男モノの使える音源、VOCALOID、VOICEROIDが揃って誕生

先日、AHSよりVOCALOID(ボーカロイド)およびVOICEROID(ボイスロイド)新製品が揃って発表され、それぞれ10月29日より発売されることになりました。VOCALOIDはVOCALOID4対応の「氷山(ひやま)キヨテル ナチュラル」、「氷山キヨテル ロック」、「歌愛(かあい)ユキ」の3製品、そして、VOCEROIDのほうは「水奈瀬(みなせ)コウ」のそれぞれです。

歌愛ユキ」を除けば、いずれも男性ボイスで歌うソフトしゃべるソフト。とくに「水奈瀬コウ」は、ありそうでなかった男性ナレーションがすぐにできるソフトとして注目を集めているようです。実際の発売を前に各ソフトを入手して試してみたので、どんなものなのかを簡単に紹介してみたいと思います。

男性ボイスのVOCALOID、VOICEROIDが揃って10月29日より発売に


VOCALOIDは知ってるけれど、VOICEROIDってのは初めて聞いた」なんて方も少なくないと思うので、まずはVOICEROID製品のほうから紹介してみましょう。VOICEROIDは株式会社エーアイが開発し、株式会社AHSが企画と販売をする「しゃべるソフト」です。

これまでAHSでは、数多くのラインナップのVOICEROID製品をリリースしてきましたが、最新の音声合成エンジンを搭載し、いろいろな便利な機能を搭載したのが「VOICEROID+ EX」というバージョン。今回発売された「水奈瀬コウ」もVOICEROID+ EXとして登場したもので、正確な製品名としては「VOICEROID+ 水奈瀬コウEX」となっています。


新たに誕生した「VOICEROID+ 水奈瀬コウEX」のインストール画面

細かな機能はともかく、まずは、以下のビデオをご覧ください。先日書いたDTMステーションの記事を単純にそのままコピー&ペーストして、再生ボタンを押しただけです。

どうですか?かなりの精度だと思いませんか?個人的には、キャラクタの水奈瀬コウの頬杖ついたような体勢でしゃべる態度が、やや気に食わない気もしたのですが、実はこのキャラクタが世の中的にはすごくウケているんだとか……。カズキヨネさんという人気絵師さんが描いたキャラクタで、このキャラクタ目当てに買いたいという人も結構いるそうですよ。もちろん、キャラクタが不要であれば、消すこともできますからね。

キャラクタが表示されないモードで使用することもできる

まあ、そうしたキャラクタはともかくとしても、男性の声で、普通にしゃべってくれる精度の高い音声合成ソフトというのは、活用範囲は広そうです。ビデオやちょっとした映像作品にナレーションを入れる際にも重宝しそうです。さらにパラメータの調整によって、音の高さなど細かく設定することもできるので、頑張れば歌わせることもできますよ。音楽作品作りのバリエーションを増やすという意味でも、ひとつ持っていて損はなさそうですよね。


必要に応じて、しゃべり方を細かく調整することも可能 

ちなみに女性ボイスのVOICEROID+EXは、「音声合成ソフト、VOICEROIDが高音質化、高性能化を実現!」という記事でも紹介していた通り、「結月ゆかり」、「東北ずん子」、「民安ともえ」、「琴葉茜・葵」などいろいろあるので、用途に合わせて選んでみるといいと思います。

なお、水奈瀬コウがどうしゃべるかについては、AHSの水奈瀬コウの紹介サイトで、簡単な体験ができるようになっています。製品と比較すると音質が落ちたり、できることに制限もあるのですが、その雰囲気は十分に体験できるはずですよ!


