プロになる最短ルート!?レコード大賞受賞者も参加していたプロ作曲家養成講座、山口ゼミ。オンライン授業化で地方からも参加可能に

卒業生からNexTone Award2019でGold賞受賞者が出たり、昨年は初プロデビューした人がレコード大賞を受賞するなど、数多くの実績を上げるプロ作曲家養成講座「山口ゼミ」。山口ゼミとは、音楽プロデューサーである山口哲一(やまぐちのりかず)さんがオーガナイザーを務める講座で、「業界標準、完全プロ仕様」をテーマに、著名な作曲家、アレンジャー、エンジニアなどを講師に招いて実践的で少数精鋭のセミナーを実施するというもの。また、山口ゼミは最近国内でも増えてきたコーライティングを日本で最初に推奨してきた場としても知られています。

その山口ゼミが、コロナ禍においてオンラインでのセミナーに環境を切り替えたことで、状況が大きく変化してきたようです。従来、山口ゼミは都内にある東京コンテンツプロデューサーズ・ラボの教室で開催される形だったので、そこに行ける人のみが参加できるものでした。中には、地方から泊りがけで参加する人もいたようですが、オンラインセミナー形式に変わったことで、地方の方でも参加しやすくなったり、中には海外から参加する人も増えているのだとか…。改めて、この山口ゼミとはどんなもので、なぜここからレコード大賞が生まれたりするのか。そのオンラインセミナーに少し参加させてもらうとともに、山口さんにもお話を伺ってみました。

プロになる最短ルート!?レコード大賞受賞者も参加していたプロ作曲家養成講座山口ゼミ


山口ゼミについて、あらためて簡単に説明すると、これは音楽プロデューサーであり、かつ音楽業界に関連する書籍を多数執筆、業界で圧倒的な人脈を持つエンターテック・エバンジェリスト、山口哲一(やまぐちのりかず)さんが主催する、プロ作曲家養成講座。「業界標準、完全プロ仕様」をテーマに、著名な作曲家、アレンジャー、エンジニアなどを講師に招いて実践的で少数精鋭のセミナーを実施するというものです。

山口ゼミを主宰する山口哲一さんをオンラインでインタビューした

スタートは2013年1月で、これまでの受講生は500名を超えるところまできているとのこと。ユニークなのは山口ゼミの上級コースとして、山口ゼミextendedがあり、さらにその山口ゼミextended修了生からプロとしてのポテンシャルがあると認められた人だけが入れるCWF(Co-Writing Farm)という集団があること。すでに140名を超えたこのコミュニティを中心に、作曲家の大きなネットワークができているそう。


山口ゼミ、山口ゼミexteneded、CO-WRITING FARMの関係

また過去実際の授業しているところに取材しに行った「講座の中で『J☆Dee’Z』のコンペを実施。ソニー・ミュージックのA&Rがデモテープ公開添削を行う、山口ゼミとは」や「プロの現場でのDAW活用のワザをバラしてくれる山口ゼミに潜入してみた」という記事からも分かるように、豪華なゲスト講師が登場するのも山口ゼミの特徴。過去には、ポルノグラフィティ「アポロ」「サウダージ」「アゲハ蝶」、いきものがかり「ありがとう」、広瀬香美「promise」「ストロボ」などに携わったミュージシャン、作曲家、編曲家、音楽プロデューサーの本間昭光さん。miwa「春になったら」、いきものがかり「KISS KISS BANG BANG」、絢香「三日月」、平井堅「いとしき日々よ」、YUI「Feel my soul」、FTISLAND「beautiful」などの代表作がある鈴木daichi秀行さん。ほか多数のメンバーがプロの世界のノウハウを赤裸々に語りつくしています。

