PreSonusのUSBミキサー、StudioLive AR8(左)とStudioLive AR12(右)
- StudioLive AR8 USB(49,800円)
- StudioLive AR12 USB(59,800円)
- StudioLive AR16 USB(69,800円)
型番から想像できるとおり、それぞれ8ch、12ch、16ch仕様のミキサーです。中でも8ch仕様のStudioLive AR8 USBはデスクトップに置いてもピッタリなサイズであり、DTM用の入力機材として便利に使えそうです。
StudioLive AR8 USBは各チャンネルのボリュームコントロールがノブになっている
見比べてみると分かるとおりAR12とAR16が60mmストロークのスライダーボリュームになっているのに対しAR8のみはノブになっていることもあって、奥行・横幅ともに30cm程度とコンパクトにまとまっているんですね。
ウチのデスクトップPC環境にStudioLive AR8を設置してみるとこんな感じに。マイクはBluebird SL
多くのUSBミキサーでは、チャンネルがいっぱいあっても、それをミックスして2chになった状態でしか録音することができません。でもDAWを用いて音楽制作をするのであれば、当然別々に録音して、後で、個別に調整したいところですよね。
AR8の場合、付属のStudio One Artistからは、8IN/4OUTのオーディオIFとして見える
そのため、結局ミキサーは買ったけど、使い勝手が悪いために、オーディオインターフェイスに直挿しで使っているという人も少なくないと思います。
もちろんCubaseなどほかのDAWでも利用可能で、やはりマルチポートのオーディオIFとして扱える
でも、このStudioLive AR USBなら、まさにマルチチャンネル入力を持ったオーディオインターフェイスとして使うことができるわけですね。
製品によって搭載されている数は異なりますが、人気の高いPreSounsのクラスAマイク・プリアンプが搭載されているので、ダイナミックマイク、コンデンサマイクを接続して、すぐに録っていくことができます。また各機種の1chと2chはHi-Zボタンを押すことで、ダイレクトボックスを使うことなく、ギターやベースなどを接続できるのも便利なところです。
「レコーディング時にすぐに音を調整できるのはいいけれど、やっぱり後で細かく調整したい」という人もいますよね。そこは大丈夫。オーディオインターフェイスとしてPCに取り込む場合、マイクプリを通った音はそのままの状態でA/Dされてレコーディングされる仕組みになっているので、調整した音はあくまでもモニタースピーカーを鳴らすために機能してくれるというわけですね。
StudioLive AR USBシリーズ3台を並べてみると、大きさの違いが分かる
ただし、EQとは独立する形でLOW CUTも用意されておりこのLOW CUTは通した形でPCへ入ってきます。完全に不要な音はカットできるわけですね。なお、やっぱりEQをかけた音をとりたいという場合は、2ミックスされた最終的な音をレコーディングすることも可能になっていますよ。
この音作りという面においては、本体内部に16種類のプリセットを持つデジタル・マルチエフェクトが搭載されているのも大きな特徴です。具体的には、下記のようなプリセットですが、使い方はいたってシンプル。ダイヤルでプリセット番号を選んでボタンを押すだけ。
なお、この内蔵エフェクトとは別に、AR8には外部AUXセンドが1系統、AR12とAR16には2系統用意されているので、アウトボックスのエフェクトを活用したいという人も、うまく組み合わせて使うことができますよ。
またPCから送った音もこのチャンネルに立ち上がってくるほか、その右にあるSDカードスロットで再生するWAV/MP3ファイルもここにやってくる仕掛けになっています。USBとSDのみ排他の関係になっていますが、すべてがミックスされるので、かなり便利に使うことができますよ。たとえばPCの電源がオフの状態で、iPhoneをBluetooth接続していい音でスピーカーから聴く、なんて楽しみ方もありますからね。
で、そのSDカードスロットがあるというのも、StudioLive AR USBの重要なポイントとなっています。この録音ボタンを押すだけで、このミキサーのメイン出力から出てくる音を、そのままデジタルレコーディングできるようになっているのです。これはオーディオインターフェイス機能とは完全に独立したものなので、フォーマット的には24bit/44.1kHz 2chのWAVに固定されていますが、もしものときのためのバックアップ用などによさそうですよね。
ところで「入力は分かったから、出力はどうなってるの?」と思う方も多いと思います。これは3機種とも共通でメイン出力のほか、コントロールルーム出力、そしてヘッドホン出力と3つが存在しています。基本的には、いずれも同じ信号が出る形になっていますが、ボリュームはそれぞれ個別に調整することが可能です。ただし、各チャンネルにあるPFLボタンを使うことで、メイン出力はそのままに、個別のチャンネルだけをヘッドホンでモニターするといった使い方が可能になっています。
この辺の細かい仕様については、言葉で説明するよりもブロックダイアグラムを見るのが一番早いと思うので、AR12/AR16共通のもの、AR8のものそれぞれを掲載しておきますので、気になる方はじっくりとご覧になってみてください。
上記ブロックダイアグラムはクリックすることで拡大表示させたり、ダウンロードすることも可能なので、ぜひご活用ください。
さて、最後にもう一つ紹介しておきたいのがiOSデバイスとの連携についてです。PreSonusのサイトおよび、国内発売元であるエムアイセブンジャパンのサイトを見ても、これに関する情報がないのです。でもMac用のドライバが不要で、クラスコンプライアントであることが確認できていたので、これはきっと使えるはず……と思って試してみました。
Lightning-USBアダプタ経由でiPhone7に接続してマルチトラックレコーディングができた
以上、PreSonusのStudioLive AR USBについて紹介してみました。この大きさでこれだけの機能を詰め込んだというのは、なかなかインパクトのある製品だと思います。S/Nもよくとっても使い勝手のいいミキサーなので、DTMユーザー用ミキサーとして検討してみてはいかがでしょうか?
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