イマーシブオーディオをNEUMANNスピーカーで体験できる!NEUMANN Surround Studio supported by WOWOW訪問レポート

昨年8月にオープンした、メディア・インテグレーションが運営する東京・渋谷のライブ&イベントスペース、LUSH HUB(ラッシュ・ハブ)。このLUSH HUBの中に、プロ向けのイマーシブオーディオ環境のテストスペースとして、NEUMANN Surround Studioというスペースが構築されていました。これまであくまでプロ用として非公開でしたが、7月末のクローズを前に一般にも公開されるということで、取材してきました。昨今さまざまなところでイマーシブオーディオに関する記事や情報を見るようになりましたが、きちんとセッティングされた環境でイマーシブオーディオを視聴したことがある人は少ないのではないかと思います。

NEUMANN Surround Studio supported by WOWOWは15本のNEUMANN KH 80 DSPモニタースピーカーと、1本のNEUMANN KH 750 DSPサブウーファーを使って、Dolby AtmosAuro-3D、そして360 Reality Audioという異なる3種類の規格を再生できるイマーシブオーディオスペース。そういう意味でも、ほかに類を見ないユニークなオーディオ空間といえます。7月29日までの限定ではありますが、そのイマーシブオーディオスペースを予約すれば誰でも無料で体験できるとのことで、早速訪問してきたので、その様子や予約の方法などをお伝えします。

東京・渋谷でイマーシブオーディオを体験できるスペース、NEUMANN Surround Studio supported by WOWOW

LUSH HUB内Blue Roomに作られた15.1chのイマーシブ・オーディオテスト環境

LUSH HUBについてはDTMステーションで紹介したこともあるのでご存知の方も多いと思いますが、改めて紹介しておきましょう。ここは録音機材などを扱うショップ、Rock oNの地下にある、最先端のテクノロジーが導入されたライブ&イベントスペースです。渋谷駅から原宿駅方面に向かって10分ほど、消防署をすぎて坂を上るとRock oNとLUSH HUBの看板が見えてきます。階段で地下に下りたところにLUSH HUBがあり、ここから先は予約した人のみが入れる形となっています。

渋谷駅から徒歩6~7分のところにあるRock oNとLUSH HUB

配信スタジオスペースを通り抜けると、左手奥にNEUMANN Surround Studio supported by WOWOWのロゴが見えてきます。その階段を上がるとBlue Roomと呼ばれる部屋があり、ここがNEUMANN Surround Studio supported by WOWOWとなっています。

地下に下りるとLUSH HUBがある
NEUMANN Surround Studio supported by WOWOWはNEUMANN(ゼンハイザージャパン)、Rock oN、そしてWOWOWの3社共同プロジェクトで、プロ向けのイマーシブオーディオテスト環境として今年4月にオープンしていたそうです。一般向けに開放されていませんでしたが、より多くの人に体験してもらえればということで期間限定で一般公開することになったとのこと。

奥の階段上にNEUMANN Surround Studio supported by WOWOWのスタジオがある

スタジオの中はオリジナルのアルミフレームが組まれ、オーディオインターフェイス兼モニターコントローラーには柔軟なルーティングに対応したAvid MTRX Studioが採用され、NEUMANN KH 80 DSP15本とNEUMANN KH 750 DSP1本による15.1chのイマーシブオーディオ環境が構築されていました。

15.1chのイマーシブオーディオ環境が構築されている

NEUMANN KH 80 DSPとKH 750 DSPは「自宅をレコーディングスタジオに作り変えるNEUMANNのモニタースピーカー、KH 80 DSPのキャリブレーションを試してみた」、「DSPとLAN端子を搭載し、iPadで調整できるNEUMANNの小型モニタースピーカー、KH 80 DSPの威力」といった記事で何度か取り上げていましたが、優れた音響特性を持ち、DSPを搭載しているNEUMANNの最新モニタースピーカー。

