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909の日にちなんでRolandがビンテージ機材を大量復刻だ!

9月9日=909の日(実際には米国時間が設定されたようですが)、Rolandは数多くのビンテージ機材の復刻版を製品発表しました。先週からすでにリーク情報がネットで出回っていたので、すでにご存じの方も多いとは思いますが、やはり909の日だけに、その1つはTR-909。新製品の名前としてはTR-09(9月23日発売、実売価格50,000円前後[税別])というもので、Roland Boutique(ローランド・ブティーク)シリーズ第2弾の一つとなっています。

 

また、同じRoland Boutiqueシリーズとして、TB-303を復刻したTB-03(9月23日発売、実売価格45,000円前後[税別])、さらにはボコーダーのVP-330を復刻したVP-03(9月23日発売、実売価格45,000円前後[税別])も登場し、昨年発売されたJP-08(Jupiter-8の復刻版)、JU-06(JUNO-106の復刻版)、JX-03(JX-3Pの復刻版)にシリーズ追加された格好です。さらに、AIRAシリーズとしてはSYSTEM-8(9月23日発売、実売価格148,000円前後[税別])という新兵器を投入。こ名前や見た目からSYSTEM-1の上位版と思ったら、実はまったく新たに設計し直したニューモデルとのこと。PLUG-OUTの仕組みを利用することでJUPITER-8JUNO-106(出荷当初は入っておらず、年明けに無償ダウンロードで対応する予定)を再現しているのもポイントのようです。いずれも発売は9月末を予定しているとのことですが、先日、実物を見てきたので、これらがどんなものなのか、DTM視点を交えつつ紹介してみたいと思います。


Rolandが9月9日に、さまざまなビンテージ機材を復刻した新製品を発表


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まずはTR-09から。TR-909をご存じの方ならお分かりの通り、見た目は非常によく似たデザインであり、ツマミの数などピッタリ同じ。使い方もTR-909実機と同様だけれど、従来はパターン作成するライトモードと再生するプレイモードは別々だったのが、TR-09では行き来できるようになっているのが大きな違いなんだとか。


TR-909を復刻したRoland Boutiqueシリーズ、TR-09

 

これまでのBoutiqueシリーズと同様、Rolandのアナログ回路のモデリング技術、ACBを用いて復刻しているので、サンプリング音源などでは絶対にできない挙動も再現できているのが大きな特徴でもあります。たとえば、TR-909ではクラップとスネアを同時に出すと、フェイジングしてしまうという現象がありました。これは意図してそうしているわけではなく、回路的にそうなっていたのですが、Roland社内に現存する回路図や、当時の開発エンジニアの証言などを元に回路自体を復刻させているので、そうした不思議な現象まで再現できているんですね。


ツマミなどは、すべてTR-909と同じになっている

ちなみにTR-909の再現という意味では2年前に登場したAIRAシリーズのTR-8でもTR-909セットというのがありましたが、それよりもさらに再現性が上がっています。とくにタムやスネアなどはTR-8とはだいぶ異なるニュアンスの音になってますよ。

ここで気になるのはAIRAのTR-8との違い。Rolandの担当者によると「TR-8はTR-909だけでなく、TR-808の音も出せます(笑)。さらに機能拡張でTR-707、TR-727、TR-606など歴代のRolandリズムマシンの音を一台でコンプリートできる点。リアルタイムでの演奏面などで優れていると思います」とのこと。マルチな性能を求めるか、TR-909に特化した再現性を求めるか…といった違いなんですかね。


TR-909のリアパネル。USBからはデジタル信号24bit/96kHzの4パラ出力が可能

なお、TR-909実機においてはアナログでのパラアウトがあり、スネア、タム、ハイハット……と別々に出力可能になっていましたが、TR-09ではミックスされたアナログ出力しかありません。ただし、USB接続すると、そのパラアウトが可能になってしまうのは重要なポイント。具体的には4パラアウトとなっており、それぞれに何を割り当てるかが設定できるため、USB1にキック、USB2にスネア、USB3に金物、そしてUSB4にその他、というようにグルーピングできるのです。

 

この際、それぞれサンプリングレート96kHz、ビット解像度24bitのフォーマットでDAW側にパラで取り込むことができ、それぞれ個別のトラックにレコーディングしたり、別々のエフェクト処理などを施すことができるのは大きなポイントですよね。ちなみに、昨年のJP-08、JU-06、JP-03の第1弾Roland BoutiqueシリーズではUSB接続時のサンプリングレートが44.1kHzとなっていましたが、今回の第2弾ではすべてAIRAシリーズと同様に96kHzになったというのも特筆点だと思います。


TB-303を復刻させたTB-03

 

次に、TB-03についても見てみましょう。こちらは見ての通り、TB-303の復刻版。その意味では、やはりAIRAシリーズでTB-3というものがありましたが、それとどう違うのか、という観点で見てみましょう。


