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これは音楽業界に入り込むチャンス!? プロの音楽クリエイター集団“月蝕會議”によるオンラインサロンに潜入してみた

独学で音楽制作をしていて、「ここのアプローチの仕方、プロだったらどうしているかな」「プロの人って本当はどんな機材を使っているのだろう」……など、音楽制作において疑問を持つことも多々あるでしょう。そんなとき、インターネットで調べたり、学校に通ってみたり、音楽の先生に教えてもらったり…、といった方法がこれまでの手段でした。しかし、近年オンラインサロンと呼ばれるものが登場したことで、これまでにない新しい情報収集法、勉強法が出てきています。クローズドな環境だからこそ、得られる情報がそこにはあり、ここで学ぶ人も増えてきてる印象です。

最近になって音楽業界でもオンラインサロンを立ち上げる人が増えてきています。クリエイター集団である月蝕會議(げっしょくかいぎ)もその1つ。メンバー全員が作詞・作曲・編曲を手掛けるプロであり、かつアーティスト・プレイヤーが集まった制作集団「月蝕會議」が、6月にDTMユーザーや音楽制作者にとって、非常に役に立ちそうなオンラインサロン「月蝕會議室」なるものをスタートさせました。これは会員参加型の音楽クリエイトサロンとなっており、プロの制作過程がリアルタイムで見れるのはもちろんのこと、デモを試聴できたり、使用する譜面の閲覧も可能。でも、そのレベルに留まらないのが、月蝕會議室の面白いところ。月蝕會議メンバーと気軽にやりとりができるので、自分のデモを聴いてもらってアドバイスをもらったり、機材やプラグインの話、音楽に関することは何でも質問できます。さらにサロン会員がco-write(コーライト)に参加できる仕組みが作られており、取材時にちょうど制作中だったテーマソングでは、歌詞や曲のアイデア、ジャケット写真、MV……など、サロン会員が参加する形で制作が進んでいたのです。実際、その月蝕會議室の現場に潜入してみたので、ここがどんなオンラインサロンなのかを紹介してみましょう。

月蝕會議のオンラインサロン、月蝕會議室でのレコーディングに潜入してみた

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音楽クリエイターギルド月蝕會議についてご存知の方も多いと思いますが、改めて紹介すると、Hey! Say! JUMP上坂すみれイヤホンズももいろクローバーZヒプノシスマイク……などの数多くのアーティストに楽曲提供とともに、TVアニメや舞台などの音楽制作も担う、メンバー全員が作詞・作曲・編曲を手掛けるプロの音楽クリエイター集団。

メンバーは、以前「次々とアニソン、アイドル音楽を生み出すヒットメーカー、エンドウ.さんはSONAR使い!」という記事でも紹介したことのあるエンドウ.さん、「新幹線の中でも曲作り!? 元Hysteric Blueのドラマー、楠瀬タクヤさんのKDJ-ONE活用術」という記事でも登場いただいた楠瀬タクヤさん、神田沙也加さんとのユニットTRUSTRICKでメジャーデビューしその多くの楽曲の作曲・編曲を担当したBillyさん、数々のアーティストへのサウンドプロデュースしている正体不明の謎過ぎるヒーロー鳥男さん、NIRGILISのVo&Keyとして2003年メジャーデビューしTVアニメ「交響詩篇エウレカセブン」のOP主題歌「sakura」を作ったことでも知られる岩田アッチュさん、そして月蝕會議の歌唱担当キリンさん。

6名のそうそうたるメンバーが揃っているのが月蝕會議なわけですが、普段楽曲提供や音楽制作する際はco-writeと呼ばれる共同作業によって音楽を作っています。co-writeとは、作曲や編曲家、作詞家……など、複数の人が集まって共同で音楽制作することであり、月蝕會議のco-writeに参加できるのが、月蝕會議室の魅力の1つでもあります。以下の動画は、月蝕會議室でできることを紹介しているので、ぜひご覧ください。

そんなオンラインサロン月蝕會議室ですが、実際ここから「月蝕會議室」(https://lounge.dmm.com/detail/2755/)に入会することができ、入会後のやり取りはオンライン・コミュニケーションシステムのDiscordを中心に使って行われています。ここでは、Discordの機能であるテキストチャンネルを使ってテーマごとにやり取りされており、たとえば音楽に関する質問を送ったり、月蝕會議メンバーが実際にプロの現場を発信していたりします。
そのDiscordのスレッド名としては