特にKH 80 DSPは4インチウーファーということで自宅などの小型環境に適したイメージがありますが、イマーシブオーディオ環境の構築にも活用できるようですね。

ProTools MTRX Studioなどの機器を使って15.1chのシステムが構築されている
システムはDolby Atmos/Auro-3D/360 Reality Audioに対応しており、持参したコンテンツを15.1chのイマーシブオーディオ環境で体験することが可能です。

NEUMANN Surround Studio supported by WOWOWのシステム構成図

コンセプトやシステムに関する簡単な説明を聞いた後はイマーシブオーディオ体験へ。セッティングや再生操作などはスタッフが行ってくれますので、特に知識がなくても気にせず体験することができますよ。

今回のシステムについて説明してくれたゼンハイザージャパンの鈴木雅彦さん

イマーシブオーディオは興味はあるもののなかなか体験することができず、興味が募っていた人も多いはず。実際に聞いてみると、スピーカーから音が出ているというよりも、自分を取り囲む空間から聴えるリアリティあふれる音に驚きます。持参したコンテンツの他、Dolby Atmosのトレーラー(テスト用のサンプルコンテンツ)を聴かせてもらうことができ、自分の周りを動く音や空間から聴こえる音に圧倒されました。

360 Reality Audioの再生にも対応している。画面は360 RAサウンドを作るためのプラグイン360WalkMix Creator

コンテンツについては予めインターネット等で購入しておくのが良いと思いますが、近くにタワーレコードもありますので、行く時に購入してみても良さそうです。

渋谷駅からLUSH HUBへ向かうの途中にあるタワーレコード

Dolby Atmos対応コンテンツ例
Official髭男dism ONLINE LIVE 2020 – Arena Travelers –

無観客で行われた「Official髭男dism ONLINE LIVE 2020 -Arena Travelers-」の様子を収めたLIVE Bru-ray。収録フォーマットにDolby Atmosが採用され、レコーディング・エンジニアの古賀健一氏が手がけた作品として注目を集めています。

アビイ・ロード【50周年記念スーパー・デラックス・エディション】(完全生産限定盤)

ザ・ビートルズが最後のアルバムと言われる「アビィ・ロード」のリリースから50周年を記念してリリースされた3枚のCDと1枚のBlu-rayによる「50周年記念スーパー・デラックス・エディション」。Dolby Atmosフォーマットでリミックスされたサウンドは、まるでザ・ビートルズがその場で演奏しているようだと注目を集める作品です。

Rock oNオリジナルのフレームとKH 80 DSP

ここでNEUMANN Surround Studio supported by WOWOWの環境についてもう少し紹介しておきましょう。

イマーシブオーディオ環境の構築では特に上部のスピーカー(ハイトスピーカー)の配置に苦労するとの声が聞かれます。スタジオではRock oNが独自に制作したアルミフレームにKH 80 DSPが取り付けられていて、イマーシブオーディオ環境を構築したい人には大変参考になると思います。また、水平位置のKH 80 DSPはマイクスタンドとオプションのアングルを用いて設置されています。

オリジナルのフレームに取り付けられたハイトスピーカー

フロントのスクリーンは音が透過するサウンドスクリーンが採用されており、フロント側のスピーカーはサウンドスクリーンの後ろに上3本、水平位置に3本、下に2本のKH 80 DSPが設置されています。

音フロントにはプロジェクターを投影するスクリーンがあるが音を透過するサウンドスクリーンになっている

スクリーンが音に影響しそうですが、聞いてみると気になるほどの影響は感じられませんでした。

サウンドスクリーンを上げると背後にあったスピーカーが現れる
一方、床面にはサブウーファーKH 750 DSPが設置されています。これによって重低音が出るようになっているのです。

床置きのスピーカーとKH 750 DSPサブウーファー

アルミフレームの構築も含めてRock oNではイマーシブオーディオ環境の構築を受け付けてくれるそうなので、訪問しつつ環境構築の相談をしてみるのもいいかもしれませんね。

