Rob Papenが全部入りセットeXplorer 8をリリース。Blue IIIと過激リバーブREVSANEも誕生

新進気鋭なプラグインメーカーであり、そのサウンドの独自性とクオリティーの高さが高く評価されているオランダのRob Papen(ロブ・パペン)社。シンセ好きからすれば、「こんな音作りができるのか!」、「この発想はなかった!」と思うユニークな製品を次々とだしてきたメーカーでもあります。そのRob Papenの代表的ソフトシンセであるBlueの新バージョン、Blue III(ブルー・スリー:11,220円)が発表されれるとともに、非常にユニークなリバーブの新製品、REVSANE(レブ・セイン:4,950円)が発表されました。

また、この2製品の登場に合わせ、RobPapen製品の全部入りパックであるeXplorerも新バージョンとなりeXplorer 8(49,940円)となりました。eXplorer 8には従来のeXplorer 7に収録されていたPUNCH2やBLADE2、GO2、QUAD、B.I.T.……などすべてのプラグインとともに、今回のBlue IIIおよびREVSANEも含めた全製品、計30種類が入った形になっています。「シンセの音作りは苦手」、「シンセの使い方自体が分からなくて…」というユーザーも大丈夫。それぞれ膨大なプリセットが用意されているので、これを読み込むだけで、すぐに自分の曲に使っていくことが可能です。人とはちょっと違うサウンドの曲を作りたい…と思っている人にはうってつけなRob Papen製品全部入りを入手するには、まさに絶好のチャンスです。そこで、eXplorer 8とはどんなものなのか、また新登場のBlue IIIおよびREVSANEとはどんなものなのか、簡単に紹介してみたいと思います。

Rob Papenから新シンセのBlue III、新エフェクトのREVSANEおよび、全部入りパックのeXplorer 8がリリース

Rob Papen製品についてはこれまでも「異彩を放つシンセサイザの数々。シンセアニキ・江夏正晃さんが語る、Rob Papenの魅力」、「Rob Papenの新作、モーフ・オシレーター搭載の超強力シンセGo2は破格の5,000円!?」、「オランダの音源メーカー、Rob Papenのソフトシンセが面白い!」……といった記事で、いろいろ紹介してきたことがありましたが、とにかくユニークなソフトシンセを次々と作るメーカーです。

Rob Papenのフラグシップシンセの新バージョン、Blue III

非常に高性能、高機能なシンセサイザ、Blue III

その中でもフラグシップシンセともいえるのがBlueというシンセサイザ。今回、そのBlueがBlue IIからBlue IIIへと進化したのですが、1番目のプリセットを鳴らしてみて、そのサウンドに驚きました。単純に1つの鍵盤を押しただけですが、プリセット1~5まで順番に鳴らしてみたので、以下のビデオをご覧になってください。

どうですか?これを聴くだけでも、Rob Papenのソフトシンセが、異彩を放つ…というのが実感できるのではないでしょうか?このBlue III、いろいろな機能がありすぎてまったく紹介しきれませんが、触りだけでもちょっと見てみましょう。

Rob PapenではBlue IIIを16ボイス・クロスフュージョン・シンセサイザと呼んでいますが、一般的なサブトラクティブ・シンセシス(減算合成)とFMシンセシスの両方をカバーする独自のシンセサイザとなっています。

上部に6つ並ぶオシレーターの一つ一つが高性能なシンセサイザとなっている

メイン画面では、上に6つのオシレーターが並んでいますが、オシレーターというよりは、これ一つ一つが高性能なシンセサイザとなっています。モードを変更することで矩形波やノコギリ波などによるアナログ風なシンセ、サンプリング素材を使ったプレイバックサンプラー、FM音源などに変身します。また画面下では、それぞれのオシレーターのエンベロープなどを調整できるようになっています。

アルゴリズムの設定により、6つのオシレーター同士をFMシンセ的に接続して使うことも可能

が、ALG=アルゴリズムというタブを選択すると、6つのオシレーターをどう接続するかの設定ができるようになっているのです。つまりシンセサイザ同士をFM的に組み合わせることができるため、もうこの時点でどんな音ができるのか想像するのも難しい複雑なことができるようになってきます。

各モジュールごとにLFOの設定が可能

ほかにもPD/WS、STRING、MULTI-ENV、LFO、MOD、MOD SEQ、CHORDといったタブがあり、さまざまな設定が可能になっています。たとえばCHORDでは、ルート音に対してどんな和音構成で鳴らすのかを設定できる…といった具合です。

和音構成の設定をすることもできる

また一番右にある波形のタブを選択すると鳴らしているサウンドをリアルタイムに3D表示するようになっています。音作りの上では大きな意味はないのですが、演奏の際はこれを選んでおくとちょっと楽しく感じますよね。これらは、すべて各オシレーターごとに設定できるわけですが、画面上を見ると、さまざまな画面を選択できるようになっています。

