先週KORGが新宿のホテルで新製品発表会を行い、元AKB48松井咲子さんをイメージキャラクタに採用した新デジタルピアノ、G1 Airが発表されました。小さなボディーでありながら大音量が出せるのが特徴で、世界を代表する3つのピアノ音源を搭載したというこのG1 Airは、5月中旬に、実売価格10万円前後で発売されるとのことです。

DTMステーションでは、これまであまり取り上げてこなかったジャンルの製品ではありますが、非常に高品位なサンプリングサウンドであるのと同時に、MIDI、USB、さらにはBluetoothオーディオ接続機能を搭載するなど、DTMに通じる面もいろいろあったので、最新デジタルピアノ事情ということで、G1 Airについて紹介してみたいと思います。


元AKB48の松井咲子さんがイメージキャラクタを務めるデジタルピアノ、KORG G1 Airが発表された 
楽器メーカーの新製品発表会には私もかなり出席させてもらっていますが、1製品の発表でこれだけ多くの人が集まるのは珍しいな……という大盛況のG1 Air発表会。


新宿のホテル 「ハイアットリージェンシー東京」で行われたG1 Airの新製品発表会

やはりシンセサイザやDTM機材と比較して、ピアノというジャンルは裾野が広いということなんでしょうね。また、今回の発表会では、元AKB48の松井咲子さんが生演奏を披露するということもあって、全国の楽器店の方々が集まっていたのかもしれません。


発表会には全国の楽器店などからかなりの人が集まっていて驚いた 

KORGというと、miniloguemonologuevolcaKORG GadgetKORG Moduleといったシンセサイザやシーケンサなどのイメージが強いですが、実はデジタルピアノの世界でもすごく大きな実績があるのだとか。3万円台で購入可能な初心者向けのB1というモデルから、ライブ演奏向けのSP-280、国産でホームユースのLP-380など、さまざまな製品がある中、今回リリースされたG1 AirはKORG製品の中では最高峰に位置づけられるものとなっています。


コンパクトながら、非常に高品位なサウンドが出せるG1 Air 

ちなみに、この階層の中には入っていませんでしたが、KORGではtinyPIANOという単3電池で動く子供用のピアノも出しており、小さいながらも正しい音程、きちんとした音質ということで評判がいいですね。またグランド・ピアノのミニチュアのようなmicroPIANOも人気機種となっています。


G1 AirはKORGのデジタルピアノのフラグシップモデルとして誕生した 

さて、今回の新製品G1 Airの最大のポイントとなるのは世界3大ピアノ音色を収録している、という点。
・ジャーマン・ピアノ
・オーストリアン・ピアノ
・ジャパニーズ・ピアノ
のそれぞれとのことですが、具体的にはSteinway(スタインウェイ)、Bösendorfer(ベーゼンドルファー)、そしてヤマハのそれぞれのコンサート・グランドをサンプリングした音源のようですね。


G1 Airのホワイトモデル 

まあ、DTMの世界にいれば数十GBのサンプリング音源が当たり前のようになってきているわけで、Steinwayのサンプリング音源が載っているから、即飛びつく、という時代ではありませんが、それでも電源を入れれば、すぐに高品位なサウンドで鳴らせるというのは大きな魅力ではありますよね。


ブラックモデル(奥)、ブラウンモデル(手前)もあり、カラーは計3種類

スペックを見ると「4段階ベロシティ・スイッチ」とあり、これは何なんだろう……と思って聞いてみたところ、音の強さが4段階になっているというわけではなく、音の強さによって4段階のサンプリングが行われているので、非常にリアルなサウンドを実現しているそうです。ただし、KORGのモンスターマシン、KRONOSとは違い、全鍵サンプリングというわけではないようですね。

なお、発表会では世界3大ピアノの音色のみが紹介されていましたが、ほかにもサルサ・ピアノ、エレクトリック・グランド・ピアノ、ハープシコード、クラビ、ジャズ・オルガン、ビブラフォン、バイオリン&チェロなど計29音色+3ベースが搭載されています。


本体中央にあるボタンなどを使って音色を選択する 

スペック的には最大同時発音数120。88鍵盤のピアノ音源としては、余裕すぎるスペックかなとも思ったのですが、実は1つの音色で複数オシレーターを使っているものもあるそうです。エレクトリック・グランド・ピアノやクラビなどは1オシレータなので最大同時発音数は文字通り120ですが、ジャーマン・ピアノでは1音色が4オシレーターで構成されているため、最大同時発音数は30になるわけですね。


世界3大ピアノを中心に、いくつかの音色でのデモ演奏がSound Cloudにあるので、これを聴いてみるとG1 Airの雰囲気は掴めると思います。

G1 Airには、もちろんシーケンサ機能も搭載されています。鍵盤を弾いたものをそのまま記録したり、再生することができるもので、2パート・最大45,000ノートを記録したり、再生したりすることが可能となっています。10種類の音色を使った音色デモ・ソングが10曲とピアノ音色を使ったピアノ・ソングが40曲の50曲がデータとして収録されているので、まずはこれを再生してみるところからスタートしてもいいかもしれません。