 

また、WOWOW エグゼクティブ・クリエイターである入交英雄さんからのコメントもいただいたので、紹介します。


WOWOWの入交英雄さん

WOWOWでは、「感動を伝える」を合言葉に映像・音声品質の高度化に注力しています。音声分野では、ハイレゾや3Dオーディオによる臨場感がコンテンツの伝える力を増幅します。
ωプレイヤーは、その力を実証するために開発したアプリで、素直な音場を表現できるノイマンのスピーカを用いた3Dオーディオ環境で聴いていただけますと、存分にイマーシブオーディオの魅力が堪能できます。ぜひともヘッドホンでは窺い知れない音の世界をご体験ください。

WOWOW エグゼクティブ・クリエイター 入交英雄

入場は無料だが必予約、申し込みは専用ページから

このようにイマーシブオーディオに興味がある人にとってはこの上ないチャンスとも言えるイベントですが、期間限定の開催となっており、2022年7月29までの開催となっています。費用はかかりませんが予約が必要ですので、興味がある人はお早めにLUSH HUBの特設ページから予約、問い合わせをしてみてください。尚、特設ページ以外からの問い合わせでは対応できないことがあるそうですので、必ず特設ページから問い合わせるようにしてください。ぜひこの機会にイマーシブオーディオを体験してみてはいかがでしょうか。

NEUMANN Surround Studio supported by WOWOW情報

開催期間:7月1日~7月29日(土日、祝祭日を除く平日)*
開催時間:昼12時~夕方18時*(なお7月29日は16時まで)
開催場所:LUSH HUB Blue Room
東京都渋谷区神南 1-8-18 クオリア神南フラッツ B1F (Rock oN Companyの地下です)
入場方法:完全予約制。下記予約ページからお申込み下さい。

特設ページ:https://www.miroc.co.jp/rock-on/neumann-surround-studio/
*開催期間/時間は予告なく変更させれる場合があります

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【価格チェック&購入】
◎Rock oN ⇒ KH 80 DSP(黒:ペア) , KH 750 DSP
◎宮地楽器 ⇒ KH 80 DSP(黒:ペア) KH 80 DSP(白:ペア) , KH 750 DSP
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Commentsこの記事についたコメント

3件のコメント
  • mozo

    配線図でAVR-X4700HKからPro Tools MTRX Studioへはどうやって接続しているのでしょうか?。
    AVR-X4700HKでHDMIを変換してRCA出力を無理やりXLRコネクタに変換してXRL→Dsub25ピンのケーブルで接続してPro Tools NTRX Studioのプリアンプで入力レベルを上げているという意味でしょうか?。
    もしくはRCAをXRLに変換する専用の機材を挟んでいるのでしょうか?。
    またiMacとAVR-X4700HKがHDMIで繋ぐことができるのでしょうか?。
    だとしたら何をするために繋いでいるのでしょうか?

    2022年7月15日 8:23 AM
  • mozo

    ACV-X4700HKからPro Tools MTRX Studioへはどうやって接続しているのでしょうか?
    ACV-X4700HKからRCA出力をコネクタで無理やりXLRに変換して、XLR→Dsub25ピンケーブルでPro Tools MTRX Studioへ入力して内臓プリアンプで入力信号のレベルを上げているという意味でしょうか?
    それとも何か専用機材でRCAからXLRレベルに変換させて接続しているのでしょうか?
    またACV-X4700HKとiMacをHDMI接続している意味はなんでしょうか?。
    どちらかの信号をどちらかが受取りコントロールできる(もしくはモニター用途)等をしているということでしょうか?

    2022年7月15日 8:36 AM
  • 鈴木雅彦

    AVR-X4700HKのアナログ出力をRCA PIN – XLR変換ケーブルを経てMTRX Studioのアナログ入力に接続しています。

    2022年8月13日 10:18 AM

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