新VOCALOID4音
源として、ボカロ小学生、歌愛ユキ ナチュラルも誕生

一方、VOCALOIDのほうは、「ボカロ先生」としてお馴染みの「氷山キヨテル」とボカロ小学生として人気の「歌愛ユキ」がそろって従来のVOCALOID2からVOCALOID4へと進化しました。これにより、従来からあったVOCALOID2の「SF-A2 開発コード miki」、「猫村いろは」の4製品すべてがVOCALOID4へとバージョンアップしたわけです。


ボカロ先生、氷山キヨテルのキャラクタ。左がナチュラル、右がロックバージョン

このうち、今回搭乗した「氷山キヨテル」は
・氷山キヨテル ナチュラル
・氷山キヨテル ロック

の2種類の製品へと分化しました。名前からも想像できるとおり、ナチュラルは従来VOCALOID2バージョンを踏襲するもので、ロックはパワフルなサウンドに相性のいい歌声ライブラリとして新たに誕生し、立ち上がりが速く、力強く伸びのいいストレートな歌声となっているのが特徴とのことで、以下のようなデモ曲も公開されています。

タイトル:夜の欠片  作詞・作曲:虹原ぺぺろん(OzaShin) 

ということは、ナチュラルはVOCALOID2のライブラリをコンバートしたもので、ロックはそれに少し手を加えたものなのか…?」と思い、AHSの尾形友秀社長に話を聞いたところ、「ナチュラルも含め、すべてVOCALOID4用に新たにレコーディングしなおした歌声ライブラリなんです。もちろん、まったく違う歌声になってはマズいので、中の人である比山貴咏史さんに、できるだけ当時のことを思い出してもらいながら収録しました」と、今回の開発について明かしてもらいました。
猫村いろはのナチュラルは、VOCALOID2バージョンのパワーアップ版ということで、以前録音したものをベースに追加で収録していきましたが、ボカロ先生はVOCALOID2での雰囲気を最大限残しつつも、まったく新しい音源なんです。両ライブラリともV2と比べて低域高域ともに対応音域がパワーアップしていますが、ナチュラルは低域がより明瞭に高域はきれいに、ロックは全体的にパワーがあるだけでなく、つき抜けるようなハイトーンが特徴となっています」(尾形社長)。

とのことで、実際に試してみると、かなり低い音までキレイに出ることが確認できます。試しにVOCALOID2の「氷山キヨテル」をVOCALOID2用ライブラリにコンバートして歌わせてみると、声がこもってしまって、歌詞がハッキリと聞き取れないんですよね。ここはかなり大きな進化だと感じました。


かなり低い音を歌わせても、しっかりした発声が可能

また、ロックのほうは、声質が元気のあるパワフルな歌声であるのと同時に、結構高い声まで、キレイに伸びていくんですよね。ロックのキャラクタが従来のボカロ先生とずいぶん雰囲気が違うのが面白いところでありましたが、確かにロック調の曲を歌わせるにはとってもいいVOCALOIDに仕上がっています。もちろん、VOCALOID4ですから、グロールパラメータを動かすことで、ダミ声っぽい力の入った歌声にできるのも雰囲気を作りやすい点ですね。


もちろんVOCALOID4だからグロウルを歌わせることも可能 

このロックとナチュラルを比較して試していたところ、明らかに違う、と感じたのは高域の声質の差です。ロックのほうは地声で、かなり高い声まで出る一方で、ナチュラルのほうはF3あたりで声がファルセットになるんですよね。この点についても尾形社長に確認したところ

入力した音程、歌詞によって多少の違いは出るのですが、基本的にナチュラルはF3付近でファルセットに切り替わるのに対し、ロックはそれがC4付近となっています。そのためロックは地声で高い声が出せて、迫力も演出できるんですよ」とのお返事をいただきました。


クロスシンセイシスで歌声をモーフィングすることもできる 

なお、氷山キヨテルのロックとナチュラルの両方をインストールした場合、VOCALOID4ならば、クロスシンセシス機能によってロック・ナチュラル間の声質をキレイにモーフィングでつないでいくことが可能ですから、微妙な声の差をうまく生かしていくこともできそうですね。

実際に、これらのVOCALOID、VOICEROIDをどいう活用するといいのかについては、10月27日の21時から行うニコニコ生放送、「第41回 DTMステーションPlus!」でも特集する予定ですので、ぜひ、そちらもチェックしてみてくださいね。また、10月15日からVOCALOID4の各ライブラリーの体験版が公開されているのでので、発売前に実際の歌声を試してみることができますよ!

【製品情報】
VOCALOID4 氷山キヨテル
VOCALOID4 歌愛ユキ
VOICEROID+ 水奈瀬コウEX

【価格チェック】
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【体験版】
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