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2Wayのスピーカー4つを組み合わせて80Wの大出力を実現している

G1 Airのもう一つの大きな特徴として打ち出されていたのが、高出力アンプを採用したスピーカー・システムが搭載されているということです。具体的には20Wのスピーカーが4つ搭載されており、20×4=80W。家庭で使うのであれば、十分すぎる迫力あるサウンドを出すことができ、低音から高音まで表情豊かなピアノサウンドをキレイに表現することが可能となっています。

この小さなボディーで安定した大音量を出力できるようにするため、設計ではかなり苦労した…といったことも説明されていました。確かにサイズ的には横幅1,346mm×奥行384mm×高さ822mmとコンパクトなのですが、広い会場においても、ボリュームを上げていくと、かなりの大音量になることには驚かされました。


RH3鍵盤を採用している 

もう一つG1 Airの特徴として、RH3という鍵盤を採用していることが挙げられます。これはリアル・ウェイテッド・ハンマー・アクション3というもので、KRONOSの88鍵や73鍵、またLP-380などでも採用されていたもの。アコースティックピアノと同様、低音部では鍵盤が重く、高音部では軽くなるキータッチが見事に再現されているんですよね。ピアノのキータッチで打ち込みをしたいという人なら、この鍵盤のためだけにG1 Airを買っても損はないかもしれませんね。


電源を入れなおしてみると、私のiPhoneとも簡単にペアリングできた

ところで、G1 Airという名称のAirの由来は、Bluetooth接続できるところから来ているようですが、今どきの楽器としては、やはり重要なポイントでしょう。つまり、iPhoneやAndroidなどのスマホで再生する音楽を、Bluetooth経由でG1 Airに飛ばして鳴らせるというものです。要するにG1 AirをBuletoothスピーカーしてて利用しようというものです。

スマホから鳴らす音楽に合わせてピアノを弾きたいという場合にはとっても便利に使えそうです。ペアリングはいたって簡単で、電源を入れると1分間ペアリング可能となるので、その間に接続すればいいだけ。もちろん一度ペアリングすれば、それ以降は自動的に接続されますよ。


リアにはMIDIのIN/OUTとUSB端子が装備されている 

さて、ここで気になるのがPCとの接続性です。リアを見るとMIDI IN/OUTの端子とUSBの端子が用意されています。MIDIインターフェイスがあるならMIDIケーブルで接続すればいいし、USBでPCと接続した場合、クラスコンプライアントのMIDI接続となるため、ドライバなしでMIDIのやり取りが可能になります。ただし、Windowsの場合、複数のアプリケーションから同時にG1 Airを制御することができないため、KORG USB-MIDIドライバーをダウンロードして利用することをお勧めします。念のため、G1 AirのMIDIインプリメンテーション・チャートを載せておきますね。


G1 AirのMIDIインプリメンテーション・チャート 

一方、このUSB端子はMIDIのやり取り以外にも、USBストレージ・モードとしてPCと接続することができるようになっています。これはG1 Airの電源を入れる際に、METRONOMEボタンと録音ボタンを押しながら電源ボタンを押すと、このモードとなります。こうすると、PCからG1 Airが一つのドライブとして見えるのですが、ここでやり取りできるのはG1 Airに記録されているシーケンスデータ。MIDIファイルとなっているわけではなく専用データなので、あくまでもバックアップ用途となってしまいますが、バックアップが取れるというのも一つの安心材料にはなりますね。


発表会のスペシャルゲストとして登場したG1 Airイメージキャラクタの松井咲子さん 

さて、この発表会でのメインは、G1 Airのイメージキャラクタに就任した松井咲子さんによる演奏。ビデオ撮影や録音は禁止とのことだったので、ここには載せられませんが、ピアニストとしてかなりの腕前なんですね。


ピアニストとして華麗なる演奏を披露してくれた松井咲子さん 

ステージでは、ジャーマン・ピアノの音色を使ってショパンの『ノクターン』『子犬のワルツ』の演奏をした後、松井さん自身も一番馴染みのある音としてジャパニーズ・ピアノを選択してaikoの『ボーイフレンド』、SMAPの『世界にひとつだけの花』を演奏。


どんな日でも必ず毎日ピアノの練習をしているという松井さん。ぜひG1 Airを存分に楽しみたいと話していた

弾き終えた後、松井さんは「小さい音は繊細に表現できますし、低い音の迫力も出せます。まるでグランドピアノみたいなタッチで弾くことができて、とても心地いいです」とコメントしていました。

【製品情報】
G1 Air製品情報