• CASIOの歌うシンセサイザ、CT-S1000Vがファームウェアアップで、DTM用途でもより使いやすく進化

鍵盤を弾くことで歌わせることができるボーカルシンセシス機能を搭載したCASIOのユニークなシンセサイザ、CT-S1000V。なかなか需要に供給が追い付いていないようで、店舗での展示などが少なく、試奏する機会も少なそうではありますが、発売から8か月が経過し、ようやく購入はしやすくなってきているようです。そうした中、先日ファームウェアのアップデートが発表され、Ver.1.02というものがCASIOサイトからダウンロードできるようになりました。

バージョン番号からも想像できるように、それほどド派手な機能向上というわけではありませんが、DAWでCT-S1000Vをコントロールする上では非常に便利な機能が搭載され、DTM的には非常に使いやすいマシンへと進化しています。実際、そのファームウェアアップデートを実行するとともに、どんな点が強化されたのか、チェックしてみたので、紹介してみたいと思います。

CT-S1000Vに初のファームウェアアップデータが登場。DAWとの連携性などが向上した

Ver 1.02というファームウェアが公開されたのは10月12日なので、CT-S1000Vのユーザーの方はすでにアップデートを済ませた方も多いと思いますが、CT-S1000Vのファームウェア公開は今回が初となるので、まずはアップデート手順から見ていきましょう。まずはCT-S1000Vのファームウェアのアップデートには1GB以上のUSBメモリが必要となるので、これをFAT32またはexFATでフォーマットしておきます。

CT-S1000Vのファームウェア、Ver.1.02はCASIOサイトからダウンロードできる

その上でWindowsでもMacでもいいので、CASIOのCTーS1000Vのサイト、
CT-S1000Vファームウェア・バージョンアップ・ソフトウェア Ver.1.02
にアクセスし、ここからCT-S1000V 0102.zipというファイルをダウンロードします。また、その取扱説明書のPDFもあるので、これも一緒にダウンロードしておきましょう。

FATフォーマットしたUSBメモリにファームウェアを入れてCT-S1000Vに挿す

zipファイルを展開すると、CTS1000V_0102というフォルダの中にCTSV0102.updというファイルが入っているので、これを用意していたフォーマット済のUSBメモリーにコピーし、CT-S1000VのUSBスロットに挿します。これで下準備は完了です。

3つのボタンを押しながら電源を入れるとファームウェアのアップデートモードに入る

その後、液晶画面下の右3つのボタンを押しながらCT-S1000Vの電源を入れると、ファームウェアのアップデートモードになるので、あとは画面の指示にしががって操作していくと、10分程度で完了し、1.02のマシンへと変身するのです。では、電源を入れなおした上で、何が変わったのが1つ1つみていきましょう。

CポートからAポートへの変更が可能に

まず1つ目の機能改善はUSB-MIDIを介して使えるMIDIポートについてです。CT-S1000Vは、マルチティンバー音源となっており、

Aポート 1~16ch
Bポート 1~16ch
Cポート 1~16ch

という構成のトータル48マルチティンバーとなっています。各ポート、チャンネルごとに特殊な機能が割り当てられていたりするのですが、CT-S1000Vの鍵盤を弾いて鳴らすことが可能になっているのはAポートとなっています。

それに対し、USB-MIDIを使って鳴らすことができるのは、これまでCポートの1~16chという制限がありました。このCポートでもインストゥルメント音源を鳴らしたり、ボーカルシンセシスで歌わせたりすることは可能ではありましたが、すべての操作をMIDIを通じて行わなくてはなりませんでした。

USBからのMIDI入力先のポートをCポートにするかAポートにするかの選択が可能になった

しかし、今回のファームウェアアップデートにより、Aポートの1~5chにも出力できるようになったのです。これにより、たとえば音色の選択であったり、パラメータを調整などをCT-S1000Vのパネル上で行いながら、PCのDAWからMIDIデータで演奏していく……ということが可能になります。

MIDIでのレジストレーション機能の呼び出し

CT-S1000Vにはユーザープリセットに相当する機能としてレジストレーション機能というものがあります。これはインストゥルメント音源でもボーカルシンセシスでも、自分でパラメータを調整した結果を保存できるところであり、Bank1~16にそれぞれ1、2、3、4と計64の音色を保存したり、呼び出したりすることできるようになっています。

トーン、リズム、テンポ、トランスポーズ、エフェクト…といった情報を保存できるレジストレーション機能

しかし、これまでこのレジストレーション機能は、あくまでもCT-S1000Vのパネル上での操作でしか利用できず、USB-MIDIから呼び出すことができませんでした。しかし、今回のファームウェアアップデートでそれが可能になったのです。

CC:0(バンクセレクトMSB)で116、CC:32(バンクセレクトLSB)でレジストレーション番号-1を指定する

具体的にはバンクセレクトのMSBで74H(10進数では116)を送り、LSBで(レジストレーション番号-1)を送った後、なんらかのプログラムチェンジ番号を送ることで、レジストレーションの呼び出しが可能となります。ちなみにレジストレーション番号として送信するのは

(Bank番号-1)+(([1~4のボタンの番号]-1)×4)

で求められる数となっています。

歌詞データなどをUSBメモリからの読み込み機能

そして、もう一つ用意されたのが、スマホアプリであるLyric Creatorとの連携機能の拡充です。iPhone/iPad用、Android用としてそれぞれ用意されているLyric CreatorはCT-S1000Vで歌わせる歌詞を入力したり、歌詞音色を作成したり、複数の歌詞音色のつながり(シーケンス)を設定できるほか、自分の声などをサンプリングして歌声を作成したりできるというCT-S1000Vになくてはならない重要なアプリです。

スマホで歌詞などの入力を可能にしてくれる便利なアプリ、Lyric Creator

このLyric Creatorで作成した歌詞などのデータはスマホとCT-S1000Vを接続して転送する必要がありました。もちろん、この使い方で問題はないのですが、たとえばiPhoneの場合、Lightning-USBアダプタが必須となるほか、microUSBケーブルも必須であったため、もしこれらが手元にこれがないと接続することができませんでした。

「その他へ転送」を選択して、メールやクラウドなどにいったんデータを送る

そこで、今回のファームウェアアップデートでは、もう少し融通が利く形になっています。具体的にはLyric Creatorで作成したデータを転送する際に「楽器へ転送」ではなく、「その他へ転送」を選んだうえで、メールやメッセンジャー、またはGoogle DriveやDropBoxといったストレージに飛ばします。これをUSBメモリにコピーすれば、これをCT-S1000Vから読み込めるようになったのです。

USBメモリーをCT-S1000Vに挿したうえで、メニューから「MEDIA」を選択

この読み込む際はMENUボタンからMEDIAを選択し、LOADを選ぶことで目的のものデータを呼び出すことで読み込むことが可能です。

Lyric Creatorで作成した歌詞をUSBメモリ経由で読み込むことができた

ただ、個人的には歌詞の入力はスマホで行うよりもPCで行うほうが楽なので、ぜひPC用のLyric Creatorも開発してもらいたいなと思うところ。この際、USBメモリ経由でもいいですが、せっかくならPCとのUSB-MIDI接続で転送できてしまうのがベストですね。ぜひ、この辺は今後に対応に期待したいところです。

なお、「江夏と藤本のオトトーク」は4回のダイジェスト編を経て、本日、第31回を公開したところです。この第31回においても、このファームウェアアップデートについて紹介しているので、ぜひ、こちらも併せてごらんください。

【関連情報】
CASIO CT-S1000V製品情報
CT-S1000Vファームウェア・バージョンアップ・ソフトウェア Ver.1.02
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