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コンペ採用率アップの鍵は「コーライティング」にあり!山口哲一さんと現役作家陣が語る必勝戦略

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プロの作曲家を目指す多くのDTMerにとって、コンペは自身の楽曲を世に出すための重要な登竜門。しかし、数百曲、時には千曲近い応募の中から選ばれるのはほんの一握り。「どうすれば採用されるのか」「自分の作り方は本当に正しいのか」と悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。特に近年は、K-POPの世界的ヒットなどに見られるように、楽曲のクオリティはますます高まり、デモの段階から完成品に近いレベルが求められることも珍しくありません。そんな厳しい状況を打開するための、もはや当たり前になりつつある手法がコーライティングという楽曲制作スタイル。

そんな中、5月18日に【山口ゼミプレイベント コーライティングをすると何故、コンペの採用率が上がるのですか?「本家」から学ぶコンペ必勝法】と題したオンラインセミナーが開催されました。山口ゼミのオーガナイザーでもある山口哲一さん、音楽プロデューサーの伊藤涼さん、そして第一線でヒット曲を生み出し続ける作曲家の長沢知亜紀さん、aluraさんという豪華なゲスト陣が集結。コーライティングの具体的なノウハウから、コンペで採用を勝ち取るための戦略までを惜しみなく語り尽くしたのです。しかも、この貴重なセミナー、山口ゼミオンライン説明会への申し込みで、アーカイブを無料で視聴することが可能となっています。私も実際にこのセミナーを視聴しましたので、どのような有益な情報が語られたのか、特に注目すべきポイントをピックアップしながら、その内容を紹介していきましょう。

【山口ゼミプレイベント コーライティングをすると何故、コンペの採用率が上がるのですか?「本家」から学ぶコンペ必勝法】

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 プロ作曲家の現状と未来を語る!注目のオンラインセミナーが実施された

今回のセミナーは、山口哲一さんが主宰するプロ作曲家育成講座「山口ゼミ」のプレイベントとして開催されたもので、オンライン形式、参加は無料でした。

長沢知亜紀さんは、シンガー、ラッパー、ソングライター、ピアニスト、トラックメイカーと多彩な肩書きを持ち、3歳からピアノ、7歳で作曲を開始し、バンド活動を経てCo-Writing Farmのメンバーとして作家活動を本格化させました。JPop・Classic・Jazz・PostRockなど多様なジャンルを融合させた楽曲制作を得意とし、2016年、ClariS「このiは虚数」で作家デビューを果たし、2019年にはClariSのライブツアーに作家兼ピアニストとして参加するなど幅広く活動。代表作には伊藤涼さんとのコーライト楽曲 Snow Man「BREAKOUT」、なにわ男子「夕虹」、Kis-My-Ft2「想花」「With…」、=LOVE「ズルいよ ズルいね」など多数のヒット曲があります。

alura(アルウラ)さんは、山口ゼミの4代目チューターも務める作曲家。学生時代のバンドでのベース経験をきっかけに音楽活動を開始。RadioheadやDaft Punkなどに影響を受け、ROCKやHouse、サンプリングを多用したダンスミュージックに傾倒してきました。メロディメイクではテンションを巧みに操りつつ、サビでキャッチーに盛り上げる展開を得意としています。2023年の台湾セッションキャンプへの参加を機に「Love with No Reservation」を現地でリリース。また、アニメ「ラブライブ!」シリーズの最終話挿入歌であるAqours「La la 勇気のうた」をはじめ、OH MY GIRL、ENJIN、CROWN POPなどへの楽曲提供も行っています。インディーズアイドルへの楽曲提供やMIXも手掛けるなど、活動は多岐にわたります。

今回は、以下の項目でセミナーが進行していきました。

・プロ作曲家の登竜門「コンペ」とは?
・何故、海外の作曲家はコーライティングしかしなくなったのか?
・コンペで勝率が上がるコーライティング法を公開
・日本のコーライティングの歴史をさかのぼる
・外国人とのコーライティングするときのTIPS
・質問コーナー

