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定番ミニキーボードの最新作MPK Mini IVが誕生。新音源Studio Instrument Collectionとセットで16,800円!? MPC伝統のレトロカラーも

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DTMの定番MIDIキーボードとして、長年にわたり多くのクリエイタに愛用されてきたAkai ProfessionalMPK Miniシリーズ。その最新モデルとなる「MPK Mini IV」(16,800円税込)が、10月15日に発売されました。カラーリングは、MPK Miniシリーズ定番のブラックのに加え、往年の名機MPCシリーズを彷彿とさせるレトロな雰囲気のグレーカラーの2色展開。これまでのジョイスティックに代わり独立したピッチベンド/モジュレーションホイールが搭載されたほか、キーベッドも刷新され、演奏性が大きく向上しています。また、視認性の高いフルカラーディスプレイや、ハードウェア音源との連携を可能にするフルサイズのMIDI OUT端子も搭載。

ほかにもStudio Instrument Collectionという、AIR、Akai Pro、Moogから追加された1,000以上のサウンドを収録したバーチャルインストゥルメントも付属しています。このStudio Instrument Collection自体は、今回新たに作られた新音源となっており、合計約40万円ほどの複数の音源の一部を収録。MoogのMarianaやAIRのOPx-4など、あらゆる音色を収録しており、これ一つで楽曲制作は十分、おまけレベルではない音源が付属しています。MPK Mini IVとStudio Instrument Collectionの2つで、16,800円(税込)はかなりオトクなので、その詳細について紹介していきましょう。

Akaiの最新技術が詰め込まれたMPK Miniシリーズの新作「MPK Mini IV」が発売スタート

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シリーズの新たな節目となる第4世代モデル「MPK Mini IV」

コンパクトな筐体に音楽制作に必要な機能を凝縮し、初めてのMIDIキーボードとしてもおすすめできる、世界中のクリエイタから愛用されてきたAkai ProfessionalのMPK Miniシリーズ。通常MIDIキーボードというと、鍵盤がメインで、あとは少しのツマミがついているものが多いですが、MPK Miniは加えてパッドや自由にパラメータをアサインできるノブを搭載しているのが特徴で、まさにオールインワンのMIDIキーボードとなっています。

よりスタイリッシュなデザインとなった

そんなMPK Miniは、今回で4世代目。ちなみに、これまではMPK mini MK3といった「MK」というナンバリングだったのですが、今回からMPK Mini IVというローマ数字の「IV」へと名称が変更されました。この点からも、本製品が単なるマイナーチェンジではなく、大幅なアップデートが施されたモデルであることがうかがえますね。カラーバリエーションは、MPK miniの定番カラーブラックに加え、MPC60やMPC3000といった名機のカラーリングを意識したグレーの2色展開となっています。

ブラックとグレーの2色展開

演奏表現と操作性を高めるハードウェアの刷新

MPK Mini IVが前モデルから最も大きく進化した点は、演奏性にかかわるハードウェアの設計にあります。まず、これまでMPK Miniを愛用してきたユーザーが注目するのは、ピッチベンドとモジュレーションのコントローラですかね。前モデルMPK mini MK3では省スペース化のため赤いジョイスティックが採用されていましたが、MPK Mini IVでは独立したリアルなピッチベンドホイールとモジュレーションホイールに変更されました。ジョイスティックでは難しかった、ピッチとモジュレーションの同時操作も可能となり、シンセサイザなどの演奏において、より細やかで音楽的な表現が行えるようになりました。

赤いジョイスティックタイプから、通常のピッチベンドホイールとモジュレーションホイールに変更された

また鍵盤自体もアップデートされ、第3世代となる新開発のキーベッドが採用されています。25鍵のミニ鍵盤は、前モデルよりもタッチが改善され、鍵盤のストロークも深くなりました。これにより、弱いタッチから強いタッチまで、意図した通りのダイナミクスをより正確に打ち込めるようになっています。もちろん、オクターブの上下ボタンも装備されており、10オクターブの音域をカバーしていますよ。

第3世代となる新開発のキーベッドが採用された。MPK mini MK3(上)とMPK Mini IV(下)

MPCパッドについては、ベロシティに対応したRGBバックライト付きのパッドが8つ搭載されている点は従来通りですが、MPK Mini IVでは新たにプレッシャ、いわゆるアフタータッチにも対応しました。これにより、パッドを叩いた後に押し込む力の強弱で、フィルターを開いたり、音量に変化を加えたりといった、より表現力豊かなビートメイキングが可能になりました。