#音源資料室
#音楽・業界・クリエイター相談室
#雑談チャンネル
#配信ジャケット部
#プロモーションビデオ部
#テーマソング素材
#プロの現場社会見学
#制作進捗報告
#定例議事録
#麻雀部
#ジャケ写エントリー会場
#真夜中サロン歌詞部屋

などとなっていおり、この名称からも内容がなんとなく想像できるのでしゃないでしょうか?もともとはDMMのオンラインサロンのシステムを使っていたのですが、9月に入ってDiscordに実質移管した状況。資料的なもの、ダウンロードデータなどはDMMのオンラインサロン側に整理されているので、併用している形のようです。

Discordを利用したオンラインサロン「月蝕會議室」でのやりとり

この中でのやりとりは、トップシークレット。完全クローズドな情報なので、その分内容が濃かったり、インターネットで探しているだけでは学べない内容に触れることができます。

この月蝕會議室に参加しているサロン会員は、ギルドメンバーなどとも呼ばれており、かなりアクティブに月蝕會議のメンバーとやり取りしていました。基本的に月蝕會議室で行われるイベントは、定例會議と呼ばれる月1回のオンラインミーティングで決められており、ここにもサロン会員が参加して、今後の方針を決めているようです。その辺からも単なる試聴型のサービスではなく、完全な参加型のサロンになっていることが垣間見えます。

定例會議の内容についてはサロン会員が情報をまとめて整理するなど、役割分担もされ、後から見ても分かりやすくなっている

8月末に取材した際、その月蝕會議室でちょうど進行中だったのが、リリースされたばかりの「眞夜中サロン」の制作です。月蝕會議室のテーマソングでもあるこの曲の制作を、まさにゼロから進められていました。ここでは、すべての進捗状況が月蝕會議室の中で閲覧でき、楽曲のテーマといった大枠を決め、デモを作り、歌詞を作り、レコーディングするところまで、プロの仕事を余すことなく見ることができます。

テキストでのレポートだけでなく、ビジュアルを交えたレポートなども

モックアップ音源もここでは共有されており、プロが普段どのように作っているのか、体感することができるのです。見て・聴いてプロのワザを盗み、さらには分からないことがあれば質問すると、即、月蝕會議メンバーが答えてくれるという、ほかでは見たことのない音楽制作のリアルを学ぶには持って来いの場所となっているのです。

制作進捗報告を見ると、ミックスデータなども共有され、月蝕會議メンバー、サロン会員みんなでのco-writeが進んでいるのが分かる

ユニークなのは、サロン会員もco-writeに参加でき、その制作に加わることができるという点。実際、テーマソングの制作では、サロン会員から歌詞のワードを募集して、集めたものが完成形の歌詞になっています。またテーマソングの音素材もサロン会員が録音したコーラスを採用したり、ひそひそ声や猫の鳴き声といったSE音もサロン会員からアイディアを募ったり、実際の音を採用するなど、まさにオンラインサロンに参加するメンバー全員で1つの作品を作り上げているのです。音楽以外の分野でも、映像やジャケット写真もサロン会員から案を出し、オンラインサロン内で人気投票を行い、その結果を元に仕上げていくなど、オンラインサロン自体が制作の場そのものなのです。これが実現できているのは、いろいろなジャンルの人たちが集まっているからなのだとか。

今回制作していたテーマソングのジャケットもサロン会員から募集し、投票してみんなで決めていった

ちなみに、完成した作品に関しては、あくまでco-writeによって作ったものという位置づけ。そのためエンドウ.さんは「co-writeの基本的なルールは、ここで出た利益は参加メンバー全員で同じずつ分配するというもの。だから、もし、この曲がどこかのタイアップに決まったり、ヒットソングなったら、サロン会員みんなで印税をもらおう、と。ぜひ大ヒットさせたいですね」と話します。

co-writeで利益を出して、みんなに還元すると話すエンドウ.さん

実際にサロン会員として参加している人は、もちろんみんな音楽好きばかりですが、単に聴くだけでなく、自ら音楽制作をしている人、バンド活動している人、DTMユーザーなどもかなり多くいる模様。月蝕會議室を通じて、音楽業界と関われるチャンスが得られるというのはかなり重要なポイント。月蝕會議としても一緒に仕事ができる人材を求めているので、ほかにあまり例のない音楽業界との接点ともいえそうです。実際、オンラインサロンのスタッフはキングレコードの人たちが担当しているというのも見逃せない点ですね。

