数多くのDTM製品を手掛ける中国のMiDiPLUS、2019年春には大半の製品が国内発売へ

これまでDTMステーションで何度か取り上げてきた中国・台湾系のメーカーであるMiDiPLUS。キーボードやオーディオインターフェイスなど、かなり質の高い製品を安価で出しているし、デザイン的にも洗練されているので、従来の中国系製品とは一線を画すDTM機材という印象を持っていました。ただ、これまで国内で流通している製品数が少なかったので、とても小さいメーカーだとばかり思っていたのですが、実は数多くの製品群を持つ結構大きいDTM機材メーカーのようなのです。

先日、上海で行われたMusic Chinaの会場でMiDiPLUSのブースが出展されると同時に、新製品発表会も開催されていました。ここでは、かなり不思議なオーディオインターフェイスが発表されていましたが、MiDiPLUSの社長である黄健恒さんにもお会いすることができ、いろいろなことを伺うことができました。実際、どんなメーカーなのか紹介してみましょう。


MiDiPLUSは数多くのDTM機材を開発、製造している中国メーカーだった

日本国内では、1万円のセミナーに参加すると、MIDIキーボードなどがもらえる、というユニークなプロモーションを展開していることでも知られるMiDiPLUS。先日も「1万円でDTM機材がもらえる特別セミナーが帰ってきた!MiDiPLUSとAudiostockがタッグを組んだ実践編、音楽を『作る』から『ビジネス』にするまで」という記事で11月、12月にセミナーが行われることを紹介したばかりです。


Music ChinaでのMiDiPLUSのブース

現時点で日本国内で流通しているのはミニ鍵盤のUSB-MIDIキーボードのX miniシリーズX2 miniX3 miniX4 miniX6 mini、またフル鍵盤のX6(61鍵盤)およびX8 (88鍵盤)、そしてオーディオインターフェイスのSTUDIO mSTUDIO 2となっていますが、MiDiPLUSの展示ブースを見ると、ほかにも数多くの製品がありました。

赤と白のボディーのX PROシリーズ。手前が61鍵のX6 PRO、奥が88鍵のX8 PRO。ともにGM音源内蔵

鍵盤系でいうと赤と白のツートーンカラーで目立っていたのが新製品のX PROシリーズ。やはり61鍵盤のX6 PROと88鍵盤のX8 PROというものがあり、X6やX8の色違いのようにも見えるのですが、これらはGM配列128音色の音源入り。つまりUSB-MIDIキーボードであると同時に、これ単体で演奏することもできるわけです。価格的にはX6 PROで1,999元≒32,000円とのことでしたから、ちょっと良さそうだな、という印象を持ちました。


ピアノ音源を搭載したPOP PIANO

そのほかにもピアノ音源だけを乗せた88鍵盤のPOP PIANO(約28,000円)、中国国内市場向けではありますが、HANKELZという家庭用電子ピアノなども展示されていました。


中国国内向けの家庭用電子ピアノ、HANKELZ

一方オーディオインターフェイスのほうでは、2IN/2OUTのStudio 2の上位バージョンである4IN/4OUTのStudio 4、展示はされていなかったものの6IN/6OUTのStudio 6といったものもあるんですね。


4IN/4OUTのオーディオインターフェイス、Studio 4

さらにXシリーズやX miniシリーズに限らず各種USB-MIDI機器のUSBホストとして使えるminiEngine USBおよびminiEngine Proといった製品があったのも面白いところ。つまりPCがなくても、これらUSB-MIDI製品をMIDIキーボードとして使えるようにする機材なんです。ありそうでなかったアイテムではないでしょうか?


USBホストとなるminiEngine USB(左)とminiEngine Pro(右)

また、音質についてはチェックできていませんが、MIシリーズというモニタースピーカーも出していました。モニタースピーカーの場合、あくまでも出音がすべてではありますが5インチのMI5は見た目にもよさそうで、ペアで16,000円程度、3インチのMI3なら12,000円程度と手ごろな価格。機会があれば、音を聞いてみたいところですね。


5インチのモニタースピーカー、MI5

そうした製品群がある中、、今回新製品として発表されたのが、かなり奇抜ともいえるデザインの2つのオーディオインターフェイス、MIRRORVINTAGE


Music China内で中国のWebサイト、MIDI FUNが主催する音楽実験室という会場で発表会が行われた

いずれもスペック的には2IN/2OUTのUSBオーディオインターフェイスで、コンデンサマイクでもダイナミックマイクでも接続可能なコンボジャックが一つ、ギター接続が可能なPhoneジャックが1つ装備しているで、特に珍しいものではありません。Studio Mと似たものと考えてもいいと思います。


斬新なデザインで登場した化粧品パレット風オーディオインターフェイス、MIRROR

ここで注目すべきは、そのデザインです。MIRRORはミラー付き化粧品パレットをイメージしたもので、カラフルなパレットはボリュームや入力ゲインなどをコントロールするツマミになっています。一方、ラジカセというかカセットテープレコーダーをイメージしたデザインなのがVINTAGE。こちらは、ガチャンっと押し込むスイッチで操作できるとともに、カセットテープの右側の穴?のところには、音量の動きが波形表示される形になっています。


カセットテープレコーダー風オーディオインターフェイス、VINTAGE

カセットテープなのに何で左右の大きさが違うの?なんて疑問は置いておいて、だいぶ変わったアプローチをしてきているんですよね。でも、そもそもこれらのデザインのオーディオインターフェイスは誰に向けた製品なんでしょうか?