デザイン的にも質感的にもTB-303ソックリ

端的にいってしまうと、AIRAのTB-3は、現在のEDMシーン向けにTB-303のサウンドを復刻させたまったく新しい楽器ともいえるものでした。それに対し、TB-03のほうは、よくも悪くもTB-303そのものなんです。音色数の豊富さであったり、パフォーマンスでの使いやすさという面ではTB-3がお勧め。それよりも昔ながらのTB-303がいいんだ、という人には今回のTB-03というわけですね。


TB-03のリアパネル

ただし、TB-03もTB-303と違いはあります。その1つがシーケンサです。TB-303を触ったことがある方ならご存じの通り、昔の製品ということだけあって、最悪といっていいほど分かりにくく、使いにくいシーケンサだったんですよね。そもそもピッチモードで入力した音程が何ステップ目なのか確認する術もなかったわけですから……。回路自体を復元しているので、その使い勝手の悪さもそのままなんですが、そのオリジナルモードに加え、より直感的にフレーズを入力していけるステップ・モードも搭載されたのがTB-03の特徴。この新モードで入力していけば、音はTB-303だけど、もっと打ち込みがしやすくなってますよ!

 

またTB-303にはなかったディスプレイが搭載されたので、どこのステップにいるか確認しやすくなているし、Triger-INに加え、CV/GATE OUTも装備しているので、実機と同様、外部のアナログシンセサイザを制御できるのも重要な特徴となっています。


ボコーダーであるVP-330を復刻させたVP-03

 

続いて、VP-03についても見てみましょう。VP-03はボコーダーとして今もプロのステージで使われているVP-330をACBを用いて復刻したものです。ボコーダーという特性上、PCM音源で再現というわけにはいかないし、VP-330でしか出せない音も多く、明瞭度が高いのも多くの人が使ってきた理由でもありました。さらに、VP-330にはVOCODERというセクションのほかに、HUMAN VOICE、STRINGSというセクションがあるのが大きな特徴になっていました。


VOCODER、HUMAN VOICE、STRINGSの大きく3セクションがある

 

HUMAN VOICEにはMALE 8’とFEMALE 4’というボタンがあり、男女混合のクワイヤ・サウンドが簡単に得られます。また、STRINGSのほうは、サンプリング音源のリアルな弦サウンドとは対極的なシンセストリングスが得られるようになっていましたが、VP-03ではこれらをすべて完全な形で再現しているのです。

 

また、VP-330実機にはなかったコードメモリーを搭載したことで、鍵盤を接続しなくても指一本で和音の演奏を可能にしているほか、その和音も入力可能なステップシーケンサを装備したのがVP-03での大きな進化点といえます。


左上の端子には、標準のグースマイクのほか、手持ちのダイナミックマイクの接続も可能

 

VP-03にはXLRのマイク端子があるので付属のグースネック・マイクだけでなく、手持ちダイナミックマイクを使っての声の入力も可能になっていますよ。

 

これら3つのRoland Boutiqueシリーズに共通するのは、コンパクトサイズで持ち歩きも簡単で、USB電源供給で動作するともに単3電池4本でも駆動すること。PCとUSB接続した場合は、MIDI信号・オーディオ信号(24bit/96kHz)ともにDAWとデジタル的にやりとりできるのも共通点ですね。


Roland Boutiqueシリーズを収める新DOCK、DK-01

 

なお、これまでRoland Boutiqueシリーズ用にオプション扱いとしてあったミニ鍵盤ユニットのK-25mがありましたが、これに加え鍵盤なしのDOCKとしてDK-01というものも新たに登場しました。まあ、いずれの機種もDOCKなしの状態でも普通に動作しますが、角度をつけて使用したい場合などには便利なアイテムですね。ちなみにTR-09、TB-03はこのDK-01をそれぞれの機種に合った色にカラーリングしたものが購入時に付いてきます。


AIRAの新シリーズとして誕生した49鍵のシンセサイザ、SYSTEM-8

さて、今回のRolandの発表製品としてもう一つ紹介するのがAIRAの新シリーズ、SYSTEM-8です。見た目からSYSTEM-1の上位機種のように思えますが、前述のRoland担当者によると「まったく新たに開発した現段階で最強のACB採用シンセサイザ・キーボードとなっています」とのこと、どんなものなのか見ていきましょう。


中身的にはSYSTEM-1とはまったく別に新たに設計しなおしたというSYSTEM-8

SYSTEM-1と並べてないので、大きさ的な違いが分かりにくいかもしれませんが、SYSTEM-1は薄型鍵盤を採用した25鍵のモデルだったのに対し、SYSTEM-8はフル鍵盤の49鍵となっているので、だいぶ大きく、また弾きやすくなっています。