3人のサロン会員も参加する形でテーマソング「眞夜中サロン」のレコーディングが行われた

そんな月蝕會議室において、みんなで制作してきたテーマソング「眞夜中サロン」のレコーディングが東京都新宿区にある某スタジオで行われたので、その現場に潜入してみたのです。実は、そのレコーディングに先立ち、月蝕會議室でレコーディング見学者の募集を掛けたところ、もちろんすぐに応募が集まり、その中から3名が選出されたのです。

普通はなかなか入ることができないレコーディングスタジオでの現場を見れるのもサロン会員の大きな特典

現場に到着したところ、月蝕會議のメンバーに加え、見学者の3名、キングレコードのスタッフのみなさん、レコーディングエンジニアが終結し、レコーディングの準備が始まっていました。その様子は、サロン会員に向けてYouTube Liveで生配信されていました。

そのレコーディングの様子をまとめたビデオが一般向けにも公開されているので、ぜひご覧になってみてください。

かなりリアルな空気感が伝わると思います。絶対にネットや本だけじゃ分からない、ミュージシャン同士のやり取りやレコーディングの進め方など、体感することができそうですよね。その後のレコーディングしたマルチデータは、月蝕會議室内で共有され、ダウンロードできるという贅沢な環境も整っているのも月蝕會議室の面白さ。この日レコーディングされたProToolsのセッションデータ、WAVファイルでのステムデータがそれぞれダウンロードできるようになっているんです。

ボーカルの歌い方について打ち合わせするキリンさんと、アッチュさん

第一線のプロがレコーディングしたデータがそのまま入手できるなんて、普通聞いたことないですし、月額1,200円の料金だけで追加料金も不要でダウンロードできるって、面白すぎだと思います。

さらに驚いたのは、レコーディングに向けて、サロン会員からユニークな提案がされており、それが、そのまま採用されていたんです。それはドラマーの楠瀬さんに、現場のドラムを1つ1つ叩いて、ワンショットデータを作って欲しいというお願い。レコーディング終了後に、楠瀬さんが、スネア、キック、ハイタム、ミッドタム……とそれぞれ3段階の強さでゆっくり叩いたのをレコーディングし、公開されていたのです。

サロン会員からの要望に応じる形でワンショットの録音をするタクヤさん

そのお願いをしたサロン会員ーは、さっそくドラムサンプルを切り出して、個別のワンショットのWAVファイルとして生成するとともに、加工した上でドラムキットとして編成。さらにはそのドラムキットを元に自作曲のデモデータを公開しているのですから、面白いですよね。ただし「ライブイベント・楽曲制作依頼は別途料金が発生いたします」という説明書きはありました。

ギターフレーズの一部をBillyさん、再レコーディング中
現在テーマソングの進捗状況は、逐一Discordで共有されているので、今から参加しても全体を把握できるし、これからどう動いていくのかも一目瞭然。Discordにログインしたままにしていると、月蝕會議メンバーも含め、かなり活発にチャットのやりとりがされているので驚いてしまいます。

キリンさんのボーカルはボーカルブースでレコーディング

実際そのやり取りを見ていて感じるのは、想定していたのを遥かに超える範囲の広さと内容の濃さ。たとえば、印税の話だったり、配信についての知識、プロ同士のメッセージに見えるコミュニケーションの取り方、次々と溢れ出るアイデア、さまざまなマニアックな情報……など、こんな面白い場があるとは…という印象です。

また月蝕會議メンバーだけでなく、サロン会員には、さまざまな業界のプロフェッショナルが混ざっているのも月蝕會議室を面白い場にしている要因のようです。キングレコードの人がいるのはもちろんのこと、大手楽器メーカーの開発者がいたり、テレビの音響の人、映像関係プロ、大手イベント会社の人、もちろんエンターテイメント系とは異なるさまざまな職業の人もいるからこそ面白い場になっているようです。最後にサロン会員の3人も交えてコーラスのレコーディング