これまで山口ゼミのゲスト講師して参加した作曲家や編曲家
遠藤ナオキ Hey!Say!JUMP、AKB48、乃木坂46、郷ひろみなど多くのアーティストへの楽曲提供やアレンジ、舞台「パタリロ!」などの舞台音楽、劇伴制作他。 →遠藤ナオキ
ヤマモトショウ ふぇのたす「スピーカーボーイ」、フィロソフィーのダンス「ダンス・ファウンダー」、寺嶋由芙「ぜんぜん」、YURiKA「ふたりの羽根」他。 →ヤマモトショウ
河田総一郎(Soulife) 遊助「一笑懸命」、J☆Dee’Z「Dream Arch」、Flower「さよなら、アリス」、欅坂46「二人セゾン」、King & Prince「シンデレラガール」他。 →河田総一郎(Soulife)
丸谷マナブ Little Glee Monster「好きだ。夢を歌おう ver.」、三代目 J Soul Brothers「HAPPY 紅白スペシャルバージョン」、AKB48「11月のアンクレット」他。 →丸谷マナブ
多田慎也 AKB48「ポニーテールとシュシュ」、嵐「マイガール」、「Still..」、kis-my-ft2 「Tahnk you じゃん」、ももいろクローバーZ「白い風」他。 →多田慎也
渡辺翔 ClariS「コネクト」、東京女子流「鼓動の秘密」、JUJU「Trust In You」、V6「どうかよろしく。」、AKB48「イイカゲンのススメ」他。 →渡辺翔
本間昭光 ポルノグラフィティ「アポロ」「サウダージ」「アゲハ蝶」、いきものがかり「ありがとう」、広瀬香美「promise」「ストロボ」 他。 →本間昭光
鎌田雅人 hitomi「LOVE 2000」、THE ALFEE、初田悦子「君のママより」、NHK『鴨川食堂』、舞台『THE EMPTY STAGE』 他。
浅田祐介 Chara「Heaven」、キマグレン「LIFE」、Crystal Kay「move on」 他
多胡邦夫 浜崎あゆみ「SCAR」、hitomi「MARIA」、EveryLittleThing「愛のカケラ」、柴咲コウ「眠レナイ夜ハ眠ラナイ夢ヲ」木山裕策「HOME」他。 →多胡邦夫
鈴木daichi秀行 miwa「春になったら」、いきものがかり「KISS KISS BANG BANG」、絢香「三日月」、平井堅「いとしき日々よ」、YUI「Feel my soul」、FTISLAND「beautiful」 他。 →鈴木daichi秀行
Ken Arai フジテレビ『東京リトル・ラブ』、『鍵のかかった部屋』、『失恋ショコラティエ』サウンドトラック。アニメ『寄生獣 セイの格率』、『スタミュ』サウンドトラック他。 →Ken Arai
島野聡 MISIA「つつみ込むように…」、S.E.S「めぐりあう世界」、華原朋美「Summer Vacation」、東京女子流「existence」他。
Ryosuke “Dr.R” Sakai Boys Republic 「Hello Sunshine」、That Poppy 「I’m Poppy」、Flower「モノクロ」、ちゃんみな「FXXKER」、剛力彩芽 他。 →Ryosuke “Dr.R” Sakai
今井大介 倖田來未、BENI、BoA、DaPump、May J. 他。 →今井大介
corin. V6、FTIsland、愛内里菜、山下智久、ジャニーズWEST 他。 →corin.
ヒロイズム 中島美嘉「LIFE」、Honey L Days「まなざし」、Ms.OOJA「Be…」、倖田來未「Dance In The Rain」、NEWS「チャンカパーナ」、MISIA「白い季節」他。 →ヒロイズム
Calros K. 西野カナ「あなたの好きなところ」、Flower「秋風のアンサー」、Little Glee Monster「だから、ひとりじゃない」、AKB48 、乃木坂46、NMB48 他。 →Calros K.
nishi-ken ケツメイシ「カリフォルニー」、GReeeeN「beautiful days」、中川翔子、マオ from SID、フラチナリズム 他。
Akira Sunset 乃木坂46「気づいたら片想い」「今、話したい誰かがいる」「ハルジオンが咲く頃」 他。 →Akira Sunset
☆Taku Takahashi m-floのメンバー、日之内エミ、Crystal Kay「hard to say」、鈴木亜美「Reincarnation」 他。 →☆Taku Takahashi

そんな山口ゼミは、東京コンテンツプロデューサーズ・ラボの教室でリアルの授業を行っていたのですが、近年コロナの影響もあって、オンライン授業に環境を切り替えました。冒頭でも書いたようにこれによって、地方の方でも参加しやすくなり、さらにベルギーやニューヨーク、ラスベガス、台湾などの海外からも受講する生徒が出てきているよう。オンラインに切り替えたことについて山口さんは、

