CDが売れないと言われて久しいですが、それはメジャーレーベルの話。インディーズというか個人レーベルはとにかく活況です。そのCDをアーティスト自身が展示して、手売りする音系・メディアミックス同人即売会、M3に久しぶりに行ってきました。春と秋と年に2回開催されるM3、M3準備会の事務局長によると、「春と比較すると、秋はいつも来場者数が少ないんですよ」とのことですが、会場はこの通りで、まさに人がごった返している感じです。

M3のWebサイトで参加サークル数を数えてみると、ざっと1,200強。今回は抽選に漏れたサークルもかなりいたようなので、出展希望のミュージシャンはどんどん増えているみたいですね。そこに1万人近い来場者が日本全国から集まるのですから、熱気あるのは当たり前。しかも開催時間はいつもと同じように11:00~15:30と4時間半しかないため、売る方も買う方も、みんな真剣です。


CDを買い求める1万人近い人たちがごった返すM3-2014秋の会場
 
そのM3-2014秋の各ブースには、TwitterやFacebookなどでも繋がりのある知人、友人もいっぱい。限られた時間ではありましたが、いろいろ回ってちょっとずつお話をするとともに、写真も撮影させてもらいました。


メインの第一展示場と1F、2Fに分かれる第二展示場を使い、1,200を超えるサークルが出展 

各ブースで販売しているミュージシャンのみなさんに伺ったのは、今回メインで販売しているCDの制作環境について。DAWやオーディオインターフェイスに何を使っているのかなど聞いてみましたので、訪ねた順番にごく簡単に紹介していきたいと思います。

佐野電磁(@sanodg)さん(左)とサイモンガー・モバイル(@smgfnk)さん(右)



M3の会場に入り、さて、どこに行こうかと思った瞬間、目の前にド派手な二人がいました。そう電磁マシマシでお馴染みのDETUNEの佐野電磁さんと、サイモンガー・モバイルさん。佐野さんに、今回のアルバム「KORG DSN-12スーパーユーザーズオフィシャルコンピレション」について制作環境を伺ったのは失敗。DAWは使用せず、DSN-12のみとのことでした!

一方のサイモンガー・モバイルさんの新譜「モバイルファンクの頂点」ではM01Dを音源&シーケンサとして使いつつ、DAWにはiPadのMultitrackDAWとLine6のMobileInを使用して、ボーカルのレコーディング。それを最終的にSONARに持っていってミックスしているとのことでした。

紅い流星(@akairyusei)さん



演奏してみたでご存じの方も多い、紅い流星さんは新譜「東方爆音ジャズ6」を中心に展示していました。MacのProTools10とRMEのFireface UFXでスタジオレコーディングしているとのこと。といってもリハスタに機材を持ち込んでのレコーディングとのことで、ピアノ、サックス、トランペット、ドラム、ベースなどを2日に分けて収録しているそうです。

Dios/シグナルP(@Dios_Signal)さん



M3はまわりにボカロの人があまりいなくてアウェイ感ある」とつぶやいていた、シグナルPさんは夏コミで発表の「ReRections」をメインに。制作はCubase 7.5VOCALOID Editor for Cubaseで行い、ApogeeのSymphony I/Oを使っているとのこと。またミックスはWindows環境のPro Tools HDにHD I/Oという組み合わせ。さらにマスタリングはWaveLab8を使っているとのことでした。

サエキけんぞう(@kenzosaeki)さん



会場を歩いていると、サエキけんぞうさんを発見。直接お話しをしたことはなかったのですが、声をかけさせていただき写真も撮ってきました。今回は新譜「サエキの渋谷系」を携えての自らの販売。サエキさんがDAWを操作して…というわけではなくスタジオでのレコーディングとのことなので、おそらくProToolsを使ってのレコーディングだったのだと思います。一方で、新譜ではないけれどライブもののハイレゾ音源も販売しており、こちらはUSBメモリーでの配布。中には24bit/96kHzのWAVファイルが収められているとのことでした。

とくP(@toku_grnd)さん(左)、mo2(@mo2_hpt)さん(中)、MiLO(@MiLO_flat3rd)さん(右)



M3の第1展示場の一番奥まで行くと、「ガンダムGのレコンギスタ」のオープニング3rdシングル発売目前に控える、とくPさんを発見。今回はHeadphone Tokyoとしての出展とのことで、GARNiDELiAのメイリア(@MARiA_GRND)さんは離席中でしたが、mo2さん、MiLOさんと3人で写真を撮影させていただきました。制作環境を伺ったところ、とくPさんのGARNiDELiAはDAWにLogic、オーディオインターフェイスは主にHD I/Oで制作しているとのこと。またmo2さんも同じくLogicでオーディオインターフェイスはRMEのFireface UCを使っているそうです。

SEXY-SYNTHESIZER(@SEXYSYNTHESIZER)さん(左)、YMCK:Yokemura(@Yokemura)さん(中)、ヒゲドライバー(@higedriver)さん(右)