 まずは知っておきたい、プロへの登竜門「コンペ」のリアル

セミナーではまず、山口さんから日本のプロ作曲家にとっての入り口である「コンペ」の現状について解説がありました。山口さんはコンペについて、「自作自演じゃないアーティストが良い楽曲を集めるために作られた仕組みです」と説明。作家事務所などを経由して数百以上のデモが集められ、その中から楽曲が選ばれます。新人作家にとっては、実績のある作曲家と同じ土俵で勝負できるチャンスを得る機会でもあります。

しかし近年、コンペで求められるデモのクオリティは大きく変化しているといいます。DTMの進化により、自宅で完成形に近い、あるいはそのままリリースできるレベルのデモが必要になっている現状が語られました。特にK-POPなどの影響で海外作家のデモクオリティが非常に高く、それと同等かそれ以上のレベルが求められると長沢さんも指摘していました。山口さんによれば「仮歌もアーティスト本人より上手いレベルが求められることもある」というほど、コンペの現状はシビアです。

とはいえ、実績がなくても楽曲の魅力でキャリアをスタートできるのがコンペのポイントでもある、と山口さんは締めくくりました。

 なぜ「コーライティング」なのか?世界の潮流と日本の現状

続いてセミナーでは、なぜ海外の作曲家にとってコーライティングが当たり前になっているのか、その背景と理由について深掘りされました。今や海外の作曲家で、一人だけで曲作りを完結させるケースは非常に少ないといいます。

その背景には、自宅のパソコンで音楽制作が完成可能になった、いわゆるクリエイタ個人へのパワーシフトがあると山口さんは指摘しました。「個人で可能になったからこそ、コミュニティとかネットワークが大事で、一人で作っていても成長しないし、刺激を得ない。だから限界があるということなんですね」と語りました。

また、コーライティングを通じてクリエイターとの人脈が広がること自体が一種の「営業」活動になり、レーベルや音楽出版社のA&Rを介さずにアーティストと直接コライトする機会も増えているといいます。アーティストと一緒に作れば、リリースに直結する確率は格段に高まります。何百曲の中から選ばれるコンペに比べ、その差は歴然ですよね。

ビルボード上位10曲の作詞作曲家の平均人数が2000年から2020年にかけて2.4人から4.0人へと67%も増加しているというデータも示され、これは山口哲一さんの著書『音楽業界の動向とカラクリがよく分かる本』からの引用ですが、複数人での楽曲制作がグローバルスタンダードであることを裏付けていました。

伊藤さんによれば、海外の音楽出版社では、ライターと契約するとまずコーライティングをセッティングするのが仕事の始まりだといいます。日本ではまだそこまで浸透していない部分もあるが、徐々にその方向に向かっているとの認識が示されました。

 コンペ採用率を上げる!「本家」が実践するコーライティング法とは

セミナーの核心ともいえる、コンペで勝つための具体的なコーライティング手法については、登壇者の実践的なアドバイスが多数語られました。山口さんが主宰するCo-Writing Farmでは、「一人一人の強みを活かして、ケミストリー、すなわち化学反応、を起こし、効率よく、クオリティの高い楽曲を作る、結果に結びつく最強の作曲法」としてコーライティングを位置づけています。

コーライティングの基本的な心得として、山口さんは2つのルールを挙げました。
一つは、自分の役割分担部分だけでなく、作品全体に責任感を持ち、より良い楽曲ができるように積極的に意見をいうこと。もう一つは、採用された場合の作曲印税は、役割や作業量など関係なく、参加人数で折半するというグローバル基準です。また、コーライティングにおけるタイプと役割分担、たとえばトップライナー型、トラックメイカー型、ディレクター型など、についても解説がありましたが、これは固定的なものではなく、チームやセッションに応じて柔軟に担当することが重要だということです。