CV/GATEの出力端子なども搭載されている

機能・性能として何が違うのかというと、処理するDSPパワーが大幅に向上しているためにできることが大幅に増えているのです。端的にいうと、SYSTEM-1では最大4音ポリフォニックが限界だったのに対し、SYSTEM-8では最大8音ポリフォニックを実現しているんですね。さらに、LFOやフィルターにはAIRA Modular Effectなどでも採用されたGRFという高解像度ノブを使っているため非常になめらかな変化を得られたりもします。担当者曰く「SYSTEM-1と比較すると、大体4倍近くのパワーを持っています」とのこと。

 

また、DAWのプラグインのような感覚で音源を入れ替えることが可能なPLUG-OUTについては、SYSTEM-1の考え方をそのまま引き継いでいます。ただ、SYSTEM-1では最大4音ポリであり、少し複雑なアルゴリズムのシンセになるとモノフォニックが限界という仕様だったために、再現可能な音源に限りがあったのですが、今回DSPパワーを大きく引き上げたことで、再現可能な幅が大きく広がっています。


PLUG-OUTによってJupiter-8およびJUNO-106を再現させている

 

その結果、JUPITER-8およびJUNO-106を再現可能となっており、そのためのPLUG-OUTが標準で搭載されているんです。いずれもACBテクノロジーで実現しているので、ある意味Rounad BoutiqueシリーズのJP-08やJU-06とバッティングする面はあります。ただし、JP-08やJU-06は4音ポリだったのに対し、SYSTEM-8では8音ポリを実現している点と、AIRAシリーズのSYSTEM-8は内部処理96kHzで動いていることもあり、表現力がまったく違うとのこと。1台で2役も3役もこなせるのも大きな違いです。

ちなみに、PLUG-OUTを使うことで、SYSTEM-8がJUPITER-8やJUNO-106に変身するわけですが、そのPLUG-OUTを同時に3種類使えるのも大きな特徴となっています。SYSTEM-1の場合はいちいちPCと接続して入れ替える必要があったのですが、SYSTEM-8なら3つ読み込んでおけるわけですね。


非常に数多くあるSYSTEM-8の操作子 

 

さらにPLUG-OUTを使わない場合は、SYSTEM-8は独自のアナログ・モデリング・シンセサイザとして機能するため、実質的に4種類の音源を切り替えて使えるわけですが、さらにそれらをレイヤーして同時に鳴らすパフォーマンスモードも搭載しています。その場合は当然発音数は減る形になりますが、音作りの幅は大きく広がりそうですよね。

 

さらにSYSTEM-8にはポリフォニック演奏に対応した新開発のステップシーケンサも搭載されています。各ステップにおいて和音入力を実現するだけでなく、パネル上のノブやスライダーなどのコントロール情報の入力にも対応したステップシーケンサになっているんですね。もちろんAIRAシリーズですから、以前紹介したデジタルミキサー、MX-1などとの同期演奏可能なAIRA LINKに対応しています。


USB接続においては24bit/96kHzでDAWと直接連携できる

なおPCとUSB接続した場合は、24bit/96kHzで音質劣化なくDAWへそのサウンドをレコーディングすることが可能です。また、CV/GATEの出力も搭載しているので、外部にアナログシンセサイザを接続して、それをSYSTEM-8からコントロールするといった使い方もできるようですよ。

 

ちなみに、前述のJUPITER-8およびJUNO-106のプラグアウトはオプションではなく、標準で搭載されているのですが、これらをPC上のDAWへプラグインで使うことはできないようです。担当者によると「SYSTEM-1のソフトウェアでも“重い”という意見をいただいていました。その4倍のパワーを求めてくるSYSTEM-8のプラグインとなると……現段階ではちょっと実用性に欠けるかな?と思っています。PC側のスペック向上や、プラグイン側でより軽い動作で稼働するようなアップデートが施せるようになれば検討していきたいと思っています」とのことでした。今後に期待ですね。


今回の発表会において、DJ-808というAIRAシリーズの新システムも発表されている

 

以上、ここではTR-09、TB-03、VP-03、SYSTEM-8という4機種について簡単に紹介してみましたが、これらの機材を入手したら、また詳細レポートができればと思っています。また、これら機材の発表と同時に、AIRAシリーズとしてDJ-808という機材も発表しています。DJ-808はDJソフトウェアであるserato DJのフィジカルコントローラであると同時に、TR-8と同等のリズムマシン&ステップシーケンサ機能、VT-3と同等のボイス・エフェクト機能などを搭載した怪物マシン。これについても改めて紹介できればと思っていますのでお楽しみに!

 

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Commentsこの記事についたコメント

3件のコメント
  • ねむねむ☆

    TB-03、TR-09共に最終調整の際に参考にした個体がAIRAシリーズのとは異なるとのことで好みに近い音色でした。
    TR-8にこちらの音色もバージョンアップで搭載してほしいですね。

    2016年9月11日 4:38 PM
  • ドンマイ

    アナログモデリングもいいと思うのですが303は完全なアナログで出して欲しかったなーなんて思ってしまいました。

    2016年9月14日 2:45 AM
  • もとかた

    ローランドも完全にアナログで作っていただきたいよね〜

    2016年9月19日 6:33 PM

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