オンラインになったことで間口が広がり、DAWの画面を簡単に共有できるので、授業の質も上がりました。情報量を濃く出すことができ、世界中どこにいても参加できるようになったので、参加者の比率が上がりましたね。ただオフラインによる交流も大切だと考えていますので、8コマある授業のうち1回は教室でリアルの授業を行っています。また、オンラインでの懇親会は2回行い、教室で授業を行った日には、リアルでの懇親会を行っています。山口ゼミは卒業生も含めて、コミュニティパワーが強いので懇親会では横の繋がりを作ることができ、これきっかけでコーライティングを行ったりする機会にもなっています。セレンディピティがあるセミナーって感じです(笑)」と語ります。

オンライン授業の様子

山口ゼミでは、コーライティングが盛んですが、実際に2019年には著作権管理団体NexToneが著作権使用料分配額一位の楽曲として副塾長の伊藤涼さん+第1期生の安楽謙一さんのコーライト曲=安室奈美恵『In Two』がNexTone Award2019でGold賞を受賞しています。NexToneAwardといえば2018年にRADWIMPS「前前前世」が受賞した賞でもありますから、かなりすごいレベルであることがわかります。また昨年2021年には、第14期生Kaz Kuwamuraさんと、第23期生中山翔吾さんのコーライト曲 =Da-iCE『CITRUS』が日本レコード大賞を受賞しています。実はこの受賞した楽曲は、中山翔吾さんはプロ初採用の楽曲だったとのことですから、すごく夢のある話ですよね。

第14期生Kaz Kuwamuraと、第23期生中山翔吾のコーライト曲 Da-iCEの『CITRUS』が日本レコード大賞を受賞
副塾長伊藤涼+第1期生安楽謙一のコーライト曲安室奈美恵『In Two』がNexTone Award2019のGOLD受賞

コーライティングについて山口さんは、「パソコンとDAWソフトの普及によって、誰もが自宅で手軽に作曲でき、1人で完パケまでできるようになりました。ただその反面孤独な作業になってしまっているという問題点もあります。普通のスクールに通っても、なかなか横の繋がりが持てず、途中で作曲家の夢を諦めてしまう人も多くいます。山口ゼミでは、こういった問題点に真剣に向き合い、作曲家同士のコミュニティを大切にしています。作家同士がコミュニケーションを取れる場所の提供、Co-Writing Farmに参加している作曲家の過去の楽曲が聴けたり、オフ会を開いたりしています。ある意味では、作曲家のネットワークのハブにもなっており、コーライティングは他人のテクニックもまじかに見れるので成長する機会にもなりますし、人脈にもなっていきます。プロ作曲家になるための最短だと思いますね」とのこと。

プロ作曲家への道のり

また、レコード大賞を受賞したことについて、山口さん自らnoteを執筆しているので、読んでみると面白いと思います。
Kis-My-Ft2「SO BLUE」とバークリー「SummerWhistle」〜KAZ KUWAMURA活躍の理由〜レコ大受賞!」
音楽で稼ぐ!〜DTM知識ゼロからプロ作曲家になる方法を山口ゼミ卒の現役作曲家が赤裸々に語っている動画公開しました!レコ大2021受賞者も登場!

山口ゼミ2022春期のオンライン説明会は、3月9日(水)19:30~となっているので、ぜひ興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか?また説明会への参加特典として最先端の作曲法 コーライティングの教科書」の前半(イントロダクション、第1章、第2章)をPDFデータにてプレゼントも予定しているとのこと。これまで、コーライティングをしたことがない初心者でも、もちろん参加OKとのことでしたので、一度チェックしてみてください。

※3月12日追記

先日3月9日にオンライン説明会が行われましたが、参加できなかった人に向けて、3月26日11:00~、再度オンライン説明会を行うとのこと。見逃したかた、参加できなかった方は、申し込んでみてはいかがでしょうか?
【関連情報】
プロ作曲家要請オンライン講座 ~山口ゼミ~ サイト

 

 

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