実売10,800円という低価格で登場したUR12は、iPadとの接続も可能
低価格なオーディオインターフェイスって、樹脂製の安っぽいものが多い中、このUR12はフルメタルのボディーで850g。持ってみるとかなりずっしりときますね。
ヘッドホン出力もミニジャックではなく、標準ジャックが採用されているのもDTMユーザー的には嬉しいところ。中には「ステレオミニがいい」という人もいるかもしれませんが、制作用途なら、やっぱり標準ジャックですよ!ちなみに、ヘッドホンジャック左にあるDIRECT MONITORのスイッチをオンにすることで、マイクやHi-Z端子から入力された音がそのままヘッドホンへ出力されるようになり、レイテンシーのないモニタリングが可能になります。
さて、ここでちょっと比較してみたいのが、同じSteinbergのUR22についてです。UR22は、おそらく今、一番売れているオーディオインターフェイスではないかと思うのですが、実売が税込で15,000円弱というもの。3,000~4,000円程度の価格差となっていますが、これとどう違うのでしょうか?UR22と比較するとUR12の特徴が浮かび上がってきます。
まず2つを並べてみるとわかりますが、いずれも同じメタルボディで、横幅はUR12もUR22もピッタリ同じ。ただUR22のほうが若干奥行があり998gと148g重くなっています。どちらも2IN/2OUTではあるものの、UR22の入力は2つともコンボジャックとなっていて、2chのどちらにもマイクが接続できるほか、2chのほうはHi-Z/Lo-Zの切り替えも可能になっているのがポイントです。
UR12(上)とUR22(下)のリアパネル。UR22はTRSフォン出力でMIDI入出力も装備
モニタースピーカーへの出力であっても、RCAピンジャックで十分ともいえますが、スピーカー出力の音質には絶対こだわりたいというのであれば、やはりTRSフォン出力を持ったUR22のほうに分があると思います。
いずれの製品にもCubase AI 7がバンドルされているので、これを購入するだけでDTMが始められるというのも大きなポイントです。たった10,800円の投資でオーディオインターフェイスもDAWも揃ってしまうのですから、すごい時代になったものです。Cubase AI 7については、これまでDTMステーションで何度も紹介してきていますが、こんなものをバンドルしてしまって大丈夫なのか…と心配になるほど高機能なDAWです。
Cubase AI 7の画面。これだけスゴイ機能を持ったソフトをバンドルして、メーカーとして大丈夫なのか…
すでにCubase Pro 8などを使っている方も自宅のPC用にCubase Pro 8を利用しつつ、ノートPCにCubase AI 7を入れて持ち歩くといった使い方もいいと思いますよ。まあ、ドングルを差し替えればノートPCでCubase Pro 8を使うこともできますが、間違ってドングルを紛失したりしたら、一大事ですからね……。
さて、それではUR22はすべての面でUR12を上回っているのか、というと実はそうではないみたいなんですね。まず1つ目として挙げられるのがループバック機能の有無です。ループバック機能とは、たとえばiTunesで再生している音を音質劣化なしに、オーディオインターフェイスの入力へ送り届ける機能です。たとえば、ニコニコ生放送やUSTREAMなどで放送をしている際に、BGMを流しながらマイクからの喋りを入れるといったことをするための機能ですね。もちろん、カラオケを流しながら、歌ったり、ギターを弾いた音を重ねて放送してしまう…なんてこともできますね。
そこでとった方法は、UR12にACアダプタを接続して電源供給することで、iPad/iPhoneの負荷を減らすというものです。といっても低価格製品であるUR12にはACアダプタは付属していません。そこで、ユーザーが手持ちのiPad/iPhone用のACアダプタとMicroUSBのケーブルを用いて電源供給するという方法ですね。これならみんな持ってますから、簡単ですよね。
2chの入力が必要なのか、TRSフォンでの出力が必須なのか、MIDI入出力が必要なのか、というのがUR22を選ぶかUR12を選ぶかの分かれ目。24bit/192kHzのオーディオインターフェイスとしての音質、性能は十分に満足のいくものだと思います。
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【関連情報】
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Steinberg URシリーズ製品情報