実はこれらは音楽制作用とはちょっと異なり、ネット放送ユーザーに向けた製品のようなんです。日本でいうところのニコニコ生放送とかSHOWROOMに近いものが、大流行している中国。歌ったり、お喋りするのを放送するわけですが、お気に入りの人に投げ銭するシステムもあって、人気のある人だと、これでひと財産稼いでいるんだとか……。


MIRRORのリアパネル。USB接続でマイク入力とギター入力が1つずつというシンプルな構造

当然、そうしたネット放送ではオーディオインターフェイスも画面に映ることがあるため、見た目がカワイイもの、カッコイイものが求められており、そうしたニーズに応えたのがMIRRORやVINTAGEというわけなんですね。


VINTAGEのリアパネル。基本的なスペックはMIRRORとほとんど変わらない

さらに、この発表会においては、中国メーカー初というショルダーキーボード、inchargeも参考展示という形でお披露目されていました。先日紹介したAlesisのVORTEX Wirelessや、Rolandが先日発売したAX-Edgeと比較してしまうと、かなりイマイチなデザイン……という気はしますが、この辺は発展途上として見ておくのがいいのかもしれませんね。


参考出品の形で発表された中国メーカー初のKeytar、incharge

ところで、このMiDiPLUS、以前「台湾メーカーのMiDiPLUS、日本上陸。コストパフォーマンス高いMIDIキーボード、オーディオインターフェイスを発売」という記事で紹介したときは、タイトルの通り、台湾の会社だと思っていたのですが、会場でお会いした社長の黄さんによると、現在は中国の会社なのだとか……。


MiDiPLUSの社長、黄健恒さん

「MiDiPLUSは確かにもともとは台湾の会社でした。しかし2011年に中国の龍健集団(LONGJOINグループ)が買収し、現在は開発、生産とも中国で行う中国のメーカーになっています。実際、キーボードのXシリーズやオーディオインターフェイスのStudioシリーズ、そしてMIRROやVINTAGEなども、すべて中国での開発・設計、生産となっています」と黄さん。

ただ、中国以外への流通は今も台湾の会社が握っているとのことで、海外からは台湾の会社のように見えてしまっているようです。ちなみに日本のMiDiPLUS Japanは中国MiDiPLUSの子会社というわけではなく、国内輸入代理店の位置づけ。そのMiDiPLUS Japanによると、まだ取り扱っていないMiDiPLUS製品も2019年春までにはほぼ全製品を国内販売できるよう、準備を進めているとのことでした。


Music Chinaのブース内には、龍健集団の会長、陳逸さんもいたのでちょっとだけご挨拶

ここでちょっと気になったのが龍健集団とはいったい何だ?ということ。Music Chinaでのブースも龍健集団のブース内にMiDiPLUS製品が置かれていた格好だったのですが、この点についても黄さんに伺ってみました。

龍健集団は、中国広東省の東莞(ドンガン)市に本社がある楽器、オーディオ機器、アンプなどの製造を中心とする会社で東莞に1,000人の工場、堪江(ジャンジアン)市に500人の工場を持っています。具体的にはKORG、novation、AKAI professional、Alesis、M-AUDIO、LINE6、Arturia、Mackieなどの製品の製造、モノによっては開発まで行っています。ここが自らのブランドを立ち上げていこうということで、台湾の会社を買収したのがMiDiPLUSというわけなんです」と黄さん。なるほど、MiDiPLUSはそうした背景があるわけですね。


MiDiPLUSは龍健集団のブース内に構える形となっていた
MiDiPLUSも龍健集団と同じ東莞にあり、現在50人ほどの従業員がいますが、そのほとんどは開発・設計を行うエンジニアであり、生産を龍健集団に委託するという形態をとっています。実は私自身ももともと自分の会社を立ち上げてMIDI機器の開発などを行っていましたが、2009年に会社ごと龍健集団の傘下に入り、ここがMiDiPLUSと併合したわけです」と黄さんは説明してくれました。さらに「今後も、高品質で低価格なDTM関連製品をいろいろと開発していく予定です。ぜひ日本のユーザーのみなさんにも使っていただければと思います」と黄さん。

ここで提示されていた価格は中国国内価格なので、日本での値段はもう少し高くなる可能性はありそうですが、国内で発売されたら、ぜひまたレビューしてみたいと思っています。

【関連情報】
MiDiPLUS Japanウェブサイト
【価格チェック・購入】
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