パッドは2つのバンクを切り替えることで、合計16個のアサインが可能

さらに、MPCシリーズから受け継がれてきた伝統的な機能も引き続き搭載しています。たとえばNote Repeat機能は、パッドを押し続けるだけで、設定した音符の長さでサウンドを連打させることができるため、ハイハットの細かい刻みやスネアロールなどを簡単に作成できたり、叩く強さに関わらず常に最大ベロシティで発音するFull Level機能も搭載していますよ。

MPK mini MK3(上)とMPK Mini IV。サイズは少し大きくなっている

またMPK mini MK3では白黒の有機ELディスプレイでしたが、MPK Mini IVでは新たにフルカラーのディスプレイが搭載され、視認性が大幅に向上しました。その横にはプッシュ機能付きのナビゲーション/メニューエンコーダが配置され、ディスプレイとエンコーダが連動することで、プリセットの選択や各種パラメータの調整などを直感的に行うことができます。

フルカラーのディスプレイが搭載された

さらに、MPK mini MK3では専用ボタンがなかったDAWのトランスポートコントロールですが、MPK Mini IVでは独立した再生、停止、録音ボタンが追加されました。これによりDAWの基本操作がよりスピーディーに行えるようになりました。また、ノブやパッドへのMIDI CCアサインなどをカスタマイズして本体に保存しておけるユーザープリセット機能も搭載されており、DAWや使用する音源に合わせた自分だけのセッティングを瞬時に呼び出すことができますよ。

各種トランスポートボタンが追加された

パフォーマンス機能の搭載。スケールモードとコードモードの追加

そしてMPK Mini IVは、音楽理論の知識がなくても、音楽的なフレーズを効率的に生み出せるようサポートする、パフォーマンス機能が多数搭載されているのも大きな特徴です。今回のモデルでは、新たにスケールモードとコードモードが追加された点も大きなポイント。また、以前のモデルから搭載されていたアルペジエータ機能も、大幅に強化されています。

新たに追加されたスケールモードは、指定したキーとスケール、つまり音階から外れた音が出ないようにする機能。たとえばCメジャースケールを選択すれば、どの鍵盤を弾いてもCメジャースケールの構成音だけが鳴るため、アドリブ演奏などで音を外してしまう心配がありません。同様に、コードモードを使えば、鍵盤を一つ押すだけで、メジャーやマイナーといった和音を鳴らすことができます。これにより、コード進行の知識がなくても、パッドや鍵盤を使って簡単にバッキングトラックを作成することができますよ。

アルペジエータやスケールモード、コードモードなど、パフォーマンス機能も充実している

またシリーズの伝統ともいえるアルペジエータ機能は、今回さらに強力なものへと進化しました。従来のアップ、ダウンといったシンプルなパターンだけでなく、より複雑なリズミックパターンを生成する「Pattern」機能や、アルペジオの特定の状態を保持する「Freeze」機能、そしてパターンを予期せぬ形に変化させる「Mutate」機能などが追加されています。

外部機器との連携を可能にするMIDI OUT端子の搭載

PCとの接続端子は汎用性の高いUSB-Cに変更されたことに加え、このクラスのMIDIキーボードとしては珍しく、フルサイズの5ピンMIDI OUT端子が新たに搭載されました。また、サステインペダルを接続するための1/4インチTS端子も引き続き装備されています。

USB-Cに変更され、フルサイズの5ピンMIDI OUT端子が新たに搭載された

一時期は、この5ピンMIDI端子は減っていた印象ですが、最近になってまた増えてきましたね。このMIDI OUT端子があることで、PCを介さずにハードウェアのシンセサイザや音源モジュールを直接演奏することがとなっており、先ほど紹介したスケール機能やコード機能、アルペジエータ機能も外部音源に対して使うことが可能です。PCとハードウェアを組み合わせたハイブリッドな制作スタイルにも対応できるようになりました。

片方はL型のUSBケーブルが付属している

おまけレベルではない、強力な音源を統合した「Studio Instrument Collection」が付属

冒頭にも書きましたが、MPK Mini IVには新しく開発されたバーチャルインストゥルメント「Studio Instrument Collection」が付属しています。これは複数の音源が個別に入っているわけではなく、AU/VST3プラグインおよびスタンドアロンで動作する、一つの統合型ソフトウェア音源となっています。