鳴っている音をリアルタイムにグラフィカルに表示できる

MAINの右にあるXYを選ぶと、XYパッドが現れます。X軸、Y軸に何のパラメータを割り振るかを自由に決めることができ、演奏時にパッド操作で自由に音色コントロールできるようになります。

XYパッドにさまざまなパラメータを割り当てることができる

またARPを選ぶとアルペジエータの画面に切り替わります。ここで最大32ステップのアルペジオを組むことができ、各ステップごとにかなり細かくパラメータを設定していくことが可能となっています。

アルペジエータの設定も自在に行える

さらにEASYを選べば主なパラメータをざっと見渡すことが可能で、ここで大枠の音作りができるし、SAMPLESを選ぶと各オシレータに読み込むサンプル素材を管理することができ、まさにサンプラーとして使うことができるようになります。

サンプリング素材を取り込んで、サンプラー的な音源として使うこともできる

またSEQはシーケンサ、MANAGERは音色プリセットの管理、そしてFXはBlue IIIが持つ4つのエフェクトを設定できるなど、とにかく膨大なパラメータで音作りができる、モンスターシンセとなっているのです。

もっとも、このBlue IIIのすべてを使いこなすなんてことは、ほとんどの人にとっては無理な話。でも、即戦力で使えるプリセットが5,000以上用意されているので、まずはこれを試してみるのがいいのではないでしょうか?その上で、少しずつパラメータの調整の仕方を覚えていけば、自分だけの音作りができるようになるはずです。

狂気をも帯びたリバーブ、REVSANE

続いて、今回誕生したもう一つのプラグイン、REVSANEについても見ていきましょう。これはリバーブプラグインなので、残響音を作り出すエフェクトですが、やはりRob Papenの製品だけに、普通のリバーブというわけではありません。

新たに登場した独特なリバーブ効果をもたらすREVSANE

まずは、Rob PapenがREVSANEの紹介ビデオを作成しているので、こちらをご覧ください。

英語のビデオではありますが、ピアノやドラム、ボーカル…などでREVSANEをかけた場合と、バイパスした場合での音を紹介しているので、その効果はすぐにわかると思います。

ある意味幻想的、別の見方をすれば、狂気をも感じるリバーブですが、中でも独特だと感じるのが真ん中で回っている地球儀のようなもの。実は昨年「正気と狂気、ふたつの顔を持つステレオ・テープ・ディレイ。Rob Papenの普通じゃないエフェクト、DELSANEがリリース」という記事で、DELSANE(デルセイン)というディレイを紹介したことがありました。このDELSANEも、REVSANEとソックリなUIであり、やはり真ん中で地球儀が回っています。

昨年リリースされたDELSANE。UIはそっくりだ

この地球儀、DISRUPT SPHEREという名前のもので、ここにさまざまなパラメータを割り当てることが可能になっています。回りながら変化するとともに、左右にスライダーとして動かすことでも変化させられるため、動きのある残響感を得られるのです。

そもそもREVSANEが持っているリバーブモデルとしては

Hall Crean、Hall cave、Hall Warm、Room Cold、Room Edged、Room Storm
Vintage Type 1、Vintage Type 2、Sparce Orbit 1、Space Orbit 2

となっており、根本部分から普通のリバーブとは違いそうですね。このREVSANE、価格的には4,950円と手ごろな価格で入手可能です。

Rob Papen全部入り、eXplorer 8を激安で入手する方法

冒頭でも紹介した通り、このBlue IIIおよびDELSANEもセットになったRob Papen製品、計30製品全部入りのeXplorer 8が同時リリースとなり、こちらは販売想定価格が49,940円です。さらに、Rob Papen製品をいくつ持っているかによって割安なアップグレード版が用意されており、価格は以下のようになっています。

通常価格
eXplorer 1~7ユーザー向けのバ^ジョンアップ版 9,900円
Rob Papen製品いずれか4製品のユーザー向け 9,900円
Rob Papen製品いずれか3製品のユーザー向け 15,125円
Rob Papen製品いずれか2製品のユーザー向け 20,350円
Rob Papen製品いずれか1製品のユーザー向け 30,250円

すでにRob Papen製品を持っている人なら、かなり割安な設定になっていることが分かるはずです。でも、今回が初という方でも、少しトリッキーな方法を使うと、さらに安くで入手することが可能です。たとえば、まずREVSANEを4,950円で買ってしまうのです。これでもうRob Papen製品1つを持っているユーザーだから、30,250円でeXplorer 8が入手できるのです。トータル4,950+30.250=35,200円。そのままeXplorer を買うよりも14,740円も安く買えてしまうのです。ぜひ、賢く購入してみてください。

※2022.11.18追記
2022年8月1日以降にeXplorer 7を購入した人はグレースピリオドということで、eXplorer 8へ無料でバージョンアップできるようです

【関連情報】

Blue III製品情報

REVSANE製品情報

eXplorer 8製品情報

【価格チェック&購入】

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