先日「ファミコン8bitサウンドのフリー音源が64bitに対応だ!」という記事でも紹介したYMCKのYokemuraさんは、チップチューンコラボアルバム「CHIP!」のリリースということで、SEXY-SYNTHESIZERさん、ヒゲドライバーさんと3人でブース出展。Yokemuraさんは、主にLogic9にUA-25という環境で制作していて、音源はほぼMagical 8bit Plugのみで作っているそうです。

一方、SEXY-SYNTHESIZERさんはMacのCubase 7.5MOTU 828という組み合わせで、GameBoyを音源にしているとのこと。またヒゲドライバーさんはCubase 6.5にUS-144mkIIという組み合わせで制作しているとのことでした。

空美魅(@solamiminote)さん(左)、nobmon(@nobmon)さん(右)



シンセサイザを使ったフュージョン系のカッコイイ曲をいっぱい作っているnobmonさんは、今回ボーカリストの空美魅(そらみみ)さんとの共同参加。今回の新作「kahvila nobmo」ではDAWにSONAR X1 Producer、オーディオインターフェイスにUA-25を使って制作。ソフトシンセのほか外部音源にXV-88などを使っているとのことでした。また空美魅さんはCubase SX3とUA-101の組み合わせで、KORGのTritonとKROMEを使ってレコーディングしているとのことです。

土屋実紀(@miki_tsuchiya)さん(左)、関美奈子(@DSDInc_mina)さん(中)、松浦有希(@12bambi12)さん(右)



TVアニメ「キングダム」の音楽などでも知られる作曲家の関美奈子さん。個人的にはDTMステーションPlus!のサポートなどで大変お世話になっているのですが、今回は「ARKHEMINA」という制作プロジェクトの1stアルバムの先行発売とのこと。Vocalでゲスト参加している声優の土屋実紀さんと松浦有希さんと3人で出展。関さんが所属するDIGITAL SONIC DESIGNでのレコーディング、制作とのことで、使っているのはProTools HD11で、オーディオインターフェイスはHD I/Oだそうです。

monaca:factory=10日P(@monaca10p)さん(右)



今回顔出しNGとのことでしたが、第2展示場でお会いしたのはmonaca:factory(10日P)さん。以前Logicを使っていた話は聞いていたのですが、現在はCubase7に乗り換えてVOCALOID Editor for Cubaseとともに使っているそうです。オーディオインターフェイスはFireface UCを使っているけれど、ほとんどがHALionSONICなどのソフトシンセで制作しているため、レコーディングすることはあまりなく、FirefaceはD/A的な使い方になっているそうです。
 

MANYO(@MANYO_arcane)さん


ゲームミュージックの作曲家としても著名なMANYOさんは、新作「バーニシア」の販売ということで、ブースに立たれていました。4時間半ですべて売り切ったとのことでしたが、そのMANYOさんの制作環境はWindowsベースのCubase 6.5にUNIVERSAL AUDIOのApollo 16という組み合わせ。ドラム、ベース、ギターなどは生でレコーディングしているとのことでした。 

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と、M3でお会いした方いろいろな方をご紹介しましたが、実はこうしたCDの販売とは別に企業出展エリアというところもあり、ここにはDTMステーションでもお馴染みの各社がブースを出していたので、その一部をごく簡単に紹介してみましょう。


コルグブースではMIKU STOMPの試奏が可能になっていた

まずは、コルグ。先日「ギターで初音ミクを歌わせるエフェクター、MIKU STOMPの実力」の記事でも取り上げたMIKU STOMPを発売前に試すことができるということで、ずっと順番待ちの列ができていました。


AKAI ProfessionalのブースではEWI5000を使ったライブが行われていた 

AKAI Professional(ニュマークジャパンコーポレーション)のブースでは、EWI5000を使ったライブが繰り広げられており、多くの人が集まっていました。事実上唯一のウィンドシンセサイザーとなったEWI人気は絶大ですね。


TASCAMブースではDTMステーションPlus!でもお馴染みのマーケティング担当・加茂尚広さんがデモを行っていた 

TASCAM(ティアック)ブースでは、先日「TASCAMの新オーディオIF、US-2x2とUS-4x4を使ってみた」でも取り上げた新オーディオインターフェイス、US-2x2とUS-4x4および、間もなく発売されるUS-16x08が展示されていました。これをチェックしにブースを抜け出してくるミュージシャンも多かったようです。


クリプトン・フューチャー・メディアのブースではSONICWIREの音源が展示されていた

クリプトン・フューチャー・メディアは初音ミクV3などのVOCALOID製品ではなく、サウンド素材集「SONIC WIRE」のプロモーションでの出展。膨大なライブラリーとなっているだけに実際の音を確認しにくる人たちも多かったようです。


加々見翔太(中)さんがVOCALOOPのプロトタイプを披露。左はデザイン担当の内田亮太さん、右はハード設計の白川徹さん

一方、企業ブースエリアでお会いしたのが「ボーカルをループさせる新発想の楽器、VOCALOOPとは」で取り上げた、加々見翔太さん。ついにプロトタイプが出来たとのことで、見せてもらいましたが、発売までにはもう少し時間がかかりそうとのことでした。

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