では、実際にコンペで勝つためにはどうすればいいのか。長沢さんは「なるべく自分よりもスキルや視野が一歩でも高い方と組ませていただくこと、そしてそのために自身のスキルも磨き続けること」が重要だと語りました。&TEAM「MagicHour」やJO1「TestDrive」など伊藤さんをはじめ、常に先行する人の視点を取り入れながら自身のアイデアをブラッシュアップしているといいます。

aluraさんは、「どういう曲を作るか、なぜアーティストがその曲を欲しているのかを、過去のコンペ情報やアーティストの変遷などを分析し、チームで共通認識を持って制作に臨むこと」が、ディレクターにも刺さる良い結果に繋がると述べました。

伊藤さんは、音楽的なことはもちろん、戦略が重要だと強調しました。A&Rが本当に欲しいもの、アーティストへの深い理解、そして「たくさん曲を作ること」、さらに採用されなかった曲を「ストック」として管理し、別のコンペに的確に出していくことの重要性を説明しました。山口さんもこの「ストック曲」の重要性に触れ、年間100曲を目安にコンペに出し、決まらなかった曲も財産として活用していくことがプロの作曲家の基本的なスタンスだと語りました。

初めてコライトする相手を見つけるヒントとしては、長沢さんは自身の強みを言語化できていることや、目標が明確な人と組むこと、またSNSなどでシンガーを見つけて声をかけることもあるといいます。aluraさんは、相手のバックグラウンド、音楽的嗜好や経験、に自分が持っていないものがあれば魅力を感じるとし、何もできないと思っていても「何かのオタク」であればその知識が武器になるとアドバイスしました。伊藤さんは、基本的に自分が持っていないものを持っている人、そして過小評価せずに自分の強みを言語化できる人と組みたいと語りました。

海外クリエイタとのコーライティング

セミナー後半では、外国人とのコーライティングのポイントについても紹介されました。

実際にキャンプに参加したaluraさんは、英語が得意でなくても、音楽制作の共通言語やボディランゲージでコミュニケーションは十分に可能だったと体験を語りました。外国人とのコライトで最も大事なこととして、伊藤さんは「日本人であること自体が強み」だと強調しました。J-POPという確立された音楽市場と文化を知っている日本人は、海外の作家にとって非常に魅力的であり、「J-POPは俺に任せろ」という自信を持つことが重要だと説明しました。

山口さんも、海外のクリエイタが日本の音楽やアニメ、ゲームといったコンテンツに精通しており、そこに共通言語が生まれやすい現状を指摘しました。日本で培ったコーライティングの考え方やマインドセットは、そのまま海外でも通用すると語りました。

セミナーの最後には、登壇者それぞれから参加者へのメッセージが送られました。
伊藤さんは「コーライトは今や当たり前の作曲法。まずは始めて経験し、多くの学びを得て成長してほしい」とエールを送りました。
長沢さんは「何曲作っても毎回感動できるのはみんなとやっているから。コライトはずっと続けられる音楽の作り方」、aluraさんは「コライトセッションで他の方のDAW作業を見るだけでも具体的な学びになる。有効活用して豊かな人生を」とその魅力を語りました。

山口さんは、音楽業界の状況が変わり、多様な関わり方ができる時代になったとし、「コンペってものがあるんだとか、コーライティングっていうのが今当たり前になっていて、外国人とも一緒にそうやってやっていけるんだってことを、今日きっかけに知ってもらって、その中で山口ゼミみたいなものを活用していただければな」と述べ、セミナーを締めくくりました。

以上、【山口ゼミプレイベント コーライティングをすると何故、コンペの採用率が上がるのですか?「本家」から学ぶコンペ必勝法】オンラインセミナーについて紹介しました。山口ゼミにご興味のある方は、オンデマンド配信によるオンライン説明会もあるので、ぜひこちらもチェックしてみてはいかがでしょうか?

【関連情報】
山口ゼミオフィシャルサイト
【オンデマンド配信】「プロ作曲家養成オンライン講座 山口ゼミ 〜音楽をライフワークにしよう!」オンライン説明会
山口ゼミ48期募集ページ

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