そして月蝕會議としては一緒に仕事ができる人材を求めているので、ここから多くのコンテンツが生まれたり、新しいプロジェクトが産まれてくるのかもしれません。エンドウ.さんは、「ここから、音楽業界に人材を輩出したい」と話していたので、クリエイターを目指している人や現在クリエイターである人にとっても、普通ではありえないチャンスが転がっていそうに感じました。

現在制作中のMVの最後に入るクレジット。作詞作曲に参加したサロン会員全員の名前が入っている

新曲の制作にサロン会員が参加していたりする環境は、月蝕會議室ならではだと思いますし、学べることもあれば、co-writeもできる、さらには自分の仕事にも繋がる、という正直参加しない理由が見つからない内容となっています。現在もサロン会員募集中とのことなので、ぜひこの機会に参加してみてはいかがでしょうか?

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月蝕會議のメンバーのみなさんからのコメント

エンドウ.
さん
こうなったら、多くのサロン会員をプロに排出して「自分は月蝕會議室の出身なんだ」、「え、そうなの?俺も以前は入ってたんだよ」なんて話題になるようなところにしていきたいですね。一方で、ここにはダンスが得意な人やステージ作りができる人とか、いろいろなプロがいるので、月蝕大會議なんて名前のライブをみんなで企画できたら面白そうですよね。
サロン会員のみなさん、それぞれ得意分野があって、みなさんバラバラなのがすごく面白いです。こういう大人がいっぱい集まって巨大な何かができるんじゃないかとワクワクしています。月蝕會議室内にデザイン部署があり、部長がいて、メンバーがそろって…。さらには映像部門とかパフォーマンス部門とか、いろいろ成り立ちそうなので、これが大きな渦になっていくのではと期待しています。
Billy
さん
楠瀬タクヤ
さん
オンラインサロンを作ろうという話が出たときは、ファンクラブの延長なのかな…と思ってたのですが、もっとざっくばらんな会なんですよね。サロン会員のみなさんも、すごく近づいてきてくれるから、まさに立場は対等。月蝕會議室で曲を作っているところですが、ジャケットを作るとか、アー写を撮るとか、今後はライブを企画するとか、みんなを巻き込んでいくとどんどん楽しい場になりそうです。宴会部長とかもいるので、そのうち慰安旅行とかもあるんじゃないですかね?
これまでのエンターテインメントって、マスに投げかける形が基本だったので、広く浅く……というものでした。でも、これからは狭く深く体験できるエンターテインメントの時代になっていくと思うのです。いろいろなジャンルに細分化される中で、どんなサロンが発展するのかは未知数だけど、従来型のライブでは絶対体験しえない、新しい体験ができるエンターテインメントになるという確信があります。その未知数なところをサロン会員のみなさんと一緒に作っていけたらいいですね。
鳥男
さん
岩田アッチュ
さん
オンラインサロンって何か怪しいな〜というイメージあるじゃないですか?(私も思っていました)。これまでのようなファンサイトのコメント欄上で一方的に応援していただくよりも、メンバーと会話しながら、ファン同士で横の繋がりも持てたりと、これこそ健全なコミュニティーだと私はやってから思いましたね。なんなら一緒に新しいバンドを作ってしまおう!という共同作業感。いつの日かサロン会員の全員がステージに立つ日が来てもおかしくないですね!
楽器と違って歌って、誰でも気軽に歌えるじゃないですか。今回のレコーディングでも3人の見学者に歌で参加してもらいましたが、楽しいですね。テーマソングの歌詞もみんなで作ったわけだし、レコーディングも各自、自宅で歌ったのを送ってもらっての参加なんかも楽しそうです。私が一番楽しませてもらってます!
キリン
さん

※2020.10.20追記
2020.10.13に放送した「DTMステーションPlus!」から、第161回「Roland Cloudで手に入れよう!ZenbeatsとZENOLOGY Pro」のプレトーク部分です。「これは音楽業界に入り込むチャンス!? プロの音楽クリエイター集団“月蝕會議”によるオンラインサロンに潜入してみた」から再生されます。ぜひご覧ください!

【関連情報】
月蝕會議室(DMMオンラインサロン)
月蝕會議 official website
テーマ曲「眞夜中サロン」楽曲配信