことで鍵盤を弾けない人でも自在に演奏できる

また、今回パラメーターの動きを記録できるMOTION SEQUENCE用のページを用意しました。指でなぞって大まかな流れを描いたり、フリックすることで微調整することもできます。これによってMOTION SEQUENCEに今までにない自由度を得られ、より楽しいものにすることができたと思います。


パラメーターの動きを記録できるMOTION SEQUENCE

--よかったら、開発者おすすめのELECTRIBE Waveの上手な使い方についていくつかポイントを教えていただけませんか?
小野:UTILITYの画面を開くと、シンセ×8、ドラム×8の各シーケンス内容が表のような形で表示されます。この画面で自由自在にコピー&ペーストできるのも曲を作る上で便利ですよ。単純に1つずつシーケンスパターンをコピーしてもいいし、シンセパートを他のパートにもっていくとか、3小節目を全部消すなど、いろいろなシーンを想定して開発しました。iOSアプリならではの直感操作を実現できたと思っています。


シーケンス内容を自在にコピー&ペーストなどができるULITIY画面

岩田:例えば、コード・パッドは結構便利に使えます。これはパッドを押せば、指1本でだけでコードが鳴るというものなのですが、もっと制作スピードを格段にアップする新機能が搭載されています。ある程度、曲の構想が固まったタイミングで「FETCH ボタン」を押してみてください。すると、これまで打ち込んできたステップ・シーケンサの内容を解析した上で、最適なコードを抽出し、それを各パッドに自動で割り当ててくれるので、アルペジエーターなどと組み合わせていい感じに使うことができるんです。


左下のFETCHボタンを押すと、シーケンス内容が解析されコードとしてパッドに割り当てられる

小野: 他にも、今回このアプリ単体で曲作りが完成できるように、SONGモードを準備しました。これはパターンを並べて再生するモードで、並べたパターンをwavファイルとして書き出すことも可能です。並べた各パターンにMUTEの情報をもたせることができるので、パートの抜き差しで1つのパターンから曲を展開させるのも簡単にできます。


パターンを並べてソングを作ることができる

--シーケンス機能の便利な使い方なんてどうでしょう?
小野:先ほどはシンセのシーケンス機能について主に紹介しましたが、ドラムのシーケンス機能にはグルーブ機能というものが用意されています。ある程度打ち込んだ上で、GROOVE TYPEを選び、DEPTHを上げていくことで、ベロシティの強弱をつけるとともに、発音タイミングをズラすことが可能になります。ベロシティを1つ1つ調整するのは難しいけれど、これなら簡単にいいフレーズが作れちゃうので、ぜひ、うまく使っていただきたいですね。


ドラムのシーケンスデータに自動で抑揚やノリを出すことができるグルーブ機能

岩田:もう一つアピールしたいのが、コルグ・ネイティブ・モードへの対応です。nanoPAD2を接続すればパッドをドラムやコードの入力に、XYパッド部分をKAOSSPADとして設定不要で使うことが可能です。また、nanoKONTROL2を接続すると、ミキサーのコントロールができます。さらに、ぜひ使っていただきたいのが、Bluetooth接続のnanoKEY StudioとnanoKONTROL Studioです。同じくノブやスライダー、XYパッドなどが自動で最適化され、しかもワイヤレスなので、場所を選ばずに制作できるようになります。まさにELECTRIBE Waveを手で触る感覚で利用できるので便利です。


Bluetooth接続のnanoKEY StudioとnanoKONTROL Studioを使うことで有機的に接続してコントロールできる

--こう伺うと、もっといろいろと試してみたくなりますね。
金森:ELECTRIBE Waveは、まだまだアップデートしていく予定です。例えばウェーブテーブルは追加オプションで増やしていくつもりですし、新機能もいろいろと計画中です。たとえば、Ableton Liveへのエクスポート機能を追加させるなど……。
小野:ユーザーのみなさんからのご意見も取り入れつつ、さらにもっと面白いものへと進化させていきますので、ご期待ください。


KORG ELECTRIBE Waveは今後もまだまだ進化していく、という

--ありがとうございました。

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KORG ELECTRIBE Wave製品情報