1,000種類以上のプリセットが収録された、軽快に動くStudio Instrument Collectionが付属している

まさにNative InstrumentsのKOMPLETE KONTROLのような形で、Studio Instrument Collectionは、プレイヤーのようなソフトウェアであり、その内部にAIR、Akai、Moogなどのサウンドエンジンから作られた、1,000種類以上のプリセットが収録されています。しかも、KOMPLETE KONTROLとKOMPLETE KONTROLキーボードのように、Studio Instrument Collectionの各種パラメータは、MPK Mini IVのツマミに自動アサインされるようになっています。

MPK Mini IVを接続していれば、8つのツマミに各種パラメータが自動でアサインされる

MPK Mini IVのナビゲーション/メニューエンコーダーを回せば、ソフトウェアのブラウザが連動し、手元で音色をスムーズに選択でき、そして、選択したプリセットの主要なパラメータ、たとえばフィルターのカットオフやレゾナンス、エンベロープのアタックやリリースといった項目が、自動的に8つのアサイナブルロータリーノブに割り当てられるのです。これにより、マウスを一切使わずに、ハードウェアシンセサイザを操作する感覚で音作りを楽しむことができますよ。

ブラウズ機能も優秀で、楽器や雰囲気からでも、目的の音色を探せる

Studio Instrument Collectionに収録されているプリセットは、単体で販売しているソフトウェア音源の一部がピックアップされた形となっており、プリセット名での判断ですが、おそらく以下の製品が元となっています。

音源名 通常価格
Hype 26,931円
Fabric 44,886円
Jura 26,931円
OPx-4 26,931円
Solina 26,931円
Mellotron 26,931円
TubeSynth 17,776円
Bassline 17,776円
Mini D 17,953円
Electric 17,953円
Mariana 17,600円
Odyssey 26,931円
Organ 26,931円
Stage EP 26,931円
Stage Piano 26,931円
Studio Strings 26,931円
合計 403,254円

ここに挙げた以外にも、Vintage Jup、Vintage Memorymoog、Vintage Proなどが用意されており、とりあえずStudio Instrument Collectionがあれば、音楽制作の音色には困らないと思いますよ。上記の市販音源だけでも、合計するとMPK Mini IVの本体価格をはるかに超える価値となっているので、そのオトクさは伝わると思います。

8つのパラメータだけでも十分に音作りを行うことが可能

UIは洗練されていて使いやすいし、出音もよく、初心者だけでなく、プロも納得の音源だと思います。パラメータ自体は主要な8つしか操作できないようになっているので、0から細かく音作りをしたい、という方には不向きかもしれませんが、プリセットを選んで、自分の作品に合うような調整をしたいという方にとっては、バッチリな音源となっていますよ。

ちなみにStudio Instrument Collection以外にも、Ableton Live Lite 12のライセンスやキーボードやパッドの演奏スキルを向上させるためのレッスンソフトMelodicsや、膨大なサンプル音源ライブラリを利用できるSpliceのフリートライアルも付属しています。またDAWとの連携も強力で、Ableton Live、Logic Pro、FL Studio、Bitwig、Cubaseといった主要なDAWとは、専用のスクリプトによって複雑な設定なしに連携が可能。MPK Mini IVをUSBケーブルで接続するだけで、DAWのトランスポートコントロールなどが自動的に割り当てられ、すぐに制作に取り掛かれるようになっていますよ

以上、Akai Professionalの新しいコンパクトMIDIキーボード、MPK Mini IVについて紹介しました。定評のあったコンパクトな設計はそのままに、演奏性を向上させるピッチ/モジュレーションホイールの搭載、プレッシャ対応MPCパッド、視認性の高いカラーディスプレイ、そして制作の幅を広げるMIDI OUT端子の追加など、ハードウェア面で着実な進化を遂げていました。MPK Mini IV単体だけでも、十分なコスパですが、さらにStudio Instrument Collectionが付属しているのは、流石に驚きです。持っていて損のない製品となっているので、ぜひMPK Mini IVの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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MPK Mini IV 製品情報

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コメント

  1. 新井鉄夫 より:

    詳細な記事をいつもありがとうございます
    キーのトランスポーズは本体でできるのでしょうか?
    もしわかればお答えいただければ幸いです
    まだ、メーカーのホームページ探したのですが、記載がなかったので‥